映画館がやってきた! |
タイトル | メーカー | 製作/ 発売 | 画 質 | コメント | |
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トルゥー・ライズ | LHT/HER | 94/99 | LB | △ | 解像度低くビデオ的。くすんだ色 |
エリザベス | PLG/HER | 98/00 | SQ | × | 冒頭でコンポジットマスターによるドット妨害。黒浮き。くすんだ色 |
ニキータ | GAU/JVC | 90/97 | SQ | △ | 赤にじみ/ずれ,ハイCont.輪郭強調強い。黄が強い |
レオン(完全版) | GAU/JVC | 94/97 | SQ | △ | BN多,冒頭赤の色ずれ有り,第一印象は綺麗だが、輪郭補正強い |
フィフス・エレメント | GAU/JVC | 97/98 | SQ | ★ | フィルム汚れ有,電気的輪郭,Cont強く白飛び有るが発色良い、黄強い |
ロスト・イン・スペース | NL/JVC | 98/99 | SQ | ○ | ハイCont.輪郭補正強い。黄色が強い。 |
タイタニック | FOX/FOX | 97/99 | LB | ○ | 解像度はLBにしては良,クリアで明るい,BN少ない。しかしハイライト/暗部の階調がやや不自然 |
アビス | FOX/PC | 89/98 | LB | × | BN多,発色悪い |
ムトゥ・踊るマハラジャ | -/PC | 95/99 | SQ | ○ | 色がくすんでいるが、しっかりした画質 |
TAXi | CAN/PC | 97/99 | SQ | ○ | 技術はJVC。JVC共通の電気的画質 |
中島みゆき 夜会Vol.10 | PC/PC | 98/99 | SQ | △ | ハイビジョンカメラ収録SQ版で期待したが、ほぼ全編ピンボケ。 |
私をスキーに連れてって | -/PC | 87/00 | SQ | ○ | 雪のゲレンデの白が美しく、ハイコントラストで気持ちの良い仕上がり。BNもわずか。 |
エヴンゲリオンVol.1 | GAI/PDC | 95/97 | STD | × | 再生レート高いのにBN多,画ががくがく揺れて大画面だと吐きそう |
緑の街 | -/PDC | 97/99 | SQ | XX | 白ハイライトがピンクに染まり調整不能(PDCIは監督の意向と回答)。 BNだらけで、がさがさの質感。常に二線ボケ。SQよりLBモードの方がマシ。 |
ターミネーター2 | CAL/PLD | 91/97 | SQ | △ | THX,ハイCont.フィルム粒子強くBNも多く解像感低い |
ATLANTIS | GAU/PLD | 91/99 | SQ | ○ | 青が綺麗。普通 |
イージー・ライダー | COL/SPE | 69/99 | SQ | ○ | フィルムの粒子が粗いが、DVDとしては良 |
ゴースト・バスターズ1/2 | COL/SPE | 84/99 | SQ | ○ | Cont弱いが、ノイズ感は無い |
レ・ミゼラブル | COL/SPE | 98/99 | SQ | ○ | 滑らかで解像度が高いが、そもそも暗くて寒い色合い。青い |
8mm | COL/SPE | 99/99 | SQ | ○ | 全体に暗いが、明るいシーンはクリアで印象的 |
デスペラード | SPE/SPE | 95/97 | SQ | △ | BNは有るがまあまあ見られる |
ジュマンジ | TRI/SPE | 95/97 | SQ | △ | ややくすんで色が薄い |
マスク・オブ・ゾロ | TRI/SPE | 98/99 | SQ | ○ | 普通。難点はないが特に鮮やかでもない |
恋におちたシェイクスピア | UNV/SPE | 98/99 | SQ | ★ | 色乗良く豪華。Cont.高いがハイライトも落ち着いている。 |
アポロ13 | UNV/SPE | - /99 | SQ | ○ | 蛍光灯照明が多いので色彩は地味だが、質感良好 |
ライフ・イズ・ビューティフル | MIR/TDF | 97/99 | SQ | ★ | ビデオ的強調感が無く自然な画調。映画らしい。 |
RONIN | MGM/WB | 98/99 | SQ | △ | コントラストが弱くくすんでいる。解像度は十分 |
シティ・オブ・エンジェル | REG/WB | 98/99 | SQ | ○ | 発色はよいが、輪郭の強調感がありチリチリする |
マトリックス | VRP/WB | 99/00 | SQ | ○ | 暗い映画だが、解像感が高くノイズも少ない。 |
メーカー記号:
小田和正監督の『緑の街』は、本編の白ピークがピンクに染まるという普通では
考えられない色合いで、メイキングの同じシーンの映像の色合いが正常であること
を考えると、明らかに何らかの手違いだとしか考えられない。
また、全画面をがさがさしたブロックノイズが覆っており、オープニングの
緑の梢からしてザラザラ。ボケ具合を良く見ていると、縦方向に1ライン滲んで
いるようにも思える。
そんな原因で、プロジェクターのシャープネス最低、色の濃さを白黒寸前に
するような工夫をしないと、この不自然さが苦痛で、見ていられない。
私の送った画質に対する質問メールには「監督がOKを出した作品だから」
という返事を送ってきた同社だけれど、昨年の夏以降、それまであったPDCIの
ホームページ自体消滅してしまい、表舞台に名前を出さなくなったことがまた、
不信感を募らせる要因でもある。
少なくともおまけのメイキングより酷い本編の画質にOKを出す監督が本当に
居るのか、私は不審を隠せない。小さな業務用モニターでチェックさせてOKを
取ったのだとしたら、監督の名誉にとっても不幸だろう。
SPEの99年の製品の傾向は、どの作品もコントラストが控えめで、フィルムに
記録された階調は全て見せるというアプローチ。電気的な輪郭補正も
恐らく無い。もちろんブロックノイズもまず分からない。プロジェクターによる
大画面鑑賞を意識した作りと思える。
ただし、コントラストが弱いために「暗くてぼーっとした絵」と見える
可能性もあるので、プロジェクターの調整は作品ごとに、メリハリを
引き出す必要があるだろう。
ちなみにユニバ/SPEの作品は、映画の最後にPDSI(パナソニック・デジタル・サービス)とかいう
クレジットが入っており、技術的にはこの米国会社が担当しているらしい。要チェック。
文:唐澤 清彦 | 映画館がやってきた! |