勧められて聴いてみる JAZZ CD
ジャズの参考書籍に掲載されたCDを試聴/買ってみた評価
□未聴/★素晴らしい/●気に入った/▲微妙/×気に入らなかった
※本の推薦要旨
▼私の感想
- 目次 -
ジャズを読む事典(富澤えいち)
挫折し続ける初心者のための最後のジャズ入門(中山康樹/幻冬舎新書)
ジャズCDの名盤(文春新書)
ジャズを読む事典(富澤えいち/生活人新書(NHK出版))
著者は専門誌「ジャズライフ」のメインライター
- 21世紀のキーパーソン
- □ g パットメセニー/ブライト・サイズ・ライフ ※環境音楽 ▼
- □ g パットメセニー/ウィチタ・フォールズ ※▼
- □ ts マイケル・ブレッカー/テイルズ・フロム・ハドソン ※メロディーじっくり▼
- □ ts マイケル・ブレッカー/ヘヴィ・メタル・ビバップ ※ブリブリNYフュージョン▼
- ▲ p キースジャレット/ザ・ケルン・コンサート ※ソロの即興▼美しいけれど思索的
- □ p キースジャレット/スタンダーズvol.1 ※▼
- × sax キャンディー・ダルファー/サックス・ア・ゴー・ゴー ※ストレートなファンク▼期待したほど楽しくない
- × sax キャンディー・ダルファー/ダルファー・ダルファー ※親子でノリノリ▼なんかハジケル物が足りない
- □ p チック・コリア/ライト・アズ・ア・フェザー ※ロマンチックで内省的▼
- □ p チック・コリア/チェンジ ※混沌とした難しさの中のジャズっぽさ▼
- □ p ハービー・ハンコック/ザ・ニュー・スタンダード ※過去の遺産の再構築▼
- □ p ハービー・ハンコック/スピーク・ライク・ア・チャイルド ※美しさを堪能できる▼
- □ b マーカス・ミラー/M2〜パワー・アンド・グレイス ※ジャズへのリスペクト▼
- □ b マーカス・ミラー/ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン(マイルス・デイビス) ※▼
- □ band MM&M/イッツ・ア・ジャングル・イン・ヒア※▼
- □ band MM&M/トニック ※▼
- □ band ソウライヴ/ターン・イット・アウト ※▼
- □ band ソウライヴ/ライヴ! ※▼
- □ p ブラッド・メルドー/アメリカン・ドリームス※▼
- □ p ブラッド・メルドー/ラーゴ※▼
- □ jband ペズ/おどらにゃそんそん※生きているジャズ▼
- □ jband ペズ/PE'S COLOR vol.1 ※リミックスもの▼
- □ vo. 綾戸智絵/ベスト※初期5年のおさらい▼
- □ vo. 綾戸智絵/TIME※アメリカのコアと交わり▼
- × sax 渡辺貞夫/ホイール・オブ・ライフ※▼ナベサダのポップなイメージとはちょっと違うかも
- □ sax 渡辺貞夫/カリフォルニア・シャワー※ジャズの世界遺産▼
- × p 大野雄二/ルパンザサードジャズ[プレイズザスタンダーズ] ※▼どうせならルパンそのものが聴きたいと思ってしまう
- □ p 大野雄二/TV Jazz ※▼
- ▲ g 渡辺香津美/ワン・フォー・オール ※▼思ったより静かな曲が多い。クール系
- □ g 渡辺香津美/ビヨンド・ザ・インティニット ※▼
- □ vo ケイコ・リー/ライヴ1999※現在のジャズを歌える▼
- □ vo ケイコ・リー/ヴォイセズ〜ベスト・オブ…※クイーンの曲を多重録音▼
- □ vn 寺井尚子/ベスト※ジャズの大御所が認める弓さばき▼
- □ vn 寺井尚子/ライヴ※2000年▼
- □ p 松居慶子/ライヴ・イン・トーキョー※スムースジャズの女王▼
- □ p 松居慶子/ワイルドフラワー※スムースジャズの女王▼
- □ vo 小林桂/ソーナイス※ミスティ▼
- □ vo 小林桂/ネイチャー・ボーイ※▼
- □ p 松永貴志/TAKASHI ※変拍子早弾き▼
- □ p 松永貴志/トゥデイ ※ジャズの流れを変える▼
- ジャズジャイアンツ列伝
- □ tp ルイ・アームストロング/この素晴らしき世界 ※▼
- □ ベニー・グッドマン/ベスト・オブ・ベニーグッドマン ※いまも現役の名曲たち▼
- □ デューク・エリントン/A列車で行こう ※代表作を集めたベスト盤▼
- □ vo ビリー・ホリデー/奇妙な果実 ※▼
- □ as チャーリー・パーカー/ナウズ・ザ・タイム ※ビバップのアイディアを体系化した▼
- □ p バド・パウエル/ザ・シーン・チェンジズ ※モダンジャズの代表作▼
- □ tp マイルス・デイヴィス/ラウンド・アバウト・ミッドナイト ※これがマイルスの黄金期▼
- □ ts ジョン・コルトレーン/ジャイアント・ステップス ※タイトル曲は後のsax奏者が克服しなければならない超難関課題曲に▼
- □ g ウェス・モンゴメリー/ア・ディ・イン・ザ・ライフ ※男っぽいギター▼
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□ p オスカー・ピーターソン/オスカー・ピーターソンの世界 ※圧倒と言う言葉のほかなにも浮かばない▼
- □ ds アート・ブレイキー/モーニン ※ジャズのパワーが凝縮されている▼
- □ ts ソニー・ロリンズ/ラヴ・アット・ファースト・サイト ※ジャズを逸脱している▼
- □ p ビル・エヴァンス/アフィニティ ※耽美的▼
- □ p ビル・エヴァンス/ポートレイト・イン・ジャズ ※ピアノジャズの美学を追求▼
- □ セロニアス・モンク/マイルス・デイビス・アンド・ザ・モダン・ジャズ・ジャイアンツ ※クリスマスの喧嘩セッション▼
- □ オーネット・コールマン/ソングX ※ジャズの革新者▼
- □ fl ハービー・マン/メンフィス・アンダーグラウンド ※ジャズ・ロックの潮流を作ったルーツ▼
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□ クインシー・ジョーンズ/愛のコリーダ※▼
- □ b チャールズ・ミンガス/直立猿人 ※音楽で怒りを表現した▼
- □ b ジャコ・パトリアス/ジャコ・パトリアスの肖像 ※ベースギターの歴史を塗り替えた技法と表現力▼
- □ p ミシェル・ペトルチアーニ/ライヴ・アット・ブルーノート東京 ※情感溢れるサウンド、彼はピアノの化身だ▼
挫折し続ける初心者のための最後のジャズ入門(中山康樹/幻冬舎新書)
著者は、元「スイングジャーナル」の編集長で、これまでも多数の
「ジャズ入門書」さらには「最入門書」を書いている。
この本のタイトルはなかなか刺激的だが、そういう著者が「最後のジャズ入門書」
として書いたものだ。
この本の類書に見られない「特異」なところは、全紙幅の半分以上を使って
「初心者は何故ジャズに挫折するか」を論考していることだ。
結論を言えば、著者は「ジャズを聴くことは闘いだ。浅く広く聴いただけ
では意味が無い。好き嫌いのたんなる感情を乗り越えて突き詰めた先にジャズ
を聴く意味がある。」と断言している。
従来の「名曲ガイド」は実はジャズを聴き始めてしばらく経った人向けで
初心者の為にはならないし、「全集ボックス版」や「オムニバス版」では
ジャズを理解する役には立たないと主張する。
つまり、ジャズに取り組む為には最初から「頂点」にぶつかるべきで、
これを繰り返し聴き込む事。
「入門用」として推薦されるアルバムをいくつも買いこんでも、BGMにしかならない。
…という著者が後半で「これが分らなかったらジャズを聴くのは止めで他の
楽しみを探したほうが良い」とまで言うアルバムは、私がこれまでに買い込んだ
「銘盤紹介本」とはほとんどかぶっていないのが、とがっていて感動した。
著者が「最上にして最良のジャズ」として提示するのが、
マイルス・デイヴィス/イン・ア・サイレント・ウェイ
ビル・エヴァンス/ホワッツ・ニュー
の二枚。
マイルスは「音楽のジャンルや個人的嗜好にかかわらず、知的音楽生活に必要不可欠
な存在が『マイルス・デイヴィス』であり、この『イン・ア・サイレント・ウェイ』
というアルバムであるといっても過言で無い」とまでいう。
ビル・エヴァンスは前章で「入門用としてお薦めさることの多いCD」の代表として
『ワルツ・フォー・デビー』が紹介されている(私も持っている)。でも、これは
典型的なピアノによるジャズでありながら理解するまでにはかなりの忍耐力を要し、
表面的な美しさで満足して進歩が止まってしまう可能性のあるCDとされている。
で同じビル・エヴァンスの『ホワッツ・ニュー』は、聴き所がはっきりしていて
親しみ易いと。
このあとさらに、マイルス5枚、ビル・エヴァンス5枚と紹介は続くが、
「聴きこむごとに新たな発見がある」という価値観で紹介されていて、
好奇心をそそる。
というわけで、ジャズを聴く動機として「かっこいいBGM用途」では無く、
音楽と向き合って知的な好奇心を満たしたいとい「熱意」のある人にとっては、
この本の主張することは、今まで隠されていた扉を開いてくれそうな、
そんな迫力を帯びている。
- ジャズ道入門の心がまえ
- ジャズにまつわる誤解と偏見
- 体験的ジャズ初心者の憂鬱 (挫折・熟睡・落胆)
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□ t マイルス・デイヴィス/カインド・オブ・ブルー※ジャズ初心者のための踏み絵。初心者が実際に聴いて抱くであろう失望感はとてつもなく大きいが「ソー・ホワット」だけ10回は繰り返し聞け▼
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★ p ビル・エヴァンス/ワルツ・フォー・デビー※初心者にとって熟睡は避けられない。眠れないほどの音量で楽器の音を追うように聴け▼
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□ デイヴ・ブルーベック/タイムアウト※テイク・ファイブ目当て…ドラマーをフィーチャーした曲でCMで聞くメロディーは一瞬。くじけず立ち向かえ▼
- ジャズ道入門 心得編
- ジャズ道入門 予習編
- ジャズ道入門 実践編
最高のジャズはこの二枚から
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□ マイルス・デイヴィス/イン・ア・サイレント・ウェイ※音楽のジャンルや個人的嗜好にかかわらず、知的音楽生活に必要不可欠な存在▼
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□ ビル・エヴァンス/ホワッツ・ニュー※聴き所がはっきりしていて親しみ易い▼
マイルス・デイヴィス〜知的音楽生活へのパスポート
- □ マイルス・デイヴィス/ネフェルティティ※クールネス。ジャズがもっとも知的に昇華され、創造性の頂点を迎えた▼
- □ マイルス・デイヴィス/ビッチェズ・ブリュー※マイルスのオーガナイザーとしての存在感の極北。tpソロも前人未到▼
- □ マイルス・デイヴィス/オン・ザ・コーナー※クラブ世代にまで浸透。後頭部を叩きつけるような強烈なビート▼
- □ マイルス・デイヴィス/TUTU※クールにしてヒップ。知的なコンテンポラリー・ミュージックを代表する▼
- □ マイルス・デイヴィス/ドゥ・バップ※最晩年の一枚。前進に継ぐ前進の軌跡▼
ビル・エヴァンス〜知的なジャズ・ピアノ
- □ ビル・エヴァンス/エクスプロレイションズ※1960年代初期のベスト。ピアノトリオの最高峰▼
- □ ビル・エヴァンス/ハウ・マイ・ハート・シングス※知的。もっとも聴き易い一枚▼
- □ ビル・エヴァンス/トリオ'65※アップテンポで、リリカルで繊細。最も入り易い一枚▼
- □ ビル・エヴァンス/ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング※音楽による痛いほどの美▼
- □ ビル・エヴァンス/パリ・コンサート・エディション1&2※最晩年に発揮された刹那的な美に感動▼
ブルーノート〜ジャズを「知」で切り取る
- □ p ホレス・パーラン/アス・スリー※ジャズの聖典▼
- □ Dr アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ/チュニジアの夜※火を噴くような熱狂的なソロの応酬と細部まで練りこまれたアレンジの妙▼
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ECM
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- 音楽に罪をなすりつけてはならない
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ジャズCDの名盤(文春新書)
著者:
・悠 雅彦(1937生まれ。ジャズシンガーとして活動後評論活動)
・福島 哲雄(1943生まれ。EMCレーベルマネージャー、製作部長を歴任)
・稲岡 邦弥(1949生まれ。1972池袋でジャズ・ルーム『渋谷メアリー・ジェーン』を開業)
ジャズ100年の歴史から100傑を選出し、アーチストの生年ごとに名盤を選出していくという、
まさに辞典的アプローチの一冊。
つまり「まったくの初心者」には向かない。何年か聞き込んだ初心者が新展開を求めるため開く本。
おしまい
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