映画館がやってきた! | 映画鑑賞記 |
人類が初めて遭遇する、謎の惑星ソラリス。 その海は人間の脳波を読みとって、追憶を実体化する力を持っていた。 |
この作品は映画と言うよりほとんど「哲学」であって、暗く、地味で、
異常で、内省的。見ているのは辛いと言っても良い。
しかし、
『それが「幻の実体化した物」に過ぎないとしても、過去の過ちで
失った最愛の人間ともう一度出会ったら、人はどう生きるか』という
巨大な問題にまともに取り組んだのは、SFという舞台装置を借りて
こそ、描くことが出来たと言えるだろう。
これは、好きにはなれなくても「一度見たら忘れられない」という
タイプの作品だ。
文:唐澤 清彦 | 映画館がやってきた! |