映画館がやってきた! | 映画鑑賞記 |
敏腕の人質交渉人ローマンは、ある日仲間の刑事ネイサンが警察年金横領事件
を内定しており、署内にも彼らの仲間が居るとうち明けられる。ところが、
ネイサンは何者かにポケベルで呼び出され射殺される。同じくポケベルの
メッセージでその現場に呼び出されたローマンは、タイミング良く現れた
警官隊に捕まり、年金横領疑惑の罪を着せられる。 敵は警察上層部も巻き込む横領グループ。このまま法廷に送られると確実に 罪を着せられ刑が確定してしまうと悟ったローマンは、警視正のオフィスに 出向き詰め寄るが、彼の行動に、犯人グループの一味であることを確信した ローマンはオフィスにいた数名を人質に取り、立てこもる。そして、無実を はらすための証拠探しに取りかかる。 |
署内は誰が敵なのか分からないため、管轄外署の交渉人を呼び出して、
自分の交渉人に立てるのは筋が通っているが、同僚の警官が「とにかく
犯人は射殺すべき」という哲学の持ち主で、徐々に明るみに出る事件の真相
など全く関係なしに、交渉人の指示を無視して突撃、狙撃を繰り返す。
はっきり言って、職務に忠実と言うよりは人命軽視のトントンチキ野郎で
私が人事ならこういう刑事は交通課に配属するのがよろしい。
以下ネタバレで言うなら、彼の存在は観客が犯人探しをする上での
ミスリーディング役を与えられているのだと思う。そして、一番何でもなく
善良そうなやつが悪いやつ。というのは推理物の定番。しかし、同僚警官が
「何故人質の命を危険にさらしてまで、そこまで執拗に同僚の射殺にこだわるか」
を満足に説明しない限り、このストーリーは大うそつきの反則負け。
ということになる。すくなくとも、そこまでの面白さに大減点であった。
(真犯人は、実は最初の部分を注意深く見ていると、伏線が張ってある
とは言うけれど…)
ちなみに主人公ローマンを演じるのは、ジェダイ評議会でもご活躍の
S.L.ジャクソンらしい。この映画の彼は熱血役だからか気が付かなかったなあ。
文:唐澤 清彦 | 映画館がやってきた! |