映画館がやってきた! 映画鑑賞記

交渉人

■DATA
キャスト:サミュエル.L.ジャクソン(ローマン)

Story

 敏腕の人質交渉人ローマンは、ある日仲間の刑事ネイサンが警察年金横領事件 を内定しており、署内にも彼らの仲間が居るとうち明けられる。ところが、 ネイサンは何者かにポケベルで呼び出され射殺される。同じくポケベルの メッセージでその現場に呼び出されたローマンは、タイミング良く現れた 警官隊に捕まり、年金横領疑惑の罪を着せられる。
 敵は警察上層部も巻き込む横領グループ。このまま法廷に送られると確実に 罪を着せられ刑が確定してしまうと悟ったローマンは、警視正のオフィスに 出向き詰め寄るが、彼の行動に、犯人グループの一味であることを確信した ローマンはオフィスにいた数名を人質に取り、立てこもる。そして、無実を はらすための証拠探しに取りかかる。

感想

[2000.2.3 DVDレンタル]
 頭脳戦がメインとなる話だが銃撃戦も激しく、逆に、 宣伝(IQ.180の駆け引き)ほどはI.Q.が高いとも思わなかった。IQより経験 という感じ。感情的になるシーンも多く、そうなると 「二人の交渉人のI.Q.足して180」という気がするシーンがなかったわけ でもない。結局は頭脳より「アクション映画」なのだな。
 だからアクション映画として、とりあえず面白かった。

 署内は誰が敵なのか分からないため、管轄外署の交渉人を呼び出して、 自分の交渉人に立てるのは筋が通っているが、同僚の警官が「とにかく 犯人は射殺すべき」という哲学の持ち主で、徐々に明るみに出る事件の真相 など全く関係なしに、交渉人の指示を無視して突撃、狙撃を繰り返す。
 はっきり言って、職務に忠実と言うよりは人命軽視のトントンチキ野郎で 私が人事ならこういう刑事は交通課に配属するのがよろしい。

 以下ネタバレで言うなら、彼の存在は観客が犯人探しをする上での ミスリーディング役を与えられているのだと思う。そして、一番何でもなく 善良そうなやつが悪いやつ。というのは推理物の定番。しかし、同僚警官が 「何故人質の命を危険にさらしてまで、そこまで執拗に同僚の射殺にこだわるか」 を満足に説明しない限り、このストーリーは大うそつきの反則負け。 ということになる。すくなくとも、そこまでの面白さに大減点であった。
(真犯人は、実は最初の部分を注意深く見ていると、伏線が張ってある とは言うけれど…)

 ちなみに主人公ローマンを演じるのは、ジェダイ評議会でもご活躍の S.L.ジャクソンらしい。この映画の彼は熱血役だからか気が付かなかったなあ。


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!