映画館がやってきた! | 映画鑑賞記 |
殺人罪で刑期を終えた主人公(20歳くらいの女の子)が、インディアンの伝説が
豊富に残る田舎町で再出発しようとやって来る。彼女はお婆さんが一人で切り盛
りする"Spitfire Grill"という小さな食堂で働くことになるが、小さな町の好奇心
を一身に集め、窮屈な暮らしのスタートとなる。 レストランは何年も前から売りに出しているのだが、いっこうに売れないと言う 話を聞いた娘は「作文コンテスト」で一位を取った人に譲る、というアイディアを 出して、全米の新聞に掲載されたとたんに、数千の募集が舞い込み一通100ドルの 申込金も、金庫にぎっしり…となる。
寂れた町に戻ってきた活気とともに、娘もやっと町に受け入れられたかに見えた
が、お婆さんの娘婿だけは執拗に疑いを持ち続け、申込金を持ち逃げするのではな
いかと保安官に相談するのだが… |
それにしても、『この森で天使はバスを降りた』という邦題は良い。
タイトルがイメージを限定しすぎるという一面もあるが、
これが原題の『スピットファイヤー・グリル』というタイトルのカタカナ読み
だったら、確かに内容はこのレストランを中心にして回っているけれど、
レンタルランキングの上位にはいるようなことは決してなかっただろう。
難しい英単語をそのままカタカナ読みさせるだけの邦題が多い最近の傾向だが、
こんなふうにタイトルで心を引かれ、観賞後なるほどと心に収まるようなタイトル
を頑張って付けてもらいたい。
文:唐澤 清彦 | 映画館がやってきた! |