映画館がやってきた!

構築日記・不定期便
- What's NEWを兼ねた日記のような読み物 -
2008年8月
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[8月のBS/WOWOW★注目番組 ]

2008.8.30
  • 昨日の録音のCD化
     歌声という物は「波形」がシンプルなので、オケの演奏より小さく感じても、「音量」そのものは 驚くほどでかいものである。
     わかってはいたのだけれど、今回も大音量で歪んだ(^^;;
     こういう「複数の人が出演するソロコンサート」では、音の小さな演奏と爆音が同居するので、 どちらをターゲットにするか悩むのだが、ボリュームを押さえるとスカスカに聞こえるので、 小さな音を拾おうとすると、大音量でのリスクが高くなる。
     今回、一番声の大きな人の演奏では、生で聴いていても、右耳から入った音と、左耳から入った 音の位相差で奇妙な干渉が脳内で発生して「ぎゅ〜ん」というビート音が盛大に聞こえて痛いくらいだった。
     もしかすると、録音レベルの設定以前に、マイク内のヘッドアンプですでに歪んでいる のかもしれない、これは。プリアンプかも知れないし。
     マイクの感度設定をLOにしたほうが良かったかもしれない。
     とにかく、「ソプラノの声」はほとんど正弦波で、倍音が少ないので、音量感は大きくないのに、 デジタルデータとしては振りきりまくりだ。危なすぎる。
     まあ今回は平日のコンサートでリハーサルが聴けなかったから仕方ない。  次回は思いっきり低感度で録音しよう(^^;;
2008.8.29
  • 演奏会「スプラ・アンサンブル 第5回 独唱・重唱研究会」
     妻が参加している合唱団の団員によるソロの発表会。
     今回は「めぐろパーシモンホール」(小)という立派なホールで開催。
     ホールが良いからか全員気合充実でいつもに増して良い出来だったように思う。
     普段声が細いと思っていた人も、厚く響いて充実度が高くなっている、ホールのせいだけではなく。
     妻の歌った「信長貴富/寺山修司の詩による6つのうた"思い出すために"より」の三曲は、 久しぶりに歌を聴いて涙がこぼれるほど良い曲だった。
     元が合唱曲からのソロへの編曲だそうで、若干合唱曲的なメロディーが気になる曲もあったけれど、 信長氏は現代の作曲家としてはなかなかのメロディーメーカーである。残り三曲も是非聞いてみたいものだ。
  • 演奏会が終わって外に出て見ると凄い雷雨。
     演奏中にもステージの照明がチカチカするくらい近くて激しい落雷があった。
     というわけで、電車が動いてない(^^;
     打ち上げに参加するしかない(笑)
     宴会の席で、まだ5回のこの演奏会で、他に「大雪」と「台風」で客が来れないほどの 悪天候とかち合った事がある事が取り沙汰され、今回と併せると3/5の確率で、「嵐の演奏会」である事実が確認された。
     ちなみ、他の妻の演奏会では「東京で震度5の地震が発生し、山手線と我が家のエレベータが 止まって演奏会を聴きに行けなかった」という事件もあった。それでも演奏会はやるんだもんな…。
  • 映画『デトロイト・メタル・シティー』鑑賞(新宿バルト9) ★★☆
     演奏会の打ち上げが終わっても電車が動かず帰宅できないため、とりあえずタクシーで山手線まで出て 新宿でオールナイトの映画を見るという始末に。
     ちょうど「見たい映画」が上映されていて良かった!
     終始爆笑の連続でなかなかのテンションだったが、何より音が凄い。
     メタルの演奏シーンが占める割合がかなり多い映画なので、この作品は映画館で耳が痛くなる 寸前の大音響で鑑賞することに価値がある。
     たぶん本物のロックコンサートはこんなものではない大音響だと思うが、映画館の音は 安全な範囲で凄い迫力。ホームシアターでは、これほどの大音響は田舎の一軒家でもない限り 不可能だし、映画館で見るのとは印象が変わるだろうな。
     音響以外では、主人公(松ケン)の、メタルな化粧前/後で人が変わる落差が凄かった。
     いくら白塗りといっても、あれは特殊メイクに近い変わりようだ(笑)
     くじけて実家に帰ったシーンもやたらにしみじみして、なのに笑えて良い。
2008.8.26
  • 『スターウォーズ・クローン・ウォーズ』鑑賞(錦糸町) ★★
     本編エピソード2,3の間にTVアニメの『クローン大戦』があったけれど、今回は3Dアニメとして 劇場公開だ。
     発売中の「SFマガジン2008年10月号」p.94の「ジョージ・ルーカス・インチビュウ」によれば、 この秋アメリカで始まるTVアニメシリーズの前章として 「TVアニメを作ったけれど、結構出来が良いから劇場で公開しちゃおうかな。ファンも大画面で 見たいよね。」ってノリで公開されたものらしい。
     以前の『クローン大戦』とは全く別物でストーリー上のリンクも無いというから、 平行世界の出来事というか、有体に言えば「なかったことに…」ということか。
     前作はたったの「5分アニメ」で、まあ『エピソード3』公開までを繋ぐイベントと いえると思う。
     今度のシリーズは「30分アニメ」なので、普通のアニメ作品だ。
     「3DのCGアニメ」というのは最近の米国製アニメのスタンダードだが、人物は 『サンダーバード』のマリオネットを意識していると言う。
     実際に見ると、以前の2Dアニメのシリーズはとっても日本人に受け入れられる表現ではなかったけれど、 今回のキャラデザインは実写版の役者の顔と2Dアニメのデザインの中を取った感じでマアマア耐えられる。
     動きに関しては、どうやってつけているのか解からないけれど、実写のデータをうまく生かしているようで、 結構リアルで、ちゃんと「スターウォーズ世界」の人物らしく見える。
     ストーリーはあまり無い。
     一応、「ジャバの息子の誘拐事件」が発生し、これをジェダイが解決することで共和国軍の 辺境地域での活動を保証させる取引をしようという政治的な取引が行われるが、実は裏では 全く逆の状況に持ち込もうとするシスの陰謀が…
     てなストーリーがあるのだが、画面で展開されるのはひたすらに戦闘シーンだ。
     最初から最後までドロイド軍団とクローン軍団が撃って撃って撃ちまくる展開のその合間に、 ジェダイがライトセイバーを振り回している。
     戦闘シーンとドラマの比率は圧倒的にドンパチで、まあ30分アニメなら「スカッと爽快」 かも知れないけれど、それが2時間延々となると意識が朦朧としてくる(笑)
     ていうか、普通のアニメ前後編50分でストーリーは片付くと思うんだ。
     特記すべきは、配給がFOXからWBに変わってオープニングの「ぱっぱかぱ〜」という ファンファーレが無いこと。
     3Dスクロールの字幕もないこと。
     さらに「スターウォーズのテーマ」がアレンジされて些か軽い感じになっていることが、 イマイチ「さあスターウォーズだ!」という勢いをもたらさない。
     今回字幕版で見たが、冒頭数分間は場面の説明ナレーションがあって、 字幕だとぎっしり難しい漢字の連続で全然絵を見ている暇が無いので、 これから見る人には「吹き替え版」をお薦めする。
     話が始まれば戦闘シーンばかりで字幕の量も大したことは無いけれど、主要キャラクターの声は (ギャラが高すぎるからか)映画の配役と異なっているので、敢えてオリジナル音声にこだわる 必要は薄いと思われる。
     3Dアニメの技術的な面に関しては、『ガンダムMSイグルー2.0』みたいな感じ。
     ほとんど全てのオブジェクトをCGで描いていた実写の『エピソード3』と比較すれば、 あれほどのツルピカ感は無く、うっすらと紗をかけたようなソフトな映像で、 コントラストが弱い。
     CGで描かれる人物の「マットな質感の人形劇」という感じに合わせこんでいるのだろうが、 ドロイドたち(C3-POやR2-D2)の金属光沢が無いのは残念。
     技術的に言うと、金属光沢をつけると、写り込みの計算量が膨大になるし、解像度の高い テクスチャーを張るとレンダリングが大変過ぎるという事もあるだろうが、実写映画版との CGの質感の落差は、やはり予算と時間に原因するのだろう。  アニメーションをやっているスタッフは、大部分が中国名で、日本アニメの 下請けで養った技術が流出しているのかなという気もする。悪いこととは思わないが。
  • 居酒屋「井のなか」(錦糸町2-5-2 tel:03-3622-1715)
     二人で9,000円
     今まで雑誌でしか見た事の無い日本酒がたくさんあって「すごいな〜」と 興奮してしまったけれど、お値段も結構良い。
     今回呑んだのは 鶴齢無濾過1合 1150
    伯楽星特別純米1合 850
    喜久酔S 900
     品書きに一合とはあるが、ガラス徳利に正一合の容積があると思えないので、 実質この値段の何割り増しかではある。旨いことは旨い。
     特に今回「鶴齢無濾過」は素晴らしかった。
     料理は500円程度から。天然鰤 1,400円も旨かったが、ワサビが本物。 これも高いけど旨いということ。
     野菜のおひたし 480円は、見た事も無い野菜で、噛むと「シャキ、シコッ」とした 歯ざわりがあるのだけれど、後からほんのりしたトロミが滲み出てくるという、 初めての味。この店で一番インパクトがあった。
     まあ、そういう店なんだけれど、常連っぽい客たちは、ギネスを注文して 飯をくっている若いサラリーマンとか、カクテルなんか頼んで恋の話に忙しい OLとか、なんか普通の客。
     やっぱり錦糸町くらいだと、私らのような(一品一品論評しながら箸を動かしつつ、 日本酒の品書きを熟読するような)凝った客が来る頻度は低いのかな って感じがするのである(笑)
  • マクロスZERO Blu-ray版の新作カット
     見直して、マオ兄弟の両親の写真を飾ってある机に「シェリルのイヤリング」そのものがあることを確認した。
     これは「らしきもの」とか、「同種のもの」などではなく、確実に全く同じもの。
     マオが島を離れる時にもって出たものが今(50年後)、シェリルの持ち物になっていることは間違いない。
     しかし、マオの血を引いているらしいランカがお腹の中にフォールド・クォーツを持っていると言うことは、 マオの両親の写真に供えてあった「石」は、もしかすると母親(あるいは先祖の誰か)の死体を処理したとき 体内から出てきたもの…ということなのか?
2008.8.25
  • 市ヶ谷のお堀端でマクロスFのCD「ライオン」のADカーが走っているのを見かけて仰天した。
     巨大なトラックの側面にぐるりとシェリルとランカが手を繋ぐCDジャケットの絵と、その左右に中の人 (May'nと中島愛)の写真。
     こういう宣伝、ジャニーズならともかくアニメでもあるんだなぁ。(まあ、親はビクターだと思うが)
     11tトラックなので、まさか個人所有の痛車ってことは無いと思うぞ。
     ちなみに、週末に「オリコン・デイリーランキング」を見たらなんと2位になっていた。
     実売数でも今までのシングルの中では最高に売れているらしくて、これは週間ランキングでも マクロスFCDの最高位を狙えるかもしれない。
2008.8.24
  • 北京オリンピック「閉会式」
     演出は開会式と同じチャンイーモウ。
     流れは他の閉会式と同じく、ショー・選手入場・閉会の挨拶・聖火の消灯・ショー・次の開催地の紹介コーナー・コンサート、 という構成。
     開会式は映像(プロジェクターやLED照明)をつかった演出がすごかったが、閉会式はより肉体的な感じ といったら良いのかな。とにかく「なんだかすごいなぁ」とは思った。
     一番印象的なのは「ワイヤーアクションが多用されている」ということ。さすが中国の映画監督が 演出しているって感じがする。会場も観客席全体を覆う天井があって、吊り物を仕掛け易い構造になっているのがミソ だと思うが、とにかくあれもこれも飛びまくりで立体的な演出になっている。
     しかし、良く良く考えるとこの大屋根のフチに「聖火台」が有るという構造のために、 観客席からは屋根の影で聖火が見えない場所がたくさんある。
     トラックに居る選手には全員に見えると思うけれど、屋根の下の観客席からは、聖火に向き合う 限られたエリアからしか見えない。きっと聖火が見えるのは全体の1/3〜1/4くらいの席に限られる のじゃないか。
     会場の外からも、かなり遠くからでないと見えないだろうなあ。平たい屋根の内側だから。
  • オリンピック期間中に旅行に行っていた事もあって、競技自体はまだまだレコーダーのHDDの中に多数 埋れているんだけれど、とにかく、日本もそこそこメダルを取れたし、バドミントンや卓球など、 フルセットで逆転勝ちの連続なんて試合をたくさん見る事が出来て面白い二週間だった。
2008.8.23
  • 『マクロスZERO』のBlu-ray鑑賞! ★★★
     2002年制作とあるが、5話で2年もかかったらしい。理由はCG技術を一話ずつ開拓しながら進んで行ったから。
     時間をかけて作ったからか、やっぱり絵も音もクオリティは高い。
     南の島に取材に行った成果は、美しい美術や島の人たちのちょっとしたリアクションにリアリティーが込められている。
     空も海も美しい。雲の迫力や緑の濃さは南の島らしい。
     解説を聞くと、南の島は戦争の遺跡がたくさんあり、ストーリーは本格的な戦争を扱うつもりだったのが、9.11に影響されて より霊的な雰囲気をもった話に変わったのだという。
     それにしても、ゼロのストーリーがFにがっちり食い込んでいると考えると、 これからさきのFはもありの事態だなぁ。プロトカルチャー恐るべし。
  • ネットを眺めていて知った情報だが、『マクロスZERO』Blu-ray版リリースにあたって、 DVD版からほんの少し手を加えられた場所があるのだそうだ。
     それは『マクロスF』との連続性を強めるためのものらしい。
     具体的には、シェリルの例の「フォールドクォーツ」で出来ているらしいイヤリングは 『マクロスZERO』の時代には存在して、先祖から「マオ」たち姉妹に伝えられていたもの らしいんだな。
     というわけで、『マクロスF』ファンにとってはますます『マクロスZERO』の必見度が 高まってきたと言う次第。
     近日中にもう一度丁寧に見直すつもり。
  • 『マクロスF』第10話「レジェンド・オブ・ゼロ」再見
     「マクロスZERO映画版」と言っても良い、Fの第10話をあらためて見てみた。
     作品世界的には50年前の実話。
     「シンの伝記」をもとに書かれた脚本と言うことになっているけれど、彼はZEROの物語に係るまでは たんなる若いパイロットで、「鳥の人争奪戦」の数日間の活躍の後は、海に墜落したのか宇宙の彼方に 飛んでいったのか、結局行方知れずなので「伝記」というのとは、ちょっと違うような気もする。
     ともあれ、あらためて劇中映画『鳥の人-BIRD HUMAN-』と、アニメ『マクロスZERO』の 完璧な一致振りは感心してしまう。
     しかも、ZEROの劇中に登場した缶ジュースと同じものを、Fの撮影風景の中で撮影スタッフが 休憩中に手にしていたり、ちょっとしたリンクもたくさんあるようだ。
     エンドロールの出方もそっくり。思わず、キャストまで同じなんじゃないかと疑って、 リストを読んでしまった。でも「映画」なんだから、別の人が演じているほうが正解だね(笑)
  • 『マクロスZERO』の特典映像で、キャストや監督が「映画版、つくりたいね〜」と 言っているが、確かに、映像やサウンドを強化した「総集編ではない映画版」なら 見てみたい気がする。
     そもそも「美しく緻密な絵」で、大きなスクリーンで見ないと勿体無いような作品に仕上がっている。
     『マクロスF』のCGは、3Dだけれどセル画に見えるように立体感が処理されているのに対して、 『ZERO』のCGは、より実写映画的な立体感や質感を作りこんだものになっている。
     『フロンティア』は、CGが効果的なものと、手で書いたほうが効果的なものの見極めがつくようになっきて、 手書きパートとの整合性を重視して「セル画風CG」をやっているのだと思うが、これは まず手書きとCG見分けがつかないくらい成熟してきた。
    (『ガンダムSEED』の時代の、浮いたCGは、いかにも過渡期のものだと言う感じがしたものだが。)
     逆に、『ZERO』のCGパートは、実写映画風のCGなのに、水彩画の背景にセルの人物が馴染んでいるのと 同等のレベルでしっくりとCGが収まっている。
     恐らく、『ZERO』の方がとんでもなく手間がかかる。
     だからこそ、絶対に大きなスクリーンで見ないともったいない出来栄えだと断言できる。
     広々とした南の島の風景を見るだけでも、スクリーンなら感動できる。

  • マクロスF#20『ダイヤモンド・クレバス』
     くっ、まさか○○が死んでしまうとは…
     前回(トライアングラー)のラストを見て想像したとおり、屋上のアルトとシェリルは、 抱き合っていた…というほどのものではなく、相変わらず足元のフラフラしているシェリルを アルトが抱きとめた瞬間に…、ということだったが、ランカは大誤解。「ごめんなさい」 と叫んで逃げ出す。
     そこで「ちがうんだランカ!」なんて言ったらアルトもおおバカ野郎だが、 ぐっと堪えてシェリルの元から動かなかった。
     ちょっと株が上がったな、アルト…とは思うが、ランカはこれでだいぶ突き放されたな。
     しかも突然のバジュラ(第二形態)出現で、アルトには「みんなのために歌ってくれ」と 言われるわ、シェリルからはビンタをもらうは、散々。
     ランカがバジュラをコントロールする能力は「歌」そのものに力があるのではなく、 そのときの「感情」に左右されるものである事が判明。真っ黒な気分で歌うランカに 反応して、バジュラは凶暴化。アイランドワンは、雲霞のように湧き出てきたバジュラに 蹂躙されるばかりか、宇宙の彼方の母艦まで呼んでしまう。
     ここでグレイスは「まだフロンティアがやられてもらっては困る」ということをいう。
     彼女の目的はプロトカルチャー文明にも為し得なかったでっかい何事か、ということしか 解かっていないけれど、まだまだ真の目的が見えてこない。
     フロンティアがターゲットにされた理由の一つに「銀河中心宙域を目指しているから」 ということがある。
     『ZERO』を見た後だと、どうも「鳥の人」が反応弾もろともフォールドして消えていった先に、 未知の何かが有り、それが銀河中心宙域のどこかなのではないかという気がしてくる。
     「鳥の人」は人類の進化を監視して「失敗作」と判断したら処分する為の武力を持っている わけだが、それ以上に「人工的に進化を促進する」という能力が有り、 「バジュラの高度で急速な学習的進化能力」は、鳥の人との係わりを感じさせる。
     グレイス連は、鍛え上げたバジュラを引き連れて、鳥の人と対決して勝ってしまおうとか、 鳥の人の超能力を手に入れて、フロンティアの人間を使って超人類への進化実験をやろうとか、 そんなことを考えているのかも。
     レオンの筋書きと、グレイスの筋書きが食い違ってきたのも今回のポイント。
     大統領はバジュラ襲撃のドサクサで一旦は暗殺の危機から(無自覚に)脱出するが、 計画が露見したレオンは開き直って、指揮権を奪取。ほとんどおおっぴらに大統領を 射殺してしまう。
     しかしですよ。大統領暗殺計画を知ったのなら、身内であるキャシーがまず 大統領(父)に警告をすべき。父ちゃんが死んだのはあんたが不用意なせいだ。
     オズマも役立たず。
     少しでも知恵があるならば、執務室で「クーデターがばれた」と動揺する下っ端兵士に 活を入れて直ちに掌握し、その場でレオンを拘束すべきだった。甘すぎる。
    (この甘さは死亡フラグに匹敵するよ)
     バジュラの襲撃でナナセ負傷。顔に大きな傷を負ったようでメガネも割れている。
     生き延びても暗黒化しそう。
     シェルターで怯える民間人を前に「歌うこと」を取り戻したシェリルの今後の復活に期待したい。
     同じシェルターに、ランカの元マネージャー(社長)が居たのも頼もしい。きっと、社長が何とかしてくれるよ。
     今回最大の山は、ミシェルとクランが互いの気持ちを確かめ合ったとたんに、 バジュラの攻撃でミシェルが死亡したこと。
     ミシェルもゼントラの血が混じっている様子で通常より高い身体能力を持っているとは思うが、 腹に穴を開けられた状態で宇宙に吸い出されてしまったのでは、そうとうに絶望的だ。
     なにより、最後にシェリルの涙とオーバーラップして「キラーン」と輝いていたのがマズイ。
     完全にお星様になってる。
     そんな状況の中で、相変わらずルカ君は明確な働きが見えてこない。
     こそこそと情報収集は続けているけれど、実戦で何かの役に立った事がほとんど無いので、 そろそろなにか出番が欲しいが、活躍した途端に死にそうな気もする。  シェリルの体の秘密を知っているのは「クラン」だけになった。
     クランも今は恋愛の世話も含めてシェリルの味方になっているけれど、 バジュラと感染症に関する研究者が、全員SMSの敵方にいることが絶望的。
     SMSにも医者は居るけれど、シェリルの特殊な病状に対応できるような気がしない。
     むしろランカの血がシェリルを復活させるようなエピソードがあるのではないか。
     『ZERO』で瀕死のマオの体に「鳥の人の体液」が大量に輸血されて復活するシーンが あるが、マオの孫 = プロトカルチャーの直系の子孫であるかもしれないランカの血が、 神秘的な力を発揮してもおかしくない。
2008.8.21
  • 『攻殻機動隊S.A.C. トリロジーBOX』(Blu-ray)鑑賞 ★★★
     三ツ星です。
     『攻殻機動隊S.A.C.』は、CSで放送後DVDになったり民放に降りてきたりしている各26話のTVシリーズで、 私は1stと2ndGigをTVで見た事が有り、しかし両方ともTV局の陰謀(放送時間変更とか、最初から歯抜け放送とか)で、 どちらも2,3話ずつ見落としている。…という状態で、いつかはコンプリートしたいと思っていた作品。
     このBOXは実はTV版ではなく各160分ほどにまとめた総集編。
     本編分量で言えば、26話から8話(1/3ほど)の分量に圧縮した編集になっている。
     本来私が補完しておきたかった趣旨とはちょっと違うのだが、監督の編集の腕が冴えていて、 「劇場版長編作品」と比較できるほどの、密度の濃い作品に生まれ変わっていた。
     画質は、「SDワイド画面からのアップコンバート」らしいので、ハイビジョンの精細さは無いものの、 通常のDVDよりは確実に良さそうだ。どんなに激しいアクションでも曖昧なところが無いし、最近の デジタル制作のアニメのように、青空にマッハバンドが現れるような粗相も無い。
     音声は5.1chになっていて、TV放送より確実にリアリティがある。自然なサラウンド感で作られている。
     ということで、画質音質には文句無くストーリーに集中できる出来。
     TV放送には本筋…「笑い男事件」や「個別の11人事件」…とは関係ない話も散りばめられていたので、 総集編ではまるごとカットされている。逆にカット部分の整合性を取る為の、新規アフレコや若干の 新作カットもあるらしい。でも、完全に溶け込んでどこが新作なのかは全然分らない。
     カットされたエピソードの中には、タチコマがAIについて考える話など、それなりに重要な話も有るので、 もったいないと言えないことは無い。少なくとも「ククルスドアンの島」をカットするより惜しいとは思うが、 特典映像のインタビューの中で、監督は、1stに関しては非常にぎっちり構成してあり、TVシリーズの段階で これ以上カットできないと言うくらい詰め込まれていたので大変だった、といっている。
     しかし、話を絞り込んでまとめたことで、一本の「映画」として、きっちり筋が通っているし、 ある意味「説明を省いているのにとっつき安い」という巧妙な出来になっていると思う。
     改めてみていて思ったのは、厚生省の送り込んだマトリ(麻薬取締り官)の暴力シーンは、 映画『レオン』のイメージをちらほらと取り込んでいるように見えること。
     そう思うと、バトーと素子の上に『レオン』の二人のイメージが被せてあるようにも見えてくる。
     まあ、素子の武力はナタリー・ポートマンの弱さとは比較にならないが、意志の強さは方を比べられる。
     そして、バトーの、素子を守りたいと言う一途な純情ぶりは、まったくレオンそのものだ。 メガネと毛糸帽子もなんとなく似ている。
     互いの感情を言葉には出せない二人の、愛とも友情とも断言できない感情は、国家権力の 闇と戦う極限状態の中で、透明な輝きを放って見える。
     二人の間には超えられない何かがあって、バトーは結局のところ片思い。片思いでも良いから愛していたい という純情さが涙ものだが、彼にはタチコマの愛があるから救われている。
     タチコマとバトーは不思議な関係だ。
     そもそもタチコマには性別が無く、バトーと素子の間の関係とは比較の対象にならないけれど、 そのぶん、純粋な「愛」があるような気がする。バトーや素子は全身義体化してから長い月日が たっていて、普通の人間とは「自己」についての考え方が違う。
     記憶を電脳空間にアップロードしたら、最後に残された脳さえ要らないのではないかという 段階にまで進んでいる。だから、A.I.であるタチコマの感情を「プログラムされたもの」とは 感じていない。
     1st.と2ndGIGを通して「タチコマ」の感情面の進化も描かれていて、2nd.GIGのクゼと 素子の関係を合わせて複雑な三角関係の物語であるとも言える。
     ともあれ、アクションメロドラマの傑作『レオン』との相似ばかりでなく、 タチコマが何故か読んでいる本が「アルジャーノンに花束を」であったり、 サリンジャーの引用が散りばめられていたり、そういうドラマの部分がTVシリーズ以上に 強調されて、ガンマニアなどには物足りないかもしれないが、刑事ドラマとしては 深みを感じる。
  • 刑事ドラマといえば、『パトレイバー』が『踊る大走査線』に影響を与えたことは有名。
     考えてみれば同じ押井監督がかんでいる。(攻殻SACは弟子筋たちの作品だけれど)
     どちらもロボットや電脳空間という設定以上に人間関係の面白さがキモな作品だけれど、 『パトレイバー』はラストは「巨大ロボット」が格闘して幕という縛りがあるだけに、 TVゲーム的な軽さが付きまとっているきらいはある。
     TVシリーズのレイバーの出番の無い回の方が面白いということもいえる。
     『パトレイバー』は「警備部」の所属で、『攻殻』が「公安」だというのも、 結構重大だ。なにしろ、警備部には捜査権が無く、主な任務は雑踏警備とか、 レイバーが暴れているのを取り押さえるとか、力仕事ばっか。
     映画版でテロリストと戦わせたりしたのは、ほんと脚本の力技だと思う。
     一方『攻殻』は「犯罪の匂いがすればどこにでも駆けつける」という、まさに攻めの組織。
     相手にするのも「人間」だから、どんなエピソードでも有りな自由度がある。
     難を言うなら、公式には存在しないことになっている秘密の組織なのにあまりにも 活躍しすぎて一旦壊滅したことに見せかけて再建したりと、強すぎて大変な部分くらいか。
     映画版にしろTVシリーズにしろ、毎回国家規模の陰謀と戦うのは大変だ。
     そこにいくと、『パトレイバー』には膨大な「息抜き」がある。
     何も起きなくて、一日埋立地で釣りをしていて良い緩さが、最大の売りなのかも。
  • それにしても『攻殻』の事件は難しい。
     映画版『GHOST IN THE SHELL』は、
     外務省が政治的な(不正な)情報操作を実行するために開発したAI「人形遣い」が自我に目覚め ネット上を逃亡し、その回収(証拠隠滅)を目論む外務省と先頭になる話。
    TV版
2008.8.20
  • グインサーガ122『豹頭王の苦悩』
2008.8.19
  • お盆の交通状況
     ニュースによると、やはり燃料費高騰の影響で高速道路の渋滞は短く、電車は盛況という 傾向だったそうだ。飛行機も国内は平年どおりだが国際線は1〜2割り減。中国の落ち込みは最高。オリンピックなのに…。
     飛行機なんか客が空っぽでも燃料費がそんなに減るとは思えず…
  • こんななかでも「地球温暖化論は間違っている」式の本が平積みでどんどん出版されている。
     見るたびに思うのだが、「温暖化の要因に占める二酸化炭素の割合」が如何ほどかについては、 議論の余地はあるだろうが、二酸化炭素削減は「ガソリン節約」や「経済の効率化」と直結していて、 ガソリンを売っている業界以外に「二酸化炭素削減反対」することで利益の上がる人はそうそう いないんじゃないかと思うのだが。
     まあ、法律で二酸化炭素削減が義務付けられると、苦しい業界や、技術革新に出遅れた会社は 辛いかもしれないが、同じサービスを少ないエネルギーで提供できることは、企業の体力そのものに 繋がるのだから、そこは温暖化と関係なく進んでいくよね。
     結局反対派は時間稼ぎか、皆と反対のことを言うと「本が売れる」から出版しているだけ のように思える。真に受けてのんびりしていたら、会社はなくなってしまう。
  • 温暖化を唱える人間は原子力発電推進派の回し者だ
     という説も広告で見たな。確かに原子力には色々問題が多くて20年前は私も完全に反対派だったが、 現在は「つなぎの技術として上手に使う」のが得策かなと思っている。
     どっちにしても、ウランも希少資源でガソリン並みに浪費したら数十年で枯渇するらしいので、 自然エネルギーを効率よく使う方法を考えるべきだと思うが。
  • 風力発電は確実に増えている。
     先週は名古屋から下関までず〜っと太平洋沿岸を船で旅したわけだが、船に乗るたび、 海岸沿いに風力発電の風車が増えているのを実感する。
     しかも、以前は一箇所に数基の風車だったのが、一箇所の数が増えて大規模化している。
     着々と努力を進めて行って欲しいものだ。
2008.8.17
  • ガンダムEXPO(池袋サンシャインシティ)
     10月から『ガンダム00』第二期も始まると言うタイミングで、ガンダムエキスポ(最終日)を見に行った
     展示は1stからほぼ年代を追って、延々とガンプラ、ポスター、作品解説のパネルが並び、 主要なモビルスーツについては、1/10スケールの巨大モデルが展示されている。
     あとはおもちゃ関係の即売。ゲーム、クイズコーナーなど。
     会場はかなり広くて、見物には二時間以上かかった。
     「映像展示」以外は撮影可能。
     まあ、ガンプラはアクリルケースに入っていて照明が暗いので、たいていの人の写真は フラッシュでテカテカに写りこんだものばかりになっているようだったが。でも、懐かしいポスター 展示の複製が取れたのはちょっと良いかも。
     最大の目玉は「00セカンドシーズン」の予告映像で、60秒(?)の映像を、リピートしていたが、 まあストーリーは全然想像もつかない。主人公が少し大人になっていて、年月の流れを感じさせるのが ちょっと良い感じだったけれども。
     ともあれ、10月が待ち遠しい感じは盛り上がった。
2008.8.16
  • 旅行の写真整理をしながらオリンピックの録画をこなす。
     花火大会で我々の船=「ぱしふぃっくびいなす」と「日本丸」「飛鳥II」が一緒になったので、 それぞれの船の日程を調べて比較してみた。
     「ぱしび」が一番日程が短く国内のみだが、後の二隻は、海峡を抜けてそれぞれ韓国の港に寄港し、 「阿波踊り」は、三艘が一日ずつ日程をずらして見物というスケジュールだった。
     夏休みの間中、これらの船は別々の出港地から同じ夏祭り見物に出かけるスケジュールをこなしているらしい。
     特に横浜港(大桟橋)からの週末は需要が多いからか、同じ日の朝昼晩三艘が代わる代わる出港する日が 多いようだ。
     横浜は良いねぇ…
  • マクロスF第19話「トライアングラー」
2008.8.15
  • 関門海峡花火大会と阿波踊り見物クルーズ(ぱしふぃっくびいなす)-4/4-
2008.8.14
  • 関門海峡花火大会と阿波踊り見物クルーズ(ぱしふぃっくびいなす)-3/4-
2008.8.13
  • 関門海峡花火大会と阿波踊り見物クルーズ(ぱしふぃっくびいなす)-2/4-
    [7:00] 起床(足摺半島沖)
    [8:20] 朝食
    [10:00] ダンス/c
    [11:45] 昼食(天ザル、かぼちゃの煮物)
    [15:25] 関門橋 通過
    [15:45] 入港
    [16:00] 飛鳥IIが橋をくぐるのを撮影
    [16:40] 飛鳥II入港
    [16:55] 下船(下関駅前見物)
    [18:15] 帰船
    [18:30] 夕食(鮎の南蛮漬け、海鮮散らし寿司、河豚のから揚げ、茶碗蒸し、しじみ汁、メロン)
    [19:50] 花火大会
    [20:40] おわり
    [??:??] ダンス・タイム
    [22:40] 夜食(ミソラーメンなど)
    [22:50] 出港
     2日目は、午後に関門海峡に入り、船のデッキから花火大会の見物。
     朝起きると太平洋ど真ん中…っていうか高知県沖を回って豊後水道へ。
     今回の部屋は船首にある事もあって、ほとんどエンジンの振動が来ない。
     廊下や隣の部屋の物音もほとんどしない。これは良いことだ。「クィーンエリザベスII」 なんか、思いっきり壁が薄くてせきをする音まで筒抜けだったし、エンジン音は常にごろごろ 鳴っていたから。やっぱりそこは新しさが感じられる。
     そのかわり、穏やかな海でも太平洋上では多少の揺れを感じる。波の高さは、1mくらいらしい。
     船首だから、揺れが大きいのかな?舵を切った時の傾きも案外大きい。

  • ダンスレッスンが毎日あって二回参加。
     あとから2005年の「日本丸・瀬戸内海クルーズ」の記録を見たら、「マンボ」と「ブルース」の ダンスレッスンに参加したと書いてある。
     「ぱしび・下関花火と阿波踊りクルーズ」でも「マンボ」と「ブルース」だった。
     以前のことはすっかり忘れていたけれど、今回のレッスンはやけに分りにくかったので、 やっぱり先生の教え方がイマイチだったんじゃないのか…(^^;(日本丸の記録には分りにくかった とは書いてなかった)
     初日の「マンボ」は、ベーシック・ハーフターン・フルターンの三種。
     翌日の「ブルース」は、ベーシック・クォーターターン・チェックバックの三種。
     日本丸で習ったのと一緒だな。
     もっと参加したかったけれど、三回目はなんと「阿波踊りの練習」とバッティング。
     クルーズのメインイベントと同時刻開催なんて、有り得ないでしょ。(4回目はビンゴと同時刻)
     ダンスレッスンの参加者は意外に多いが、他に参加するイベントが少ないのではないかとも思える。
     (日本丸の瀬戸内海クルーズは寄港地無しなので、船内イベントの比重が大きく種類も多かった)
2008.8.12
  • 関門海峡花火大会と阿波踊り見物クルーズ(ぱしふぃっくびいなす)-1/4-
    [ 8:30]新幹線で東京駅発
    [10:32]名古屋(JR中津川行き)発→金山
    [10:40]金山着。
    [10:49]地下鉄名港線・名古屋港行き発
    [11:00]名古屋港駅着
    [11:45]搭乗受付開始
    [12:00]昼食(押し麦とアスパラガスの白和え、鳴門若布と湯引き蛸の八方酢、冬瓜の冷やし鉢、海老カツの玉子とじ、吸い物(はまぐり、三つ葉)、香の物、ご飯、フルーツあんみつ)
    …乗船カードの生年月日が間違っていることに気づく。
    [12:50]セイルアウェイ・セレモニー
    [13:00]名古屋出港
    [14:00]…セントレア沖通過
    [15:00]オリエンテーション(8Fホール)
    [15:30]避難訓練
    [16:30]ダンス/c
    [18:30]日没
    [19:30]夕食(2)
    (鯛のカルパッチョバルサミコ風味、冷製ジャガイモのクリームスープ、帆立貝柱のソテー・シードルソース・ナスのグラタン添え、西瓜のシャーベット、牛フィレ肉のロースト、ティラミス)
    [21:15]田川寿美コンサート
    [22:55]ダンス・タイム
    [23:15]夜食
     去年の夏休みは「8泊9日」のアラスカ旅行という、思い切り長い旅行をしたので、今年は 「3泊4日」の国内旅行ということで、このプランになった。
     クルーズ船(ぱしふぃっくびいなす=ぱしび)自体は前日に横浜港を出ている(約400km)が、我々は 翌日新幹線で名古屋に向かい、昼に「名古屋港」を出るプラン。
     船は一日半、太平洋の航海(約8,000km)を続けて翌日午後に関門海峡に到着する。
     つまり、初日は終日航海。おおむね時速30km前後での航海だ。
     名古屋出港は昼。
     乗ったらすぐに昼食。紙テープを思い切り飛ばして出港のパーティー。今回のクルーズの概要説明会、 お決まりの避難訓練。と行事が続いてあっというまに夕方。
     避難訓練は「救命胴衣」を実際に着用するのだが、ぱしびのジャケットは今まで出一番窮屈だった。
     もちろん、フィットしていたほうが安全に決まっているが、これは太った外国人は入らないね。死んじゃう。
     あっというまに紀伊半島の沖あたりで太平洋の夕暮れ。
     金色の夕焼け。

     「ぱしび」は建造10周年ほどになる船で、国内3艘の中では最新だが、他船は比較的最近に改装を 施しているので、新しいけど古い微妙な感じ。
     この10年は、海外クルーズ船の大型化・ラグジュアリー化が一気に進んだ時代なので、完全に 一世代前の船という感じがするのは否めず、この船も近い内に「ベランダ付き客室」の増設を 主とした改装がなされるそうだ。
     我々が乗った客室は6階の船首側。
     デッキの構成はだいたいこんな感じ↓
    船尾中央船首
    12展望バー・ゲームコーナー(カジノ)展望デッキ(アンテナ群)
    11ジム・サウナプール・ジャグジー・展望浴室美容室・展望バー
    10スポーツデッキ客室(スイートルーム)操舵室
    9(ホール吹抜け)カラオケ/茶室/カードルーム客室客室
    8メインホール客室客室
    ボートデッキ
    7メインダイニング吹抜|売店/バー/喫茶ダンスホール
    6客室吹抜|PCルーム/ライティングルームetc.客室/シアター(映画)
    5客室エントランスロビー/フロント客室/シアター(下部)
    4医務室など
     客室は10,9,8,6,5階の5層に分散している。
     10Fはスイート(ベランダつき)
     9Fはボートデッキ上部なので半分は、ボートの影部屋
     8Fはボートデッキで、窓の前を人が通るからカーテンが開けられない。ただ、窓辺に人形などを置いて 飾る慣わしがあって、これを楽しむ人はこのクルーズでも何部屋かあったようだ。
     6,5Fはボートデッキ下部なので丸窓。船尾はエンジン音がするので、船首のほうが良い部屋。
     どうも「良い部屋」と呼べる部屋の数が少ないレイアウトのように思える。
     (最近の外国船や飛鳥IIは、ボートデッキの下部と最上階にパブリックスペースがあって、客室は真ん中の階に 集まっている。つまり小窓でかまわないレストランやシアターはボートデッキの下、展望は上層階、 客室はその間で窓を大きく、ベランダ室もたくさん取れるレイアウト)
     我々が宿泊したのは6F船首側。オーソドックスな丸窓の部屋で、ソファベッドを使って 3人部屋として使う事が出来る。「日本丸」は平行するベッドの頭の位置が逆向きで、壁面に二段ベッドが 収納されているという不思議なもの(他人仕様)だったけれど、「ぱしび」は普通のツインだ。
     このランクのバスルームはシャワーのみ。
     大浴場があるので、湯船に浸かりたい人はそちらをどうぞという発想。
     とはいえ、消耗品セットはビジネスホテルみたいに質素で、内装もなにもかも、ちょっと素っ気無い。
     室内の装飾も、小さな絵が一枚有るだけで、ほぼ飾り気無し。
     収納は引き出し3、クローゼット3で、三人部屋の時それぞれが使える構成だが、それでも 狭いと言うことか、ベッドの下に、良くある塩ビの「押入れ収納ケース(引き出し)」が置いてあるのが 苦肉の策っぽい(^^;
     今回のような日程なら悪くはないが、これで「世界一周」100日以上を回るのはさすがに 窮屈なのではないかなぁと思う。
     旅の間、客室に篭っている訳ではないので、部屋の質にそれほど多くは求めないが、この船は パブリックスペースも限られているので、長旅ならぼんやりする場所も欲しい。図書室、茶室、囲碁・将棋室、 マージャン室、喫煙室、Eメール室などなど、機能別の小部屋はたくさんあるのだが。
     小部屋のラインナップを見ても、客船としてのターゲットがかなり「高年齢の日本人」 であることが見て取れる。
     夏休みの短めのクルーズと言うことで、今回の船客は若者、子供連れも沢山居たけれど、 あくまで老人狙いの船。
     (ネットの解説記事を読むと「若い世代のクルーズもターゲット」とあるのだが、就航後の小改装で キッズルームが無くなったりしているのは、明らかに20〜40代の客が少なかったことを匂わせている)
     ターゲットの高齢化は食事にも現れていて、初日の夜に「フレンチ」が出た他は三食ひたすら和食。量も少なめ。
     従ってワインを飲んだのも一晩目だけ。
     後はず〜っと「お茶」で通したので、妙に健康的なアルコールフリーの旅になってしまった(笑)
     肉は初日の夜のステーキも昼のステーキ丼も100%赤身だし、後はしょうが焼きが出たくらい。
     朝ごはんは、和定食で毎日焼き魚が食べられるのがとっても日本。
     それは良いのだが、朝に「洋」を選択すると普通の洋食ビュッフェになるわけだが、 そちらは完全にビジネスホテルの朝食グレードで、なんか肉に選択肢がない。遅く行ったら 唯一の肉分のベーコンも品切れしていて泣いた(苦笑)
     私は、旅行中は「朝食重視」なので、これは厳しい。まあ結果として和食を選択して、 それが結構悪くなかったので構わないのだが。
     毎日三食老人食なので、夜になると空腹になっている。ということで、22〜24時頃の「夜食」には 世話になった。
     これが、サンドイッチ、おにぎり、ラーメン、そば、パスタ、焼きソバ、ケーキ、フルーツetc.と、 どう考えても朝食のビュッフェよりかなり充実していて、毎日違うものが並んでいて、 色々なメニューを一切れずつアレコレ取って席に着くと、深夜にこんなに食べて悪いことをしている感が ふつふつ湧いて楽しい。
     通常は旅行から帰ると「今日から節制します」という気持ちになるところを、今回は 「よし、帰ったら思い切り肉を食うぞ〜」というアベコベの旅の中で、唯一この夜食だけは なんだか楽しかったのである(笑)

  • 量が少なめとはいえ、味や盛り付けの美しさはまずまず。
     初日昼は和で「海老カツ卵とじ」がメイン。
     妻が「これはエビフライであって、海老カツはすり身になっているべきだ」と言っていたが、 「正調海老カツ」より「エビフライ」の方が高級そう(素材が分るからあまり安い海老を使えないだろう…) だから良いよね。
     夜のフレンチは、ちゃんと見栄えも美しかった。
     料理と言えば「美味なる船」をキャッチフレーズにしている「にっぽん丸」(2005年7月)が思い浮かぶ。
     「飛鳥II」は、日本最大の豪華客船、が売りだろう。
     では「ぱしふぃっくびいなす」のキャッチフレーズは何なんだろうなぁ…というのが、この航海を通しての 探求テーマにせっていされたのだった。
  • ショーは一晩だけ
     今回のクルーズは、3泊の内、2晩は花火&阿波踊りがメイン。 両方とも夜のイベントのため、船内のショーは終日航海の初日のみ。 (ただし、横浜発着の客は、前後に終日航海が付いて5泊なのでそこで手品ショーとかあったようだ)
     ショーをする会場は、ボートデッキのフロアの船首に有り、簡単に言うと旅館の「大宴会場」か、 地方の公民館のような平土間にステージと言う形式で、パイプ椅子。後日パイプ椅子を片付けて、 「阿波踊りの練習会場」にも使った多目的スペースという感じ。
     出し物は「演歌ショー」というのがやっぱり対象年齢が高い。しかも演奏はカラオケ。
     歌手は「紅白歌合戦に出た事がある」…らしいのだが、案外若いので見たら記憶がありそうなものだが、 全然知らない人だった。最近の紅白は「その年のヒット曲」ではなく、懐メロあり、演歌枠ありで、 知らない曲が多いから知らなくても仕方ないのかもしれないけれど、ほぼ全曲知らない演歌を聴くのは ちょっと厳しかった。(苦笑)
     対象年齢が高い出し物だとはいえ、高い年齢の人たちもどうも誰も知らない空気が立ち込めていたのは なんなんだろう。どうせ演歌なら若手ではなく、20〜30年前に一発大ヒットを飛ばして活躍していた人 なんかのほうが、良かったんじゃないかなぁ。途中退席する人もちらほら居たね。
     演出は濃厚なスモークと照明。のみ。
     ただ、照明だけとはいえ、6本のバリライトがぎゅんぎゅん回って派手ではあった。
     このホールは両サイドが「窓」舞台の後は海なので、舞台装置を積み込む余裕は全くないので、 まあ結局こんなものなのだろう。フロアの平面図を見ると出演者の楽屋さえない。
     というわけで、盛り上がりも程ほどにショーは進行して行ったのだが、ラストの曲で一旦退場、 アンコールの拍手で再登場、そして大ラス…というお決まりの進行のところを、一旦退場で 「ぶっつり」と拍手が止まってしまい、うっかり客電が点いたのは唖然とした。
     客席に流れる異様に気マズイ空気…(^^;;
     しばらくしてす〜っと客電が落ち、パラパラと拍手再開で再登場。
     無事最後の曲を歌う事が出来たわけだが、いやいや危なかった。
     まあ、「演歌ショーが盛り上がらなかった」だけでは話にもならないので、旅の思い出話としては 良いネタだったと思う。その空白の数十秒は、最高にスリリングだったから(笑)
  • 軽い夕食のおかげで、「夜食」が行ける。
     小さな幸せだ。
2008.8.9
  • 北京オリンピック
    • 開会式…映画監督ちゃんいーもう監督の演出。LED照明と巨大ディスプレイを使った映像表現、ワイヤアクションが監督らしくて なかなか印象に残る演出だった。
    • 柔道・女子-48kg/男子-60kg
       金メダルは無かったが、各試合5分でさっさと勝負が決まるので観戦するのが意外に面白い。
       中でもやきり「一本勝ち」の試合は爽快。「指導」のポイントで曖昧に決まってしまう試合はモヤモヤする。
    • バドミントン(女子シングル)…途中まで日本圧勝だったけれど、相手選手がひざを痛めて棄権。スポーツとしては軽い部類に見えるが、 スピードが速い分、足にかかる負担が物凄いらしい。意外に面白いが21ポイント先取は長く単調に見える。負け試合だったら苦痛かも(^^;;
    • 水泳(予選)…ほとんど全員「スピード社」製水着でびっくりだ。しかし、デザインはたくさんのバリエーションがあるもんだと関心。
       これは観戦して面白いかどうかは、成績の良さに比例する。
  • マクロスF「フォールド・フェーム」
2008.8.8
  • 「消滅の光輪」〜司政官シリーズ(眉村卓/創元SF文庫)
     初出がSFマガジンで、1979年単行本になってから角川に行ったり絶版になったりしたのち、このたびめでたく創元SF文庫に収録された。
     高校時代に図書館の雑誌バックナンバーで見た記憶が有って、「消滅の光輪」〜司政官シリーズは記憶の奥のほうに残っている 懐かしいタイトル。…でも、飛び飛びに拾い読みした程度で、ぼんやり設定を承知している程度の記憶。むしろ、当時は 難しすぎ、高尚で近寄りがたい印象の作品だった。
     それがやっとまとめて読めることになったのは素晴らしい。
2008.8.6
  • SONY BDレコーダー 6倍速メディアに対応
     えー凄いなと思ったら、「使える」というだけで、実際の速度は4倍速どまりだそうだ。
     まあ、4倍でも充分早いけどね。
     BDの一倍速は50Mbpsで、BSデジタル放送に対して2倍速。つまり、約1時間で書き込む。
     2倍速メディアは約30分、4倍速で約15分。6倍速なら約10分か。
     業務でBD数枚分の大量バックアップを取るとか、数百GBまとめると有効だが、BDレコーダーに 溜まった番組を保存する用途なら、「4倍速メディアで15分」は必要十分の早さだ。
  • 第二次世界大戦をふりかえる
    「若い人に語る戦争と日本人」保阪正康
     学校では第一次世界大戦くらいまでしか勉強しなかった気がするが、「若い人向けに昭和を語る」 という趣旨の本があったので読んでみた。いや、私は若くはないが…
     頻繁に軍部による政治家の暗殺事件が有って言論封殺が進んだこと。
     「軍の大臣を軍が推薦する」という仕組みによって、 「気に入らない内閣には軍の大臣を推薦しないことによって組閣を成立させない」 という方法で妨害し、議会制政治の中に軍事政権を成立させた仕組みが詳しく検証されていて興味深い。
     つまり、当時の日本の政権は、憲法の不備を突いて成立した「軍事政権」だった ということがポイント。
     現代ならば「青年将校」が政治家を殺したりしたら、明らかなテロ行為として上から下まで責任を 取るべきだと思うが、二・二六事件などを利用して、逆に「戦争したい派」が勢力を 伸ばしたのだというから、巧妙である。
     日本全体を戦時体制に持っていく情報操作と統制も凄い。
     「そんなに戦争がやりたければ軍人だけでやればよい」と怒った政治家も居るそうだが、 結果的には、日本全体で戦争するための経済システムを作ってしまった。
     マスコミも暴力と恫喝で封殺したわけだが、現代でも、インターネットで一言殺人予告を書きこむと 速やかに逮捕できる仕組みが出来ているわけで、プロバイダの責任者が国家規模のテロリストに 抑えられたら、インターネットの自由なんて一瞬でなくなりそうだ。
     国家を戦時体制にもって行った謀略の周到さに比べると、戦争そのものはものすごく 行き当たりバッタリに見える。
     中国で戦争を始めたのは「首都制圧すれば相手が簡単に降伏する」と見込んでいたようだが、 中国政府は都市を捨てて大陸のあちこちに移動し、なかなか降参しない。土地が広いだけに、 キリが無くなった。
     この辺は、アメリカが現在中東で展開している戦争と同じで、戦争はどんなに自分が 一方的に強くても相手が降参しましたと言わなければ終わらない。
     中国の問題が解決しないままヨーロッパでは第二次世界大戦が起こり、米国の参戦意欲に はまり込む形で太平洋戦争が始まってしまう訳だが、軍の無計画さには驚く。

     この著者によると、この時代にヨーロッパ諸国では第一次世界大戦の総力戦を通じて、 戦争で問題解決を図る事が限界に来たことを認識していたのに対して、日本人は ほとんど戦争経験がなかったことを上げている。
     ヨーロッパが数千年の長きにわたり戦争が絶えなかったのに比べると、日本は 江戸時代には300年も戦争がなく、武士階級はあっても「精神修養」に明け暮れていたこと。
     明治維新は平和に浸ってゆるんでいた中央政府が、外国から最新兵器を導入した地方の過激派に 武力制圧されたようなもので、「勝てば官軍」という言葉があるように、明治以降の政府と軍部の 奥底に「戦争で勝てば何をしても良い」という感覚が根強かったのは容易に想像できる。
     日本にとっては、西洋の先進国が東洋の植民地化を進めて、世界に目を向けたときには 中国が残された最後のパイ状態だったので、西洋人の真似をして中国を切り取りにかかった のだけれど、世界はもう植民地支配の時代は終りという認識に入っていた。
     その世界史的認識のズレが、軍部にはまったく理解できていなかった。
     すでに中国には、米英の植民地としての利権が確立していて、そこに日本が割って入ることで 米英との戦争に発展することまでは、最初は考えていなかったようだ。
     しかし普通に考えると、当時から日本は米国との資源や食糧の貿易がないと成り立たない 経済であったのだから、米国と戦争をしたら困るのは自分だと言うことは明らかだったはずだ。
     ハワイを攻撃したきっかけは、日中戦争に関係する米国の経済封鎖(石油等の輸出停止)だが、 そんなやる気満々の米国の誘いに乗ってしまう軍部の思考は、本当に信じられない。
     「帝国陸軍」が成立してからここまで、ほとんど負け知らずだったことも、 軍部の能天気な思考を支えていたのは間違いない。
     日本には神様が居るので例え相手の力が何倍あろうとも絶対負けない。最後は神風が吹く… という完全に「神憑り」な指導者。さらに現場の兵士の命を完全にコマとしか見ず、 自分は絶対に戦場に出ない最高指揮官たち。本当に酷い話だ。
     はっきり言って、当時の戦争指導者たちには、何のために戦争をやるという明確な プランなどなく、行き当たりバッタリに戦闘を起こして相手から賠償金をもぎ取って ぼろ儲けしたいという目先の欲求だけが肥大した、特異な思想の元で純粋培養された 頭のおかしい人の集団。としか見えない。
     本来は「政治家に対するテロ」が置き始めた頃に、きっちり潰しておくべき だったのだろう。と考えるとやっぱり、憲法や法律の枠組みとか、偏りのない報道とか、 政治家を見る目とか、色々大切なことはたくさんある。

  • 日本が大失敗した後、一番やばいのはやっぱり「米国」だよね。
     第一次大戦後の日本と同様、自分たちを「正義」「無敵」「神様がついている」と信じていて、 「戦争をやると儲かる」という記憶に浸っている。
     そもそも、北米大陸の原住民を追い出して住んでいる上に、西部開拓の延長でずんずん 進んで、ハワイやサイパンだって、もともとアメリカのものだったわけではない。 島の権力者をだまくらかして買い叩いて、太平洋の島々を占領し極東に手を伸ばしてきた。
2008.8.2
  • マクロスF「グッバイ・シスター」
     ウォークマンのワンセグ録画機能を使って録画したものを見てみた。
     うぅ…、画面小っさ(^^;; この情報量は「人からこういう話だったとあらすじを説明されているくらい」 の感じだ(^^; スクリーン鑑賞と比べたら「面積比1,500倍」くらいかな。
     でもまあ面白かった(^^)

     今回は「オズマ兄貴最強」 って話し。前回の予告編推理は、相変わらず本編とは順序バラバラでミスリード満載(笑)
     ストーリーはランカの「ファーストライブ・リベンジ」のチケットを前にしたオズマの 回想シーンから始まり、普通のアニメなら死亡フラグ立った!と言われる状況を次々とぶち破っていく。
     まさにフラグ・ブレイカー・オズマ
     逆に言うと、やる気満々のサブタイトル「グッバイ・シスター」のおかげで、オズマがどんな必死な状況に立たされても 「今週のサブタイトルで死ぬようなベタな展開は絶対無いから…」と安心して見ていられた(笑)
     EPGには「オズマはランカの天空門ファーストライブに間に合うのか!」と書いてあったが、兄貴にとっては、 まさに「何が何でもライブに行くぞ!」という話。
     AパートはSMSの人間たちが個別に「バジュラの謎」に近づいていく話し。
     「ミハエル」はグレイスの薬の謎を解こうと、クランに「君の友人の薬学部の女子大生を紹介してくれ」と言う。
     休日にカフェに呼び出して「女の子紹介してくれ」は無いだろう。
     せっかくちょっとお洒落してワクワクていた様子なのに、クランがむかつくのは当たり前である。 直接「友達に薬の分析を頼みたい」といったら余計な詮索をされて話が大事になるのは必死だが、 彼の行動には「ついでにナンパ」しようという不純な動機がまじっていると疑われても 無理からぬ点がある。
     っていうか、女子大生だったのか、クラン!?(^^;
     偶然、通りの向こうで、ルカが黒服に連れて行かれるのを目撃してクランを伏せさせるのがまた 不意打ちであわてるクランが可愛い。
     突然のことだが、「ミハエルは物凄く目が良い」という設定が生きたな。

     ルカは官邸で「レオン&グレイス」から彼らの目論見を聞き出す。
     「ビルラー氏は、運輸業で財を成した人物なので、自由なフォールドによって銀河の物流を支配したいだけだろうが、 我々はその先を見ているんだよ…」と優位性のアピール。
     でも本心はまだまだ秘密だろう。二人が組んでいることは公開しているけれど、グレイスはまた、 さらにその裏があるし、レオンだってグレイスの裏をかく気満々なのではないか。

     キャサリンはレオンを呼び出して相談。キャサリンの部屋はグレイスたちの盗聴器を発見しようと 蓋という蓋を取り外してすごいカオスになっているが、そこで「捕獲されたバジュラは異性生物研究所に運び込まれている。あれは怪しい」 という話に。
     レオンが研究所に忍び込もうとすると、そこには「ブレラ」が待ち構えている。(やっぱり盗聴されていたのでは?)
     銃を構えるレオンと、仕込みナイフを手にするブレラ。暗闇での死闘。
     あわや…と思うが死なない
     ブレラとしては後の面倒を考えて「死なない程度に手加減している」のかも知れないが、 ヒュドラも一撃で撃退するパワーを持ち、アルト程度はけちょんけちょんの彼と互角に 戦う兄貴の余裕を見せ付けてくれるぜ。

     そんな皆が活躍している最中、アルトはと言えばランカのボディーガードの目を盗んで コソコソ窓からランカの部屋に潜入。芸能レポーターにばれたら大スキャンダル間違い無しの 恥ずかしいシチュエーションである。
     ブレラは異性生物研究所に行っているので、この時のガードは恐らく一般人。
     ブレラが見張ってたらまた半殺しにされるよ…。
     で、ランカの相談事は、「ランカ・アタック」の意義について。
     「ヒーロー」ならば、君の歌は戦場には相応しくないぐらい良いそうなところだが、 アルトは「良いんじゃないかなぁ」とほぼ肯定。まあ「マクロス」だしな…
     「あい君」の小屋を覗き込んだアルトは、「あい君キック」の襲撃を受ける(^^;
     嫌われているんじゃないのか(^^;っていうか、ここでは兄貴代わり?

     Bパート
     バジュラが攻撃を仕掛けてくる。
     フロンティアの戦術は「最初から反応弾で殲滅して本島に近寄せない」というものに 変わっているのだが、どういうことか反応弾が効かない
     実はバジュラは進化する生物だった。
     ある個体が攻撃された情報は他の個体と超空間のネットワークで共有され、 経験地を積むことで、新たに生まれる個体はその攻撃に耐えられるように進化していく。
     これは究極の生物兵器だ。
     っていうか、知っていて反応兵器の使用を大統領に具申しまくっていたレオンは、 どういうつもりなんだ。
     バジュラを最強兵器に進化させた上で、グレイス一味からコントロール権を奪って 銀河を制覇?…そんなことはグレイス一味が許さないと思うが。そんなことすると、 消されるよ…
     落とされるVF-171の正規軍の皆さん。そして、バジュラの一匹がマクロスのブリッジに迫る。
     ブリッジを直撃するバジュラビームの射線に割り込む兄貴のバルキリーが大爆発!
     うわ〜死んで……、生きてた!(^^)

     強い、強いぞオズマ。
     反応弾が効かなければ素手でもぶっ殺す、の勢いで突っ込んでいくオズマ&スカル小隊の皆さんは、 次々とバジュラをやっつけていく。
     戦闘が終わり、なんとかオズマはランカのライブに間に合う。
     キャサリンとVIP席に座り「あぁ、もうランカは一人前だ…」などと呟いてぐったりと倒れる オズマの腹部に大量の血。取り乱すキャサリン…
     てことで場面が切り替って病院。
     廊下でぐったりなっているキャサリンとミシェルが「で、死んでいたら感動的だったんだけど…」と オチを付ける(^^;;;
     しぶとい。しぶといぞ兄貴。だけど、怪我をしているならコンサートの前に医者に見てもらえ。 死んだら迷惑だから(^^;

     ラストは同じ病院でシェリル登場。
     未だに体調が悪いのに、退院支度を済ませたらしいシェリルが、グレイスに向かって 「私たち話し合うことが有るわね」と。
     この段階でミハエルが手に入れた薬の情報がシェリルまで伝わっているのかは不明だけれど、 少なくとも、「グレイスがランカ・アタックの指揮を取っていること」に関して、 自分も戦争の道具として育てられたのか、自分は用済みになったのか、という疑問は ほとんど確定事項になっているから…。
     あまり核心に触れるとグレイス一味に消されかねないから、彼女にはうまく立ち回って欲しい。
     ここではマネージメント契約の話に限って、エルモ社長の事務所に移籍するのが賢いと思うなぁ。

  • 次回は「フォールド・フェーム」
     どうやらフロンティアはフォールドでバジュラ包囲網を突破するつもりらしい。
     でも、バジュラはフォールドの痕跡を追跡して逃げられないんじゃないかなぁ…
     そして街には彷徨うシェリルの姿。泣ける。
     あと8話でシェリルの大逆転来るかなぁ。シェリル不幸ENDにしたらゆるさ〜ん!
  • それにしても、ランカ登場で「銀河の妖精」の地位を危うくしたシェリルだが、 彼女が居なければガリア4でグレイスの陰謀に嵌められ抹殺されていたわけだから、 ランカを励ましステージに押し上げた事は間違いではなかった。
     まさに「情けは人のためならず」であるな。

2008.8.1
  • 6月のガソリン販売が、前年同期比 8.9% 減
     ニュースには「価格高騰のための節約」と解説されていたが、「節約」でこんなに減るなら、 二酸化炭素削減もサクサク進みそうな気がする。
     TVでは、「車社会のカリフォルニア」でも、「電車通勤のために引越しする人が増えている」という ニュースをやっていた。電車の乗客自体相当増えているそうだ。
     世界最大の二酸化炭素排出国アメリカのガソリン消費が減るということは、地球的規模で 素晴らしいことだが、ひょっとすると、中東地域で戦争を仕掛けることも減るかもしれない。
     もっとも、本格的にガソリンを使わなくて良い時代が到来すると、石油以外にめぼしい産業の 無い国では格差や貧困の問題で政情不安が進むかもしれないけれどね。
  • ↑って、それって『ガンダム00』の設定だな。
     あれは、先進国が「太陽光発電」を独占したために、産油国の貧困化が進んで政情不安地帯 になっているという設定だから。
  • ともあれ、「石油価格の高騰」は「自然エネルギーのコスト競争力」に対する追い風になる。
     「太陽電池は、製造にかかる電力が膨大だ」ということで、実はライフサイクル全体では二酸化炭素が 減らないという説があるが、それにしても「シリコンを溶かす電力を太陽電池で発電」するくらい、 普及したら後は太陽の恵みだけで回転していくことになるので、長い目で見れば絶対有利だ。
     風力発電も、商売が成り立つほどの風が吹く場所は限定的らしいけれど、石油が高くなれば 電力会社の電気代が上がり、「風車を立ててペイするエリア」は広がる。
     まあ、こういうことはコツコツと継続する事が大切だ。
  • マクロスFブルーレイの売れ行き好調と聞いて…
     秋葉で眺めてきた。
     バンビジ出荷数は BD45,000:DVD 55,000 というのだが、実売はBDの方が好調なんだと。
     それで、秋葉の某量販店の様子を見ると、BDは4本くらい売れて、DVDは0だった。
     これは、予想外にBD優位かも。
     まあ、放送は深夜の深〜い枠なので、ほとんどの視聴者は録画してみているだろう。
     だから「今さら放送より低画質のDVDなんか買わない」というのはひどく真っ当だと思うのだ。
  • BSアニメ夜話SP「とことん!ルパン三世」
     4夜連続で第一シリーズ全話と、第2,3シリーズから7話とトーク番組2本。
     シリーズ合計200話くらいあって、全部は見ていないはずだが、意外に記憶にある。
     結構再放送で見ているな、というのが実感。
     昔LDで見た2ndの「死の翼アルバトロス」と「さらば愛しきルパン」も放送。
     内容は覚えるほど見ているはずだが、やっぱり良い。
     冒頭の新宿の街並みなんかも、今は実際の街並みを精密に描写する作品は増えたが、 時代を感じて良い。これと近い時代、新宿で学生生活を送っていたのでなお更だ。
     そのリアルな描写の中に作画のお遊びが混じっていたりするのも良い。
     戦車や車両全般、銃器類など、メカにリアリティがあるのも面白い。
     SF作品では、こういうリアリティの作りこみが原理的に出来ないので、逆に大変だと思う。 全部ゼロから設定しなければいけないんだからな。
     そこで、「マクロスF」のような作品は、 未来だけれど「人類の文化を保存する為に1999年頃の地球を模している」 といううまい設定が生きたりしてる。
  • 今回DVDならまた9枚分くらいの放送だったけれど、単層25G BD-Rに焼いて、 盛大にお釣りが出来てしまった。スキマが勿体無いな。古めの劇場版作品を 放送しないかな(^^;
  • 国連もクールビズ
     というニュースを見たら、今まで事務局22.2度、会議場21.1度で、それぞれ25、24度に温度を上げると。
     寒すぎないか?っていうか、白人にはこれが適温なのか。赤道諸国の代表は会議中に凍死しそうだな…。


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!