映画館がやってきた! |
プロジェクター(SONY CPJ-A300)を導入してから何度かお客さんを呼んで映画だ、
オペラだと上映会を開きましたが、上映会とはいうものの実質は宴会です(笑)
私は(日頃は妻に任せきりですが)、趣味の一つとして宴会料理はやります。
しかし、真っ暗な会場で
映画の照り返しを頼りにする宴会は、なんだか闇鍋状態で、
食べるのも面倒だし、作る方としても意欲がわきません。
ここはやはり、画質にダメージを与えない範囲で、最低限の照明をする
方法を何とか考えたいと思いました。
市販のスポット・ライトという名称で売られている物を見てみると、
白熱灯タイプはごく一般的で、種類も色々ありますが、
もともと、指向性のない光のところに、傘の浅い物しかなく、
とてもスポット・ライトという商品名をあげられないものばかりでした。
照射角はどれも180度からせいぜい120度というところでしょうか。
ダイクロ・ハロゲンタイプは、店舗照明によく使われる物。
ハロゲン・ランプに半円形の反射鏡が仕込まれた構造で、10,20,30度程度の
3タイプの照射角が選べます。
もっとも、反射鏡の背面からキラキラと多少光が漏れます。
この光はなかなか綺麗ですがシアター用には邪魔。しかし、元の光が
暗ければあまり気にしなくて済むかもしれません。ただし、このランプの
ラインナップは50Wが最低で、75W,100Wとそれ以上の明るさの物しか有りま
せん。これでは強烈に明るすぎます。
低圧ダイクロ・ハロゲンタイプは、上記のランプの動作電圧が
12Vの物。
これを使える市販の器具はほとんど無いのですが、器具がコンパクトな
ことと最小の明かりが20Wであることが心引かれます。
レンズ内蔵タイプは、これはいきなり価格が跳ね上がって
数万円台の物ばかりですが、本格的なスポットライトで、レンズが付き、
ピントを合わせることで、完全なスポットを作ることが出来ます。
しかし、これではまるで美術館で、コストを考えても
ここまでやるのはやりすぎでしょう。
というわけで、低圧ダイクロ・ハロゲンタイプの器具と 12V20W照射角13度のランプを購入してみました。
明るい。めっちゃ明るい。
たった20Wと侮った私が悪かったという気分。
蛍光灯器具に内蔵されている、いわゆるナツメ球が5Wですから、
たかが4倍ですが、ダイクロイックミラーで13度の照射角に収光
されているためか、確かにスポットの外からは直視してもさほど
まぶしくない程度の明かりですが、スポット部分の明るさは100W
電球に負けません。
これはちょっと、映画を見ながら…という目的には…(^^;;
そこで、調光機をかましたらどうなるか試してみました。
ところがこれも失敗。
調光機はおそらくサイリスタによる電子式なので、交流電源の
周波数に同期して波形をカットすることで電力を調整しているの
ですが、どうやらこの器具に付属のトランスも、やたら軽いので
同じ電子式。動作が干渉して、明るさが波打ってしまいます。
トランスを交換するという手もあるのでしょうが、そこまで
投資せずに何とかしたいものです。
調光するなら、最初から100Vタイプの器具を買えばよかった
という気もします(^^;;
さて、そうは言ってもこのライトを生かしたいのでちょっと 細工してみました。
スポット径を絞る … このランプの傘というのが
シンプルな円筒のパンチング・メタルなので、クルッと紙を巻き付けて
筒状にし、ホチキスでパチパチ。
電源を入れると、傘が膨張するので密着します。(触れないほど
熱くはならないので、火事の心配はないでしょう)
筒の抜き差しでスポット径が変わります。便利かも(^^;
光量の制限 … 上記の筒に色セロハンを仕込むか、
NDフィルターをはめ込むとか、豪華なことも考えていたのですが、
結局、アルミ箔に針穴を開けた物をランプに取り付けました。
光量は穴の数でコントロールします。
なんだか木漏れ日のような雰囲気がしないでもないのですが、
意外に良い結果。ついでに限りなく原価ゼロ円(^^;
納得の結果です(^^)
文:唐澤 清彦 | 映画館がやってきた! |