映画館がやってきた!

構築日記・不定期便
- What's NEWを兼ねた日記のような読み物 -
2010年2月
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[2月のBS/WOWOW★注目番組 ]

2010.2.28
  • 「フィギュアスケート・女子フリー」たられば話.2
  • ジャッジのエコヒイキはあるのか
     …いわゆる「新採点方式」では、ジャッジの不正を防ぐ目的が新採点方式への 転換が起きた大きな理由になっているので、公式には「きわめてフェア」とされてます。
     オリンピックでは9人のジャッジの上2人、下2人の採点をはずして5人の平均点を取る という方法をとってますが、今回の「ヨナ・真央・ロシェット」の メダル争いに当てはめてみると、まず「日本のジャッジは抽選に漏れて参加していない」 ということもありますが、韓国ジャッジが「ヨナに加点、真央に減点」しても、 極端な点数を付けると結果的に「集計対象にならない」し、たとえ「韓国とカナダ」の 2国が真央に減点しても、両方とも集計から外れる、ということになります。
     実際に匿名の各ジャッジがGOE(フリー12の技のGOEの合計)をどれだけ付けたかを見ると
    選手:---ジャッジ(点数でソート)---
        除外 [  有効な採点  ]  除外 有効の平均
    ヨナ:18,19,[19,20,20,21,21],23,26 (ave.20.2)
    真央: 2, 5,[ 9,11,11,11,12],13,15 (ave.10.8)
    ロシ: 1, 2,[ 2, 5, 6, 9,10],12,13 (ave. 6.4)
    
    …と、真央とロシェットには極端に低い点を付けているジャッジがいることが分かるが、 最終的には概ね「中央値」が採用されることが分かるので、それなりに公平性は担保されていると言えそうだ。
    (ただし、得点の計算は技別の倍率をかけるので、ここで取り上げたGOEの単純合計とは少し異なる) 
     ヨナ・真央と比較してロシェットの採点には、ジャッジごとの 振れ幅が大きい。加点/減点の要素は厳密に決まっているので、 本来はこんなに振れ幅が大きくなるのはおかしい。
     ここには「事情に感動してしまったジャッジ」の存在が感じられる。
     ジャッジが匿名なのは「買収」etc.を防ぐためとか。
     たとえ「お金」や「脅迫」「裏取引」があっても、誰がその得点を付けたかが わからなければ、圧力に従ったかどうかが確認できないので、良心を貫ける という考えらしい。
     もっとも、今回のように自発的に「ロシェット凄いなぁ」という感動バイアス が掛っているのではないかというケースを防ぐことは、匿名ではできないと思うが。
  • 一方、採点システムのコンピュータに入力された細かな採点表は、 そのまま「統計処理」されて、他のジャッジと比較して 偏った採点をするジャッジを検出するシステムがあり、国際基準の大会の終了ごとに 「採点を確認するための会議」で問題点の検討会を行うとのこと。
     ここでは、問題採点をしたジャッジの名前は公表されて、 「ビデオを再生しながら、採点の理由についての説明」をするなどの必要があり、 委員を合理的に説得できない場合は、資格停止などの処分が行われる、とのこと。
     そういう意味では、他のジャッジとかけ離れないように「空気を読む能力」 も必要とされるような気がするが、これが「ヨナのGOEは凄く出る」という 空気になってしまっているという可能性なしとはいえないようにも思う。
     良い言い方をするなら、今年の採点基準では、ヨナの演技が「GOE的に模範演技」 になっているということ。
     ならば、他の選手の戦略は「ヨナの演技を基準に頑張る」ということになる。
     彼女に勝つには、そっくり同じことが出来て、さらにプラスαを積む必要があるわけだ。
  • ところで、トリノオリンピックも同じ採点方式で行われているが、当時の メダリスト(荒川191.34・コーエン183.36・スルツカヤ181.44)のGOEを振り返ってみると、 ある技に対して1点を超えるGOEは滅多に付いていない。
    (荒川のフリーでもGOEの合計は5点だけ。対してヨナは18点も上積みがある)
     2006シーズンから2010の間に、GOEが出やすくなる改定、3Aと4回転ジャンプの 配点を増やす改定など、点が出やすくなる改定が施されていることを考慮しても、 数字は大幅に伸びている。
     キムヨナの228.56は別格としても、 8位の鈴木の181.44はトリノの銅メダル(スルツカヤ)と同点なのだ。
     逆にトリノの金(荒川191.34)は、バンクーバーの点の中に置くと、4位でしか無い。
     人間の身体能力がそんなに変化するわけ無いのであって、これは4年間の競技の世界での 「採点システムに最適化した演技の研究」の成果だと思う。
2010.2.26
  • バンクーバー2010
     まずは、真央ちゃんおめでとう。まだまだ行けそうです。
     美姫ちゃん素晴らしかった。びしっと決まってた。
     明子ねえちゃん、あなたの演技は心に残りました。
  • 「フィギュアスケート・女子フリー」たられば話
    私個人のメダルは
    金・浅田真央
    銀・キムヨナ
    銅・安藤美姫
    次点・鈴木明子 or ロシェット … です
  •  キムヨナの世界最高得点と二位との大差に対して、ネットでは「審判不信」 だとか、ロシェットに対する同情票とか、様々な不満が渦巻いているが、 一つ私も考えてみた。
     PCSに関しては「審判の感覚」によるところが大きいので、 今回の採点の中に「アメリカの11回連続表彰台が途絶えることに対する危機」 とか「人情話的バイアス」とか「日本人連覇は癪だ」とか、 そういう感情的な偏りが無いとはいえない気がする。
     ただ、キムヨナもロシェットも大変に良い演技だったが、点数に 関しては「盛りすぎ」だろう思いはする。出た点はしょうがないという気もするが。
     今回、安藤美姫から鈴木明子の出た第5グループのあたりまでは、 なかなか僅差で、フリーも見ごたえがあった。
     結果的にキムヨナ→浅田真央は23点もの大差がついてしまったわけだが、 「浅田真央は良くやった」と思っている。
     SP,FS合わせて3回の3Aを成功させたのは、順位と関係なく歴史に残る。
     それでも優勝できなかったのはコーチ陣の責任である。
     キムヨナが大技無しでも歴代最高得点をマークした仕組みは、 トリノで荒川静香が金メダルを取ったのと同じ理由で、 「持てる技の中から高得点を引き出す最高の組み立てをしたから」だ。
     ためしに、技術点だけで順位を調べてみた。PCSには「お手盛り」の余地が 大きいだろうと言う配慮からである。
    参考:
    フィギュアスケート女子シングル結果
    順位 国名 選手 SP()+FS()=総合得点 
    1 KOR キムヨナ		78.50( 1)+150.06( 1)=228.56 
    2 JPN 浅田 真央 	73.78( 2)+131.72( 2)=205.50 
    3 CAN J・ロシェット 	71.36( 3)+131.28( 3)=202.64 
    4 USA 未来 長洲 	63.76( 6)+126.39( 5)=190.15 
    5 JPN 安藤 美姫 	64.76( 4)+124.10( 6)=188.86 
    6 FIN ラウラ・レピスト 	61.36(10)+126.61( 4)=187.97 
    
    7 USA R・フラット 	64.64( 5)+117.85( 8)=182.49 
    8 JPN 鈴木 明子 	61.02(11)+120.42( 7)=181.44 
    9 RUS A・レオノワ 	62.14( 8)+110.32(10)=172.46 
    10 RUS Ksenia Makarova 	59.22(12)+112.69( 9)=171.91 
    11 FIN キーラ・コルピ 	52.96(17)+108.61(11)=161.57 
    12 CAN S・ファヌフ 	57.16(14)+ 99.46(13)=156.62 
    
    13 KOR 郭 a整 		53.16(16)+102.37(12)=155.53 
    14 GEO E.ゲデバニシビリ 61.92( 9)+ 93.32(17)=155.24 
    15 SUI サラ・マイアー 	56.70(15)+ 96.11(14)=152.81 
    16 ITA C・コストナー 	63.02( 7)+ 88.88(19)=151.90 
    17 HUN U.シベシュチェン	57.46(13)+ 93.80(16)=151.26 
    18 ド サラ・ヘッケン 	49.04(23)+ 94.90(15)=143.94 
    
     
    技術点とPCSの比率を分析
    順位 選手	SP技術	FS技術	技術計	PCS合計	合計点	技術率	PCS率
    1 キムヨナ	44.70 	78.30 	123.00 	105.56 	228.56 	0.54 	0.46 
    2 浅田真央	41.50 	64.68 	106.18 	 99.32 	205.50 	0.52 	0.48 
    3 ロシェット	39.20 	62.80 	102.00 	100.64 	202.64 	0.50 	0.50 
    4 長洲未来	37.00 	65.83 	102.83 	 87.32 	190.15 	0.54 	0.46 
    5 安藤美姫	34.80 	62.50 	 97.30 	 91.56 	188.86 	0.52 	0.48 
    6 レピスト	32.88 	63.89 	 96.77 	 91.20 	187.97 	0.51 	0.49 
    7 フラット	36.80 	59.37 	 96.17 	 86.32 	182.49 	0.53 	0.47 
    8 鈴木明子	33.10 	60.98 	 94.08 	 87.36 	181.44 	0.52 	0.48 
    9 レオノワ	33.90 	55.84 	 89.74 	 82.72 	172.46 	0.52 	0.48 
    
     こうしてみると、ロシェットだけ飛びぬけて「PCSで得点した比率」が大きい。 (滑りの印象は「最も体育会系」に見えるのに不思議なことだ)
     逆に「キムヨナ」「長洲未来」は、技術点の比率が高い。
     キムヨナのPCSには9点台の数字が出て凄い…と思っていたが、実は、 技術点が凄いのでPCSも連動して高くなっていると解釈したほうが正しい。
     通常の順位と技術のみの順位が逆転しているのは 3,4位の長洲とロシェットだけで、技術はほぼ同点。しかしPCSはロシェットの8.5点勝ちで、 長洲も相当に芸術的な滑りをしていたのだから、なんとなく 「この8.5点は地元加点」という気がする。
     その他はほぼ全員「技術点の差」と「PCSの差」はほぼ同じ。
     つまり、(入賞圏内の選手のレベルだと)よほどの事情が無ければ「結局は技術」 である。PCSは後からついてくるともいえるし、技術が高い選手はPCSで点を取る ゆとりが有るともいえる。
     ヨナvs真央は23点差があるが、PCSが技術点に連動していると考えると、 技術で+13点ほどあれば同点だった。
  • これをふまえるとつまり「キムヨナと浅田真央の得点差」の考察は 「技術点の差」を考えるということだ。
     もっと具体的には「キムヨナの3回転」vs「浅田真央の3回転半」
     この勝負で、3回転が勝ったという事。
     ジャンプの加点の要素には、高さや横方向の飛距離、着氷の滑らかさなど いくつものポイントがあるけれど、男子の高橋の3Aが飛距離があり柔らかい着氷の 美しい3Aなのに対して、浅田の3Aは助走スピードを殺してしい伸びがない。
     高橋の3Aに+2を付けたとすると、今回の浅田の3Aはやはりギリギリ0〜+1の 間の評価にならざるを得ないと思う。
     結局「女子で3Aを成功する選手が他に居ないのだから高得点を付けるべきだ」 と考えるならば、基礎点そのものを大きく付け直す必要がある。男子の4回転も然り。
     基礎点が+5点もあったら、絶対に「すれすれでも3A」を跳んだ真央が勝てる理屈だ。
  • しかし「現実のルール」は「完璧な3回転」の方が点が高くなるようにできている。
     だからこそ、荒川が金を取ったときのように、徹底的に採点システムを研究して 持てる技術で最高得点を得る計算のできるコーチが必要だった。
     今シーズンの間ずっと「3Aが入れば勝てるはず」という気合ばかり先行して、 実際に飛べたら何点取れるのか、そのときライバルは何点なのか、という 計算をきちんとしたのだろうか?
     オリンピックまでに「3Aに成功してジャッジに採点してもらう」という 機会を持てなかったのは不運と言えるかもしれないけれど、皮算用の段階でも 「ちょっと足りない」ということはわかっていたはずだと思うのだ。
    プラス面に対するGOE評価のガイドライン(2009-2010年)
    以下の要素のフォローしている場合加点する
    (+1:2要素、+2:4要素、+3:6要素以上)
    ジャンプ
    1) 予期せぬ入り方、独創的な入り方、難しい入り方をしている
    2) 明確で評価に値するステップやスケーティング動作から直ちに跳んでいる
    3) 空中で変形ポジションをとっている、または回転の開始を遅らせている
    4) 高さや飛距離が素晴らしい
    5) 着氷時に手足がよく伸びている、または独創的な出方をしている
    6) 入りと出の流れ(加えてコンビネーション・シークエンスではジャンプ間の流れ)が優れている
    7) 一貫してなめらかであること(effortless throughout)
    8) 要素が音楽構造にマッチしている(element matched to the musical structure)
    *7,8の要素は09シーズンより追加され分母が大きくなっているため、前年より 加点が出やすくなっている
    参考:ジャンプの配点
    記号(要素)     基礎点(GOE+3/-3なら)
    ----------------------------------
     2A (2アクセル) 3.50 ( 6.50/1.00)
    ----------------------------------
     3T(3トウループ)4.00 ( 7.00/1.00) 
     3S (3サルコウ) 4.50 ( 7.50/1.50)
     3Lo(3ループ  ) 5.00 ( 8.00/2.00)
     3F (3フリップ) 5.50 ( 8.50/2.50)
     3Lz(3ルッツ  ) 6.00 ( 9.00/3.00) 
    ----------------------------------
     3A (3アクセル) 8.20 (11.20/4.00)
    ----------------------------------
     4T(4トウループ)9.80 (12.80/5.00) 
    
    女子ショート・オフィシャル - 女子ショート詳細(ISU)
    女子フリー・オフィシャル - 女子フリー詳細(ISU)
  • いずれにしても、コーチの責任は大きい
     タラソワは、荒川に逃げられた経験からか、浅田と契約を結ぶときに 「契約はオリンピックまで解除できない」という条項を入れたそうだ。
     浅田が深刻な不振に陥っている時期に、ロシアと日本に分かれて 直接のコーチができないコーチって「無し」だと思うが、その契約が 邪魔をして適切なコーチを付けられなかったのだろう。
     ジャンプを矯正するコーチ、採点システムを研究し戦略を練るコーチの 二つは絶対に必要だった。
     ウィダーがスポンサーについて送り込んだスタッフが、スケートの 専門家ではなかったことも問題だった。
     シーズン前半の不振は、どう考えても「肉体改造」のピントが 「浅田真央の長所を伸ばす」という最重要項目から外れていた からだろう。
     アスリートに「バランスの良い筋肉」なんか必要なく、3Aで勝負を かけるならば「ジャンプに必要ない肉は削ぎ落とす」くらいの アンバランスな鍛え方が必要なのではなかったか。
  • 鈴木明子、凄いね。
     メダル争いが国家プロジェクトであったり、世界的に有名なコーチや 企業の支援で大変なことになっているのに比べて、地方のスケートリンクの 受付の契約社員をやりながら、仕事の合間に練習していた鈴木がオリンピック 代表になって、技術点だけでいったら「メダルまであとジャンプ一つ分」 くらいの点が出せたことは、凄いことだと思う。
     もしも「ステップシーケンス」の配点がもっと大きかったら、 もっと上に行けたと思うし。ショートはさすがに緊張したようで、 経験を積めばもっと点が出せただろう。
     そして、点数だけでなく「記憶に残る演技」という視点からなら、 完全に金。たぶん安藤と同点で金メダル2枚。
     キムヨナの007は憎らしいほどかっこいいのだが、フリーの曲は 記憶に残るほどのメリハリが無いと思うし、浅田の「鐘」は、 「金が取れていたら歴史に残った」というタイプの 選曲だった。これは残念だ。
2010.2.25
  • アメリカでのトヨタの公聴会とか
     トヨタにはしゃきっとしてもらいたいのは前提の話だが…
     車の専門家でもない議員が技術の専門家でもない販売系のトップに対して 電子制御システムの質問をして「納得がいかない」とか、
    「そりゃそうだろう」
     としか言いようの無い状況。どうしてこうなった?と言うと、 どうも「選挙が近い」ので多くの議員が我もわれもと質問に立って TVに写りたかったという事情もあるみたい。
     本気で仕事するならきちんと「第三者による専門化委員会」を 立ち上げて、ソースコードを追うなり、電磁妨害の試験をするなり、 そんなの実務は政治家の出る幕ではない。
     ちなみに「第三者」というのは、米国自動車メーカーの産業スパイが 電子制御システムのノウハウを盗み出さない為ね。 プリウスの電子制御システムなんか、各社ともノドから手が出るほど 欲しいだろう。
     米国系自動車メーカーの工場を抱える地元議員は今回 大ハッスルだし、トヨタの工場がある地元の議員は 「トヨタは誠意ある態度を見せた」とPRするし、 議員の動きは自動車の安全性より景気の誘導にしかないことは かなり明白。
     日本国内の事例を国土交通省が再検討した結果、トヨタ車の関係する 暴走事故の件数は、会社別の保有台数の比率と完全に一致したそうだ。
     つまり、信頼性は他社と同等。
     米国で「トヨタの暴走が統計的有意に多い」という証拠が挙がったという 話はまだ聞いたことが無いけれど、「トヨタの電子制御」にたいする 疑惑を追及するためには、言いだしっぺに客観的な証拠が必要だろう。
     「イラク戦争の英雄でっち上げ事件」なんかまだまだ記憶に新しく、 「涙ながらに事故の恐怖を語るおばさん」なんか証人台に上げる 議会の「演出」には辟易とする。
     いずれにせよ「不具合がある」ことを示すのは、実例を一つあげれば すむのに対して「無いことの証明」は論理的には不可能なことが一般的だ。 数学的に証明できる問題とは違うので、どこまで行っても切りが無い。
     「意図しない加速」というのを実験室で再現出来ない限り、 対応(修正)は不可能だ。それを体験したユーザーの協力が大いに 必要とされるところだ。そして、恐らく原因は「電子制御」そのものではなく、 ユーザーの想定外の操作だったりするのだろうけれど、誤操作に対して 強い制御系の開発が、今後は必要になるのだろうな。企業の自衛の手段として。
2010.2.24
  • バンクーバー2010
    「フィギュアスケート・女子ショートプログラム」
     ショート60点越えが12人。ものすごいハイレベルな試合だ。
     1,2位の二人は今回初出場だが、3位以下では、前回トリノで泣いた選手たちが 揃って高得点を出しているのも凄い。
     正直、最終2グループは「正座して観ているが、思わず飛び上がってしまう」 という感じだったなあ。
     注目の「鈴木明子」は、61.02で11位。ジャンプのミスがあったけれど 自己ベストとか。それは表現力が評価されたのだと思うが、キス&クライで、 「緊張した〜」とつぶやいているのが聞こえて、思わず微笑んでしまった。
     フリーではまだまだ順位を上げる余地があると思うので頑張ってもらいたいな。
     安藤の回転不足は、ちょっと「美しい演技」をし過ぎたのかも。 点はもう少し欲しかったけれど、表現力は本当に美しかった。
     真央ちゃんは、長い不振を乗り越えてほとんど完璧。感動した。
2010.2.23
  • 有楽町東急ハンズで煮込み鍋をチェック
    [1月23日]のネタの続き
     先日から鍋を色々見ているわけだが、OPEN当初に寄って「有楽町東急ハンズ」は、 女性向グッズが多いので「鍋」も揃っているか?と思って出向いてみる。
     ざっと見渡すと、オープン当初より全体に「プラスチック化」が進んで いるように見えて、マニアックな鍋が少なくなっているような。これも 不景気の風か。
     目当ての「ホーロー引きの鋳鉄鍋」は、各メーカー一種類+α程度の品揃え。
     でも流行の「タジン鍋」はやはり揃っていた。
     「タジン鍋」は、三角帽子のようなフタが特徴で、食材から出た蒸気が フタで冷えて水滴になり循環するのがポイントらしい。

    ストウブ・ピコ ココット
    ●直径:22cm
    ●深さ:約10cm
    ●容量:2.6リットル
    ●カラー:aubergine パープル

     今回の煮込み鍋探しの候補にしている「ストウブ」 も、効能書きの一つに、蒸気がフタの内側に付いた突起を伝って戻ることを うたっている。
     「ストウブ」は一般によく目にする「ルクルーゼ(仏)」のドイツ版 で、ツマミまで金属で直接オーブンに入れることも可能と言うのが、 これも少し前に流行した「ダッチオーブン」的な使い方も出来る。
     妻は東急ハンズでの値札を見て「高いな〜」と言っていたが、 ネットの再安をチェックすると定価の40%OFFの店も有る。
     安い鍋で言えば、アルミの寸胴なべは各種展示してあったが、 さすがにそれは大きすぎる。半寸胴なべは見あたらなかった。
  • 先日久しぶりにカレーを作ったら、超弱火にしても、 やはりなべ底が少し焦げた。
     現在我が家の主な鍋は妻が実家を出たときに持って出たセットで、 素材はステンレスで取っ手はねじ止め。
     取っ手がねじ止めなのは「傷んだら交換できる」というメリットと、 「頻繁にねじが緩んでガタガタする」というデメリットがある。
     いっぽう「ステンレス」という素材は「酸に丈夫で錆びない」という 特徴はあるが「熱伝導が低い」というデメリットは鍋としての根幹に かかわる問題だ。
     ステンレスの熱伝導率の低さは「断熱ポット(魔法瓶など)」に使われている ことを思い出せば相当のレベルであることを想像できるだろう。
     昔は魔法瓶と言えば「銀色めっきしたガラス」だったが、最近はステンレス 製が主流で丈夫になった。
     そんな「熱が伝わりにくい素材」を鍋に使うのだから、たぶん 同じ火力でお湯を沸かしたら、ステンレスよりアルミの鍋のほうが速く沸く だろう。省エネである。
     ガスを弱火にしても焦げるのは、なべ底に当たった熱が、横方向に広がらず 火のあたった場所のみを加熱するから。
     熱伝導の良い素材の鍋なら、熱が全体に回って火のあったっている 一点が焦げるという現象は起きにくいと思うが、手持ちはステンレス鍋 ばかりなので検証できないな。検証して〜(^^;
  • 居酒屋「千鳥(ちどり)」(漁師料理)
    場所:有楽町2-10-1交通会館B1
     有楽町に出たついでに、軽く飲んで帰ろうと言う話に。
     肴は950円均一。ビールがドライだとか、酒が一種類しかないとか、「酒好き」には もう一つだけれど、ツマミ(魚)はなま物の鮮度が非常に良くて、今回は 「タラの白子」「貝の刺身の盛り合わせ」「アオヤギの焼き物」と、 どれも納得だった。
     お通しは「イカの煮物」
     食べ物は納得OKなのだが、通いたくなるにはもう少し値段が安くないとな、 と思うのだった。「交通会館」の店賃は安くなさそうで、 下町に行けば同じものが半額かも?という気がするんだよね。
       同じ有楽町でも「怪しいガード下」とか「開発から取り残された路地」とか、 CPの良い立地の良店はほかにもあるし。
2010.2.22
  • 会社の健康診断でレントゲンではわかりにくい薄い影があるのでCTを撮って もらいなさい、と言われて「人生初CT」
     医者はレントゲンを見て「ぜんぜん悪いものじゃなさそうだけれど、 せっかく来んだから撮って帰りますか?」みたいなノリでCTの予約の間に 割り込ませてくれた。
    (会社の健康診断では何年も前から、「なんか見えるような見えないようなものが…」と 言われ続けていて、多分古い炎症の痕と思われるのだが)
     とはいえ、なんだか経験値が上がった気がするし、毎月「天引きされている健康保険料」 を少しは使って世間に追いついた気分がするね(笑)
2010.2.20
  • 映画『涼宮ハルヒの消失』鑑賞(本八幡TH#5) ★★
     ほとんど一字一句小説のままで、原作ファンは納得すべきなのか、それとも これだったら「映画にしなくてもいいな」と思うべきなのか複雑の心。
     ここまで「原作に忠実」というのは、夏休みを繰り返して見せたのに 通じる発想かもしれない。
     良く考えたらこの作品に登場する面子は「キョン」以外は長門もハルヒも古泉も 「別人」ばかり。違和感があるのは正しいことかもしれない。
     でも…。
2010.2.18
  • 映画『ハンコック』鑑賞(WOWOW) ★☆
     不死身の力持ちで空も飛べる超人で、頼まれたらイヤとはいえない スーパーヒーロー生活を送るハンコックだが、なげやりで荒っぽい スタイルがその筋からは大不評。
     マスコミからは人命救助や犯人逮捕への協力を讃えられるより、 仕事のついでにぶち壊した街や車の被害額についてバッシングされている。
     そんなハンコックが冴えない広告代理店のエージェントを事故から救ったことで、 ハンコックに恩を感じた彼の「イメージアップ作戦」が始まる。
     …という設定のお話。
     超法規的な活動はもちろん警察からはうとまれていて逮捕状も出ているが、 あえて逮捕されてまじめにオツトメして「ヒーロー不在」の間に、 街では犯罪発生率がうなぎ上り。
     ついには、銀行強盗にお手上げの警察がハンコックに頭を下げて 仕事を依頼する事態に至る。…というところまでは、まあ設定から想像できる範囲のお話。
     ところが、一息ついて、記憶も家族もなにもないハンコックの秘密に ついて話が及ぶと、「なんじゃそりゃ〜」と驚愕の設定&展開となる。
     なかなかはちゃめちゃで面白かった。
     こういうシンプルな設定のちょっとした特撮アクション映画が、 派手で強力なCGによってパパッと作れるのは良い時代ですね。
2010.2.17
  • バンクーバー2010
    「フィギュアスケート・男子ショートプログラム」
     日本人選手好発進。プルシェンコは堂々の一位発信。
     一方ジュベールはまさかの転倒で早くもメダルは絶望的。他にも後半のグループの 実力者たちの間で波乱が多く、やはり「オリンピック」だなと感じた次第。
  • マンガでわかる菌のふしぎ (SB新書)
     またまた細菌本を買った。
     我が家の「菌人気」が上昇してきたのはアニメ『もやしもん』以降のことで、 一番人気はもちろん「オリゼー」…コウジカビだが、 今回の本は最近の研究者が書いた本で、カビとか酵母の類はジャンル外らしく、 醸造系の話は無い。
     身近な登場人物(?)は、乳酸菌など。
     他は圧倒的に「体に悪い菌」とか、 「高温高圧の極限環境化で生きる菌」とか、そういう話が多い。
     逆に捉えれば、類書と異なる「身近な菌」以外の話があるのが面白い。
     以前は最近の研究と言えば「培養」することから始まっていたのが、 細菌は生きた菌でなくても「DNAの破片」を調べることで研究できるようになり、 常識では考えられないような環境で生きている細菌の存在が研究できるように なったために、今まで生物が居ないと考えられていたような場所で、 細菌の痕跡を拾い上げることが可能になったのだそうだ。
     もちろん、最後のほうには「人体に住んでいる菌」の話も有る。
  • 「アンチョビ」の自家製
     TV(色彩の王国)で「アンチョビ」を特集していた。
     一般的には缶詰や瓶詰めで売っているアンチョビは、「カタクチイワシ」を 三ヶ月ほど塩漬けにしたものだそうだ。
     びんづめだと、500〜1500円程度のものが多い。
     イタリア料理のレシピを見ていると、けっこう頻繁に登場する食材だけれど、 割高感があってあまり買ったことが無い。
     ところが、番組の中で「日本にも似たような食品がある」と紹介されていて、 一般的に目にするイワシを樽に塩漬けにして「稲ワラ」でふたをするという 作り方のものだった。
     「稲ワラ」は、そこにくっついている「菌類」が発酵を助けると言う。
     なんとなく「それって納豆菌」…?とも思うが、これは加熱していないので、 ふつうにあたりを漂っている酵母や乳酸菌の類が繁殖するものと思われる。
    ※納豆を作るときはアツアツの大豆をワラで包むため、納豆菌以外の菌が 死んでしまうのである。
     基本的にはワタを抜いて塩漬けにするだけなので、アンチョビ風発酵食品は ご家庭で簡単に作れそうだ。塩加減が決め手になると思うが、かなり 塩からいものなので、簡単に腐敗して失敗することも少なそうだ。
     たぶん、試しに作って、三ヵ月後に怖くなって妻に内緒で 廃棄するような気がする…(^^;;
  • 天日塩に菌
     上記の「細菌本」の話題。
     天日塩に「好塩菌」が居ることがある。というのは聞いたことのある話だが、 それが「完全自然乾燥」の塩だけでなく、「釜で焚いて濃縮」するタイプの 塩でも菌が生きているそうな。
     深海には120度の熱水の中でも繁殖する高温大好きな特殊な菌が居るくらいで、 塩の中で増えるような頑丈な菌にとって、100度の煮沸は涼しいもの、とか。
     これが人体に害を及ぼす菌ではないのは幸いだが、なんとも 驚いたことだ。
2010.2.16
  • バンクーバー2010
    「スピードスケート男子500m」
     個人的にはノーマークの競技で、銀(長島)・銅(加藤)の二枚のメダル獲得。
     おめでとうございます!
    「アイススケート・ペアFS」
     川口ペア、惜しくも4位。
     コーチは「まだまだ中堅。ソチにも出られるわ」と言ったとか。
  • 明日は健康診断、だが今日買った「おとなの週末」が焼肉特集で めまいがした(笑)
  • 新宿末広亭の三月下席で「三遊亭楽太郎改メ円楽襲名披露興行」とか
     切符が取れるかどうかわからないけどな…
2010.2.15
  • 「虐殺器官」伊藤計劃(ハヤカワ文庫)
     2000年代最初の10年を代表するSFと評された作品がやっと文庫になったので読んでみた。
     ストーリーは、9.11後のテロが多発する近未来アメリカを舞台に「要人暗殺専門部隊」 に所属する主人公によって語られる。
     彼は政情不安な発展途上国で続発する「大量虐殺事件」の現場に赴き、 その首謀者たる政府要人を暗殺する任務を受けるが、連続して起きる それらの事件の陰には常に1人の米国人の存在があった。
     …という状況で始まる物語。
     舞台は戦場だが、物語のテーマは身近な人物の死について考えることだろう。
     作者は若くしてガンで亡くなり、この作品も闘病の合間に書き上げられたもので、 生きること、死ぬことの意味について深く考え抜いた様子が伝わってくる。
     この作品は最初に角川の「小松左京賞」という、コンテストに投稿され、 最終選考までダントツの支持を受けた居たものの、最終選考で 「虐殺の言語」というアイディアの練りこみや「ラストの処理」が不満足だということで、 その年は入賞無しとなった。これを、同期の作家の進めによりハヤカワに 読んでもらい出版が決まったものだと言う。
     「SF」として、「言葉によって人を操り虐殺を引き起こす」というのは、 それほど驚くようなアイディアではないと思うが、この作品の中で 虐殺言語は、多くのスペースオペラで必須アイテムの「超光速航法(ワープ)」 と同じく、世界設定の背景を構成するものだと思う。
     だから、小松氏が物足りなく思うほどにこだわる必要は無いのではないか。
     「音楽によって人の気分が鼓舞されたり鎮められたりするように、言語の中に 潜む構造が人の虐殺衝動を掻き立てる」という設定は、音楽に感動したことの有る 人になら、誰でも想像できるわかりやすい設定で、その中身まで事細かに 書く事は無い。
     むしろ、マンガ「のだめカンタービレ」のように、ページに描かれている 絵を見て何を感じるか、その場面のクラシック音楽を知っているか否かで 受取り側の深さに違いが生じる、という程度の違いは、この小説を読む人の間に 生じるかもしれない。
     というのは、小説中に古今の映画、音楽、文学、哲学、SF、最新科学、医療、 コンピュータネタetc.からの引用が大量に詰まっていて、一行の背景に本一冊くらいの知識を 前提にしている部分があるから。
     それがわからない人には「なんか専門用語の飛び交う会話」としての 意味しか無いページになるかもしれないけれど、わかる人には、 登場人物の人物像を厚みを与えてくれる大切な情報になる。
     ともあれ、この本の面白さは命について真剣に考えた作者のシリアスな 態度から来ていると思う。
     一読されたし。
  • バンクーバー2010
    「アイススケート・ペアSP」
     日本出身の川口選手のロシアペアが出場。
     出場順序は、世界ランキングの上位(=後半)/下位(=前半)で分けて、その中で抽選 という仕組みで、「お忙しい方は後半だけ見てもOK」という仕組みなのに、 優勝候補の中国ペアが前回のオリンピック後の引退から復帰…ということで、 世界ランキングのポイントを持っていないために前半グループに入り、抽選の結果第一演技。
     そしていきなりの「世界最高得点」を出した。
     まあまあ、同じ組で演技する他のペアは、その半分くらいの点しか出ないので、 有る意味「プレッシャーも無い」のかも知れないが、それにしても、 めったに無い流れであった。
     中国ペアはアイスダンスの選手のように表現力を磨いていて、このまま金を取っても しょうがないかな、と思う完璧な演技であった。
     川口ペアはショート3位。彼女は全選手で一番体重が軽いのだそうだ。 ペアは軽いほうが演技に有利なのは確かだが、やっぱり「めらめらと燃えるようなもの」 が有るのが彼女の一番いい所だな。
    「モーグル女子・決勝」
     惜しくも4位でメダル無し。でも7,6,5,4位とオリンピックに出るたびに 順位を伸ばしてきたのは素晴らしいと思う。もう一度出たら3位?って、 みんな言うんだろうなぁ…
2010.2.14
  • バンクーバー2010
    「ノーマルヒル」メダルなし
     優勝したのは、先日NHKの特集番組に出て、ものすごい身体能力を披露して いた選手(だったと思う)。
     日本人登場部分だけ録画をツマミ食い。ジャンプ競技は素人にも わかりやすい。
     ところで、ジャンプ競技にはどうして「女子の部」が無いのだろう。 TVで少年スポーツとしては小学生女子が取り組んでいるのを見たことがあるけれど、 やらない理由が無いような?
  • 環境中の「タミフル」による耐性ウィルスの発生の可能性に関する研究
     「日本薬剤師会」がこんなことを全国調査しはじめたそうな。
     「水鳥などが河川の水を飲んで、これに含まれるタミフルと体内のウィルスが 接するうちに薬剤に強いウィルスが生じる」ことを懸念、とあるが、今までの検査での ピーク値は「約300ナノグラム/リットル」だとか。
     国立感染症研究所では「まだ仮説に過ぎない」とコメントしている。
     まあ、冬鳥がその下水処理場の排水を飲んだとすると、1ナノグラムくらい は体内に入るかもしれない。10億分の1グラムですな。
     人間がタミフルを飲んで薬として効能が発揮される為に必要な量を考えると、 そこには100,000,000倍くらいの量的ギャップが有るのではないだろうか。
     さてそこで、こういうオーダーの化学物質が検出できる装置が存在する というのはもの凄いことだと思うけれど、こんな調査は 「高価な分析装置を回転させる」為だけにあるような無駄な研究だと 思うのだな。
     クスリとして作用する濃度の一億分の一の薬の害を調べることに 「予算消化」以外の意味があるとは、まったく考えられない。
     それで何かが起きるのならば、タミフルを飲んだ人の咳の飛沫に 含まれるタミフルを吸引した家族のインフルエンザが治るくらい むちゃくちゃな話だ。
  • ちなみに、今までも「日本薬剤師会」は色々な薬品(鎮痛剤や向精神薬etc.) について、同じように環境への影響を調べているのだとか。
     やっぱり「分析装置の営業」としてやっているようにしか思えないんですね。
2010.2.13
  • バンクーバー2010
    「開会式」
     初めての屋内での開会式ということで、何か変わったことがあるかなぁと おもって見ていたが、天井から雪を降らせたり、サーカス団(シルクドソレイユ?) の空中曲芸(ワイヤー・アクション)があったり、「吊りモノ」を多用したショー は確かに屋内会場ならではの演出だった。
     ネットニュースには「新鮮味にかけた」なんて批判も有ったけれど、 まあ「あんなもの」じゃないかなぁ。開会式なんだし。
     それはそれとして、今日は外出の予定があって、開会式の進行が 40分ぐらいも伸び伸びに伸びまくったのはまいった。
     録画予約はEPGのおかげで自動的に追従してくれて助かったけれど。
     音楽がついている演出の部分は予定の尺からずれることは無いと思うので、 伸びたのは「入場行進」かなぁと思うが、舞台監督力に疑問を感じるねえ。
     途中から会場整理の係員が必死に選手団に向かって「速く進んでくれ〜」と 整理している様子が写っていたが、そんなの毎回のオリンピックで同じ なんだから折り込み済みでないのが間違いの元だったね。
     あとは、なんだか「歌」が多かった。
     いくら世界的に有名な歌手が何人も居るのだとしても、しょせん 「歌は歌」なので、そうそう何人もに歌われても別に楽しくも無い。
     これも式典が予定より伸びた原因じゃないのかな。きっと、 「私に歌わせろ」ってな話を芸能界の力関係で断れなかったとか、 プロデューサーが酒の席で安請け合いした出演話を整理できなかった のだ。
     まあ、憶測ですけどね〜(^^;
  • NHK交響楽団・2月定期演奏会Cプログラム(NHKホール)
     というわけで、バンクーバーの開会式を録画機に任せてコンサートに。
    • 指揮:セミョーン・ビシュコフ
    • ワーグナー/トリスタンとイゾルデから「前奏曲と愛の死」
    • マーラー/交響曲 第5番 嬰ハ短調
     実はワーグナーもマーラーも苦手なほうなのだが、まあまあ面白かった。
     ワーグナーは楽劇なので、やっぱり「絵」が無いと物足りない。
     今回の演奏は「いいところ」だけれど、三時間のオペラの中の良いところ だけ聞くと言うのも、なんだか楽をしているようで気がとがめる(笑)
     マーラーはとても音が大きくて感心した(^^;
     好きじゃなくても、このくらい有名な曲になると、知っているフレーズばかりで、 世の中でマーラー好きが大勢居るのは理解できるなあと、なんとなく感じた。
  • なべ・フライパン・パエリアパン
     渋谷に出たついでに、東急ハンズの調理器具フロアで遊んで帰る。
     最近の話題「煮込み料理用鍋」として、ストウブの「鋳物ホーロー鍋」が置いてあった。
     有名なのは「ルクルーゼ」のほうだが、「ストウブ」は取っ手まで 全て金属製ということが違い。つまり、樹脂製のツマミがついている ルクルーゼと違い、オーブンに入れての調理に使える。
     高価で大げさな鍋だとは思うが、趣味で凝った料理を作るには良いね。
     外観としては「黒ツヤ消し」も良いが「ナス色」の塗装の鍋がなかなか美しい。
     ルクルーゼはやたらとポップな色使いなのが対照的だ。
     鉄のフライパンは、ネットでも評価の高い「極」というプランドのものが 各サイズ揃っていた。
  • 加工食品の賞味期限の「安全係数」は?
     役所は「0.8以上が適切」と考えているらしい
    →http://www.maff.go.jp/j/jas/hyoji/pdf/qa_i.pdf
    のだが、実際のメーカーは0.33程度の表記をしていることが多いらしい。
     つまり賞味期限が一ヶ月のハムが実際は三ヶ月は大丈夫とか。
     メーカーが十分以上に短い賞味期限をつけているのは「あまりにも賞味期限が長いと 消費者が人工的で体に悪いイメージを持つ」ことを警戒しているのではないかな。
     近代的な無菌工場でパッケージされた加工食品なら、保存料を使わなくても 腐らないことは不思議でもないわけだが、やはり「市民感覚」では、 「腐る食品のほうが自然で体に良い」という歪んだ認識があるのだろう。
     我が家など、漬物とか塩蔵肉とか、日々微生物実験中だけどね。
     昔の人の方が、発酵と腐敗について知識豊富だったのは間違いないですな。
2010.2.12
  • 「万歳」の正しい作法は「偽書」
     某自民党議員が「鳩山首相の万歳はお手上げに見える。一国の元首たるものは 正しい万歳の作法をわきまえているべきだ」というような国会質問をして、 政府が「万歳の正しい作法は決められてはいない」という閣議決定を出す。
     と言う「まぬけなやりとり」があった。
     この「万歳の作法」というのは1990年代に広まった偽文書があるのだそうだ。
     その内容は「気を付けの姿勢からまっすぐ手を上げて足は一歩踏み出す」という、 実際にやったらちょっと奇妙なもの。ラジオ体操?
     これが、明治時代に発布された政府の文書の体裁を取っているけれど、なにしろ 発布の日付が「4月1日」。
     国のアーカイブにこれに対応する文書は確認できず、 「エイプリルフールのジョーク」なのは明らかだが、 国会で「君が代・日の丸」の関する議論がやかましくなったことを背景に、 ちょっと硬い機関(消防署とか、役所とか…)などの間に瞬く間に広がって、 いまでも生き延びているのだそうだ。
     自民党も野党初体験で、まともな質問を思いつかないのか。
     50年間官僚の作った政策に判子をつくだけで、批判的な眼で 政策を検討する機会が無かったので「野党力」に欠けているんだな。
2010.2.11 [建国記念の日]
  • いよいよこの週末からバンクーバーオリンピック
     祝日の暇を利用して、とにかく溜まった録画はどんどん見て焼いて、 番組表を調べて録画予約を入れまくった。
     注目競技は主にフィギュアスケートだけれど、日本人の活躍はなるべく 見ておきたいものだ。
     とりあえず、レコーダーの検索ワードに「メダル」を入れているんだけれど、 上手く機能するかな?
  • ドラマ『とめはねっ!』(NHK)
     全6話のドラマで先日終了したのを見終わった。
     マンガ原作で、出演者はタレントとしての知名度よりも 「マンガに似ている」ことを優先した感じで違和感なし。
     部活アニメ・ドラマはあたりが多いけれど、この作品の場合 「書を書く瞬間」というのが売りになり得る話なので、アニメより ドラマで正解だったと思う。
     アニメでも、出来上がりの「書」をデータにして張り込む事は簡単だと思うが、 体を動かすことというのが、とても大切な表現になっていた。
     ともあれ、「美しい文字」には感動がある。と思わせてくれたのは 作品として大成功だと思う。ストーリーには根性・友情・初恋etc.の 要素もあるけれど、「書」が主人公になっていたのが良い。
  • fMRIで植物状態の人の意識を確認、したとか
     SFでは「意識不明の人間の脳を読み取る」みたいなネタは 以前からあるけれど、ついに、今まで「完全に意識不明」と思われていた 患者を「fMRI」に掛けることで、非常に少ない割合だが 「呼びかけに対して脳が反応を見せる人」が見つかったという研究が出た。
     しかも何か反応すると言うだけでなく、 問いかけに対する「Yes/No」が確認できたと言うのだから、 これはおおごとだ。
     つまり「一見植物状態で外界とのコミニュケーションが取れなくなって いるけれど、耳が聞こえて思考能力も有る」という状態がわずかな確立である ということ。
     このニュースの結びは「しかし、これらの患者に対して、 治療の継続を望むかどうかの質問は行っていない」というもの。 それはできすぎたオチのようにも聞こえるが、医療倫理を揺さぶるような研究だ。
     昔々のマンガで「事故で脳死と判定されて心臓を移植に提供された女の子が、 実は意識があって…」というホラーがあった。
     また、実はまだまだ意識があるけれど安楽死させられてしまう人が居るのかも… と考えると、これは怖い。
     あるSFでは、植物状態の患者の意識をMRIで読み取ってロボットを操縦させて 社会復帰するという、話もあった。
  • 最近の研究では「fMRIで夢が読める」なんて話も出始めている。
     今の技術は「脳の血流」を測定している都合、「思考」から「読み取り」 に数秒のタイムラグがあるそうだが、将来は、もっと小さな装置で、 もっと迅速に読み取りができる時代が来るかもしれない。
     そういう話を突き詰めていくと、遠い未来にはお金持ちは機械の体を 手に入れて永遠に生きて…てな、『銀河鉄道999』的なディストピアも 部分的には有りなのかなと。あるいは『攻殻機動隊SSS』とかも 高い世界が実現したり。
2010.2.8
  • IR3S/TIGS叢書No.1「地球温暖化懐疑論批判」
     「温暖化懐疑論者の誤り」を網羅的に具体的かつ徹底的に容赦なく論破する冊子。
     無料でpdf(93ページ)配布されている。
     著者: 明日香壽川 河宮未知生 高橋潔 吉村純 江守正多 伊勢武史 増田耕一 野沢徹 川村賢二 山本政一郎 は、みな第一線の研究者たち。
     現代人ならまさに必読の冊子だ
       懐疑論者たちのウソがよくわかる。
     冒頭にまとめられた「懐疑論の言説の特徴」は、一見科学的な議論に紛れ込む 間違いの分類として、わかりやすく面白い。
    • 既存の知見や観測データを誤解あるいは曲解している
    • すでに十分に考慮されている事項を、考慮していないと批判する
    • 多数の事例・根拠に基づいた議論に対して、少数の事例・根拠をもって否定する
    • 定量的評価が進んできている事項に対して、定性的にとどまる言説を持ち出し て否定する(定性的要因の指摘自体はよいことではあるものの、その意義づけ に無理がある)
    • 不確かさを含めた科学的理解が進んでいるにも関わらず、不確かさを強調する
    • 既存の知見を一方的に疑いながら、自分の立論の根拠に関しては同様な疑いを 向けない2)
    • 問題となる現象の時間的および空間的なスケールを取り違えている
    • 温暖化対策に関する取り決めの内容などを理解していない
    • 三段論法の間違いなどロジックとして誤謬がある
     取り上げられた懐疑論の個々の主張は、すべてこれらの誤りのパターンの 何れかに該当することが、冊子を読むと理解できる。
     一方、一冊の「懐疑本」としては、最近書店に平積みになっていて目に付く、 武田の「偽善エネルギー」などを読むと、上記に分類される誤った議論の他に、 「誰もが共感する良い話で始めて、読者の心情を引き寄せた上で誤った主張を混入させる」 という、文章の技術の巧妙さでミスリードさせる手法も多い。
     この手の議論は、レジ袋や容器包装ゴミなどの議論で 「行政はこんなに無駄な環境政策をやっているんだ」という気分にさせた上で、 他の幾つかの政策を列挙し、「だからみんな信用できない。これは全て偽善だ」 と誘導する。
     この手の大衆受けする誘導にやられてしまう読者層に、 「地球温暖化懐疑論批判」冊子の詳細な反論が届くかどうか は難しい問題と言わざるを得ない。
     だが、第一線の科学者が参集して、世論を誤った方向に誘導しようとする 言説を正して行こうという試みを実行したことは高く評価したい。
  • 実際問題、懐疑論の著作者は、類似の主旨で1人で何冊もの 本を出している人が多い。私の利用している「駅前の書店」では、 以前から政治向きの主張をする書籍が優遇されているのだが、 温暖化懐疑論本も、店内の一等地に集めて平積みにされている。
     こう目だって展開されると、大変な大勢力のように見えてしまうが、 「店主の心情」に大きく支配されているのだろうという推測はできる。
     もちろん「懐疑本は売れる」という事情もありそうだ。
     人には、自分の判断を補強する証拠を集めようとする性向(確証バイアス) があるので、懐疑本を購入する層は、さらに何冊も同様の主張の書籍を 買い求めて納得しようとする傾向が強いだろう。
     恐らくそれらの人々は、懐疑論に対する詳細な反論集がネットで無料で読めたとしても、 わざわざ自分から読むとは思えない。
  • 世の中には「温暖化に関しても、両論併記すべきだ」 という考え方もあるようだが、まともな科学者の99%が同意している事実 について、わずか1%の半主流派の著作を同じ数並べるのは、 ミスリードを仕向けていると言わざるを得ない。
     そういう意味では、「書店は何を売るべきか」という判断も 有る程度は必要なのではないか。「売れるから」という理由で 反温暖化対策企業の御用学者の著作を一面に並べるなどは、 志が低いと感じるがどうか?
2010.2.6
  • 映画『ゴールデン・スランバー』鑑賞(新宿バルト9) ★★
     舞台は仙台で、「首相暗殺事件の犯人」に仕立てられた主人公が、 警察(事件の黒幕の手先)の包囲網…仙台封鎖の網の目をかいくぐって 仙台中を逃げまくる話。
     舞台が仙台、しかもほぼ観光地以外の地元の人しかわからないような土地 が舞台と聞いたので「仙台出身の友人」を交えて鑑賞したのだが、 地元民にはなかなか面白かったようで、エンディングのロケ地・提供etc.の テロップまで存分に楽しんでいたようだった。
     仙台は駅前しか知らないという私には、ご当地的なネタは全然わからないのだが、 物語の本筋は、何故主人公ははめられたのか、どんなトリックで 偽の犯行の証拠が用意されたかという、ミステリー部分は十分面白く、 特に全編にちりばめられた大量の伏線の回収っぷりに感心した。
     まさに、全てのエピソードに無駄が無い。ラストのワンカットまで、 「あれがこのカットの伏線だったのか!」と唸らされた。
     まあ、純粋なミステリーとしては規格ハズレに頑丈でホラーっぽい 敵が現れたり、偶然知り合った(としか思えない)相手に助けてもらうとか、 いきなり爆死してそれっきりの人とか、残念に思うところもちょっとあるけれど、 「え?そんな」と思うまもなく突き進む勢いがあるのが素晴らしかった。
     主人公を取り巻く旧友たちや逃亡中に出会う人がみんな「いいひと」 なのも、ほろ苦いラストなのに後味が良い理由だと思う。
2010.2.5
2010.2.4
  • 和食シフト2
     妻が、「鶏とゴボウの煮物」を作った。うむうむ。
     一方私は「蒸し鶏」第二回。
     前回は単純に鍋のふたをずらしていたけれど、「蓋の下に箸を二本挟む」のが 安定して良いようだ。温度調節は火力の弱めのコンロで、ガスの空け方で調整。
     お湯が沸騰する音でピタリと決められれば本職っぽいが、かなり微妙なところで 大幅に温度が変わってしまうため、温度計は必須という感じ。
     今回は胸肉一枚に対して、70〜75度(70度をぎりぎり切らない程度に火力を調整) で30分
     前回75〜80度程度だったときには、内側と外側の硬さがわずかに違って いたが、今回は外から中までふわふわに柔らかい感じ。
     蒸し時間は、もう少し短くても大丈夫そうだが、その場合、これ以上 柔らかくなるかどうかはわからない。以下次号という感じだ。
  • 山田の打ち出し中華鍋[山田工業所HP]
     先日焼きなおした中華鍋。なべ底にピンホールがたくさんあって、 新しい鍋にも興味が向かうところだが、「世の中の定番の人気商品はなんだろう」 と思ってネットを見ていたら、山田の打ち出し中華鍋が圧倒的に人気が 有るようだ。
     で、家の中華鍋はそれだったよ(笑)
     十数年前に中華街の道具屋で何となく買ったのだけれど、メーカーが 横浜にあって、中華街の店でもたくさん使われている。そして、 「打ち出し」という製法では国産の過半数をここで作っているのだとか。
     これの良い所は、鍋本体と取っ手が一枚の板から作られていて、非常に 丈夫なところ。リベット止めの柄や、木製の柄の鍋よりなんとなく 信頼感が高い感じがする。
     テフロンのフライパンを毎年買い換えるのに抵抗があって、鉄のフライパンが 欲しいとも思っているのだが、フライパンも山田でいいかと思う今日この頃。
     ところで、最近の家庭用ガスコンロは、加熱防止センサーが全ての口に 設置されて、鉄鍋の空焼きが出来ないようなのである。
     それは困るねえ…。中華鍋を使う国会議員(あるいは官僚)が居なかったんだな。
  • オーブンに入れてそのまま加熱できる鍋
     が有るといいなあという話が有ったのだが、「パエリアパン」はどうだろう?
     要するに「片手で総金属」なら良いんだからな。
  • まな板を削る
     まんなかが目に見えて凹んだので、カンナで削った。
     結構、減るもんだ。-2mmくらい?
  • 先日「絶対にカビない唯一の木のまな板」というものを見かけた。
     あらためて調べなおしてみたら これかな? [青森ひば職人]
     これは木質自体に抗菌効果があるのだと思うが、値段が5,000円以上して 驚いた。板だからねえ、ただの。家で使っているのと同サイズ(24x40x3cm)だと8,500円!
     たしかにカビない性能は気になるけれど、一年に一度はカンナで表面を 削ってしまうので、絶対にかびてはいけない…という程のモンでもないな。 潔癖症の人はむしろ、プラスチックのまな板を使うだろうし。
     道具好きとしては、そのお金で代りに「まな板を削る為の良いカンナが買えるなぁ」 と考えたりするのだが…(でもいつか買うかもね…)
     楽天で調べたら、これが、値段とサイズのバランスに納得のできるあたりかな。
    「青森ヒバまな板M 巾広 縦240×横450×厚さ33mm」
    これで\5040(税込)とか。
2010.2.3
  • 緊急企画・浅田真央に3A飛んでいただく研究
     先日NHKのハイビジョン特集で「ブライアン・ジュベール」のジャンプの 高速度撮影やトレーニング風景をみてなかなか面白かったのだが、 番組の解説や浅田真央のコーチ陣のジャンプ立て直し策が物理的に 間違っていたりするのが気になった。
     スポーツ関係者の中には、中学高校の力学も理解できていない人が 居るということなのだと思う。
     そこで、手っ取り早くジャンプの回転不足を解消する力学の勉強をしてみる。
    ■人間がジャンプできる限界時間=0.7〜0.8秒
     これはNHKが「ジュベール」の4回転ジャンプ時間と「走り幅跳びのメダリスト」の 滞空時間を示してこの値。
    ■一回転あたりの所要時間を求めると「0.2秒」
     もちろん、ジャンプの回転数を増やすには「滞空時間を増やす」と「回転速度を上げる」 の二つの方法があり、現在の一番滞空時間の長い選手と、一番回転速度の速い 選手の速度を掛け合わせると5回転も可能なのだそうだ。
    技ごとの各種数値
    回転数所要時間(s)初速(m/s)高さ(m)
    4 0.83.920.78
    3.50.73.430.60
    3 0.62.940.44
    2.50.52.450.31
    2 0.41.960.20
     こういう前提で浅田真央の演技と、報道されたコーチ陣の発言を検討してみよう。
     コーチ陣は「調子の良い時のビデオを見ると壁に直角に助走していたから、 助走の角度を修正した」と言っていた。
     その結果現在のジャンプは「壁に直角にアプローチして、ほぼ90度曲がって壁に平行に着氷」 というようなジャンプになっている。
     「ジュベール」や「織田信成」のようなきれいなジャンプを跳ぶ選手は、 全体的にはゆるやかな弧を描いて、踏み切りの方向と着氷の方向はほぼ同じである。
     最新の「橋大輔」のトリプルアクセルも、まっすぐ前を飛んで踏み切り、 助走の速度のロスはほとんど無い。
     どうも、「山田門下」の女子選手は踏切の瞬間、進行方向と直角にブレードを 踏み込むフォームが多いようだ。
     しかし、全体のフォームの美しさと水平方向の飛距離による「加点」を狙うならば、 助走スピードをほぼ100%殺して飛ぶ現在のトリプルアクセルのフォームは 改善すべきだが、実はこの飛び方は「力学的なロス」も大きい。
    ■垂直から約30度傾いている「浅田真央」の踏み切り
     ビデオを見ると、浅田真央のトリプルアクセルの踏み切りは、垂直から約30度、 助走の方向に傾いている。
     これは、「壁に直角に助走」しているから、ブレーキをかけないと 着氷で壁にぶつかるから。
     床の体操競技や跳馬などは 「踏み切り板の弾性」を使うことで、助走の運動エネルギーを高さ方向に変換しているが、 あいにく スケートリンクは、「薄い砂地に水を撒いて凍らせた構造」で、弾性は ゼロと見て差し支えない。氷の上に鉄球を落としたらほぼ跳ね返らない。
     つまり「完全非弾性衝突」である。
     斜めに踏み切る、ということは、ジャンプで発生する筋力を 「高さ」と「助走の速度をゼロにすること」に分散させていること になる。
     踏み切りの角度を「約30度」として計算すると、速度は 垂直方向=86.6%+水平方向=13.4%となる。
    3.5回転に必要な踏み切りの初速度を3.43(m/s)とすると、 その86.6%は2.97(m/s)で、これは、 3回転ジャンプに必要な初速度2.94(m/s)にほぼ等しい。
     ここで得られた数値は、実際に回転不足になったジャンプの 「進行方向から90度ひねって踏み切り、着氷後エッジを90度くらいひねる」 …合計180度足りない…という現実と合致している。
     多少の角度は「氷をしっかり捉える」というプラスの意味が あるかもしれないが、回転数にして0.5回転分ものエネルギーの 損失はあまりにも大きすぎる。
     この0.5回転分のエネルギーは、ただ「壁にぶつからない為」に 浪費されているのだ。
     角度が10度未満なら、ロスはせいぜい1.5%未満となり 無視することができる。
     というわけで、ただちに「壁に直角に助走」は止めるべきだ。
    ■一流選手のジャンプは「助走を必要としない」
     フィギュアスケートのジャンプは、リンクの全長を使って助走する選手も多いため、 助走がとても大切なイメージを持ってしまうが、かつて「スルツカヤ」選手の 控室映像で見られたように、控室で普通の垂直飛びで三回転を飛ぶことはできる。
     「トリプル+トリプル」のコンビネーション・ジャンプを成功させる選手の多くは、 最初のジャンプでは助走をつけているが、セカンドジャンプでは、 ほとんど「速度ゼロから飛んでいる」のも一般的に見ることができる。
     つまり、助走は「回転力」を得る補助の役割は多少はあるけれど、 垂直方向のエネルギーとは関係無い&必要無いのである。
     「ジュベール」の4回転のように、助走速度と着氷速度がほとんど変わらない 飛び方は、ジャンプの瞬間「筋力の全てが垂直方向に働いている」ということ であり、着氷後の速度が大幅に低下するジャンプは、踏み切りの瞬間に 大きくロスをしている証拠となる。
  • というわけで、助走の方向を変更するだけで、0.5回転分のエネルギーロスを 回収する可能性があるのだから、ちゃちゃっとフォーム修正して頑張って欲しい。
     とりあえず、高橋くんのビデオを見ると良いかな。
2010.2.2
  • 和食シフト
     今月健康診断があるので、突然和食を志向してみる(笑)
    「大根とイカの煮物」…レシピ本は大根は一時間煮て、イカは表面の色が変わる程度 に火を通したらいったん取り出して、最後に温める程度にして仕上げる。と有った。
     まあ悪くは無いんだけれど、これってイカに味が付いて無くね?って感じだョ(?)
    「蒸し鶏とキュウリのごまだれ」…レシピ本では「胸肉の上手な蒸し方」 に関しては一切の記述が無し。ただ「胸肉を蒸して細かく裂く」としか書いてない。
     「そんなの常識」…なのか?
     というわけで、低温でゆっくり蒸す工夫をしてみた。 (鶏肉は火が通りにくいくせに、加熱しすぎるとカチカチになるからね)
     蒸し器をごく弱火にかけて、鍋のふたをずらして1cm弱空けた状態で、隙間から 温度計を差し込んでみると、隙間によって65〜75度くらい。
     火が通るかどうか自信が無くて40分も蒸してしまった (レシピの全調理時間が40分と書いてあったので、それ以上ということは無いと思って 止めたのだ(^^;;)が、蒸しは20分程度でも良かったかな。
     最終的に中心温度は75度だったけれど、70度以下でも固まるみたいだ。
     時間は長かったが、温度が低いので柔らかかった。
     「蒸し料理」はゆでるのに比べて「味がお湯の中に溶け出さない」という ことだけでなく、「100度以下で調理する」というのがポイントだな。
     アメリカのオーブンには「ロースト・ビーフ・モード」というのがあって、 65度を維持する機能があるそうだけれど、家のオーブンは低い方は100度が 限度。

     最近買った「食品用のデジタル温度計」、これはなかなか使える。
     蒸し器のほんの少し(数ミリ)のフタの空け方で10度も温度が上下するとは 知らなかった。
     それで、「蒸し器のふたの内側に温度計を付けたら凄い便利…」かと思ったが、 それをやるなら、最近流行の「加熱水蒸気で調理するオーブン」を使えば いいのかな…(^^;

     キュウリのほうはレシピでは昆布味の薄い塩水につけて下味すると言う凝りようだが、 ごまだれかけたら下味なんかほとんど問題ない感じだが…。
     全体的には、まあまあだ。
    「きんぴらゴボウ」…レシピ本の通りに作る。甘いな〜。 もっとアッサリ味で良いな。
2010.2.1
  • 「シアター!」著:有川浩
     「図書館戦争」で有名な有川浩が、アニメで知り合った「沢城みゆき」が所属している 「Theatre劇団子」をモデルに書いた、「破産しそうな劇団建て直し小説」
     お話の中心人物は、とある劇団を主催する青年と、その兄で普通の社会人。
     本業は声優の新入劇団員の女性登場によって、新たな局面を迎えた劇団が、 それまでの「僕らは演劇をやっていさえすれば良い」という考えから、 「内容も経営も刷新していこう」と新展開に突入する。
     主催の兄(まともな社会人)が劇団の資金の流れを分析して無駄を省いていく描写が 「大人の社会科見学」小説ともいえる面白さ。
     この一冊で完結しているが「彼らの今後の活躍も描いて欲しい」と感じる読後感だった。
2月のBS/WOWOW★注目番組
  • 2/6(毎土)21:00- WOWOW★BBCグレート・ネイチャー(全25話)
  • 2/7(日)8:15- WOWOW 手錠のままの脱獄
  • 2/10(水)21:00- WOWOW★E.T.
  • 2/11(木)深0:00- WOWOW 罪とか罰とか
  • 2/14(日)10:15- WOWOW★地球の静止する日
  • 2/14(日)20:00- WOWOW★地球が静止する日
  • 2/14(日)深0:00- WOWOW★つみきのいえ
  • 2/15(月)9:25- WOWOW ハスラー
  • 2/21(日)20:00- WOWOW★ベンジャミン・バトン
  • 2/22(月)16:10- WOWOW★大奥(仲間由紀恵)
  • 2/24(水)深0:00- WOWOW ブーリン家の姉妹(16c)


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!