親指スターウォーズ/親指タイタニック
■DATA
監督:スティーブン・オーデカーク,キャスト:親指
Story
親指を出演者に、スターウォーズ、タイタニックのストーリーを親指サイズに
ぎゅっと濃縮。
親指に衣装を着せ、カツラをかぶり、目鼻口はCG合成を使用。
さらに、スターウォーズのメカの類も指や手のひら、拳などから造形。…という
パロディー作品。
米国でスターウォーズ・エピソード1公開前夜に放映され有名になった。
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感想
[2000.2.24 シネセゾン渋谷]
■親指タイタニック
まず、平日9:30からのレイトショーにも関わらず、ずいぶん客の入りが良い
ことにびっくりするが、一本目の「親指タイタニック」のロゴが出た瞬間に
場内爆笑のノリの良さ。中には「え、どうしてここで笑えるわけ?」と小声で
隣に聴いている人も居たけれど、たぶん作品を良く知っているほど笑えるという
細かいパロディーがぎっしりつまった作品になっていた。それでも、ロゴが表示
された瞬間に笑えるのは客が濃い?(笑)
出演者はジャック役は監督の親指らしいのだがこれがぷっくり丸い親指で
本物のジャックの丸顔を何だか連想させるのが可笑しい(^^)
笑いの内容は、アメリカン・ブラックジョークに属する品性下劣なものも
多いので、善良な日本人やタイタニックを崇拝しているファンは見ない方が
良いかも知れないけれど、一本わずか20分ほどの時間の中にタイタニックの
主要なストーリーがぎっしり詰め込まれているのは凄い。
これから見る人の楽しみを削ぐといけないので詳しく説明出来ないのが
残念だが、有名なシーンほど念入りにパロディーになっているので、三時間
のタイタニックを見るのと遜色無い…という錯覚を起こすほど充実している。
深海の引き上げ作業、OLDローズ、ジャックの賭け、乗船とシラミ検査、
船首での叫び、船尾での出会い…と並べていくと、よくこれが20分に納まっ
ていると感心する。
セットは、OLDローズの家の外観が見られるのも意外で可笑しかったが、
タイタニックのブリッジの中には「防水隔壁インジケーター」がちゃんと
備えられているなど、細かい作り込みが凝っているのも見所。
出演者は親指だが、タイタニック号を初めとする大道具類はCGを駆使して
おり、その意味では本家に劣らぬ特撮を駆使した映画と言える(^^;; なにしろ
人形劇サイズのステージで撮影されたとは思えないダイナミックな映像が
楽しめるのは確かだ。
■親指スターウォーズ
親指スターウォーズの方は、これはタイトルどころか、日本の配給会社の
クレジットが消えた次の瞬間から場内大爆笑。なぜ笑ったのかはあえて伏せ
たい。(その目で見るべき(^^))
こちらが初作品ということもあり、全体的な
作品クオリティーは低いしジョークの質もさらに低劣。顔面CGの造作は
日本人のセンスに反するし、なにより土台の親指が何だか肌荒れしていて
よろしくない。しかし、メカの造形は
徹底的に指で出来ていて、はっきり言って設定資料を羅列しただけで笑える
作品だ。
手のひらの形のファルコン号や、ダンベルを持った拳の形をした
タイ・ファイターなどの造形を見ただけで楽しいし、これを思いついた
スタッフのわくわくするようないたずら心が伝わってくる。
もちろんCGによる特撮技術は初代スターウォーズを凌駕する(笑)
両作品とも、音楽は原作の雰囲気を良く真似たオリジナル曲。
サム・レスリング、サム・マトリックスなど、まだまだ続編は企画
されているらしいが、楽しみなような怖いような(^^;; マトリックス
なんて言われると、頭の中で「親指がのけぞって弾丸を避けているシーン」
が頭に浮かんでしまい、なんだか見たくなってしまうのが怖い。
多分格闘シーンはカンフーじゃなくて指相撲なんだろうけれど(^^;
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