映画館がやってきた! 映画鑑賞記

カサブランカ

■DATA
キャスト:ハンフリー・ボガート,イングリット・バーグマン

Story

ナチスドイツの勢力がますます強くなり、フランス国内でも反ナチ活動家が追われる時代。 カサブランカには、米国に逃亡しようとする人たちがたまる街になっていた。
 フランスを脱出してカサブランカで酒場を経営していた主人公(ハンフリー・ボガート) の前にある日、フランスで別れ別れになった恋人(イングリッド・バーグマン)が現れる。 だが、彼女には夫が居た。
 彼女と夫は反ナチ活動家のリーダー格で、なんとか逮捕のきっかけをつかもうとする 警察と、その前に渡航の切符を手に入れようとする時間との戦いが起きる。バーグマン はボガートを頼るが、彼女に切符を渡すことは再びの別れを意味する。
 別れの分けを知りたいボガートとの辛い恋の駆け引きが巡らされる。

感想

 名セリフ(名訳)「君の瞳に乾杯」で有名なこの作品だが、DVDで初めて見た。
 生まれる前の映画でもちろん白黒だが、スッキリと鮮明な画質で楽しめた。
 感想はひとことで言って「面白い」。時代的に「反ナチ&フランス礼賛映画」という 基本的トーンに抵抗が無くはないが、主人公のハンフリー・ボガードの、世間に対して 斜に構えた酒場の経営者で、政治にも無関心を装いながら、実は人情家で愛国家で ロマンティストという設定は、昔のラブストーリーの黄金パターンなのかも知れない。 (なんとなくレット・バトラーの特徴ともだぶる)
 基本は甘く切ないラブストーリー、そこに絡めた戦争と正義のアクションが 絶妙なスパイスになっていて、最後のどんでん返しがハンフリー・ボガードを 男にしている。切ない恋と、ラストのどんでん返しのバランスが絶妙。
 その他、ハンフリー・ボガードの名ぜりふも、出てくると嬉しくなってしまうし、 音楽も「時の過ぎ行くままに」だけでなく皆美しく、いくつかのエキゾチックな 曲も良い。

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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!