映画館がやってきた! | 映画鑑賞記 |
束の間の平和。新造戦艦の完成に伴いヤマトは廃艦間近である。 そこに届いた宇宙からの警告。敵は白色彗星帝国。 |
しかし、今回ひさしぶりに見て感じたのは「アクションの遅さ」でした。
もっともテンションの高いはずの戦闘シーンなどでも今のアニメーションの水準からすると
特殊効果のスローモーションかと思うほどの動きの遅さ。
これは何故なのかと考えてみたら、動画枚数が少ないので、早い動きは絵が飛んで
しまって書くことが出来ないという事情だったのではないかと、思うのでした。時代が
変わったんですね…。
因に本作は全体的に 8コマ/秒。銀河鉄道999は 8,12コマ/秒、背景のスクロールは、
24コマ/秒などをカット毎に使い分けているようです。
最近のアニメを代表する「もののけ姫」では標準が12コマ/秒。アクションシーンは
24コマ/秒でした。もちろん、タタリ神のうにうにもフルアニメーションしています。
宇宙の果てから「人間の脳だけを破壊する」という重核子爆弾が打ち込まれる。 ヤマトのメンバーが再び集まり、敵の母星にあるコントローラーを破壊しに旅立つ。 敵の惑星に着いたつもりが、出てきた人間の話によれば、ここは未来の地球だという。 そこで「過去の歴史としてのヤマトの最後」のビデオを見せられ、ヤマトの諸君は絶望する。 しかしそれは、「敵の母星の地質が波動砲に弱い」という弱点を隠し、ヤマトを追い返すための カモフラージュだった。 何だかんだあって、事実に気付き敵母星を攻撃、壊滅させるヤマトだが、いつも通り敵は二重構造に なっており、固い芯(惑星の人工核)が残る。これを破壊するためには中に進入して波動砲を撃つしかない。 たまたま敵惑星に残っていたサーシャ(じつは前作でスターシャと古代守(進の兄)の間に出来た 子供で一年で成長)が手引きをして進入に成功し、サーシャもろとも波動砲で吹き飛ばす。そして、 サーシャの霊体はスターシャの元に返っていく。 |
突然異次元から現れた銀河が、我々の銀河系を浸食する。 この異次元の銀河の出現星域にガミラス星があったため、ヤマトは お見舞いに出かけるがデスラーパレスはすでに廃墟だった。 白いバラの花など投げて帰還の途につくヤマトを異次元の銀河が襲い、 ヤマトは無差別ワープで脱出する。 ところが、脱出した空間には洪水の荒れ狂う惑星があり、古代は 自己中心的なヒューマニズムから溺れる者を救うために着水するが、 大波に洗われ逆に大勢の乗組員を失う羽目になる。 救ったのは一人の少年のみ。 帰途につくヤマトを謎の艦隊が襲い、艦に刺さって放射線を吐く ミサイルにやられる。船底の乗組員はミサイルの開けた穴から宇宙空間に 吸い出され、宇宙服着用の命令を出した直後、艦橋にもミサイルが刺さり、 古代は宇宙服を着用するまも無くやられる。 乗組員が全員意識不明に陥ると、ヤマトは自発的に動き出し帰還する。 アナライザーは「ヤマトに命があるのか」と驚いてバラバラに。 (たぶんコンピューターに友の魂が宿っているのだろう) 帰還したヤマトに森雪らが駆けつけると、ミサイルでめちゃくちゃになった 艦橋は綺麗に片づいており、古代はヘルメット無しで放射線と真空に さらされたわりには生き延びる。(実はガミラス星人とのハーフとか?) 古代は乗組員を失った自責の念から辞表を出す。
そのころ宇宙では例の敵が演説。
アクエリアスの接近を知った地球人は、洪水が起きる間避難するため
全員宇宙に出るが、敵の艦隊に封じ込められる。 |
…そういうわけで、「SF設定、豊田有恒」と有る割には
相変わらず海と宇宙を取り違えたまま、盛り上がりが欲しいと幼い子だろうが
どんどん人を殺し、必要とあらば死人も起こし、戦中派の倫理観こてこてで
話は終始するのだった。
それと、冒頭の「異次元の銀河との衝突」は、放っておいて良いのかな〜。
恒例のエンディング歌謡ショーは15分、さらに「完」の一文字のみを一分間。
監督の陶酔がにじみ出ているようで恥ずかしいことこの上ない。
やはり「私たちのヤマト」はTV版第一作と劇場版「さらば…」の二つだけに
絞れてしまうようだ。
とにかく「話がだらけてテンポが悪い」ので、一時間くらいカットして
100分くらいにまとめるべき。家で妻を相手に画面につっこみを入れ合いながら
わいわい見るにはGoodだが、一人で黙って見ると半分行かないうちに寝る(^^;;
あぁ、西崎氏の息のかかっていないヤマトを見てみたい。
ヤマトが物理的には『銀河鉄道999』と同じ宇宙を飛んでいるのであり、この宇宙の
物理法則が成立しないのは認めるとしよう。だが、SF的にめちゃくちゃ
なのは目をつぶるとしても、人として健全な航海をして欲しい。
文:唐澤 清彦 | 映画館がやってきた! |