映画館がやってきた!

構築日記・不定期便
- What's NEWを兼ねた日記のような読み物 -
2008年2月
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2008.2.29
  • ラ・ヴォーチェ・オルフィカ 第23回公演「スペイン音楽の500年」[HP]
    • 聖母マリアのカンティガ集〜アルフォンソ10世(13世紀)
    • モンセラートの朱い本(13-14世紀)
    • カラブリア公家の歌曲集(16世紀)
    • ゲレーロ(16-17世紀)
    • ペルーの古楽…他(18世紀)
     「妻の友人が合唱で参加している」というので聴きに行ったのだが、スペイン古楽は 私が一番聴いているジャンル。で、リコーダーetc.の濱田さんのファンでもある。
     「聖母マリアのカンティガ集」からの6曲は、スペインの王様、 「アルフォンソ10世(1224-84)」の編纂した曲集で、13世紀の音楽でまともに 譜面が残っているのはこのあたりが「最古」の音楽。特に「教会音楽」の譜面はあっても、 「世俗音楽」の譜面はほとんど存在しない時代。
     現存する4冊の写本は華麗な装飾を施され、当時の演奏の様子を伝える細密なイラスト が添えられている。
     譜面は「単旋律」で実際に演奏するには演奏家が「考古学的考察」を施してアレンジする 必要があるが、そこでこの写本に描かれたイラストを参考に復元された楽器を用いたり 編成を考えたりする役に立っているという次第。
     文化的背景については、この時代はレコンキスタ終盤
     父王「フェルナンド3世」は軍事的に有能で コルドバ(国土の1/3程)を制圧したのだが、「アルフォンソ10世(1224-84)」は、 軍事に興味が無く学者的な性格だったため、在位中にはグラナダの包囲を ちょっと縮めたくらいだった。(グラナダは強敵だったので、弱体化したモロッコ方面に手を出していた) [参考]
     手持ちのCD、「エドゥアルド・パニアグア古楽団/癒しの奇蹟」の解説(濱田滋郎)を見ると、 この時代の宮廷にはムーア人(イベリア半島のイスラム教徒)が相当な数宮廷内にも 入っていたそうで、ムーア、ユダヤ、キリスト教徒の音楽が入り乱れていたようである。
     「レコンキスタ」時代のスペインというと、イメージ的にはキリスト教徒に 制圧されていたように思えるのだが、文化は相当にイスラム的。 というか、リュートなどの楽器のルーツを見ても分かるように10世紀あたりまでは ヨーロッパには文化なんて無くて野蛮人の集まりだった(笑)
     …というわけで、再現された音楽は壮絶なまでに「アラビア風」
     罪も無い古楽ファン(笑)は度肝を抜かれてしまう体験なんじゃないかと思う。
     編曲の根拠について、プログラムには詳しく書いてないけれど、何しろ手がかりが限られているので、 アラビア音楽と西洋音楽のミックス度合いはアレンジする人の裁量だ。
     このジャンル(AL-Andalus)の演奏で有名なのは上記の「エドゥアルド・パニアグア古楽団」 だと思うが、現在入手できるCDが無いようだ。残念。一方、この演奏会の濱田さんの演奏
    「薔薇の中の薔薇」~聖母マリアのカンティガ集
    は現役盤で入手できる。
     タイトル曲の「薔薇の中の薔薇」だけは、有名曲で多くの古楽歌手が歌っている。 去年は この曲のタイトルを使ったコンサート( 薔薇の中の薔薇〜スペインの700年=波多野睦美)も聴いた。
     この写本には400曲以上の作品が収録されているので、手持ちのCDに収録されている曲と ほとんどかぶっていなかったが、良いメロディーの宝庫なので今後もどんどん開拓して 欲しいと思う。
     演奏に関して、…アラビア風民衆音楽なので歌手は「地声」発生で歌っている。
     それがアラビア風に聞こえるか…というと、なんとなく「日本人」に聞こえてしまうところが 難しい。
     民衆がマリアを讃える熱狂的な雰囲気を出したいのだと理解するが、音程のはみ出したような 地声発生の歌は譜面に書いてない「センス」があらわになる。はじければはじけるほど 日本人が表に出てしまうようだ。普通に西洋音楽がうまい人がわざと外してそれっぽく 演技しているように聴こえるのも痛い。「洋画の吹き替え」みたいな、わざとらしさが あるんだなあ。
     「日本人が歌うゴスペル」がたいてい気に入らないのと同じ理屈かもしれない。
     同じ演奏会の16〜17世紀の音楽になると、日本の合唱団とは思えないほど良い音楽を 奏でているわけだから、何か掴み損ねているような気がする。
     16世紀になると「がちがちのカトリック国」になってしまうので、この演奏会の後半は 思い切り普通に聞く古楽になる。
     カラブリア公家の歌曲集(16世紀)は、なかなか面白い曲だった。もっと聴いてみたい。
  • モツ焼き「みつぼ」
     江戸川橋で呑んで帰る…ということで、予ねて聞き及んでいた「みつぼ」をたずねる。
     週末は混むらしいのだが、9時過ぎと言うことで空席あり。
     この店では「さしみ」というと「豚モツ」のこと。7品700円の盛り合わせと5品480円があり 分量は3〜4人前。まるで鮮度を誇示するような艶々の一皿は全部美味い。
     豚モツ煮込みは感動した。ぷるぷるで甘みのあるモツとなんとなくラーメンスープを 思わせる旨みのツユ。これは絶品。
     もつ焼きはひと串90円均一。これは驚くような味ではないけれど、安くて素早く出てくるの が有りがたいね。
2008.2.28
  • なぜかAV REVIEW1月号
     BDのテストディスクが付録につくというAV REVIEW1月号、本来は12月発売のものが どこの書店でも見当たらなかったのに、今頃になって売っていた。
     本来なら三月号の季節のはずだが…
     ひょっとすると、付録のせいで通常発行部数より少ない数しか発売日に間に合わなかったとか、 そんな事情があるのだろうか。
    さて
  • FPDベンチでVPL-VW100をチェック
     テストは、「解像度」「コントラスト」「グラデーション」「色再現性」の4パート
     色再現やグラデーションは重々承知であるが、「動画解像度」に関してはブラウン管TVと プロジェクターで比較したのは初めてで、ちょっと驚愕の結果になった(^^;
     TV売り場の「倍速液晶」のデモでは標準でも倍速でもこれといった効果を感じにくかったのだが、 ブラウン管と比較すると「こんなに違うのか」と溜息が出る。
     逆に言えば、今の倍速液晶はまだまだブラウン管には及ばないということだな。
     こういう感じ→「ブラウン管>>>倍速液晶>普通液晶」
     救いがあるのは、TVは60iなのに対して映画は24Pなことか。
     静止画に関しては、VPL-VW100は比較的マイルドな質感があるけれど、モノスコープを見ると 1080本までバリバリにくっきり割れていて「実はシャープなんじゃん」と思った。
     ちなみに、動画解像度に関しては “動画解像度”に関するいくつかの懸念(ITmedia)という記事を見ると、
    「画面上で専用のパターンをスクロールさせ、それを高速度カメラで追従撮影。撮影画像を専用ソフトウェアで解析し、パターンが識別できる限界を求める。スクロールのスピードは、画面の端から端までを5秒間で横切る速さ。」
    という方法で測定し、
     液晶HDの300本程度からプラズマフルHDの900本程度まで分布し、液晶倍速フルHDで600本程度となっているらしい。
     ただし、FPDベンチを肉眼で見ている限りは、「気持ちの問題」でどこまで見えるのかが大きく変動するために 数値では表せないところがある。
     3倍速パネル(180Hz駆動)になると、プラズマと並ぶことになるというので、プロジェクターも 時代とともに性能は上がっているのだろうが。
     まあ、この「apdc方式(12pixel/field)」の評価は、「プラズマが最強になる条件での試験」という 批判も有るようだが、自宅でブラウン管と比較して納得できるという意味で一見の価値はあった。
  • apdc動画解像度測定法の公式
    apdcのプラズマ技術絶賛記事
2008.2.27
  • 『ディパーテッド』鑑賞(WOWOW-HV) ★★
     第79回アカデミー賞…作品賞/監督賞/脚色賞/編集賞
     スコセッシ監督(ギャング・オブ・ニューヨーク、アビエイター等)、ディカプリオ、マットデイモン
     香港映画『インファナル・アフェア』のリメイク。

     去年、山ほど賞を取った作品だが、面白かった。
     プロに褒められた作品が「面白い」ってのは、当たり前で悔しい気もするが(苦笑)

2008.2.26
  • マンガの現場チャート
     NHK-BShiの「マンガの現場」という番組をながめていたら、オープニングの映像で、「100%白」から 等高線状のグラデーションになっているCGがあることに気がついた。たぶん、数値にして、255→254→253… という感じで数ドット幅で十数本の等高線になっている。
     このCGを使って、VPL-VW100のハイライトの再現性について調べてみた。
    コントラストを+してハイライトの階調が保たれる範囲は、色温度別に
    高…90
    中…85
    低…82
     これ以上明るくすると、ハイライトの階調が無くなると共に、階調が無い部分とある部分の色味が変わってしまう。
     光源がキセノンランプなので、色温度「低」では、デフォルトでほとんど「255=パネル素通し」に近い 調整になっているようだ。
     逆に言えば、0〜255の階調を目一杯使い切っている「高画質ソース」を映す場合、色温度「低」では、 デフォルトから「+方向」の調整をする余地はほとんど無い。ということになる。
     色の濃さを+して階調を維持するためには、コントラストを減らしてマージンを作る必要がある。
     昔の液晶(VPL-VW10HT)では、やたらとマージンが大きくて、デフォルトでは眠たいくらいの 絵だったので、調整することで色もコントラストも激変していたけれど、VPL-VW100みたいに、 デフォルトでデバイスの階調を使い切っているような設定だと、ソースが綺麗ならば、プロジェクターの 調整は何もしない状態で一番綺麗…ということで、楽だけれどマニアの介入する余地が少ない(笑)
     アイリス「オート」でハイライトの階調が劣化する現象については、今回のチェックでは面白い事がわかった。
     今回の絵のように「全体の輝度が高い」場合は「オート」だとアイリス全開になっているが、 その場合「切」と「オート」の階調の違いは無い。
     ハイライトの階調の圧縮が発生するのは、平均輝度が低くてアイリスを閉めている時だけに 発生する現象だということになる。
     つまり、カタログでは言及していないようだが、「アイリスの開度と連動してガンマを動的に変化させている」 (=平均輝度が低いシーンは、アイリスを絞り、ガンマを立てている)のは間違いない。
     結局、平均輝度が低いシーンの暗部階調を重視することと、同じシーンのハイライトの階調を 諦めることはバーターだということ。
     全体的に見れば「巧妙」な仕掛けとは思うが、ネイティブでも映画館で見る「フィルムのコントラスト比」 を上回っている実力を考えれば、3,000:1以上のコントラスト比のある機種ならば、動的制御より 階調の安定を選択した方が良い事も多いのは間違いないと思う。
     まあ、「映画館らしさ」を実現するには、それより「部屋の暗黒化」の方が重要なのは間違いない。
     そこが「リビングシアター」の泣き所だ。
2008.2.24
  • 「エリザベス一世 〜 大英帝国の幕あけ」青木道彦(講談社現代新書)
     映画『エリザベス・ゴールデンエイジ』関連で史実関係を確認する為に参考書として読んでみた。
     これは2000年出版の本だが、前書きを見ると、この本の執筆意図として映画第一作『エリザベス』に対応して エリザベス一世の実像を紹介する意図もあるらしく、さらに『〜ゴールデンエイジ』の範囲も完全に 網羅していてどんぴしゃである。
     エリザベス暗殺計画のこと、無敵艦隊との戦いの実際など、たいへん詳しくわかる。
     スコットランド女王「メアリー・ステュアート」の人物についても詳しい。
     エリザベス自身は、「スコットランド女王以外の野心を持たないならば復権しても良い」と 考えていたようだが、当の本人はずっと「エリザベスを暗殺して、旧教による スコットランド・イングランドの統一国家を打ち立てる」という野望をもって、 杜撰な策略をめぐらせまくりで、ウォルシンガムあたりには、全部把握されていたらしい。
     映画ではむしろスペインの方がメアリーを利用していたように見えなくも無いが、 実際はメアリーによる国内の策謀と無敵艦隊の準備は時期的にうまくかみ合わなかったようである。
     映画にはメアリーが幽閉されている理由は出てこないけれど、再婚相手の夫ダーンリ卿と不仲で、 浮気相手を殺害された報復で、1567年、夫を爆死させた上に、その事件の首謀者と目された ボズウェル伯と再婚するなどの行動が非難されて捕らえられたのだそうだ。
     さらに幽閉された城から逃亡して旧教徒軍と合流してスコットランド軍と戦争したり、 エリザベスの敵…フランス、スペイン、ローマ教皇などと駆け引きしていたりと、 とにかく「よくエリザベスが我慢していたな…」と思うほど徹底的に、敵対していたのであった。

     無敵艦隊との戦いは、映画だと「一夜で決着した」ようにも見えるが、実際は1586年頃からスペインは 準備を始め、1587年にはドレイクがスペインまで出向いてカディス港を焼き討ちして計画を妨害、 1588年侵攻…と、開戦までにも色々とエピソードがある。
     ここで嵐にやられたのは史実。ポルトガルで再集結、修理して二ヵ月後に再出発。
     再びやってきた嵐に乗じて、イングランド軍が「火船」を放って無敵艦隊を混乱に陥れたのは、 これは史実だそうである。
     ただ、英国艦隊の装備が「長距離砲」による砲撃戦を主力にしていたのに対して、 無敵艦隊は「ローマのガレー船」と同じ戦法で、船首から敵の舷側に突っ込んで、 兵士を乗り移らせて戦うという、古いスタイルのものだったと言うから、 「神風」が無くても名乗るほどに無敵ではなかったようだ。

     水溜りにマントを投げたことで有名な「ローリー卿」の人物像や細かなエピソードも あって、歴史上も重要な位置を占めていたことがうかがえた。
     実際に、ウォルター・ローリーは若く(1552-1618年、エリザベスより19歳年下)、 美丈夫で野心家で人気が有ったらしい。 しかも、後に「世界の歴史」などという本も書いている作家でもあり、女王に植民地への航海のことを 面白く語って聞かせることなどは、本当にあったかもしれない。
     女王は基本的に「賞賛好き」で、臣下から「まるで恋人にささやくような賞賛の言葉」を 受けるのがお気に入りだったそうだから、語るほうもたぶん、気合は入っていたと思われる。

     映画『恋に落ちたシェイクスピア』のリンクネタとして、冒頭に「グローブ座の模型」が登場するが、 グローブ座が出来たのは1599年で、無敵艦隊との海戦は1588年であるため、時期的に近いといえば 近いけれど、申請(陳情?)から建築まで10数年経過しているのはちょっと長すぎるかもしれない。
     ルネサンス演劇(Wiki)によると、 この時代に「公設劇場」が相次いで設立され、大体同じ構造だったらしいので、
    • 1576年、シアター座(ジェームズ・バーベッジ)
    • 1577年、カーテン座
    • 1587年、ローズ座(『恋に落ちたシェイクスピア』で清教徒に糾弾されていた劇場)
    • 1595年、スワン座
    • 1599年、グローブ座、フォーチュン座(1600年)、レッド・ブル座(1604年)
     …と設立されたうちのどれかだったのだろう。時期的にはローズ座が一番近い。

     というわけで、なかなか面白い本であった。
  • 華麗なる二人の女王の闘い (朝日文庫) (文庫) 小西 章子 (著)
     こちらは、スコットランド女王メアリーとイングランド女王エリザベス二人を並べた伝記。
     まだ読んでないけれど、まさに今回の映画の核心にたくさん触れそうな企画だ。

  • エリザベスとエセックス―王冠と恋 (中公文庫) (文庫) G.リットン ストレイチー (著), Giles Lytton Strachey (原著), 福田 逸 (翻訳)
     こちらは1987/99年刊で、ちょい古い本で文体もカチカチだが、「ローリー卿」の後釜の恋人(?)「エセックス」と エリザベスの晩年の伝記。ローリー卿は次女を妊娠させた罪で投獄されたりしていたので、 エリザベスのお気に入りだった期間は実は短いらしいのだ。

2008.2.23
  • 『プロデューサーズ』(1968年版)(WOWOW-SD)★
     ミュージカルのプロデューサーの話だけれど、劇中劇として演じられるミュージカルの他に 演奏があまり無いのが意外。つまり、話は面白いのだが、ミュージカルとしては 音楽が少なめでちょい物足りない感じ。
     調べてみると、この映画を「ミュージカル版」にしたのは「舞台」からで、その舞台を 「ミュージカル映画」にしたのが、新しい方の『プロデューサーズ』。つまり、 最初の映画はミュージカルを作る映画だが、それ自身はミュージカル映画ではない ということらしい。(錯綜…^^;)
  • ミュージカル『ザ・ヒットパレード』(BS2)
     渡辺プロダクションと社長夫婦の歴史を歌で綴る。
     とにかく懐かしの歌謡曲がぎっしり詰まっていて、「あれもこれもナベプロ」というのが 驚くくらい。メインで登場するのは「ザ・ピーナッツ」で、彼女らは、プロダクションの 発展の歴史と共にあったという感じらしいんだな。
     社長婦人を演じた戸田恵子のうまさにも、あらためて感心した。
2008.2.22
  • タブラトゥーラコンサート「新しい自転車」(in ハクジュホール)
     同名の5年ぶりのニューアルバムの曲を中心としたコンサート
     というより、ずいぶんCDを作っていなかったので「ライブで演奏してきた新曲が溜まっていました」 という感じ。「フラメンコギター」(ただしビウエラ)が参加してから初の新譜でもある。
     年寄りが息を切らせながら踊り狂う古楽コンサートというのも、相変わらず凄いな…と、 これは本気で感心しているのである。
2008.2.19
  • ベトナムの人名はジオン製モビルアーマー?
     妻が会社に入ってきたベトナム人の名前が!というので、ちょっと調べて見ると、 ベトナム映画に登場する俳優で「ドン・ズオン」「クエン・ゴック」なんてのが見つかった。
     ちょっと水中モビルアーマーっぽい?
  • HD DVD撤退祭り2
     全ての事業を完全に打ち切る。ということで、βのように細々と供給を続けると言うことは やらないらしい。ニュース番組で「一年以上前にRD-A1を買ってたくさん録画しちゃった」という人が 途方にくれていた(^^;
    「現在のところ、BD製品を手掛ける予定はまったくない」と西田氏はコメントしている。 …という話も。
    てことはRDシリーズはこれで終了と言うこと?
2008.2.17
  • HD DVD撤退祭り
     NHKで「来週中に東芝からHD DVDの事業撤退に関する決定がある」というニュースが流れて、 ネットは祭りになっている。
     「東芝本社」の主導で「東芝DM社」に決定を促すための地ならし(意図的なリーク)ではないかという 見方が大きいようだ。たぶん、このニュースの後に「株価」が上がるようなら市場は撤退大歓迎 ということで、徹底的な撤退。そうで無いなら段階的な撤退みたいな判断の材料に使われるのだろうな。
     ネットでは「東芝はHD DVDを買った客にBlu-ray製品を配れ」というような書き込みも多いが、 本当は「HD DVDを買った客が今後10年不自由しないようにメディアを供給し、修理と代替製品を作り続ける」 というのが解だろう。
     考えてみれば、東芝は今まで「ある規格の責任者」になった事が無いので、こうした敗戦処理を ほとんど経験していないのではないか。…SONYなんかは、ベータや8mmビデオなど、ある程度普及 した規格の始末を経験しているが、東芝はベータ撤退後、自分で始末してはいない。
     HD DVDは国内では本当に売れていないので「無かったこと」にしてもいいかもしれないが、 米国では膨大なソフトを販売してしまったので、ただ「止める」というのは無理だろう。
2008.2.16
  • 『スキャナー・ダークリー』(WOWOW-HV) ★
     主演・キアヌ・リーブス。実写の映像をCG処理してアニメのテクスチャーに変換している特殊な映像で、 ふわふわと不安定な感じがする。
     原作は「P.K.ディック」後期の傑作。以前は「暗闇のスキャナー」というタイトルで出版されていた。
     公開時に原作小説を読んだが、
     主人公は「カリフォルニア・オレンジ郡保安官事務所麻薬課のおとり捜査官」…本名ボブ・アークター。
     麻薬捜査官は、人前に出るときは「10万通り」の人間の映像を次々と投影するカメレオンスーツを着ることで 身分を隠しており、同僚、上司の間柄でも互いの素顔を知らない。
     彼はある日上司から麻薬密売人アークター(=潜入捜査中の自分自身)の監視を命じられる。
     そもそも二重生活をしていたアークターは自分自身を監視する奇妙な生活と、捜査中に服用した 麻薬の影響で徐々に精神を蝕まれていく。
     …というストーリー。
     作者は自分自身の友人を麻薬のために亡くしている。その思い出に捧げた作品と言うことで、 麻薬中毒患者の生態にかかわる描写は、執拗なまでに全編を覆っている。正直、延々と繰り返される 狂気の世界に、見ている観客まで巻き込まれそうで気分が悪くなってくる。
     麻薬捜査官である主人公が、ヤク中の連中に潜入して生活している間に狂気に取り付かれて 自分を失っていくというストーリーがまさに体感できる気持ち悪さと言える。
     ストーリー上「何故ボブ・アークターは狂って行くのか」ということに一応の説明は明かされるが、 一切の救いも爽快感も無い。ただ、麻薬に対する憎悪と正義感だけは有る。そういう作品だ。
2008.2.15
  • 『ジャガーノート』(WOWOW) ★☆
     二万五千トンの豪華客船(?)・ブリタニック号に仕掛けられた時限爆弾。爆発物処理班と 脅迫電話の主「ジャガーノート」との駆け引きを描く。
     1974年公開作品で、爆発物の解体で最後に「青か赤か」の選択をする…という お決まりの元祖になった作品なんだそうだ。
     ほとんどずっと客船の上で進むストーリーだが、資料によると、ほとんど「オールロケ」で、 本物の船上で撮影されているらしい。
     爆弾魔の「デモンストレーション爆破」もロケ…なので、本物の客船の甲板上で けっこうな大爆発が仕掛けられる。なんか無茶な撮影だ(^^;
     作品紹介では「豪華客船」と書かれているのだけれど、本物の爆発を撮影する都合でか、 正直言ってあちこちさび付いてボロい客船だ。うっかり沈んでしまっても惜しくない船を 使ったとしか思えない(^^;
     設定では、「悪天候のため救命ボートを下ろす事が出来ず脱出不能」 …だから爆弾を解体するより他に助かる方法が無い。ということになっているが、 意図的に悪天候を表現しているシーンがある一方で、船客が卓球をしていたり、 ダンスパーティーをしていたり、「踊っていないで今脱出しろよ!」と叫けんぢゃう シーンが目白押し(笑)
     まあ、折角の客船なので、パーティーシーンも入れたかったんだろうと、理解は出来るけれど。

     犯人は爆発物のベテランで、起爆装置を解体しようとする者に対して二重三重に巧妙な罠が 仕掛けられている。
     はっきり言って、「爆発」させることが目的ではなくて、解体作業する者をもてあそぶために 装置は設計されていると言って過言ではない。
     時限タイマー、振動、光、傾斜、微細なワイヤー、謎のテープ、そして「赤か青か」
     最後にワイヤーをカットするとき、犯人は本部に拘束されていて、解体現場と無線が 繋がっている。そのラストは「心理的な駆け引き」まで駆使することになる。
     主人公が何故その色を選んだのか、は、作品中ではイチイチ説明されていないので、 一緒に「何故か」を考えてみるのもまた楽しいと思う。

2008.2.14
  • 『プラダを着た悪魔』(WOWOW-HV) ★★☆
     アン・ハサウェイ可愛い!
     学生新聞で賞を取ったこともあるという真面目で質素、ファッションなんかに興味なしという 主人公が、ファッション雑誌の編集アシスタントに応募。猛烈なシゴキに耐えて仕事をしながら オシャレな女に変わっていく変身ぶりの鮮やかさ。
     前半の時間経過の描写のスピード感は、爽快とさえいえる。
     笑えるほど地味で服装に無頓着だった主人公が、編集長の無理難題なリクエストを知性と根性で クリアしつつ華麗な変身を遂げるのはわくわくするけれど、ただの新入りアシスタントから 編集長の右腕となり、先輩を蹴落とすことになったり、業界のダークな面に足を突っ込むことに なるあたりから、彼女は悩むことになる。
     結論から言うと、彼女は華やかなファッションの世界より、旧知の友人や恋人、 マジメな報道の世界を取るのだけれど、華やかな世界の真っ只中にいる編集長の 苦悩も描いていて、ファッションの世界はただ「悪魔」が住む世界としてだけ描かれて いるわけではない。
     だから、「君は仕事第一で僕の事なんか構ってくれない」なんてウダウダ粘着する 彼氏なんぞ切り捨てて、華麗に羽ばたく結末だって全然良いんじゃないかと思う。
     結局住む世界が違うと言うことなのかもしれないが、ファッション記事より報道が上 …ってことも無いと思う。それでもこういう結末を選択したのは、結局大多数の 観客は「飛べない世界」に属しているのだからと言う判断なのかも。
  • コーヒーチェーンランクで最下位 ベローチェ、講談社提訴(産経新聞)
     「大人の週末」のコーヒーチェーンのランキングで名誉を傷付けられたとして、コーヒーチェーン「カフェ ベローチェ」を運営するシャノアール(本社・東京都豊島区)が、出版元の講談社(本社・東京都文京区)に1100万円の損害賠償と出版差し止めなどを求める訴訟を東京地裁に起こしていたことが13日、分かった。シャノアール側は「ブランドイメージに重大な影響を与えるもので被害は甚大」と主張している。
     「大人の週末」の記事は読んだ。面白かった。
     しかしランキングをつければ、一位があれば最下位もあるわけで、「カフェ ベローチェ」が 実際最下位かどうかは別として、こんな訴訟が通るなら、マスコミは「ヨイショ記事」以外 書けないことになる。消費者としてはバシバシ点数でランキングを付ける「大人の週末」の 編集方針は小気味良いし、大きく外していることは無いと思うし、点数を付けた理由も 詳しく書いている。フェアだと思う。
     この裁判、まさにベローチェの「逆切れ」として、ブランドイメージの打撃に しかならないのではないか。公平に見れば、ベーローチェは安さで勝負しているタイプの 店なのだから、ランキング勝負に拘るほうがヘンじゃないか?
  • 凄すぎる。これはまるで『電脳コイル』の表示技術(YouTube)
2008.2.13
  • グインサーガ119「ランドックの刻印」読了
     今回はグインに関するとても大きな秘密が明かされた。
  • 1月「友人に出した年賀状が戻ってきたので、尋ねたら「改名した」」 …という夢を見た。
     そのとき、凄く難しい名前なので、挨拶状を書いて渡すと言われたのだが、 今朝ようやく、その「挨拶状のはがきが届いた」という夢を見た。
     あまりにも仰々しく難しい名前なのでびっくりしたところで目が覚めた(^^;;
     続き物の夢はいいけど、一ヶ月は間が開きすぎ。
  • 「ぼくらの」の設定のこと
2008.2.11
  • SEIKO SPIRIT by パワーデザインプロジェクト SBPB001
     安い時計なんだけれど、久しぶりに「レトロフューチャー」系の良いデザインだと思うな。
     最近、WOWOWで『2001年宇宙の旅』を再見して初めて、ハミルトン製の「宇宙時計」を確認することが 出来たけれど、あれは「宇宙対応・複数時刻表示時計」としてはなかなか優れているけれど、 シンプル時計ならば、このSBPB001のデザインは宇宙に似合う。
  • 神尾真由子チャイコフスキー国際コンクール優勝記念演奏会(NHK h)
     曲はシベリウスとチャイコフスキーのコンチェルト。
     今回のコンクールは本選をやる前から「もう優勝は確定」といわれるほど、神尾真由子の 演奏は群を抜いていたらしいのだが、これは凄い。シベリウスの最初の数小節で 「只者ではない空気」がジュワっと放射されて息を詰めてしまう。
     まだ、彼女のCD/DVDなどは内容なので、今のところこの録画がお宝映像だな〜。
  • ガンダム00のBD-R録画
    第7(SR)+8〜18話(DR)=計12話ぶんが一枚に収まった。
    SRは1.5GB、DRは1.8〜2.2GB
    なぜかDRのくせに放送ごとにバラツキが大きい。
     しかし平均すれば片面24GBディスクに11話は入るだろう。一年物で5枚
     全部SR録画なら、片面13話。それなら一年物で4枚。
     やはり、SRまで圧縮して録るか。
  • ペーパークラフト
     立方体(多面体)を続々製作中。
     正多面体を一通り作ったので、サッカーボール型(切頂20面体)に挑戦した。
     多面体の「辺」が一つのパーツになっている方式なので、サッカーボール型は 90個のパーツで出来る。…しんどい(笑)
     正4,6,8,12,20面体に対し、
     切頂4,6,8,12,20面体が有る。要するに頂点をカットした形状。
     小さい形状から順に取り組めばよかった…
     ちなみに、今取り組んでいるのは 「ゆかいな多面体―折ってなるほど!」布施 知子 に登場する「亀の子ユニット」で組んでいる。
     外観は「穴あき」の多面体になってしまうのだが、非常に強固な構造になるため作りやすい。 といっても、綺麗に作るためにはテープで補強しながら作っているのだが。
2008.2.10
  • あちゃらかオペラ「夏の夜の夢」〜嗚呼!大正浪漫編〜(こんにゃく座/世田谷パブリックシアター)
    台本…山本清多、作曲…萩京子、演出…山本清多&立山ひろみ
     妖精たちはちょっと和風に「コダマ」の王ヤマトとカスガ、パックはガタロ。
     人間界の設定は「大正時代」の(大久保)公爵と、出入りの職人たち。
     音楽や駄洒落が対象っぽくなっているのが親しみやすく、恋人たちの 考え方にも、封建社会とデモクラシーの対立が織り込まれていて、「夏の夜の夢」の 翻案の舞台としては、大正時代はなかなか成功していたと思う。
     職人たちが披露する芝居は何故か「シスビーとピラマスの悲劇」のまんまだが、 そこがまた、西洋のものをありがたがってどんどん取り入れていた大正時代らしく 滑稽味を増している。
     「オペラ」としては、音楽は良く出来ていると思うけれど、心に残る旋律は無い。
     セリフを載せる為の音楽、というに留まっているように思う。
  • 芝居帰りに焼き鳥屋「楽の房」に行ったが、満席だったので、 支店(太子堂店) を紹介された。
     ちょっと遠めだが、焼き物のレベルは本店と変わらない。
     レバーは表面が固まる程度に焼いて中はトロトロだし、「皮」付きの部位は 皮はパリッと歯ごたえ良く身はジューシーという、なかなか絶妙な腕前。
     日本酒のラインナップも恐ろしく切れがある。
     定番の銘酒と、最新の話題の酒が組み合わされて迷う。20種類くらいはあったかな。
     今回呑んだ中のベストは「遊穂」、複雑な香りの要素がキラキラと輝くように 華やかな印象を持って踊る。
     あまりの旨さに、久しぶりに酩酊して意識が飛びそうになったけれど…(^^;;
2008.2.9
  • 合唱団スプラ勉強(?)会(幡ヶ谷)
     妻の参加する合唱団のソロ、アンサンブルの発表会。
     妻は毎回スペイン歌曲+αで参戦しているが、今年は初めて「緊張して声がうわずっている」 という状態から脱却して堂々とした歌いっぷりに変身していた。というか「板についてきた」 というべきか。
     
2008.2.8
  • 人類滅亡まであとX年…か?
     2007年、スイス/フランスの国境にある研究施設CERNで、 大型ハドロン衝突型加速器(略称 LHC) が建造された。実験開始は2008年。
     この実験装置の目的の一つが、「陽子」を正面衝突させて、 素粒子サイズの「マイクロ・ブラックホール」を作ることだという。
     ブラックホールといえば、太陽の10倍程度の重さの星が燃え尽きる時にできるもので、 「マイクロ・ブラックホール」はSFの中だけの存在(辛うじて宇宙が誕生した頃に は存在したかも…)と言われていたのだが、最近の物理学(余剰次元理論)に したがって計算すると、LHCの衝突エネルギー(14TeV)で生成可能だと言われているのだ。
     ちなみに余剰次元理論とは、この宇宙は4次元時空(空間3+時間1)ではなく、 10〜11次元で出来ている(ただし、3次元以上の空間次元は、極微のサイズに 折りたたまれているので見えない)というもの。
     折りたたまれた「余剰次元」がいくつ有るかはまだ確定していないが、 余剰次元がたくさんあるほど、低いエネルギーでブラックホールが出来るらしい。
     さて、実験が成功したとしよう。
     「マイクロ・ブラックホールは、ホーキング効果で蒸発する」 …と、理論的に 予測されているが、もしも理論に誤差があり、蒸発速度より周囲の通常物質が マイクロ・ブラックホールに落ちる速度が速かったら…地球はブラックホールに 飲み込まれてしまう。のだよ。
     もっとも、素粒子サイズのブラックホールは、予測される寿命もマイクロサイズで、 一秒のそのまた何桁も小さく、実験施設から飛び去る暇も無いはず…ではあるが。
     ホーキング博士の理論が正しいことを祈るばかりである。
  • ちなみに、マイクロ・ブラックホールが蒸発「しない」とすると、 ブラックホールは地球の中心に落下して、徐々に地球のコアを飲み込んでいくだろう。
     でも、地球が潰れて無くなるか…というと、たぶんブラックホールに落下する物質の位置エネルギーの 開放によってX線やら何やらが大量に放出されて地球は大爆発、粉々になって終わるんじゃないか と推測しますですよ。
2008.2.7
  • 東芝 VARDIA RD-A502/302 発売?
     製品発表より先に自社の取説ダウンロードコーナーに、ぽろっとフライング掲載されたらしい。
     RD-A301で削除されたカートリッジ付きRAMが復活し、倍速も強化。-RW対応、 リアルタイムのAVC圧縮録画対応など、かなりマトモな仕様できた。
     それは良いことだが、年末にA301を発売してからまだ1ヶ月ちょっとしか 経っていないわけで、少数とは云いながら現行A301ユーザは「穏やか」じゃ 無かろう…。わしなら暴れるね(^^;
     それはそうと、その取り説に「TSEの直接録画はTSでの録画よりも電波の影響を受けやすく、 録画できない、または失敗する事があります。」…とあるのはどういう意味か?
     理由は理解できないが「直接録画は使うな」という意味だよなぁ…
  • 「ぼくらの」アニメ&コミック
     以前NHKの番組で紹介されて知った作品。
     夏休みの自然教室で集まった15人の少年少女が、謎の男から「ゲームのテストプレイをしてみないか」 と誘われ、身長500mの巨大ロボットに乗り込むことになる。
     だが、それは「現実」だった。
     そのロボットは操縦者の生命力で駆動され、一回の戦闘を終えると操縦者は死亡する。
     そのうえ、敵ロボットに敗北するか、戦闘開始から48時間が経過すると、この地球は消滅してしまう。 …つまり操縦者は戦って死ぬか、戦わずして地球ごと死ぬか、いずれにしても敵が現れたら 命は無い。
     …というストーリー。
     この理不尽な状況の「謎解き」と、死を宣告された子供たちの「生き方」、 そして巨大ロボットの「戦闘」と、切り口は色々ある作品だが、アニメ版の監督が ネットで「この作品は嫌いだ」などと発言したとかで物議をかもしたらしい。
     嫌いな理由は「理不尽に子供が死ぬから」らしいのだが、 「理不尽な状況を作品世界内でいかに論理的に整合させるか」がSFの本質 なわけで、そんなこと言ってもなぁというわけだ。仕事として受けたわけだし、ね。
     「人が死ぬ」ということを問題にするなら、大半の推理小説や犯罪物、アクション、 難病ものなど、 泣かせる創作物のほとんどがNGになってしまうわけで、この作品の設定が「理不尽」 と感じる段階で監督のSFマインドの欠如ではないかと思う。
     そういう作家は「サザエさん」とか「ドラえもん」とか、時間の無い世界だけ 作っていればいい。

     この作品を知ったきっかけは、NHKなのだが、もう一つは主題歌「アンインストール」 がネット上でヒットしていたことも有る。操縦者の死を「アンインストール」に見立てた 悲しい内容だが、これは名曲である。特に旋律とアレンジが。
     先にネットで「アニメ版」の最初の数話をちらっと見たのだが、「アニメ」としてのデキは なんだか微妙な感じ。
     製作会社は3Dアニメを得意とする「GONZO」で、昆虫っぽい有機的なラインを多用した 巨大ロボットの格闘戦を描くのは適任だと思うのだが、GONZOの作品で最初期から通してみても 絶賛したくなる作品を見た事が無いのは、この作品でも先例を踏襲してしまった感じだ。
     原作も技術も主題歌も申し分なくて結果が微妙なのは、やっぱり、脚本と監督の責任?
     画面にスキマ風感が渦巻いている。

     原作マンガの方は、幸いなことに、そういう「間の悪さ」は無い。
     「超巨大ロボット」で動きが重く、どうやら双方とも戦うことにためらいがある…という わけで、直立してにらみ合いの時間が多く、歩くにしても「一歩ずつ踏みしめて」という 世界なので、アクションは「止め絵」を積み重ねたような世界。
     作品の重点は戦闘のかっこよさより、「操縦者」に選ばれた子供たちの葛藤と、 隠された「謎」にある。
     子供たちだけしか出てこないならば昔のロボットアニメみたいだが、 「ぼくらの」には、徐々に 軍が関係してきたり、親や兄弟、学校の関係や、報道の問題など、それが 現実に起きたらどうなるのかという、エピソードの積み重ねが絶妙だ。 諸外国の反応も織り込まれている。
     市街地で巨大ロボットが戦闘したら、一般人が大勢巻き込まれるという 当たり前の視点も、きちんとストーリー上の重要な課題として描かれている。
     何より感心するのは、パイロットに選ばれた子供たちの、それぞれの エピソードの多彩さだ。

2008.2.6
  • ためしてガッテン「解明!グッスリ眠れる枕の秘密」
     要約すれば、1万円もする高価なマクラは最悪。ってことかな。
    1.マクラの高さは頚椎がまっすぐ伸びる15度の角度(横向きになった時は顔が水平になる)
    2.スムーズに寝返りが打てるよう、沈み込まない堅さが必要
     つまり、究極のマクラは、使い古した固い座布団をベースに、 タオルケットを折りたたんで高さ調整したものが最高。という結論。
     羽マクラはたぶん沈み込むので低すぎるし、テンピュールなどの「低反発ウレタン」 は頭を乗せた形に変形するので、寝返りの時に頭がゴロンと出来ない。
     まあ「座布団にタオル」はベッドでは実用上難があるが、それに準じた程よいマクラが 有れば良いね。安くいいんだし
  • ちなみに、私のマクラは昔ながらの蕎麦殻マクラ(風)で、中身の寄席具合で 多少は高さが調整できるもの。割と楽。
     妻のマクラはドーナツ型に中央がへこんでいて「低い&寝返りが打てない形状」 なので、ガッテン流には最悪に見える。
  • 巨大豪華客船、レインボーブリッジくぐれず 誘致に障害(asahi.com)
     予算をつけて今後は中型客船の誘致に力を入れるとか。
     それにしても、
    「QE2がマストを外すか干潮時ならぎりぎり通れる設計」(都港湾局)だった。  都は橋の完成前の91年、橋より港の奥にある晴海客船ターミナルを「QE2が着岸できる規模にする」として91億円かけて東京港唯一の国際窓口に整備した。「QE2は橋ができれば多少苦労してでも来てくれるだろうと漠然と思っていた」(当時の都幹部)
     ないない。マスト外してまで晴海に行かないって。マストは飾りで付いているんじゃない。 レーダーとか通信機器とか、航行に不可欠な機器が満載なのに。(しかも、分解できるような構造でもない)
     あ〜、役人はアホだ。
     91億もかけた晴海は今や、特撮のロケ地かコスプレ娘の撮影スポットになっている。 (つまりいつでも空き地状態)
     ちなみに、レインボーブリッジの高さ52mに対して、瀬戸大橋などは80mだそうだ。
     香港なんかは、海底トンネル。
  • 深夜に突然スターウォーズ
     THXのテストパターンでPS3/VPL-VW100の調整を試みた。
     調整後ソファで居眠りしていた妻が目を覚まし「何見ているの?」という。
     聞けば、 「『スターウォーズ・エピソードIII』の次世代ソフトは未発売なのにDVDを見ているにしてはやけに鮮明な画像だな」 と思ったとのこと。
     あんたはスルドイ。
     今回BDZ-X90とPS3でTHXテストパターンとSW3冒頭でDVDの画質比較をしてみた。
     THXの「シャープネス調整用テストパターン」を見ると、画面左から右に向かって 徐々にピッチが細かくなる縦線が、BDZ-X90では、チャートの縦縞とDVD本来のドットが モアレ(干渉縞)を起こすが、PS3ではまるでチャートがもともとハイビジョン解像度で 出来ているかのように、クッキリ細線で描かれる。
     これはまるで、PS3が「これは解像度チャートだ」と認識して存在しない信号を 作り出しているかのようだ。
     もうひとつわかり易いのは、『スターウォーズ』の冒頭の"LUCAS FILM"という緑色の ロゴの文字の下の弓なりのアンダーラインが、DVDなので本来斜め線のジャギーが出るところを、 PS3だと、ハイビジョン解像度の滑らかな曲線に書き換えられている。
     そういうわけなので、本編の宇宙船などのメカの細線も、 PS3だと全てクッキリ・スッキリ、まるでハイビジョンのような精細感に作り変えられている。
     妻が「おやっ」と思うのも不思議は無いね。
     でも、早くブルーレイで発売してもらいたいね、スターウォーズ。
  • BS-iの『リチャードを探して』
     CM入りなのであまり期待していなかったが、CMカットしたら本編100分しかなかった。
     オリジナルは112分あるらしいので、せっかくのハイビジョン放送だが消去ということで。
2008.2.5
  • 毒入り餃子と食料自給率
     国会もワイドショーもこの話題で賑やかいが、40年前は日本の食料自給率は75%くらいあったらしい。
     バブル期に「食料なんか外国から買えばいいじゃん」ということで、50%を切り、 その後も低下し続けて、現在は40%切っている。
     アメリカなんかは「輸入の自由化」に向けた圧力をかけ続けてきたわけだから、 交換条件として、将来食糧危機になった時に「?%は日本に売らなければならない」 という縛りをかけてもいいくらいだ。
     ともあれ、不二家や赤福の偽装の時にはどんどん回収&廃棄をして潔癖振りを 発揮していたのに、今回は「日本の食糧の20%弱は中国からの輸入に頼っているので、 なんとかストップしないように頑張って欲しい」なんて論調が支配的だ。
     正論だが、弱腰である。日和見的であるといってもいい。
     すでに「米国がバイオエタノールを作ると食料が高騰する」など、食料自給率が 低いことによる不安は十分表面に出てきている。米国も中国も安心して頼れる 取引相手ではない。
     ならば、漫然と補助金を出すだけの今までの農業政策を根本から再構築する きっかけにするべきなのでは無いか。と思う。
     今日本で自給できる食材は米と芋しか無いらしい。
     農業従事者の高齢化が進んでいる現状を考えると、5年、10年の間に 根本的な改革を進めないと、日本の食料自給率はさらに急激に低下する可能性が高い。
     つまり、農業に若い世代の力を入れることと、企業化が絶対に必要なのだ。 個人の農家の保護も大切だが、守るべきは「意欲のある農家」であって、 農地を有効に使っていないただの地主になっているような農家まで保護する意味は 無い。
2008.2.4
  • 『ロード・オブ・ウォー』(WOWOW - HV5.1) ★☆
     冷戦構造の終焉で某超大国で余った軍事物資を闇で買い叩いて紛争地域に転売する。
     そんな個人営業の武器商人をニコラス・ケージが演じる。
     ストーリーは彼が商売を始めたきっかけから、大きな取引を扱って がんがん儲けるまでの経緯を、本人のナレーションを中心に淡々と 描いていく。
     商売は自分の売った武器で命を落とさないこと、これが第一。そして インターポールの監視の目をかいくぐること。
     後半は家族とインターポールを騙しながら、苦しい商売になっていく。
     はっきりいって不道徳でエグイ描写の連続だが、この映画のメッセージは 「最大の武器商人は国連常任理事国」だという指摘である。
  • スクリーンのバーにマスキング
     今度のスクリーンはケースもバーも最初から黒塗りだが、それでもケースは「光沢」、バーは「半光沢」。 明るい画面、あるいは字幕の白がわずかに画面下のバーを白く光らせて気になる。
     そこで前のスクリーン同様、写真撮影で使う「パーマセルテープ」黒 (ヨドバシカメラなんかで売っている)でバー全体をマスキングした。
     テープを張った部分は、スクリーンの黒マスクの部分とほとんど同じ質感になって、 上映中完全に見えなくなった。満足満足。
  • スクリーンの反射特性
     前のスクリーンと素材は同じはずだが、迷光の切れがシャープになっているような気がする。
     キッチンの豆電球を使っていると、幕面の白が周囲の壁紙の白より若干暗く見える。
     何か映して画面を見ているときには気が付かない程度だが、わずかにハイコントラストに なっているのだな。たぶん。
2008.2.3
  • 雪だ!
  • VPL-VW100のファクトリーモード
     昔のプロジェクタ(VPL-VW10HT)と同じコマンドだった。
     [ENT] [ENT] [←] [ENT]
     レンズ調整のテストパターンが消えなくなるので、設置時に有効。
     工場調整用のモードなので、メニュー画面の下の方には、下手にいじったら 致命的なことになりそうな項目がずらりと並ぶ。いらんところは絶対にいじらない。
2008.2.2
  • VPL-VW100修理5 [設置・復旧編]
     修理に出してから二週間。ようやく届いた。
     驚いたことに、保証期間は切れているのに修理費用は無料だった。引き取り関係で 延べ3人も人が足を運んでくれているし、まさか無料とは思わなかったが、 今回の「点灯不良」が設計製造の問題で、無償修理の対象になっているのか、 作業が遅れた侘び賃なのかは不明。
     もっとも、前のランプが「公称寿命」より早く終わってしまったので完全に「無料」 という状態でも無いかな。ランプ交換は7万円かかっているのだから。
     修理結果は以下のとおり。
     「→」は修理内容/回答
     「※」印は私のコメント
    • ランプ点灯不良
      →ランプ電源、イグナイター不良。交換。
       ※あたりまえだが、一発で点灯するようになった。
    • アイリス自動での階調性不良
      →同一セットと比較して異常なし
       ※もしかすると「ファームウェア更新」で少し良くなっているのかも。  
    • ファームウェア更新
      →ROMバージョン 01.05 / 01.02
       SC ROMバージョン 01.03
       IP ROMバージョン 01.00
    • アンプ経由でHDMIの1080Pが出ない
      →直結で問題なし
       ※やっぱりアンプ側の制限らしい
  • 自分で再取り付け&微調整をしたので、最初にAVACに取り付けてもらったときより、 平行もフォーカスも出ているような気がする。
     …というか、最初のベースの取り付け 位置がきちんと直角が出ていなかったみたいで、今までは心棒をひねってネジで締め付けて いたみたいだな。今回はネジを締めない状態でベースの振り角を合わせてから取り付けたから、 ずっと無理が無いはずだ。
  • SONYのプロジェクターベースは、 左右方向の首振りはベースそのものの取り付け角度で、 上下方向のは本体側の蝶番で設定できるようになっているけれど、 左右水平は「正しい」という前提なのか調整は出来ない。
     できれば、スクリーン上でほんの2〜3mm水平を修正したいのだが。
  • というわけで、修理完了一本目は、WOWOWで放送された『2001年宇宙の旅』
     こ、これは「ビスタサイズ」のトリミング版だな…。BShiの放送はオリジナルのシネスコだったはず。
     でも悪くは無い。シネスコは恐らく製品版を買うからそれを見れば良いと思うので。
     画質は当然DVDより格段に良いが、4ライン置きくらいに赤色のノイズ(ジャギー)があるな。
     トリミングされて実際の解像度が上がっているため、宇宙ステーションや、宇宙船のディテール はかつて無い鮮明さで、特撮スタッフの情熱が伝わってくるみたいだ。
  • スクリーンが壊れた5[交換後・初使用編]
     結局キクチのStylistシリーズ 「110インチ・スーパーグレインビーズ・電動・赤外線リモコン」 に交換になったわけだが、 遅れてプロジェクタ修理が終わったおかけでやっと使用した。
     外形寸法は、旧機種より小さくなった。
     スクリーンケース色は「黒」を選択。
     非使用時にはちょっと存在感があるけれど、使用時には「白」ケースより存在感が 無くて良好である。ツヤあり塗装なので、おそらく白でも、マット仕上げの旧機種より なんとなく「収納時の存在感」はあるだろう。微妙だ。
     電源コードと赤外線受光部のコードが白壁にモシャモシャ見えるのはなんとか処理したい。 壁の一部(背景)を黒くマスキングして逃げようかと思っている。
     前のスクリーンの取付金具が錆びて壁紙を汚しているのは戴けない。(ケースが小型化したので、 汚れ部分がむき出しだ)
     昇降モータの作動音は「ガッキュ〜ン」と、旧機種よりうるさくて妻がびびっていた(^^; 旧機種は停止位置が近づくとグググっと減速していたが、今度は定速動作のままガツンと 止まるのも微妙に合理化というか廉価化されている。
     画質は生地旧機種と同じ素材なのでほとんど変化なし。
     旧機種は画面右が若干たわんで来ていたので、きちんと平面なのは久しぶりだ。 取り説を見ると、下部バーにテンション微調節機能があって平面の修正が出来るらしい。
     リモコンの信号が旧機種と互換性が無かった。学習リモコンを再学習させた。
     赤外線受光部の感度は良くなっている気がする。
     モーターの作動を表示するLEDは、旧機種ではリモコン受光ユニットの正面にあって 緑色に光っていたのが、今度は真下の奥まった位置にあるので、視聴位置からは見えない。 前も「邪魔」というほど明るくは無かったけれど、余計な光は無いほうがいいので 地味な改良だがこれは必要なことだ。

     というわけで、機能性能は「対旧機種比」で十分満足だけれど、 「接着剤」の新鮮な匂いが発散して、 どうにも物凄い刺激臭がする。
     極寒の中、窓を開け換気扇をフル稼働させたにもかかわらず、一時間で頭痛がして 目が開けていられなくなってきて、三時間で耐えられなくなったので、寝室に避難して 頭痛薬を飲んで数時間寝込んだ。
     まあ、これほどひどい匂いがするのは限られた期間のことだとは思うけれど、 もう少し何とかならないものか。
     液晶TVくらい数の出る商品だったら、この刺激臭は社会問題になっているよな〜。

  • ともあれ、これで年初からの修理品「電動スクリーン」「VPL-VW100」「レンジフードの照明」 「シャワー水栓」の修理に(治さないも含め)決着がつき、「RD-X6」だけが残った。
     なんだかRDはもう修理しなくて良いような気がする。RD-X3は地上アナログ用に残しているが、 焼くべき録画はすべてBlu-rayに移行している今日この頃である。
2008.2.1
  • 鹿男あをによしを見ていたら三角(生八つ橋)を食べたくなった。
     ネットで評価の高い店を探したのだが、妻が「送料がもったいない」と言って止める (;_;
    (4,000円以上で送料無料になるらしいが、それには18個入り5箱で3,990円…ていうか、そんなに買わない)
     こうなったら、東京駅の名店街に探しに行くしか…

2月のBS/WOWOW ★注目番組 ■HDDVD(Paramaunt/UNIV./Dream W.)

  • 14木00:40-2:59 BS2 ロミオとジュリエット 1968年・イギリス/イタリア ROMEO AND JULIET
  • 14木xx:xx- WOW ★麗しのサブリナ
  • 15金xx:xx- WOW ★スキャナー・ダークリー
  • 17日xx:xx- WOW 慕情
  • 17日xx:xx- WOW ★ギャング・オブ・ニューヨーク
  • 17日xx:xx- WOW ★ディパーテッド
  • 19火xx:xx- WOW 屋根の上のバイオリン弾き
  • 21木xx:xx- WOW ラ・マンチャの男
  • 22金xx:xx- WOW ★フラッシュダンス
  • 24日xx:xx- WOW ★バベル
  • 25月xx:xx- WOW ★ニュー・シネマ・パラダイス[3時間オリジナル完全版]
  • 28木xx:xx- WOW ★海の上のピアニスト


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!