映画館がやってきた! 映画鑑賞記

ドラゴンハート

■DATA

Story

 ドラゴンが心臓を半分分けてあげることで命を救った王子が、長じて 国民を苦しめる悪い王様になってしまい、人間と手を組んでなんとかやっつけようと 言う話。

感想

 ショーンコネリーが、最後のドラゴン『ドレイコ』の声を当てているというので話題に なった作品。
 このドラゴンが、最初ぜんぜん気高くも良い奴でもなく、王子に心臓を分け与えたのも、 「良い行いをすることで、死んでから魂が消滅せずに天高く上れるように」という打算の 末のこと。この設定が、なんとなく肩すかしを食わされたようでもあり、ドラゴンだけを 撮すのでなくて、回りの人間のドラマが実はメインだという所にも繋がっている。

 …というわけで、ドラゴンが大暴れして派手なアクション映画…という予想は大はずれ だったのだが、胡散臭いが純朴な登場人物が大勢出てきて、泣ける映画になっていた。
 それにしても、悪い王子がほんと、悪く見える(笑)

●サラウンドについて
 ドラゴンの旋回は、サラウンドを活用してなかなか楽しい。ジェット機や弾丸ほど 移動速度が速くないのでごまかしが利かないぶん、システムの善し悪しが出るかも知れ ない。低音も出っぱなし。ドラゴンのCGIは、なかなか実在の生物らしいリアリティーや 確かな重量感があった。
 話は「お伽話」だが、CGIとサラウンドの遊びが良くできていて、ちょっと心に残る 作品にランクインという感じ。


■関連URL

[戻る | 目次]
文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!