映画館がやってきた! | 映画鑑賞記 |
宇宙の彼方から巨大な鳥型の宇宙船がたどり着き、たった一人の
生存者の少年が「宇宙の究極のエネルギーの秘密を狙われている」と語る。 ちょうど 地球でもその究極のエネルギーの制御理論を完成した科学者がいて、001と共に敵に さらわれる。 (この「生き残りの少年」がのびた君と同じ声だと気が付いた瞬間にもう、 気になって気になって「助けて、009〜」って感じ(^^;)
今は人間としての生活をしていたゼロゼロ・シリーズのサイボーグが呼び戻され、
鳥型の宇宙船で敵と戦いに行く。
突然の恋敵の死という終止符によって痴話喧嘩を回避した009一行は、
閑話休題、敵の(デススター風の)要塞に乗り込み、001と科学者を
救出するが、敵の正体は「宇宙一高性能なサイボーグ」と判明する。
単身逃げた敵の親玉を追って超エネルギーに接近する009。そのまま見えなくなってひっそりとするブリッジ。
結局『超銀河伝説』とは、「宇宙の中心には神様がいた」という話だった。 |
ストーリーをかいつまんで読んでみると、映画を見た印象よりはもっと面白くなっても
良いはずの内容ではないかと感じてしまうのだが、結局、2時間かけるには話のディテールが
薄い…。
不満なところはまず、絵の書き込みの無さ。フォークソング風の
切ない挿入歌(^^; ご都合なストーリー。
宇宙からの侵略で地球の一大事というのに、009と一部の関係者だけ
で内々に解決してしまうという、そのスカスカの人気(ひとけ)の無さが悲しいし、
秘密の作戦だからといって、何十億の人類を救ったという気配さえない。
敵の要塞も、
001を拘束しているベッドが、武道館並の広さの大広間にポツンと置かれ、数名の
科学者がいるだけという寂しさ。通路も部屋も広くて無人。どこもかしこもスカスカ。
こけを大時代的とでも言うのだろうか。
また、009は一度も加速装置を使っていない。他のサイボーグも、あまり個々の
才能を発揮していない。なにしろ戦闘シーンの大半が宇宙船の機銃の撃ち合い
で、ちっともサイボーグの意味がない。
敵の要塞への潜入も、シャトルの人数制限のため全員参加できず、9人で出かけた割には
半分くらいしか活躍しない。確かに宇宙要塞の中で水に潜ったり空を飛んだりする能力は
必要ないけど、そのために無理矢理途中の惑星に寄って彼らの出番を作るというのも強引だ。
[特技活用表]004の「俺はずっと死に場所を探していたような気がするぜ…」のセリフから自爆の自己犠牲の 演出に対する「神様の力で蘇り」は完全に反則ではないだろうか?
001 予知能力 冒頭で敵の襲来を予知するが、自分がさらわれるのは予知できず。
002 空を飛ぶ 途中の惑星でちょっと飛ぶ
003 地獄耳 敵の要塞の001を探す
004 全身が武器 敵の要塞で内蔵の核爆弾で自爆。後に生身で復活。
00? 泳ぐ 途中の惑星で巨大水蛇と戦う
00? 変身する 敵の要塞で変相する
00? 火を吐く 出番無し
00? 怪力 途中の惑星で通路を塞いだ岩をどける
009 加速装置 加速装置使わず、銃のみ
文:唐澤 清彦 | 映画館がやってきた! |