映画館がやってきた! 映画鑑賞記

シルバー仮面 BOX

■DATA

Story

 物語は…「光子力ロケット」の開発をしていた春日博士は、宇宙人に狙われて いることを察知し、5人の子供(三男二女)の体にエンジンの設計図を隠したが、 その解読法の謎を秘めたまま、宇宙人に殺害される。
 5人の子供たちは博士の生前の協力者を訪ね、解読の手がかりを掴もうとするが、 様々な宇宙人から執拗に狙われ、放浪の旅となる。だが五人の兄弟は力を合わせ、 光子ロケットの平和利用のために戦う。
 ついでといっては何だが、次男の体にはシルバーの力が秘められ、 シルバー仮面に変身する。

感想

[2000.12.11]DVD ★☆
 昭和46年放送の特撮。30年前の作品と言うことになるらしいが、超、懐かしい。
 物語(前半)の中で、シルバー仮面はオマケ。
 「宇宙人の妨害をはねのけて、五人が力を合わせて父の残した謎を追う」のが ストーリーの中心で、戦闘シーンも兄弟の持つ銃での戦いがメインでシルバー仮面 は「丈夫で怪力な男」以上の必殺技があるわけではない。宇宙人は仮面ライダー の怪人のイメージに近く、これもものすごい技や大被害を引き起こしたりしない。 地球人に紛れて密かに近づいてくるのが怖いといえば怖い
 つまり、本質は宇宙人の出てくる青春ドラマ。兄弟愛がテーマ。
 だから、視聴率が低迷して途中から変身巨大ヒーローに路線変更してしまった のだが、子供心に私はこの毛色の変わった特撮が好きだったな。

 毎回繰り返される兄弟愛テーマの他に、「人間は光子力ロケットを手に入れたら 絶対宇宙でも戦争をする」とか「金さえ有れば人間は操れる」といった宇宙人の理屈。 「家族のために宇宙人と関わりが出来るような研究をすべて捨ててしまう科学者」、 「厄介者として地元の人間から追われるエピソード」など、ウルトラセブン的な 文明批判も毎回織り込まれて、ひと味違う感覚を出していた。
 6話まで見た感想は、やっぱり地味だけれど、ウルトラQ的な怪しい世界は 捨てがたい味がある。
 特撮のレベルやご都合な設定は、今見るとけっこう笑えるのだが、これは 笑って楽しむのが吉(^^)

■画質・音質

 画質はオリジナルネガからのデジタルニューマスターと言うことで、頑張って いるとは思うが、暗部のコントラストはかなり辛い。とにかく古いから。
 粒状性が悪いのも16mm撮影なんで仕方ないところもある。ただ、カラーバランス は取り直してあって、まあまあ。黒は浮いているが、それが黄緑色に変色して 見苦しいということは少ない。
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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!