映画館がやってきた! 映画鑑賞記

疑惑(松本清張シリーズ)

■DATA(/日本)原作:松本清張,音楽:芥川也寸志&毛利蔵人
キャスト:桃井かおり(主人公/球磨子),岩下志摩(女性弁護士), 加賀丈史,柄本明,真野響子,森田健作,小林稔侍,三木のり平,丹波哲郎,山田五十鈴,

Story

 富山県の埠頭で男女二人の乗った乗用車が海に落ち、女(桃井かおり)だけが助か るという事件が起きる。
 女は男の後妻で、銀座のバーで見初められて結婚。前科四犯があり、三億円とい う高額な保険金がかけられていたために、たちまち保険金殺人事件として捜査が始 まる。
 裁判。ここに至るまでの新聞報道などにより、殺人事件で有ることは確実視され たため、担当弁護士も降りてしまい、国選弁護人(岩下志摩)が付くこととなる。
 球磨子は無罪を主張するが、関係者の全てが大きな予断を持って証言し、次々と 不利な証言が積み上げられる。
 弁護士は女同士として球磨子と反発しながらも、真実を追求していく。やがて 彼女が証拠物件の謎のヒントを掴んだとき、最後まで口を閉ざしていた証人の口か ら意外な事実が明かされる。

感想

[2000.12.10](レンタルVHS) ★☆
 昭和57年くらいの作品かな? 大昔TVで見て強烈に印象に残っていたもの。
 ちゃんと見ていれば、冒頭から運転していたのは夫の方で 「球磨子が運転して海に落ちた」という検察の主張が誤りであることは見る物に明 かされている。だが、とにかく球磨子が死んだ夫より保険金に感心があることは確 かで最後の最後まで根っからの「悪い女」で誰の同上も得られない女であることが 延々繰り返される。
 その、桃井かおり演じる悪さが猛烈に印象的で、やっぱり桃井さんは悪い女でしょ、 とこの作品以来ずっと思っているのであった。

 しかし、桃井かおり本人はバリバリの真面目人間で学生の頃は学級委員の タイプだったと言うから、女優というのは大変なものだと思うのだ。


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!