映画館がやってきた! | 映画鑑賞記 |
ルイ14世時代、国王のために3,000曲もの音楽を捧げたリュリ。彼の周囲に渦巻く
愛と陰謀を描く。 |
『女優マルキーズ』は「モリエール」の死の前後数年を集中的に取り上げているが、
モリエールはマルキーズの方が味のある渋い中年で、王は踊るの方では完全な道化
親父。「リュリ」に至っては下膨れしたオヤジで、王は踊るのリュリがむちゃくちゃ
美男なのとはずいぶん違う。史実は如何に(^^;;
ルイ14世も王は踊るのルイ(ブノワ・マジメル)がもの凄い美男なのはともかく、
マルキーズのルイの方が設定が年上な事を考えればこちらも悪くはない。史実のルイも
美男だったということか。もちろん「仮面の男」のディカプリオもいい男だ。
リュリの最晩年のエピソードに「だが王は踊らなかった」という台詞がある。
これだけじゃなんのことか分からないが、『マルキーズ』の中に興の乗った王が
舞台に上がりマルキーズの手を取って踊るシーンがあり、二つの映画を見て初めて
これらのシーンの真意が分かる。
セットでどうぞ、という感じ。王は踊るは「美男編」マルキーズは「美女編」と
言うことで。
Le Roi danse: 曲目一覧(2001.3.15) ジャン=バティスト・リュリ(1632-1687) テ・デウム(器楽合奏) ジャック・コルディエ(生年不明、1580から活躍〜1655以前没) ラ・ボカンヌ・プリミティヴ ラ・ボカンヌ・コンプリケ ジャン=バティスト・リュリ 「ファエトン」より<踊る惑星群>(プロローグ) 「夜のバレ」より序曲 「快楽のバレ」よりサラバンド 「夜のバレ」より<国王が昇る太陽を演じる> 「セルセ」より トロンペット・マリーヌを奏する水夫たちのエール 踊る奴隷と猿たちのエール スカラムーシュ役のエール 博士たち、フリヴラン、ポリシネルたちのエール 踊る奴隷たちのエール 「平和の田園詩」より<皇太子妃のエール> 「アルシディアーヌのバレ」より リトゥルネルとイレール嬢のエール 序曲 「愛の勝利」より序曲 「ペルセ」より<地獄の神々のアントレ>(第3幕第10場) 「町人貴族」より トルコ人の儀式のための行進曲 <ジュルダン> スカラムーシュ、フリヴラン、アルルカンのシャコンヌ ミシェル・ランベール(1610-1677) <私の恋人の影が>(エール・ド・クール) ジャン=バティスト・リュリ 「愛の勝利」より<夜のプレリュード> ロベール・カンベール(生年不明、1627から活躍〜1677) 「ポモーヌ」より <この果樹園で一緒に生きていこう>(第1幕第1場) <いったい何だ、私の目よ>(第2幕第4場) ジャン=バティスト・リュリ 「アルミード」より<この場所を見れば見るほど>(第2幕第3場) 器楽・ヴァイオリン・ソロ:フロリアン・ドイテル 「アティス」より<眠り>、<眠れ、みんな眠れ>(第3幕第4場) 器楽・ヴァイオリン・ソロ:フロリアン・ドイテル 「アルミード」より パッサカリア(第5幕) プレリュード(第2幕第5場」 <スペインのフォリア> 「気前のよい恋人たち」より<アポロンのアントレ> オリジナル・サウンドトラックより (ユニバーサルミュージック 関根敏子訳)
文:唐澤 清彦 | 映画館がやってきた! |