映画館がやってきた! 映画鑑賞記

007シリーズ

ドクター・ノオ ★

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ロシアより愛を込めて ★

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私を愛したスパイ ☆

■DATA 主演:ロジャー・ムーア
 ものすごく肩すかしを食らった気分。  まず音楽が妙に寂しい。BGM/効果音の使い方が納得行かない。テンポも悪い。  CHP.3のスキーチェイスは良いアイディアだと思うけれど、ボンドの顔の見えるシーンの合成がバレバレなので、どうせスタントが…と思うとテンションが下がる。  ともかくジョーズが「でかくて丈夫なだけの馬鹿」というイメージを何とかして、砂漠のシーンを中心に30分ぐらいバキバキとカットすればもっと気持ちよくなると思うのだな…。  やっぱりボンドはショーンコネリーかな。最近ますますアクション映画に出まくっているのも凄いことです。

ゴールドフィンガー ★

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ゴールデン・アイ ★

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トゥモロー・ネバー・ダイ ×

■DATA
 噂には聴いていたけれど、やはり「メディア王が新聞を売るために戦争を仕掛ける」という設定は、ちと小粒かなぁと思う。無理も多いし(^^;  作り物なのは承知の上だが「中国のパソコンはキーボードもディスプレイも真っ赤っか」というデザインには笑わせて貰いました。意図的なギャグ?(^^;

カジノ・ロワイヤル

■DATA
 引退した007が引っぱり出されて、複数のジェームズ・ボンドを仕立て敵と戦う話だが、ノリは『オースティン・パワーズ』的なセルフ・パロディー作品。
 噂には聴いていたが、ベタベタなジョークにまみれた変な作品であった(^^;
 見るものの尽きた正月で無ければ、TVを消していたかも。

黄金銃を持つ男 ★

■DATA 1974年/英国/主演:ロジャー・ムーア
 舞台は香港、ターゲットは太陽エネルギーを電気に変換する装置、ソレックス。 殺し屋のスカラマンガ(黄金銃を持つ男)は、 この装置を狙っていた実業家に雇われたが、実業家をも殺して装置を独り占めする。007は 装置の奪取を命じられるがスカラマンガの秘密基地で一騎打ちすることになる。

★[2001.2.28] 香港でカンフー。小道具てんこ盛りの超B級娯楽大作
 美人はもちろん、こびとの召使い、空飛ぶ自動車、ボートチェイス、カーチェイス、 怪しいMI6支部の基地(香港の港に沈没したQE号を改造)、カンフー、相撲、etc.と見ていると これまでの007映画に出てきたアイテム、お約束がこれでもかと言うほどのてんこ盛りになっ ているので、見ていて安心。気楽に楽しめる傑作かも知れない。
 本作は『燃えよドラゴン』が流行った後から作られたために、香港でカンフーアクション で大乱闘するという節度の無いノリの作品ではあるが、女子中学生二人姉妹が敵をバリバリ なぎ倒して「お父さんが道場をやっているの」とか言うのがなんともお茶目なのである。
 ボンドも少しだけカンフー野郎と戦うが、魂は入っていない(^^;
 スカラマンガは、秘密基地に遊園地のビックリハウスみたいな物を持っていて、 ここに殺し屋を招待しては殺すのがトレーニングかつ趣味の変人。そのうえ、 ボンドと「一対一の決闘だ」とか言って、カウントしながら歩いて振り向いたら、 このビックリハウスに駆け込んでしまい、鏡の間や蝋人形etc.で幻惑とは、立派な 反則負けでは無かろうか? そういう超ばかばかしい話を真面目に映画にしている ところが、007シリーズを「スパイ小説から抜け出てきたような映画」にしているん だろう。もちろん「ペーパーバック」のイメージで。
 ボンドカーは本作ではこれといった活躍無し。やたらとタクシーを拾う(^^;?
 カーチェイスの見所は「壊れた橋の大ジャンプ」。
 進行方向にネジのようにねじれて落ちている橋をジャンプし、空中で360度きりもみ ターンして反対側のやはりねじれた橋に降りるという、実に念入りな計算をして飛んだぞ というスタントであった。
 敵の空飛ぶ車はなかなかの仕掛け。ガレージに車が入ると巨大な翼をガチンガチンと ドッキングさせて、要するに「セスナの胴体を車に置き換えた」ような形状になって 高飛びという具合。
 もっとも、だったら最初からガレージにセスナを入れて乗り換えればいいじゃんと も思うのだが、007だからしょうがない。
 MI6からボンドの助手として派遣されたボンドガールは、本作では全くの役立たずで、 ボンドとイイコトしようとすれば、敵の女がやってきてクローゼットの中に隠れる羽目 になるわ、敵の車を追跡しようとしてあっさり人質になってしまうは、とことんドジ子 で、少女漫画の主人公みたいなやつである。
 今回、"ボンド、ジェームズ・ボンド"の名乗りの回数がとても多かった気がする。
 実にスパイらしからぬ堂々とした態度である(笑)
 大作を狙わずに最初から「超B級映画」を作ろうとしているんじゃないか という怪しさが007の魅力なのかな? とにかく、何もかも嘘臭いのだが楽しめるのは 確か(笑)
■空飛ぶ車情報
 読者の方からメールで教えていただいた。  敵が高飛びに使った空飛ぶ車は「エアロカー」という商品名で実際に存在した もので、今は「飛行機として飛ぶようにすると車としての安全基準を満たせ ない」という理由で無くなってしまったのだとか。 参考url
 なるほどね〜。
 映画に出てきた実在の「未来っぽいグッズ」は、探すと他にも有りそう。きっと面白いぞ。

リビング・デイライツ ★☆

■DATA 年/英国/主演:ティモシー・ダルトン
 麻薬密売と東欧の国の亡命(実は狂言)と、中東勢力がややこしく絡む

[2001.3.2] ★☆
 ティモシー・ダルトンの007
 写真で見ただけだとなんか変な感じ…と思ったが、映画で見ると なかなか悪くない。「非情の殺し屋」過ぎず「色男」過ぎず、 プロフェッショナルなスパイとしての存在感がある。
 話は麻薬密売と狂言亡命が複雑に絡み合ってスッキリしないのだが、 他のボンド・シリーズと違って、脳天気なアクションばかりでなく、 リアリティーのあるアクションを目指しているような雰囲気がある。
 小道具とボンドカーの装備の充実と、使いどころの上手さも 良くできているし、アクションのスリリングさも水準以上。
 アクションでたたみかける所は「このつぎは絶対こうなるね」 というお約束の連続なのに、それが「ツボにはまってスッキリ」 というのが何とも不思議だ。
 ボンドガールもなかなか。美しさは当然のことながら、ただの お色気女でもないし、ギャグで受けを取るタイプでもない。芸術家で 知性派。
 敵の放った殺し屋がちょいと美形なのも他の007と違う。

 他のボンドとは確かに違うし、構成が複雑で未消化な感じが残ることに 議論の余地はあるが、私はこのボンドは良いと思う。


ワールド・イズ・ノット・イナフ

■DATA
キャスト:ピアース・ブロンスナン(ボンド),ソフィー・マルソー(エレクトラ・キング) ,ロバート・カーライル(レナード),デニー・リチャーズ(クリスマス・ジョーンズ)
 石油王ロバートキングの巨額の現金をテロリストから取り返した007。 だがMI6の建物の中で、その紙幣に仕掛けられた爆薬でキングが死亡するという、 かつてない大失態を招く。
 次に狙われるであろう娘のエレクトラを護衛して犯人を探る007だが、その先に 現れたのは核弾頭を奪うテロリストのレナードだった。

★★ いつもどおりの、アクションのてんこ盛り。世界を股に掛けての大活躍。
 展開の速い話で楽しいし、クオリティーも画質、音質、サラウンド感共に現在の トップクラスの出来で文句無し。吹き替えのキャスティングもオリジナルのイメージを 尊重して悪くない。
 毎度のことながらアクションを見せるための「そんな馬鹿な!」という 流れを笑うのも面白い。
 最初の都市はビルバオ。テーマ曲にフラメンコ風のギターのおかずが絡むのが いかにもで面白い。なんでビルバオという北の地方都市を選んだのかは不思議だが、 あの辺にはフラメンコ文化は無いと思う(^^;
 キング爆殺から続くボート・チェイスはなかなか面白いが、キング暗殺自体は 爆薬を仕掛けたのになぜ屋外に女殺し屋が伏せてあったのかが謎である。ボート チェイスを挿入するためだけとしか思えない(笑)
 その追跡劇も、秘密情報部員があんなに派手に物を壊しまくり、一般住民に 迷惑をかけて大丈夫なのかと心配になる。一連のアクションの締めくくりの ミレニアムドームと気球も、ロンドンの新名所の紹介が目的としか思えない。
 しかも、字幕で見る限り、潜水や魚雷を搭載したあのボートはMが仕事の合間に 作った私物らしいのだが(^^;;;
 次、MがRを紹介するシーンで雪崩から身を守るジャンパーを披露するのだが、 そのあと彼がエレクトラとのスキーに付き合いこれが役に立つのは、全くの 偶然で調子よすぎ。
 ソフィーマルソーは、ますます美しく悦ばしい限りであるが、やけに早く ボンドと出来てしまったと思ったら、この後悪役に早変わりという段取りとは…。 いい女だから悪役が映えると言うことはあるけれど、この扱いはやっぱり イギリス人がフランス人に感じている民族的な感情を感じる。絶対彼らは 「フランス女は悪女」だと思ってる。(映画『エリザベス』が参考になるかも)
 ロシアの核サイロで爆風から逃れるのに、鎖に捕まって吹き飛ばされてくる シーンがあるが、どうにも「爆風が遅い」(^^;? 爆風と言うよりは、溶岩が 迫ってくるくらいの速度だ。
 パイプラインの中を高速で走る検査車両というのは、面白い絵だが、実在 したとしても時速80マイル出る設計にはなっていなさそう。やけにパイプ内 の照明も綺麗だし(笑)
 キャビア工場での銃撃戦で、ボンドカーのミサイルが活躍するが、直後に ヘリコプターがぶら下げた鋸でまっぷたつになってしまうのは情けない。 丈夫なチタニウム装甲だって、冒頭で自慢していたのにさ(^^;
 とらわれたMが核ミサイル用のGPS発信器で居場所を知らせようとする シーンで、敵の時計の電池を使おうとする。
 1.5Vじゃ発信器は動かないだろう…と思ってみていたら、時計の中から 出てきたのは9Vの乾電池…。ヨーロッパではそんなもんなんでしょうかねぇ…。 その発信器のシグナルを普通の短波ラジオのような装置で受信してしまうのも 凄いけど。位置信号がモールスになっているのかな?
 潜水艦の内外での格闘シーンでは「深度30メートルを保て」と言った 状態からさらに潜って水底にぶつかった状態なので、正確な水深はわからない ものの相当な水圧だと思うのだけれど、結構自由に泳いでいてグランブルーも びっくり(^^)
 原子炉を開けて素手で燃料棒を挿入するシーンは、あれがありなのかどうか 何ともコメントできまへんが、臨界しない限り平気なんでしょうか?  赤熱した制御棒に大量の海水がかかって何ごともないってのは不思議に 思うけれど…まあラストだから良いんでしょうね、きっと(^^;


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!