映画館がやってきた! 映画鑑賞記

アイズ・ワイド・シャット

■DATA(丸の内ルーブル(有楽町) SDDS 1999.8.30)
 監督…スタンリー・キューブリック(1999年)

Story

 ニューヨークに住む医者(トム・クルーズ)は、その妻(ニコール・キッドマン)が 旅先で見かけた自分以外の男とのSEXを夢見たことがあるという告白を聞いて焦ってしまい、 妄想爆発。おかげで色々怖い目に遭う。

感想

 私は面白い。妻はつまらない〜。と感想の割れた作品。
 キューブリックは狂気を描いて名を成した監督であると思うし、2001年もコンピューターの 狂気は描かれている。それはそれとして、今回は「嫉妬と性的倒錯」だ。
 妻の精神的浮気体験の告白をきっかけに焦ってしまった夫が、街角の娼婦に 引っかかったり、もやもやしてしまった揚げ句、怪しげな秘密パーティーに 紛れ込んで、散々怖い思いをする。という、言ってしまえばシンプルな話。
 18禁と言っても不道徳な描写があると言うだけで、そんなに猥褻感はないし、 なんといっても、ほとんど妻の話にカッと来た夫の妄想が原因のどたばたなので、 「シャンとしろ、トムクルーズ!」と声をかけたくなるほど、登場人物は弱い。
 ただ、音楽の使い方や、クリスマスの町並みの絵の美しさ、女性の美しさ などなど、美学はたっぷり。
 キューブリック・シンパは当然押さえるべきだが、他に見たい映画があれば 後回しでも良い。でも早くしないと公開が終わるけど。…というような位置づけの 映画だった(^^;;
 テクニカルな展で印象に残ったことは、「映画のための照明」をせずに、 室内の薄暗い人工光で大幅な増感撮影をして、ざらざらとしたフィルムの 質感を出していたことが、なかなか良い味わいを出していたということがある。

有楽町・丸の内ルーブル
 スクリーンは、座席数に対して大きいから、SF&アクション向けかも。 椅子がゆったりして楽なので、前の方で見上げるような姿勢になっても そんなに苦ではない。カップホルダーがないのが残念。
 音響はSDDS対応との表示で、明瞭ではあるが、サラウンド感は強くない。


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!