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カール・セーガンの思考キット


 カール・セーガン最後の著書「人はなぜエセ科学にだまされるのか」に紹介された、思考の方法の要約 です。
 高額のトンデモ・アクセサリーが多いオーディオの世界を自分の目で見極めるために、科学的思考を 身につけましょう。

懐疑的思考の道具

●裏付けを取れ
●議論のまな板に載せろ
●権威主義に陥るな
 権威はこれまでも過ちを犯してきた。これからも間違えるだろう。
●仮説は複数立てろ
●身びいきをするな
●定量化しろ
 尺度があって数値化されれば複数の仮説の中から正解を導くことができる。
●弱点をたたき出せ
 論証が鎖のようにつながっていたら、全ての鎖の輪が完全であること
●オッカムのかみそり
 データを同じくらいうまく説明する仮説があるなら、より簡単なほうを選べ
●反証可能性
 少なくとも原理的に反証可能かを問うこと。原理的に反証不可能な論理には無価値なものが多い。

実験のやり方

●対照実験をしろ
 プラシボ効果で無いこと
●変数を分離しろ
●二重盲検法を使え
 どれかの結果を期待している人が、そちらに肩入れするのを防ぐ

議論の論理的落とし穴

●対人論証
 議論の内容で無く相手を攻撃すること
●権威主義
●「そうじゃないと具合が悪い」式論証
●無知に訴える
 虚偽だと証明されないものは真実だ、あるいは真実だと証明されないものは虚偽だという主張
 「証拠の不在は、不在の証拠にあらず」
●特別訴答
 「手前勝手な議論」苦し紛れ
●論点回避
 答えが最初から決まっている(証拠が無い)
●観測結果の選り好み
 都合のいい場合ばかりを数える。
●少数の統計
 「観測結果の選り好み」の親戚。そもそも母集団に偏りがあるなど
●統計の誤解
 アメリカ人の半数は平均以下の知能しかない、とか
●無定見
●前提とつながらない不合理な結論を出す
 「関係の無い話をする」→神は偉大であるからわが国は栄える、など
●因果関係のこじつけ
 ○○をやったら××になった。ゆえに○○は××の原因である
●無意味な問い
 いわゆる矛盾の故事
●真ん中の排除
 「虚偽の二分法」中間の可能性もあるのに、両極端しか考えない
●短期と長期の混同
●危険な坂道
 「ブレーキが利かない」いったん○○を許せば、××になるであろう
●相関と因果関係の混同
●わら人形
 「架空の論敵に吠える」
●証拠隠し
 真理の反面しか語らない
●故意に意味をぼかす
 「逃げ口上」ともいう。言葉の言い換え。

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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!