映画館がやってきた! 映画鑑賞記

女優マルキーズ

■DATA 1997年(フランス・イタリア・スイス・スペイン合作)シネスコ/SRD/120分
監督・脚本:ヴェラ・ベルモン,音楽:ジョルディ・サヴァール
出演:ソフィー・マルソー,ベルナール・ジロドー,ランベール・ウィルソン,パトリック・ティムシット他

Story

 ルイ14世の時代の女優の、短い一生の物語。
 フランスの地方都市で町の踊り子をしていた主人公(マルキーズ=ソフィー・マルソー)が、モリエールの 人気喜劇一座の俳優だったグロ・ルネに一目惚れされ(即結婚し)、一座にころがり込む。
 モリエールは彼女をダンサーとしてしか使おうとしなかったが、ひょんなことからルイ14世の目に留まり、 ラシーヌの戯曲「アンドロマック」の大成功で女優として栄光の絶頂に駆け上がる。だが、彼女には悲劇が 待っていた。

感想

 …簡単に言うと、少女マンガみたい(ガラスの仮面とか…)なんですが(^^;、 しかしこれは実話をした時期にしたストーリー。モリエールとか、リュリなんかが出てきて、 音楽はまともなフランス古楽。実によい。楽器も、当然古楽器がわんさか見られ、古楽ファン にも見逃せない映画といって良いでしょう。
 リュリは、合奏の指揮法が発達していない時代「巨大な鉄の杖をドンドン突きながら指揮を していて誤って足を突いてしまい、その時の傷が元で破傷風にかかって死んでしまう」という 笑えない死に方をした作曲家ですが、映画の中でも巨大な鉄の杖をいつも持ち歩いていて 「あぁいつ足を突いてしまうか…」とハラハラしてしまいました(笑)
 まあとにかく、フランスが元気だった頃の豪華絢爛な光景がたっぷり見られる所は、 歴史マニアにはたまらないと思いますし、手抜きはないと感じます。

 主役は『ソフィー・マルソー』
 美人という言葉は、こういう人のために有るって感じですね。物語はパターンで すが、芝居は「女優の物語」だけ有ってなかなか素敵でした。女優の役を演じる女優って 凄いと思います。

●DVDについて

 劇場公開サイズはシネスコだが、オリジナルがスーパー35なので4:3収録。ほとんど トリミングはされていません。だって。納得いかない…。
 ワイドの画面の中でどう作画するかも映画だと思う。それを4:3マスターを入手した からそのまま使うってのはいかがな物だろうか?劇場公開サイズと、4:3の両対応版を 作るのなら気が利いていると思うけれど。
 さて、内容だが、一度見て気に入った作品だけにやっぱり良い。4:3なのは、映画的な 雰囲気を損なっていると思うので残念だけれど。
 制作費20億円だそうだが、時代考証に凝りまくっているのが立派。ルイ14世の 文化的な時代が楽しめる。音楽も素晴らしい。本物である。もちろん ソフィー・マルソーの美しさも凄い。ちゃんと女優である。見て損はない。

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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!