映画館がやってきた! 映画鑑賞記

ハムナプトラ2/黄金のピラミッド

■DATA (2002年/米 原題 mummy2)
スタッフ:
スティーブン・ソマーズ(監督・脚本)/アラン・シルヴェストリ(音楽)
キャスト:
ブレンダン・フレイザー(リック・オコーネル)
レイチェル・ワイズ(エヴリン)
フレディ・ボース(アレックス)
ジョン・ハナ(ジョナサン)
オデッド・フェール(アーデス・ベイ)
アーノルド・ヴォスルー(イムホテップ)
パトリシア・ヴェラスケス(ミラ)
ドゥエイン・"ザ・ロック"・ジョンソン(スコーピオン・キング)

Story

 前作から約十年後、リックとエヴリンは結婚して子供もできたが相変わらず考古学…墓泥棒?に精を出し、 なにやら豪華な邸宅に住んでいるところからして、相当稼ぎまくっている様子。
 エヴリンはこのところ繰り返し夢に出てくる謎の場所を発掘してスコーピオンキングの伝説に繋がる 「アヌビスの腕輪」を発見するが、これには大変な呪いの力がこめられていた。
 一方謎の集団が砂漠で死者の書と10年前に封印された「イムホテップ」のミイラを発掘し、再生を図る。
 謎の集団は「アヌビスの腕輪」をも探しており、それはスコーピオンキングが指揮したアヌビスの軍が眠る 「アムシェアーのオアシス」への鍵だった。腕輪を身に付けるものが現れアヌビスの軍が復活するとこの世は 滅びる。…ところが二人の息子、考古学お宅のアレックスが身につけてしまい、そこに謎の集団、砂漠の守護者 アーデスも現れ大乱闘になる。
 乱闘の末腕輪は守ったもののエヴリンが誘拐される。とにかくアヌビスの軍の復活まで一週間。それまでに 腕輪を身につけたものは「アムシェアーのオアシス」に行かないと命がない。そして、復活したアヌビスの軍団 を指揮するスコーピオンキングを倒したものは、軍団を率いて世界を滅ぼすことが出来る。謎の集団は イムホテップを復活させアヌビスの軍を使って世界征服をたくらんでいるのだった。
 敵を追ううちに、イヴリンとリックは前世の因縁によりイムホテップと戦うことを運命づけられていることを 知るのだった。
 復活したイムホテップと誘拐された息子を追ってエヴリン一行はスコーピオンキングが眠る 「アムシェアーのオアシス」そこに隠された黄金のピラミッドを目指して旅に出る。果たしてスコーピオンキング を倒して彼の軍団を地獄に送り返すことが出来るのか、それとも軍団はイムホテップの手に落ちるのか…

感想

[2001.12.23] 鑑賞(DVD) ★★☆
 全作とぴったりとかみ合った話で、独立してみるより、続けてみた方が数倍面白い。というのは、 全作を知っている人なら「にやっ」とするようなサービスシーンがてんこ盛りだから。
 でも、話は前作と似ていると言うよりは数段パワーアップして、『レイダース』シリーズにあるような スピード感と、秘境探検のわくわく、『アラビアのロレンス』もびっくりの砂漠の集団戦、スチーム・パンク なガジェット、金色のアラビアンビキニに身を包む美女の殺陣、山また山のその先にまた山場の てんこ盛りストーリー。夜の闇と、砂漠の日差し、輝く黄金のコントラスト。
 本作は「ミイラ映画」というよりは、より広い視点で「冒険活劇」になっている。
 続編として面白いのは、ヒロインのエヴリンが前作では「ドジでのろまな司書」だったのに 今回は一面ではヒーローのリックより豪快なアクション派に転換していること。だから ストーリー全体が「ほとんどインディージョーンズ」化しているのだが、中盤にさしかかる頃、 彼女の大変身の秘密が明らかになってびっくりという仕掛けがあって、それは最初に自宅で 賊に襲われたときの活躍で子供が「ママ、どうしてそんなすごいことが出来るの」という 疑問とヒロイン本人が「分からないわ」「今のはパパの真似よ」と答える二つの返事が ラストの戦いへの伏線になっているのも、考えてるよなぁと感心してしまうのだ。
 CGはILM担当。
 砂漠でベドウィンの戦士と犬頭人身のアヌビスの大軍団が戦うシーンは、スターウォーズの ドロイド軍団との戦いを彷彿とさせるが、味方が生身の人間のせいかずっと壮絶で入り込める映像に なっている。
 考えてみれば砂漠での集団戦、ピラミッドの中での主人公の戦い、女たちの戦いが平行して描かれるのも エピソード1みたいである。でも編集の巧さなのかこっちの方が話は見え見えなのに緊迫感は上。
 すべてがパワーアップした映像を盛り上げるのは、雄大な広がり感たっぷりの音楽。
 音楽はアラン・シルヴェストリ。代表作は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作、『アビス』(89) 『コンタクト』(97)『キャスト・アウェイ』(01)など。60本も作ってるそうだ。
 エンディングには一番かっこいい音楽がもう一度流れるわけだが、古代ムードたっぷりの 画面デザインと相まって、DVDのエンドクレジットチャプターを続けて三回見直したほど かっこいい。
 ここの音楽がオーディオ的にまた気持ちよく鳴る。
 リアはあまり鳴らずにStereo-2chだが部屋いっぱいに広がる響きに思わず乗り出して 聴いてしまうが、そうするとさらに音場感が良い。
 「これは…」と思うところあってスピーカーのセッティングをいじりだし、結果一段と 包み込まれるようなサウンドになった。視聴位置も最初よりは30cmくらい前になったかな。


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!