第1回ブルースフェスティバル

ロバート・ジュニア・ロックウッド&エイシズを見た!

1974.11.25
いつものように、大学のつまらない授業を受けたわたしと友人の小原氏は、郵便貯金ホールへ向かった。
今日は初日だ。記念すべき本物のブルースが聴ける。とにかく行ってみよう。
そう、とにかく・・チケットはまだ購入していなかった。当日券が当然あると思いこんでいた。
A席2500円、B席2000円、C席1500円、われわれの目当てはC席1500円の当日券。
後から聞いた話では、前売りは1500円から売れていったらしい。みんな考えることは同じだ。
本音は3000円も出して見るのはもったいないよなとか、我々のように当日券があると
見込んだ連中が多かったのではないか。
少し早めに郵便貯金ホールへ到着。さっそく当日券売場へ・・・・・・ナント・ナント
窓口に当日券2500円の表示!!  二人の所持金合わせて4000円弱・・金がない、どうする・・
ここまで来たら何がなんでも見るぞ!今日は初日だ。誰か知った顔が絶対に現れるはずだ。
そうこうしているうちに開場時間になり、前売りを持っている人が会場内へ入っていく。
我々は目を皿のようにして人の流れを見つめる。逃がさねえぞ。早く誰か来い!
やがて、来たー!お金が来た。ジューク・ジョイント・ブルースバンドの山室さんが・・・・
いつものように、にこやかに「やあー君たちも来たの」という感じで会釈をする山室さん。
そこへハイエナ状態の我々2人が襲いかかる。「金がないんです。2人合わせて4000円しか・・
貸して下さい、必ず返します! お願いです。」言葉は丁寧ですが、その迫力は有無を言わせない
迫力があったと今でも思います。ユスリ・タカリです。山室さんは財布から2000円を我々に渡し
無言で会場内へ消えていきました。やったーもちろん後日、キチンとお返したことは言うま
でもありません。
当日券を買って我々の意気揚々と入場します。ステージ正面のまん中よりちょっと後ろの良い席
ではありませんか。山室さんありがとう!

着席してすぐ開演です。スリーピー・ジョン・エステスとハミ−・ニクソンの登場です。
盲目で70過ぎのエステスの声に張りがあるのにビックリ!退屈するかなと危惧していましたけど
そんなことはありませんでした。今は二人とも故人ですが、その姿は目に焼きついています。

そして、第二部の始まりです。
まずはエイシズだけで登場。2−3曲演奏してロバートが登場します。そのギターからは驚くほど
モダンな音が溢れ出てきます。年令59歳のブルースマンの粋なこと。スト−ミ−マンデイはこうやる
んだよと教えられました。そして、エイシズの巧みなこと。特にドラムのフレッド・ビロウの太鼓は
絶品です。この後、みんながビロウの真似をして両手シャッフルに励みました。
だんだんとルイス・マイヤーズが前に出てきました。ルイス&ヒズバンドになってしまいました。
ロバートは黙々とサイドギターに徹しています。それをいいことにルイス乗りまくる!ハープを
吹きまくり、歌い続けます。止まらないルイス・マイヤーズのワンマンショーです。
結局、初日はそのまま終わってしまいました。

なんだかんだで、本物のブルースを体験した私はこの後ブルースの世界に完全にハマッテしまいます。
色々なコンサートを見ましたが、自分に大きな影響を与えられたコンサートの1つです。

当時のお知らせ(キタネエー)と代表アルバム等


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