白雪姫
Story
感想
[2001.10.13] DVD鑑賞 ★★☆
これが大昔のフィルムとは思えない「驚きの鮮やかさ」でため息が出る。
所々ピントが甘く見得る部分があって、おやおや、と思うこともあるが、
調子がいい部分は「背景の画用紙の質感が透けてくる」というほどクリアで
セル画部分も現代作品に負けない。オリジナルが丁寧なだけ現代作品を越え
て居るとも思う。
ストーリーはお馴染みの「白雪姫」だが、王子様は白雪姫が
生きているうちから出会って愛をうち明けているところが童話と
の大きな差違で、これなら「眠り続ける白雪姫に口づけ」をしても
不思議では無い。
ただの通りがかりの王子が死んだ王女に口づけしたら、そりゃあ
悪趣味だからね。
アニメからは分からないことは、白雪姫と女王様の関係。
シンデレラのように下働きをさせられているところを見るとどうやら
実の娘ではないようだが、王様がどこにも出てこないので人間関係は
不透明なままだ。
それから、七人の小人たちは鉱山で宝石を掘り出すのが仕事だが、
あの宝石は自分たちの趣味のために保管しているだけなのか、何かと
物々交換して生計の足しにしているのか、そこが疑問ではある。
もうひとつ、小人たちに守られて生き延びた白雪姫は、王子様の
城に行った後で、彼らに恩返しをしたのだろうか?あのまま
さようならでは恩知らずだと思うのだな。
女王が死んだ後の王国の様子も気になる。
白雪姫を殺すくらいなら、「老婆に化ける薬」を姫に与える
だけでも「世界で一番美しい」を達成するには充分だとも思うし。
このDVDは特典映像満載でまだまだ全然見終わらないが、
メニュー画面の「鏡の精」が放置しておくと色々喋るので面白い。
ちょっと洒落た趣向だ。
■特典映像
Disk1にはVIPツアーというのがあって、これを選ぶとディズニーの役員クラスの
ジジババが登場して、山ほど有る特典の抜粋を案内してくれる。ただ見ていればいいので
楽チンだが、本来なら他の特典もチマチマリモコンのエンターキーを押さずに「流し見」
の出来るモードが欲しいものだ。
Disk1の特典には、メイキング、音声解説、挿入歌のフルバージョン、ゲーム
などがある。このゲームが「クイズに答えながら七人の小人を集めて魔女に勝とう」
という設定なのだが、大半はお子さま向きの簡単なクイズの中に
・七人の小人が担当する楽器はそれぞれ何か
・七人の小人の仕事への行き帰りの並び順を当てろ
という問題。
子供は意外にこういう問題が得意なのかも知れないが、記憶力の衰えた大人には
ちょっと厳しい。
楽器は「おこりんぼ」がパイプオルガンを弾いているのがなんだか意外な気がしたので
それだけ覚えていた。
仕事の並び順は「先生」が先頭で「おとぼけ」が最後尾、というのだけ記憶にあったが、
あとはヤマカン。
他の出題は「正しいシーンはどれ?」というのが動画の間違い探しで多少頭を使うが
あとは「岩を壊すのにはどの道具を使う?」とか、考えるまでもない問題。
子供の脳味噌の働きに合わせるとこういう出題になるのだろうか?
TDLの「白雪姫と七人の小人」の乗り物には、一つ一つのカートに小人の名前が
書いてある。(先日始めて気が付いた)
おとぼけ(ドーピー)、おこりんぼ(グランピー)、先生(ドック)、
てれすけ(バッシュフル)、ねぼすけ(スリーピー)、
くしゃみ(スニージー)、ごきげん(ハッピー)
しかし、動いていると誰が誰だか分かりやすいが、静止画では小人の名前を
全問正解する自信はない。それがアニメ的演出ってことなのか。
■特典ディスク(Disk2)
内容は「キャラクターが出来るまで」「絵コンテと完成版の比較」
「ディズニーの歴史」などで、いわゆるメイキングと未済用になったシーンを修復した物
などLDと同じ特典も収録している。
動画じゃない特典(キャラクターデザインの試行錯誤の記録など)は、飛ばし見ではあるが
それでも一晩かかった。音声だけの特典(ラジオ・コマーシャルなど)も、聞いても良く分か
らないのでパス。
大変な分量だったが、中でも未公開シーンと、ディズニーの歴史の二つはとても
面白かった。歴史の方にはディズニーのTV作品もたくさん紹介されてこういうのは
日本では紹介されていない作品だからどれも「ほ〜そんなことを」と思うことばかり。
また、大戦中に経営危機に陥った会社を救ったのが「白雪姫のリバイバル上映だった」
ということから始まり、それから繰り返し、ことあるごとに再上映されてきた特別な
作品だと言うことが語られ、「だからディズニーは過去、販売に消極的なビジネスを
してきたのか」ということが分かる。家庭にソフトが行き渡れば、映画館には人が
来なくなるだろうと言う読み。しかし、『白雪姫』のDVD発売というのは、ディズニー
が「映画館での公開とソフト発売の重みの変化」を認めたことになるのではないか。
だったら嬉しいんだけどね。
だって、米国では10年に一度公開されたとしても、それは日本では見られない
んだから。売らなきゃ。
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