安直、プロジェクターの迷光対策

〜 スクリーンの性質と迷光 〜

 迷光は、部屋がほんのり明るくなって煩わしいと言うことと、スクリーン自体
を照らして黒が締まらなくなるという二つの害があります。

 わが家では現在、液晶プロジェクター(SONY CPJ-200 18万画素、単板式)を
白いロールカーテンを代用スクリーンとして使用しています。
 部屋を真っ暗にしないと見えない程度の光出力ですが、明るいシーンでは逆に
プロジェクターの光で部屋が明るくなります。
 スクリーンからの反射「迷光」が、邪魔をしている状態になっているわけです。

●スクリーンの性質について

 迷光対策には、スクリーンそのものの性質も関わってきます。  スクリーンは次のような種類があり、それぞれ異なった性質を持っています。 1.ホワイト(マット)     つや消しの白い面で、入射光を180度拡散する。どの角度から見ても同     じ明るさ。 2.ビーズ     表面に細かなビーズが埋め込まれて、入射光が元来た方向に戻っていく。     したがって、プロジェクタの背後で見るときが一番明るい。 3.パール     表面がパール印刷(何のこっちゃ?)。入射光が反対に反射する。つまりは     鏡のような関係。天井につるしたプロジェクタを、床に座ってみるとき     に最適  これを、迷光の観点から見れば、「ホワイト」は、プロジェクタから出た光が 壁に反射し、壁からスクリーンに戻った光がまた人間の目に届く。すなわち画面 が明るくなる。のに対し「ビーズ」は、プロジェクタから出た光は、プロジェク タに戻り壁を照らさない。すなわち迷光が生じない。ということになります。  この「ビーズ」の性質はまた、部屋の中で明かりを付けても、光は明かりに戻 る。すなわちスクリーンが室内の明かりに邪魔されないという効果も生み、 「上映中に酒が飲める」という結果になります(笑)  正面に座ったとき以外は逆に明るさが低下するという弱点はありますが、 ホームシアターにビーズスクリーンは使い勝手が良いと言えます。

●わが家の迷光

 上述のようにわが家では「ロールカーテン」を代用スクリーンにしています。 これは、1のホワイト(マット)スクリーンに相当する特性を持っていますから、 スクリーンが明るくなると、盛大に部屋が明るくなります。  部屋が明るくなれば当然、スクリーン面も白っぽくなってしまいます。(画質 が落ちると言うほどではないですが、鬱陶しい感じ)  スクリーンに関しては、ビーズか最適と分かっているのだから買えばいいの ですが、サイズ的に80インチは寂しいし100インチだとうまくスピーカーの間に 納まらないと言う微妙な状況で、あれこれ考えているのでした。  壁面については、映画館は濃紺、濃い赤、ダークグリーン、濃いグレーなど、 とにかく暗い色をしています。しかし、普通のマンションの部屋は、白から ベージュ系の明るい色の壁をしています。わが家でも壁と天井はオフ・ホワイト、 床はベージュのカーペットで実に明るい。  暗い部屋が良いとは分かっていても、リビングルームを真っ黒にしたり出来る はずがありませんね。一人暮らしだとやってしまう人も居るみたいですが(^^;

●それで、わが家の対策

 床に座って映画を見るとき、視覚的には字幕のある下の部分に視線が集まります。  この状態で天井付近は視野に入っていないことから、取りあえず床に黒い布を引 きました。  これが効果有り。  反射のほとんどは壁と天井からくるのですが、視覚的に邪魔になる床を暗くし たことで画面に集中できるようになりました。  これで、対策費用ゼロ円(^^)v もともとは前のアパートで室内の音の反射を 取り除くために壁にぶら下げていた布地で、ダイエーで買いました。(マルチ カバーという品名でした。しかも見切り特売(笑))  本格的には、空いている壁面に黒カーテンを下げて光を遮るという対策もある わけですが、同居人の許可が出ないようです(^^;; 頭の中で想像するに、結構 かっこいいと思うんですけれどね。使わないときはもちろん開けておけばよいし、 黒はちょっと芸がないですが、濃紺の質感の良い布を選べば結構すてきじゃない でしょうか?  スクリーンの更新とともに、そこまでやれば「安直」から自信作になるんです けどね(^^)

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