映画館がやってきた! 映画鑑賞記

グラディエーター

■DATA
キャスト:

Story

 ローマ皇帝マルクス・アウレリウス(リチャード・ハリス)が、 後継者として忠臣マキシマス将軍(ラッセル・クロウ)を指名したため怒った王子 コモドゥス(ホアキン・フェニックス)は、父を殺害し、将軍を処刑し、彼の家族 までも惨殺して新皇帝の座に着いた。
 将軍は辛くも処刑者の手を逃れ、家族の 元に帰ったが、家族の遺体の前で力つき気絶しているところを奴隷商人に拾われ、 やがて剣闘士として戦うことになる。
 新皇帝は政治から庶民の気持ちを逸らすため、連日残酷な見せ物「剣闘」を 主催するが、ついにローマの剣闘場に将軍が現れ、新皇帝と対面することになる。
 というところで、半分くらいかな?

感想

[2000.6.21 VC市川#1(THX)]
 久々の超大作という形容がぴったりの作品で、とにかく「凄い」
 #1スクリーンは本日は絶好調。サウンドはSDDSで強烈にハードな音が鳴り、 THXロゴの重低音の音圧で腰が浮き上がるほど。血圧が上がって気持ち悪くなる くらいの音量で、しかもたるんだ所が無く、先日のミッショントゥマーズの緩い 音は何だったのと思うほど。
 サラウンド感も、大劇場とは思えないくらい定位感があって良好。  本編の重低音は冒頭の合戦シーンと、競技場で戦車が走り回るシーンくらいだが、 剣のぶつかり合う金属音の激しさ、鋭さもさすがTHX劇場という感じで久しぶりに 満足の極み。
 ストーリーは将軍の長い長い復讐劇だが、とにかく無駄に長い部分など皆無で テンポよく沢山の要素が詰め込んであるので、テンションの高さが持続する。
 またテンポだけではなく主要登場人物の性格描写も十分深く、コモドゥス(新皇帝) の悪役ぶりの陰にある人間的な弱さの部分など、悪者だけれど理解できる人間 として書かれているのがよい。
 映像的な面では、CGを使用した建築物や、群衆の見せる古代ローマの見事さ はもちろんのこと、冒頭の合戦シーンのカメラの上手さに感心してしまった。
 無数の敵が死んでいくリアルさを持ちながら、意外に残虐さは感じないように 処理されて、いわゆる『殺陣』の感覚である。

 ところで、世間では「タイタニックを越えた」などという言われ方が出回っ ているようだが、まったく方向性が違う映画だからどっちが凄いという感覚の 言葉は似つかわしくないように思う。なにしろ、数名の女性が登場するにはす るのだけれど根本的に男の映画なので。

■関連URL

[戻る | 目次]
文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!