映画館がやってきた! 映画鑑賞記

ザ・ロック

■DATA (1996年アメリカ,135分)
監督:マイケル・ベイ
出演:ショーン・コネリー,エド・ハリス,ニコラス・ケイジ

Story

 ベトナムから湾岸戦争までを戦い抜いた英雄、ハメル准将(エド・ハリス)は、敵地にて 極秘任務を帯び米国を勝利に導きながら、その任務の極秘性故に、死亡しても闇に葬られ て行ったかつての部下達の恨みを晴らすために、海軍の武器庫から毒ガスミサイルを奪い 出し、今は観光地となっているサンフランシスコ沖の監獄島「ザ・ロック」に立てこもる。
 化学兵器ミサイルの発射を防ぐために、FBIの化学スペシャリスト(ニコラス・ケイジ) を初めとするFBIチームが、かつてただ一人この島からの脱走に成功した英国諜報部員 (ショーン・コネリー)を道案内に、潜入する。

感想

 最初に見かけたDVDの広告を見て「脱出不能の監獄島から逃げる話」と思ったので、 そそられなかったのだが、「義憤に駆られる元英雄」だの「囚われの英国諜報部員 (しかも007/ショーン・コネリー)」だの、「アクションにはまるで自信のない、 理系FBI職員」だの、面白くなりそうな要素てんこ盛り。
 ついでに、ショーン・コネリーの娘役(?)がビバリーヒルズ白書の出演者だとか、 カーチェイスで高い車(フェラーリ)を壊すとか、いじましいほどのサービス精神。
 おまけに、監獄島の地下ではトロッコ・チェイスがあってインディー・ジョーンズ かディズニーのアトラクションかという感じ。
 もと海兵隊 vs FBI&英国情報部員 のプロ同士のアクションも見られる。

 というわけで、アクション自体はお子様ランチ的だが、悪人が絶対悪ではなく 「信念のためにやむなく…」という葛藤や、ショーン・コネリーの父娘の ちょっとした人情話がスパイスに なっていて見せ場を作る。
 別に、難しいことは考えず、「エド・ハリスの真面目な軍人ははまるよな〜」、 「ショーン・コネリーが英国諜報部員なのは良く企画が通ったな〜」、 「ニコラス・ケイジがちょっと優柔不断そうな刑事役というのは、やっぱりはまるな〜」 などなど、キャスティングだけでも笑えるとも言えるが。

 ところでラスト付近。びらん性の毒ガスを使用して、心臓に注射一本打って、 それで防げるものではないと思うんですが、普通。強烈な風が吹いていて、 味方は助かるとか、そういう設定にした方が本当らしかったかも。

●サウンドデザイン
 5.1chを縦横無尽に使って弾が飛んだり爆発したり。ドルデジのデモには楽しい DVDで、お薦めできます。


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!