映画館がやってきた! 映画鑑賞記

お熱いのがお好き

■DATA (1959年 原題 Some Like It Hot)
キャスト: ジャック・レモン,マリリン・モンロー
スタッフ:製作/ビリー・ワイルダー

Story

 禁酒法時代のアメリカ、棺桶に酒を隠して積んだ車を追跡する FBIの激しいカーチェイス、銃撃戦で幕を開ける。
 「モンローのラブストーリー?」と思って見た人は頭からびっくりするで しょう。ビリーワイルダー監督お得意のほのぼのコメディーだと思っていた 人もそのマジなスタントにどっきりするでしょう。とにかく全編に渡って 何度も何度もマシンガン撃ちまくり。
 …そして、主人公のミュージシャン二人組(Sax & Bass)は、ギャングの 抗争現場を目撃してしまったため、彼らに追われて真冬のシカゴから マイアミに落ち延びることに。
 女だけの楽団の欠員に女装で潜り込んだ彼らは、列車の中で 「Sax奏者に弱くてこれ以上捨てられ続けないために女の子楽団に入った」 というマリリン・モンローに出会います。
 そして、舞台は南国のビーチ・リゾートへ!
 一転ノー天気な世界の中で、ベースは金持ち親爺に言い寄られて辟易 するは、Saxは石油王の御曹司に化けてマリリンをナンパするわのラブコメに。 だけど同じホテルに「イタオペ愛好会」の会合とかで例のギャングたちが 乗り込んで来て女装がばれたら絶体絶命。狙われた命と二つ(?)の恋の 落とし前どうなる?

感想

[2001.9.3] 鑑賞(BS2) ★★
 ジャックレモン特集ということで、BS2は彼の作品を集中放送。
 先週レンタルで見た『アパートの鍵貸します』も放送され、なんだか私の借りる ビデオの一割以上は一ヶ月以内にNHKが放送している気がする。追悼だとか、 新作が出たとか、何かの話題に連動して借りることは多いが、NHKはそういう 話題を持った作品をタイムリーにフォローしているってことなのだろう。
 さて、『お熱いのがお好き』は「マリリン・モンロー」のと言われることも あるくらいでなんだか「お色気映画」のように聞こえるタイトルだが、 最後までドタバタ・スピーディーな展開なんだけれど、 そのオチが「なんでやねん!」と大阪つっこみしたくなるような ふざけたハッピーエンドでやられちゃいました。でも画面に向かって どついたり出来ないからしばし絶句。味な話だね〜(笑)。

 原題 "Some Like It Hot" を訳して『お熱いのがお好き』とは 名訳だが、英語の"Hot"という単語があると、冒頭の熱いカーチェイス、 銃撃戦にもしっくり来るがやっぱり邦題は「M.モンロー」のイメージ に重なって濃厚かな。映画の中のモンローもアンディ・ウォーホールの イラストのイメージのようには濃厚ではなく、この映画では 「恋に悩む可愛い乙女」という感じ。「女優オーラ」は無くて 素の感じがするけれどね。


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!