映画館がやってきた!

構築日記・不定期便
- What's NEWを兼ねた日記のような読み物 -
2007年06月
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2007.6.30
  • 演奏会「N響 第1597回定期公演 Cプログラム(2日目)」(NHKホール)
    指揮:ウラディーミル・アシュケナージ
    ・ベートーヴェン/交響曲 第6番 ヘ長調 作品68「田園」
    ・ベートーヴェン/交響曲 第7番 イ長調 作品92

     アシュメナージはこの演奏会で音楽監督を退任だそうだ。
     そのせいか「のだめ効果」なのか会場は全席完売御礼。
     前半の「田園」は、一楽章冒頭のテーマがオーボエに回ってきたとき、とてつもない「はらほろひれはれ」 になって会場が凍った。
     こんな失敗聞いたことないし、演奏者本人も「練習でもこんな失敗したこと無い」という レベルの事件だと思うな。茂木さんファンが大勢来場していたはずだが…
     後半「第7番」は、一音目から聴いたことも無いくらい硬質でガツンガツンした音で 最初からテンポも速くて激しい。ティンパニーとベースがいつになく鋭い音を出している。
     この曲を聴いたのは久しぶりだけれど、終始ティンパニーが活躍する曲なのが、 改めて新鮮だった。ティンパニーは楽器が普段と違うようで音が「カツカツ」していたのも 理由だと思うが、ほんと、出番が多い。
     隣の席には「演劇部の女の子をデートに誘ったオケをやっている男の子」が居て、 休憩時間にオケ話であれこれ盛り上がっていたけれど、今日の演奏は「のだめファン」 を蹴散らすような演奏だったのは確かだ。
     今日は沢山のマイクがセッティングされて録音&放送されるようで、カメラはなかったので、 一日目の演奏のバックアップの録音をしていたように見えたが、今日の演奏はちょっとそのままでは 放送できないかも。
     1,2部ともカーテンコールの回数が普段より少なかったから、演奏者もちょっと 早く引けたい気分だったのか。演奏後に再録音したのかな?

  • 焼き鳥「波多野」
     先月そのへんのチェーン店に入ったら、連れが「焼き鳥がまずい」と文句を言うので、 ちょっと「ツウ」っぽい店に行ってみた。
     「波多野」は井の頭線渋谷駅前という一等地にあるが、店構えはビルの二階で L字のカウンターに10席のみの小体な店。
     入り口に「ごはんものは有りません」と張り紙があり、本気で「焼き鳥」しか 出ない。でも夏は鰻、冬(11月〜2月)は野鳥も出るらしい。
     初めてなのでコースを頼んだ。純粋に鶏肉だけで野菜焼きは入らない。鳥しかないけれど 鳥だけで腹いっぱい。肉質、焼き加減とも、なかなか良い。
     小さな店だから仕込み〜焼き場がすべて見えるのも楽しい。
     単品注文なら内臓類の刺身もあって鮮度に自信がありそうだ。
     だらだら飲む店ではないが、ジビエの季節にもう一度訪れてみたいものだ。
2007.6.29
  • PS3 システムソフトウェア バージョン 1.82 アップデート
    [HP]
     AVC High Profile (H.264/MPEG-4) 動画の再生に対応
     …『パイレーツオブカリビアン』などはAVC High Profileで収録されていると聞いたが、 では今まではまだまだ全力で再生していなかったと言うことなのか?
2007.6.28
  • 書評「敵は海賊・正義の眼」神林長平/ハヤカワ文庫JA
  • 時計話
     最近は、「ランドマスター」と「ブラックサムライ」を交互に使用 という感じ。直径のわりに厚みがあって違和感があった「ランドマスター」も なんだか馴染んできた。
     で、本腰入れて最近探しているのが「クルーズ船のディナー&フォーマル・パーティー」 に着用する時計。
     最近まで、服装はいわゆる「フォーマル」なので「小型で金色・革ベルト」 のあまり安っぽくないものが良いかなと思って探していたのだが、良く考えたら 「お洒落して遊ぶ場」でもあるんだな。
     本当のお金持ちだと「ヨット遊び用時計」なんかは、良い物がたくさんあるし、 職業がパイロットなんかだと「パイロットウオッチ」なんか間違いなく良いんだけれど、 そんなに金持ちでも無いし、隣に本物のパイロットが住んでいると、パイロットものは めちゃ気が引ける(笑)
     ヨット時計なんか着けていて、外人が話しかけてきたら面倒だ。まあダイバーズ ウォッチだって、陸ダイバーだけどね(^^;
     さらに、日本やアメリカでは定番の高級時計である「ロレックス」なんかは、 世界一周している外国の年寄りが着けているのは全然見ない。
     というわけで「仕事では使わない」前提で、 「パーティーに付けていく上品だけれどちょっと変わった時計」を探し中。
     極力「かぶらないこと」も大事だよね。あと、高級そうに見えて実は 買いやすいお値段だと最高だな(笑)
  • コンビニでGetNaviという雑誌を立ち読みした。HD DVD特集
     東芝のHD DVD搭載RD発売記念で、「HD DVDとBDのどっちが生き残るか未来予測」 をやっていて、結果はほとんどの項目で「互角、まだまだ分らない」というもの。
     なかに「年末にはHD DVD 51GBが登場する」という記述が有ってコケた。
     それROM規格だけのことだし、絶対に発売されないだろ。東芝本人も今年出るとは 言ってないし、期限を切っても一年くらい先送りにしてきたのが東芝クオリティだよ。
     そして出たとしても現行の全ての機種で「再生互換性が無い」だろう。
     「ROMタイトル数」が互角というのも空しい。
     秋葉原のヨドバシでさえ、BD:HD=4:1ほどの品揃えだし、店頭にはBDしか 置いていない店のほうが多いというのに。
     所詮「カタログ雑誌」とはいっても、もう少し冷静な記事が作れないかな。
  • RD-A300/A600は売れると思う
     でも「殻つきDVD-RAM」に非対応なんだよね。
2007.6.27
  • 牛肉偽装問題
     食肉業界のモラルは低い。輸入関税とかBSEとか、補助金が出ると100%不正受給問題 を起こしてきたし、「黒豚偽装」も昔から問題を起こしていた。
     それに輪をかけて今度の偽装は徹底して、凄いらしい。カレー用牛肉として羊肉を 売ったり、馬肉に牛脂をまぜて牛肉と言ったり、ようするに「牛肉が一番高く売れる」 から、なんでも誤魔化す。
     訴えられたら「わざとじゃない」と言って保険会社から保険金を引き出して 補償してもみ消す。ほんと、人間のクズだわ。
  • 磁気処理水の訪問販売
     父が購入した磁気処理水について、電話で「事情聴取」した(笑)
     大手の販売業者の情報はネットでいろいろ見る事ができるが、今回の業者は 岡谷に電話番号を持っている小さな業者らしいのだが、社名と電話番号以外の 情報がまったく全然無い。
     ここまで情報が無いのは、サギが目的で電話一本引いただけの事務所なのかも しれない。
     チラシの中身は、水の分子が小さくなると言うような解説に始まり、 「ありとあらゆる病気に効果がある」てな調子で、典型的な「水商売」。
     どういう経路で販売されたかと言うと、親戚に健康マニアが居て、そこに 業者が入れ替わり立ち代り群がっていて、その親戚が周囲に宣伝&業者に紹介 して、回りに被害を拡大していると言う構図。
     つまり健康業者の「カモリスト」に掲載されていて横の連帯で 年寄りに商品を売りまくっている。
     父の言い分では、「非常に世話になっている親戚なので断れない」
    「数年越しで業者が訪問してくるのでお金を払って面倒を終わらせたい」
    「商品を信用しているわけではないが、払えない金額ではない」
    など。
     いずれにしても執拗な勧誘で商品を売りつけるのは、一種の暴力行為だ。
     今そのカモな親戚は「足裏デトックス・毒出しグッズ」にはまっているそうだ。
     これは、本格的に阻止の為の活動をしないと納まらないかもしれない。
  • 社会保険庁労組の「国費評十年史」
     組合活動の成果の記録、ということで年金手帖の統一、相談コーナーの開設、 記録のオンライン化、などなど、「どんな合理化も絶対に見逃さない」と ことごとく反対してきた成果を誇っている。
     もしかすると今回の問題も「ほ〜ら、コンピュータなんか役に立たないでしょ、 人間が資料を管理しないと年金は運営できないんですよ」という実績作りのための 故意のサボタージュの成果なのかもしれない。
     コストを一円でも減らして競争に生き残るのが民間企業だが、役人の仕事は 「税金は使えるだけ使え」ということに全力を投入してきたと見える。
     これじゃあ「タカリ屋集団」だ。
     年金事業は分割民営化というより「保険会社の委託事業」なんかに すべきかもしれないな。少なくとも「分割」して分割後の会社ごとに「合理化の成果」 や「収納率」によって職員のボーナスが査定されるとか。
  • もちろん、そんな職員を放置してきた役人も最悪。
     「働かない役人には給料を出さない」という法律くらい、 あって当たり前なのではないか?
     「労使の裏協定」について元長官が「どうにもならなかった」などと発言した ようだが、協定を公にして国会で問題にすれば10年前でも世論が黙っていなかった はずなのではないか。何が「どうにもならなかった」のか。
     「波風立てずに退職金が欲しかった」だけなのではないか?
2007.6.26
  • 書評「SFロボット学入門」(石原藤夫/ハヤカワ文庫JA)
     1971年頃に書かれ1981年に文庫化した作品を再読した。
     36年前の「ロボット観」がどのようなものだったか、再確認したかったのと、 個人的に「人工知能SF」「超能力SF」についてまとめてみたいと思っているので、 「○○学入門」という本のスタイルについて読んでおこうと思ったから。
     結論としては、この本は「エッセイ集」に近くて「○○学入門」の 一般的イメージとは距離があるようだった。
     文庫化された1981年はLSIを使ったマイクロコンピュータが、そろそろ 姿を現し始め、早稲田大学で二足歩行ロボットの基礎研究がなされていた時代。
     人工知能研究も盛んで、実現の難しさは見えてきていたけれど、まさか 第五世代コンピュータの研究プロジェクトがウヤムヤの内に終了し、 2000年を過ぎても少しでも「物を考えている」ように見えるコンピュータが 出来ていないとは思わなかっただろうし、「二足歩行ロボット」が 玩具として急速な進歩を遂げる一方で何も実用的な用途が無いとは 思わなかっただろう。
     この本を読むと、改めてそんな1970〜80年代の雰囲気を感じる。
     「ロボットを作るには巨大システムの困難さが壁になる」という 趣旨の論が、アポロ計画を例に挙げて語られるが、現実の21世紀は、 「社会システム」が巨大さに耐えかねて腐敗・崩壊の一途を辿って いるように見える。
     社会のあらゆる場所に広義の「ロボット」が普及して、省力化・迅速化 が進行しているのに、「資本家と役人はもっと金を儲けること」に邁進し、 不正・腐敗が進化する一方で、一般庶民は搾取される、初期 ロボットSFに描かれた世界がなんとなく現実化。みたいな。
  • 先日「高速バス」の切符を取るのに電話したら 「音声案内ダイヤル」だったわけで、これが、人間のオペレータより格段に 時間がかかるわけで。
     つまり、固定フォーマットの音声質問に「音声」と「数字キー」の 組合せで答えて予約する。
     全部音声で「○月○日○時出発、○から○までの乗車券を○枚」 などとしゃべったものを、自動認識する程度の知能が実用化されていない (あるいはめちゃ高価)なんだな。
     でも、現実は「バス停」の名前が音声入力できることに感動するくらいの レベルに留まっている。
     ロボットの時代は遠いな。
2007.6.25
  • VAIO(VGN-T92S)のバッテリー回収
     ちょっと気になって調べたら、バッテリー不良回収対象機種だった…。 さっそくネットで交換手続きをしたのだが、回収までのあいだに 家が燃えないと良いけど…
  • ほたるの写真
     F5.6, SS:20秒(感度ISO 400〜1600)程度で、結構写っていた。
     ただし、長時間露光で見える撮像素子のドット不良(常時点灯)が、盛大で、 緑色のホタルの光に混じって、赤・青の点がバラバラとまるでネオンの街。
     経年劣化で、毎年増えている気がする。
     そろそろ修理に出さないと無理だなぁ…でも高くつきそうだなぁ…
  • 社会保険庁の「横領問題」と「ボーナス返上」
     社会保険庁全職員に5〜50%の自主的ボーナス返上を呼びかけているそうだ。
     過去の在籍者にも寄付を呼びかけているらしい。
     しかしちょっと待て。
     寄付金は「国に入る」らしいが、不特定の真面目に働いている職員(が居るかどうかわからないが) からの寄付に何の意味が?
     「会計監査院」が過去('89-02)に「1億円以上の年金横領事件」を明るみにしたそうだが、 もちろん氷山の一角というわけで、職務怠慢を含めた「犯罪者」を確定して、 きちんと刑罰を与える事が本筋だ。
     「寄付金を出して風当たりを避けよう」などというふざけたトップの判断が 許されるものか。犯罪は犯罪だ。
     横領事件が横行した背景には「納付から給付まで40年もの時間があって、 事件が闇に葬られやすい」という年金システムの弱点がある。
     納付状況と給付予定額が毎年個人に通知されるような仕組みを作っておけば、 給付までの時間差を悪用した横領は出来ない。
     そういう「誰にでも思いつく簡単確実な不正防止策」を取らなかった 役所と行政には、泥棒本人にも増して相応の責任がある。
  • 4年生大学生が成人してから就職(厚生年金加入)するまでの国民年金が 行方不明のケースが多い…と、当初報道されていたが、これは盗まれた 可能性が高そうだ。
     50歳以上の職員が20歳の納付金を盗んだ場合、給付の作業で気が付く頃には 盗んだ本人は死んでいる可能性が高いから「盗み得」としか言いようが無い。
     納めた学生の親だって死んでいるだろう。死人に口無しだ。
2007.6.24
  • 木曽福島見物
     凄い雨の中だが、父の案内で木曽福島を見物してきた。
     主な観光資源は、中山道の「関所跡」、代官様の屋敷(一部復元)、木曽川岸の絶壁に立つ家、 島崎藤村の小説のモデルになった旧家、など。
     もっとも、宿場町は江戸時代と、明治(だったかな)の二度の大火で広範囲に焼失しており、 その上鉄道と道路を通すために関所や旧家を削りと、江戸時代から続く本当に古い物は あまり残っていない。
     焼け残ったエリアは観光地図には乗っていたが、父の観光案内ルートは新しく整備された スポットが主で本物の宿場町の史跡は入っていなかった(笑)
     たぶん、地元で最近耳にした「観光情報」を元にしているからだな。
     木曽の銘酒「七笑」の蔵元直営店もあるが、父も妻もさっぱり興味が無いようで、 いまいち趣味がカミ合わない。
     本物の凄みがあったのは「木曽川岸の絶壁に立つ家」
     いつ頃建ったものか分らないが、木曽川の谷間に石垣を積み、そこに 川の上にはみ出すようにしてつっかい棒を立てて家がある。しかも、 木造三〜四階建て(^^;;
     川の上にせり出した家に煙突、雨どい、梯子etc.が突き出して、あえて 似たものを探すなら、『ハウルの城』か『千と千尋の神隠し』の湯屋という感じ。
     明らかに建築基準法も土地の所有権も無視した建物だが、昔〜昭和40年代頃まで〜は 実家の近所でも川の上につっかい棒して半分はみ出した違法建築物があったな。
     「島崎藤村の小説のモデルになった旧家」の蔵には興味深いものが展示されていて、 鎧兜と大阪城の巨大な図面の横に「関が原の合戦で敵を迎え撃とうと出陣したが、 空振りに終わった時の鎧兜」とか、よく読むとどこか笑える「はずしポイント」 があるのがグッド。
     河童の図もあった(^^;
  • 軍艦じゃんけん
     長野から新宿までの高速バスの車中、子供だけ8人くらいの団体(引率なし)がいて、 渋滞の中数時間ぶっ通しで「戦争!軍艦、朝鮮、ハワイ」と連呼して、 うるさいのうるさくないのって、うるさいのだ。
     長野県は都会ほど太平洋戦争が身近でなかったせいか、私はこれで遊んだことは 無いが、聞いた事がある範囲では「軍艦、沈没、ハワイ」 だったような気がする。たぶん第二次世界大戦中に始まったものが、いつの間にか 朝鮮戦争バージョンに変化したらしい。
     それにしても、「遊び」の寿命の長さには驚く。
     うるさい話を聞いていると彼らは別々の小学校に通っている親戚でもない 子供たちの団体らしいので、何かの宗教のキャンプの帰り道か。 ひとりもDSを持っていないのが普通じゃない。
     ともかく、延々と「戦争!軍艦、朝鮮、ハワイ」の連呼は、右翼団体の デモに巻き込まれたような気分で最悪だった。ていうか「右翼キッズ」なのか?
  • 「磁気で健康に良い水が出てくる装置**万円」
     父が親戚に数年越しに勧められて購入した事が判明。
     はげしくがっかりだよ。
     「磁気で水を…」がインチキ商品確定な事もさることながら、 「親戚の人が熱心に売り歩いている」のはマルチ商法の一種じゃないのか知らん。
     どうみても、いくつもの法律に抵触していそうだ。詳しく調べてみるかなぁ?
     へんなリストに載ったら、次から次へとターゲットにされる可能性も有る。
  • 父母の年金について聞いてきた
      父は、特に問題なかったらしいが、母は短い期間働きに出ていた事があるが、 「生年月日」の記載事項が間違っていて、「生年月日が違ったら別人ですからねぇ」 と言われ受取額の計算に手間取ったらしい。
2007.6.23
  • 辰野ほたる祭り
     家族総出で見物に行った。
     この日は公式記録によると「1,804匹」の出現だったらしいが、半月の月明かりが あったことと、少し気温が低くてホタルは草の陰にいて飛びが悪かったのが残念。
     観光客の人出は物凄かった。
     ちなみに、平成16年の最大出現数は、15,000匹。
     当たりを引くまでには、まだまだ通わないといけないな。
    [参考=公式HP]
2007.6.21
  • 書評「訴えてやる!大賞」本当にあった仰天裁判73(ランディ・カッシンガム/ハヤカワ文庫NF)
     原題は"THE TRUE STELLA AWARDS"…邦題はちょっとした雑学系娯楽本のそれだが、 中身は「訴訟社会アメリカ」の 歪を検証し、正常な司法の場を取り返すための運動を訴えている実に真面目な本。
     著者は、StellaAwards.comというサイト (OCN翻訳) の運営者で、ステラとは米国で最も 馬鹿げた民事訴訟として有名になった「マクドナルドのコーヒーを(自分で)こぼして 火傷してマクドナルドを訴え、陪審が290万ドルもの損害賠償を認めた」という事件の 主人公のおばあさんの名前だ。
     米国にはこの手の噂がたくさんあるけれど、「本当の話」だけを厳選し、 読者が告訴・判決の妥当性を検討できるように資料を整理しているのが このサイトだとのこと。
     とにかく、米国の訴訟コストがGDPに占める割合は、1980年の1.54%から現在2.33% 膨らんでいるという。GDPの2.33%が訴訟に消えるとは物凄いことで、通常の 損害賠償(根拠を持って計算できる)の他に、精神的苦痛とか、懲罰的賠償金とか、 根拠を示せ無いような数字を大企業にたたきつけて、一生楽して暮らせる 大金をせしめようという輩が後を絶たない。
     陪審員は、「大企業は余った金を持っているから」「自分のお金ではない」 「もしかすると、自分ももらう側になる日が来るかもしれない」という理由で、 これらの賠償金を簡単に認めてしまう、という害を抱えている。
     しかし、社会的責任を名目にした「懲罰的賠償金」が訴えた個人の懐に入ることは おかしいし、数千人規模の集団訴訟などでは、弁護士だけが大金の弁護料を 手にして原告一人一人には商品券程度しか渡らないなどの現実も有る。
     そればかりか、「宝くじ」でも買うような気持ちで、(診断書の偽造などの) 嘘を付いても原告団に加わろうとする一般人もかなりの数に登る。
     例えば「アスベスト集団訴訟」では、便乗した健康な人々までが 保証金目当てに群がった為に被告企業が倒産してしまい、発病した人が 本来の補償を受けられなくなってしまったなど。
     そして、こうした過大な訴訟のコストが回りまわって、保険料の値上げや、 商品価格の値上げ、医師の不足、企業の海外流出、本来迅速に取り上げられなければ ならないマトモな裁判の遅延など、米国に様々な損失を与えている。
     ただで一生楽しようという一般人と、訴訟費用でボロ儲けしようという 悪徳弁護士は増え続けているというわけだ。
     注目しておきたいのは、陪審制度が悪用されていること。
     「どうせ企業の金だ」「自分が貰える番が来るかも」と思っている陪審員が 安易な判決を出しているのも問題だが、弁護士は、取り上げる問題に一番良い 結果を出してくれる陪審員がいそうな州で訴訟を起こす、という自由まで 持っている。
     たとえば、日本企業トップのセクハラ事件なら、もっとも日本企業が 嫌われている州に訴える。とか。
  • 日本はチマチマした法律がたくさんあるので、米国ほど酷いことは起きにくい 法体系だと思うが、陪審制度が正しく機能しない事がかなりの場合で起こることを この本は報告しているわけで見過ごせない。
     また、日本で小児科と産婦人科の医師が不足している原因に 「訴訟リスクが高まっているから」という現実があるらしい。
     重症の患者ほど死亡しやすいのは当たり前だが、患者の重症度と 医師の「訴訟リスク」が連動するなら、緊急医療の現場で「たらいまわし」 が起きるリスクもまた高まる。そして助かるものも助からないリスクが上がる。
     避けたい悪循環だ。どうすればいい?
  • 日本にも馬鹿げた裁判はある
     「子供が閉まりかけた回転扉に頭から突っ込んで死んだ事件」などは、 かなりステラ度が高い。
     この事件は日本中が回転扉メーカーとビルの管理者の責任を問うたが、 半分は本人と親の責任だと思う。簡単に言えば「車道に飛び出した子供と車」 の関係に近いものが有る。
     「公園のベンチに座らせた子供が落ちて、背後の植え込みの枝が頭に刺さった」 という事件もあったなぁ。(確か親が敗訴したと思うが)
     常識では考えられない事故が起きたとき、「常識では考えられないこと」 をした「本人の責任」はやっぱりあると思うよ。
  • SPEのBDディスクは、メニュー画面で7669を押すとカラーバーと解像度チャートが出る
2007.6.20
  • 松涛温泉爆発事故と生き方の問題
     天然ガスの分離装置を置いた部屋にガス漏れ警報機が無い。
     法律で設置の義務が無い。
     まあTV会見で「私が悪かった」と言ってしまうと負けだという計算はあるかも しれないが、温泉関係者なら天然ガスが危ないことくらい全員知っていただろう。
     経営者は新奇なサービスを打ち出すプロで「温泉」そのものの専門家では 無いようなので、危険の認識が薄いことは考えられる。機器の点検をしていた人 も、危険の知識は無かったかもしれない。しかし、掘った人、建物の設計をした人、 ガス分離機を導入した人、この辺はプロだ。
     千葉の田舎では、田んぼから天然ガスが沸いている場所もあって、 集めて燃料に使っているところまである。その辺りでは数年に一度は 爆発事故がある。昔ながらの日本家屋は隙間が多くてガスも溜まらないが、 公共施設(学校とか公民館とか)で、コンクリートの建物を作ると、 床下から上がってきたガスが物置とか階段の踊り場の窪みとか、 思わぬところに溜まって悪さをする。
     千葉県民にとっては、だからガスの危険は常識だな。わりと最近、 図書館が爆発して人が死んだ記憶がある。
     だから、地下室で天然ガスを分離すること自体とても危険だし、 そこにガス漏れ警報機が無いなんて、ちょっと信じがたい。
     関係者の中には「これは危険だ」と知っていた人が相当数いると思う。
     基本的には屋外にあれば危険は無かった。地下に作るなら、相当の安全策を 徹底すべきだった。知っていたのに手を抜いた。法律の規制が無ければ 責任は無かったということにはならない。
     「分ってはいるけれど自分の問題ではない」という姿勢が事故の原因だ。
     「お節介かもしれないけれど、言わせてもらいます」という人が居たら、 たぶん事故は無かった。
     そういう見方をすると、この事故は「あらゆる職業人」にとって他人事ではない。
2007.6.19
  • 米レンタル大手「ブロックバスター」が次世代ディスクをBlu-rayに限り展開
     試験的に250店舗で両方式をレンタルしたら、70%がBlu-rayだったと。
     PS3が発売されてからハードの台数では圧倒的な差があり、セル市場でも 似たような比率で売れているらしいが、HD DVDは一台あたりのソフトの 購入枚数が大層多いらしい。ひょっとすると「マニアは買うのでレンタルが出ない」 という効果もあったりして。
     とはいえ、Blu-rayがレンタルで見られるのならば、HD DVDを買っているマニアも 両方式タイトルは「とりあえずレンタル」で見る事が出来るので、購入ペースが 低下する可能性もあるな。
     レンタルが全国展開すると「とりあえずPS3でも買ってみようか」という 人も出て好循環になると文句なし。
  • ちなみに東芝はHD DVD搭載RDの新シリーズ
     新聞広告で「DVD 6枚がHD DVDにコピーできる」と、DVDとの親和性を訴えるCM
     市販DVDは(当然)コピー禁止なので、ユーザーが取り溜めたドラマ1クール程度が 移行できるというシナリオだと思うが、DVD 6枚といえばHD DVDは二層30GBディスク。
     DVDでさえ二層ディスクは売れていないのに、高価なHD DVD二層ディスクを買って DVDのダビングするニーズがあるとは全然思わないのだが…
     早くBlu-ray搭載RDを出して欲しいね。何年かかるだろう?
  • CD評マイルス・デイヴィス『カインド・オブ・ブルー』
    曲目リスト
    1. ソー・ホワット
    2. フレディ・フリーローダー
    3. ブルー・イン・グリーン
    4. オール・ブルース
    5. フラメンコ・スケッチ
    6. フラメンコ・スケッチ(別テイク)

     「挫折し続ける初心者のための最後のジャズ入門(中山康樹/幻冬舎新書)」 には、「ジャズ史上の最高傑作であることは全面的に間違いない。 どんなジャズ入門書にも紹介されているが、逆にこの一枚が紹介されて いないなら、それだけでジャズ入門書として成立していない」とまで 断言している。(まぁ、著者は長年マイルスとの交流が深かった人物ではあるが)
     にもかかわらず、「じっさいにジャズ初心者が聴いて感じる失望感には、 とてつもなく大きなものがある」と云う。
     曰く「似たような曲ばかり」「刺激が無くて静か過ぎる」 「テナーサックスとアルトサックスの区別が付かない」etc.
     結論として「自分自身がジャズを聴く才覚があるか否かを知るための踏絵」と 云う。
     問題は「急ぎすぎることにある。」 「初心者は文句を言わずに「ソー・ホワット」だけ10回は繰り返し聞け」というのが、 中山氏の勧め。
     …というわけで、幸いなことに、楽器の違いが聞き別けられないほどの 初心者ではないけれど、言われてみれば、テナーとアルトの音程が違うのは 誰でもわかるが「音色の違い」は微妙だ。
     まあ黙って10回聴いてみる。
     …う〜ん…
     ……う〜ん……
     そうだな。コルトレーンとキャノンボールのフレージングの違い…などという ことはにわかに何か云えるものでもないが、静かな中にも高い緊張感があって 本当にこれだけ10回聴いても興味が尽きない何かが詰まっているのは確かだ。
     因みに"So What"はこの他にJB Project『Brombo』Bill Evans『What's New with Jeremy Steig』が手持ちのCDに有るが、 テーマのフレーズ以外は全くの別の曲。
     『Brombo』の"So What"は、もともとベース主体の企画なので、ハードな フレットレスベースのメロディーがカッコいい。バリバリに。
     『カインド・オブ・ブルー』はウッドベースのトロトロにマイルドで、 それがなんとも深遠な感じ。
     『What's New with Jeremy Steig』は、めちゃめちゃハード。 思いっきり置いていかれる感がある(笑)
     並べてみると、『カインド・オブ・ブルー』は確かに "King of Jazz" …っていわれりゃ納得するしかない音楽。真ん中にどっしり落ち着いている。
     最初にテーマが出てソロを各楽器で受け渡し、最後にちょびっとテーマが出て おしまい…というJazzお決まりの構成もがっちりしていて、安定感ありあり。
2007.6.18
  • グインサーガ 114 「紅鶴城の幽霊」読了
     まだまだタイス編だが、今回の主役はフロリー。
     そして次回もタイスの続き決定。
     そろそろ作者も脱出を焦っているらしい(笑)
  • 本屋の平積みで「その死に方は、迷惑です」という新書が目についた。
     「おっ、自殺の後始末にかかるコストの雑学本かな?」と思ってパラパラとめくって見た。
     先日は新幹線に飛び込んで止めたばかりか、ホームにいた他人を巻き込んだ事件があったばかりで、 マンションから飛び降りて通行人を巻き込んだり、本当に「死ぬ前にちょっとは頭使えよ」 と言いたくなる酷い事件が後を立たない。
     事故であっても、冬山で遭難してヘリを飛ばしたりすると、捜索費用は全部自腹で とてつもない金額になるらしい。
     そんな様々な「死のコスト」を紹介する本かと思ったら、「遺言の書き方」だって。
     面白くもなんとも無いよ!!(^^;
  • 社保庁のお仕事
     asahi.comに、社保庁のコンピュータに入力するバイト経験者の話が載っていた。
     「当時は読めない漢字は適当に当てて入力していたが、後々こんなことになるとは 考えもしなかった…」というような話。名前には「難読さん」が結構居るし、 同じ漢字でも複数の読み仮名があるし。正しく入力できるはずが無い。
     因みに現在の官庁系の「カナ検索」では、濁点とか間違いやすい文字は最初から 取り除いたデータで検索する仕様。
     さらに新たな間違いの話。
     社保庁はコンピュータを本格的に導入する前から「将来の準備」として、少しずつ データ入力を進めていた。
     一番最初は「パンチカードに漢字コード(数字4桁)で名前を登録」していた。
     なんと「紙カード」にデータ入力していたとは古い話。新入社員の頃、 「雨の歩道に紙カードの束を落としてバラバラに飛び散ってしまったSE」 という怪談を聞かされたっけなぁ…(^^;;
     何年か後、今度は「磁気テープ」にデータを移し変えた。
     この時、データを全て「カタカナ」に*自動*変換した。
     単純に自動変換だから「裕子」さんのように「ユウコ」か「ヒロコ」か、 複数の読みの可能性のある人も統一されてしまう。
     データが腐って当たり前の設計だ。
     こういうデータベースの設計は、コンピュータの進化の歴史が反映されて 興味深いが、数十年後にデータがどうなっているか、真面目に考えた人は 居ないんだろうなぁ。
     さらに、先日「データベース側にチェック機能が無いのはおかしい」と書いたが、 「センターではじかれたデータを送り返す」という作業はやっていたらしい。
     でも、送り返されたデータを修正して再登録する作業が、マトモに 成されていなかったそうだ。
     「コンピュータに入力する前に、台帳を手書きで書き写して整理する」という 作業もあったらしい。手書きで台帳を書き写していたら、そこで間違える可能性も たっぷりあり。
     データが腐る原因の大博覧会だな…。
     政策云々より、実務的管理能力の問題だ。
2007.6.17
  • CD評ビル・エヴァンス『ワルツ・フォー・デビィ』
    曲目リスト
    1. マイ・フーリッシュ・ハート
    2. ワルツ・フォー・デビイ(TAKE2)
    3. ワルツ・フォー・デビイ(TAKE1 *)
    4. デトゥアー・アヘッド(TAKE2)
    5. デトゥアー・アヘッド(TAKE1 *)
    6. マイ・ロマンス(TAKE1)
    7. マイ・ロマンス(TAKE2 *)
    8. サム・アザー・タイム
    9. マイルストーンズ
    10. アイ・ラヴズ・ユー・ポーギー(*)
    *:Bonus Tracks, not on original LP

       「挫折し続ける初心者のための最後のジャズ入門(中山康樹/幻冬舎新書)」 に、「初心者にとって熟睡は避けられない。眠れないほどの音量で楽器の音を追うように聴け」 と書いてあったCD(笑)
     まったくこの本は挫折…とまでは行かないが、ジャズの周りをうろうろしている 万年初心者には膝を打つような話が満載で面白い。
     一般に入門書や名曲紹介の本は幅広くたくさんの曲とアーティストを紹介して いるけれど、この本はその半分を「何故挫折するか」の分析に当てているので、 私みたいな「イイトシ」した音楽ファンには思い当たるフシだらけなのだ。
     中でもなるほどと思ったのは 「CDを買うのはひと月に二枚程度にして、一枚を徹底的に聴け」 というアドヴァイス。
     世の中に「ジャズ入門書」が溢れているのは、ジャズが怖くて難しい 音楽だから。「今後聴いてみたい音楽は?」というアンケートを取ると かならずジャズが一位になるのは、「今聴いている人が絶対的に少ない」 という証拠。
     …と言われると、そりゃそうだなと思う。
     人がジャズに魅力を感じるのは確かに、ポップスなんかより複雑で難しい 要素が有るからだろう。
     この『ワルツ・フォー・デビィ』に関して言えば、ピアノ・トリオの名盤中の名盤。
     ジャズクラブでのライブ録音で、 冒頭の"My Foolish Heart"から会場の微かなざわめき、グラスの音をバックに ビル・エヴァンスの緩やかなピアノの音がリラックスした素敵な空間を作る。
     拍手に続いて2曲目〜タイトル曲の"Waltz for Deby"は、「リリカルで叙情的」 ってこういう曲のことか…と誰でも納得してしまう大傑作。
     ただ、数分後曲が展開してソロのやり取りになるとベースの複雑なフレーズが 前に出て、ピアノは和音をポンポン添えるだけになる。
     確かに初心者はここで訳が分らなくなって寝てしまうだろう。
     10回でも100回でも聴いて、トリオの掛け合いの面白さ、それぞれの 楽器の動きの面白さが見えてきて初めてこのCDを聴いたことになる。
     私もこの数年で「即興の面白さ」を聞く事が出来るようになったので、 この話の説得力は感じるけれど、お金の無い学生時代に比べて 「一枚のレコードを聞き込む」という行為をしなくなった。
     学生時代はクラシックを良く聴いたが、買ったレコード/CDは、 家で聴くのはもちろん、ウォークマンに入れてエンドレスで聴きまくっ ていた。覚えるほど。
     ジャズに関しては、今はCDなんかいくらでも買う金はあるし、いわゆる 名盤は一枚1,000円〜2,000円という格安で手に入るので、お店に行って 一枚しか買わないということが考えられないくらいだ。
     メモリー・ウォークマンのおかげで、買い込んで死蔵しかかっていた音楽が いつでも聞けるようになったけれど、便利さの裏で「BGMとしてのちょい聞き」 しかしない害もある。
     「アルバム単位で徹底的に聴き込む」というのは、未知の音楽と仲良くなるのには 絶対に必要なことだ。
     …というわけで、今まで早く知りたいと思うあまりに「まとめ買い&斜め聞き」 になりがちだったスタイルを改めて、一枚一枚じっくり聴きたいものだと思う。
  • 今月のHiVi
     ベストバイでまだまだVPL-VW100が一位だった。安心(笑)
     とはいえ、だんだん不満も出てきたんだけれど。人間贅沢になるな…
     アンプはHDオーディオ対応機がでても、しばらく買い替えは先だな。
     読者登場記事はシンプルな部屋に綺麗なDVDラック。しかし、5年間で5台の TV買い替えは計画性に問題があるんじゃ? 私なら失敗したと思っても5年は使うな。悔しいから(^^;
  • 『ゲド戦記』DVD化、7/4発売
     DVDしか出ない。もうハイビジョン画質しか買わない宣言。
  • マスコミの右・左(もしくは保守・革新)傾向、世間の評判は?
     先日「産経」の政治記者のプログを見てあまりの「保守擁護」っぷりに ある意味新鮮なきもちになったが、改めて世間の評価を確認すると、 「朝日→毎日→読売→産経」の順で保守・右寄りというのが一般的認識か。
     フジサンケイグループは、新聞・雑誌もあるし、郵政選挙の時は フジTVでも若いお笑いタレントを大々的に動員して小泉翼賛をやっていたのが、 あからさまだなと思っていたが。
     日本最大部数の「読売」もかなり右。
     でもasahi.comの記事ばかり読んでいると、これも偏っているしなぁ…
     新聞を2誌取ることを考えれば、ネットがある現代は便利だけれど。
     まあ考えてみれば、サンケイも読売も、朝日・毎日と比べると 「巨大企業」なので、労働者より資本家向きの顔をしているのかな。
2007.6.16
  • リボルテック トロ&クロ
     トロステーションで紹介されていたフィギュア。精巧な関節が入っていて、 自由にポーズが取れるんだ。
  • HV版『ポセイドン(2006)』鑑賞(WOWOW) ☆
     『ポセイドン・アドベンチャー(1972)』をウォルフガング・ペーターゼン監督が リメイク。オリジナルの記憶が さっぱりないのだが、原因不明の津波で転覆、わずかに脱出を試みた数名が生き残る、という 基本設定は同じ。登場人物の設定や脱出経路などは改変ということらしい。
     冒頭は巨大な豪華客船の舳先からぐるっと全体像の空撮で、途中甲板をランニングする 主人公に近づいたり、ワンカット、2分半の長回しで丁寧に船の外観を見せるのだが、 これが全部CGだというのだからびっくりだ。
     まあ船を沈めてしまうのだから、実際の船でロケをすることは100%無理なのは間違い 無いのだが、それにしてもフルHD画面で見てどこにも破綻が無い。強いて言えば 完璧すぎることくらいか。
     良く考えると、走っている主人公以外人間が映っていないのが不自然といえば不自然で、 合成の手間を安く上げたのかな?と疑えないでもないが。
     船内は豪華なスイートルーム、忙しい厨房、豪華な吹き抜け、パーティー会場と、 これもたっぷり見せてくれる。結構本物らしく悪くない。
     ただし、豪華な客船が見られるのは冒頭だけで、まったく唐突で原因不明の 「超巨大津波」に襲われ、船は実にあっさりタンパクに転覆。
     転覆シーンもこれまた、リアルでゴージャスな映像で「さすが、CG技術の勝利」  とは思うのだが、垂直に立った『タイタニック』からボロボロ人が転落していく シーンと比較すると、全然痛みが伝わってこない。
     映像が悪いわけではなく、開始早々あまりにもあっさり転覆するので、 登場人物の誰にも感情移入できていないのが、おもな原因か。
     映画の大半を占める脱出劇は、船の規模から見て2000〜4000人の人間は 乗っていると思われるが、脱出するのは僅か数名。これは少ない。
     船のあちこちで複数の脱出劇を描こうとすると予算がかかるだろうとは 思うが、ほとんどの人間が何もせずに大広間でただ待って死ぬとは考え にくいし、厨房やエンジンルームや、パーティー会場以外にいるスタッフ も船全体にちらばって大勢居るはずなのに、脱出チームが通りかかる道筋には 1人も生存者が居ない。
     ともあれ、次から次へと非常事態が連続する割には、それほどドラマチック じゃない。
     結局、登場人物の魅力に欠けるのが弱点になっているような気がする。
  • 産経新聞記者のオフィシャルブログ
     「新聞社」も右翼系から左翼系まで、色々幅があることは承知だが、産経の記者のblog 「3年前に新聞各紙は、社保庁労組をどう報じていたか 2007/06/12 18:06」(ちなみに当の産経は3年前は社保庁問題にノータッチ)を見たら、
    1.年金問題は現場(労組)の怠慢が問題。本庁の言うことを聞かせることは不可能だった
    2.その労組は民主党を支持している
    3.安部政権でなければ年金問題は解決できない
     という論理で政権擁護をやっているのでびっくりした。
     それって政権与党や中央官庁は「管理責任なし」ということか。
     ある意味、地元利益誘導にばかり執心して管理責任を果たしていなかったから こうなった訳でしょう。トップが責任を取らないならカカシで充分だよ。
     「労組=民主 vs 官僚=自民」という対立軸を仕立てて自民党擁護をする産経の 論理は誤り。そんなもん、労組から官僚〜政治家まで、全部に責任があるに 決まっている。少しでもかかわりがあって責任を問われないものがあるはずが無い。
     「労組」が問題の根本で官僚と政治家が事態をコントロールすることは不可能だった から責任が無い。と主張するなら、何故政権与党は職員の怠慢を放置していたのかを 問うべきだろう。
     絶対多数でどんな法案も通せる与党が、40年間 「社保庁職員は民間並みにしっかり働け」という法律を作らなかったのは何故?
     そもそも、職員がまじめに働いたとしても、一定の割合でミスは発生するものなのだから、 これをチェックする発想がなかったのが信じられないことだけれどね。
  • 社会保険庁長官、業務庁舎視察ゼロ 現場知らず(毎日)
     基礎年金番号導入直後の97年2月〜03年9月の6年半、歴代社保庁長官が、一度も両庁舎を視察していないことが判明
     とか。ちなみに長官は1978〜2004年までの26年間に19人。毎年のように交代している。 これでは長官本人に政策や責任なんて意識は無いだろう。まるで退職金を増やすための名誉職ではないか。
     では、いったい誰が社保庁をコントロールしていたのか?
  • いずれにしても、誰が政権を取るとか、そんなことは関係ないんだよ。 仕事が出来て、私腹を肥やさない人がやってくれれば。
2007.6.15
  • 挫折し続ける初心者のための最後のジャズ入門(中山康樹/幻冬舎新書)
     2月に買った本を今頃読んだ(本、多すぎ)
     著者は、元「スイングジャーナル」の編集長で、これまでも多数の 「ジャズ入門書」さらには「最入門書」を書いている。
     この本のタイトルはなかなか刺激的だが、そういう著者が「最後のジャズ入門書」 として書いたものだ。
     この本の類書に見られない「特異」なところは、全紙幅の半分以上を使って 「初心者は何故ジャズに挫折するか」を論考していることだ。
     結論を言えば、著者は「ジャズを聴くことは闘いだ。浅く広く聴いただけ では意味が無い。好き嫌いのたんなる感情を乗り越えて突き詰めた先にジャズ を聴く意味がある。」と断言している。
     従来の「名曲ガイド」は実はジャズを聴き始めてしばらく経った人向けで 初心者の為にはならないし、「全集ボックス版」や「オムニバス版」では ジャズを理解する役には立たないと主張する。
     つまり、ジャズに取り組む為には最初から「頂点」にぶつかるべきで、 これを繰り返し聴き込む事。
     「入門用」として推薦されるアルバムをいくつも買いこんでも、BGMにしかならない。
     …という著者が後半で「これが分らなかったらジャズを聴くのは止めで他の 楽しみを探したほうが良い」とまで言うアルバムは、私がこれまでに買い込んだ 「銘盤紹介本」とはほとんどかぶっていないのが、とがっていて感動した。
     著者が「最上にして最良のジャズ」として提示するのが、 マイルス・デイヴィス/イン・ア・サイレント・ウェイ
    ビル・エヴァンス/ホワッツ・ニュー
    の二枚。
     マイルスは「音楽のジャンルや個人的嗜好にかかわらず、知的音楽生活に必要不可欠 な存在が『マイルス・デイヴィス』であり、この『イン・ア・サイレント・ウェイ』 というアルバムであるといっても過言で無い」とまでいう。
     ビル・エヴァンスは前章で「入門用としてお薦めさることの多いCD」の代表として 『ワルツ・フォー・デビー』が紹介されている(私も持っている)。でも、これは 典型的なピアノによるジャズでありながら理解するまでにはかなりの忍耐力を要し、 表面的な美しさで満足して進歩が止まってしまう可能性のあるCDとされている。
     で同じビル・エヴァンスの『ホワッツ・ニュー』は、聴き所がはっきりしていて 親しみ易いと。
     このあとさらに、マイルス5枚、ビル・エヴァンス5枚と紹介は続くが、 「聴きこむごとに新たな発見がある」という価値観で紹介されていて、 好奇心をそそる。
     というわけで、ジャズを聴く動機として「かっこいいBGM用途」では無く、 音楽と向き合って知的な好奇心を満たしたいとい「熱意」のある人にとっては、 この本の主張することは、今まで隠されていた扉を開いてくれそうな、 そんな迫力を帯びている。
    [内容に迫る]

  • 社保庁の驚愕ニュース
     社保庁システム、総額1兆4千億円 委託先に幹部天下り(asahi)
     社保庁の年金システムは、NTTデータと日立製作所(と関連企業)が担当。そこに幹部が天下りしていた。
     ようするに担当企業に落ちたお金が幹部の退職金になってるってことだが、私が問題だと思うのは システム使用に与えた影響だ。
     GIGO(Garbage In, Garbage Out)…「ゴミを入力するとゴミが出力される」
     これは、コンピュータが誕生したときからある格言だ。
     当然NTTデータ(電電公社)の技術者だって全員知っているし、データベースシステム の開発では「ゴミを入力させない」という入り口でのガード、入力データの 論理チェックは最重要項目だ。
     どんな昔に開発されたシステムでも、「項目の入力漏れ」のあるレコードがデータベースに 登録されるなど有り得ない。
     その有り得ないことが起きた原因が「天下り」ではないのか?
     ここまでのニュースによると、社保庁が管理するデータはオンライン化の遥か以前に さかのぼってボロボロに誤りがあったそうだ。それをコンピュータに移せば、不完全なデータ、 矛盾のあるデータはその場で露見する。
     システムは毎年のように改修していたので、現場は常に「システムに腐ったデータが蓄積していること」 を意識していたはずだ。つまりこれを揉み消したのは社保庁から出向してきた官僚以外にありえない。
     検察は、システムの仕様書や議事録、裏の申し送り事項を徹底的に調べるべし。
2007.6.14
  • PS3システムソフトウエア開発者に聞く 「1.80」に至る道、これからの可能性 (AV Watch)
  • 総理が「保険の問題は長年かけて溜まってきた問題、私がこれを解決する!」 みたいな演説をしていた。
     そういうと自分は被害者で責任は無いみたいな流れだが、総理個人はともかく、 与党全体で考えると、厚生族議員、厚生大臣の責任追及は相当厳しくやって いただかないとけじめが付かない。
     選挙前には「厚生族議員一覧」を配布してもらって、きちんと落選させる。
     「歴代社保庁長官の退職金を返還させる」なんて案も聞くが、 それは選挙対策の「ガス抜き」狙いでしかないだろうな。
     個人的には、「社会保険庁」なんて組織は必要なくて、資金は「税金」で 一括して集めれば良いだけのことだと思う。コンピュータを使って人手 (無駄な仕事)を減らす。民間なら当たり前のことだ。
     社保庁の労働組合は歴史的にコンピュータ導入に徹底反対してきたようだが、 だからこんな出鱈目なデータが出来てしまう。職員は全員不要。
     ピラミッド型の人口構成で、集めた金をどんなに無駄遣いしても心配の 無かった時代のままの組織。出生率の低下はずっと昔から解っていたのに、 効率化とか収支構造の転換とかしてない役人。これって犯罪だよな。
  • 会社が一括して納めている「厚生年金」の記録にも所々虫食い穴が 空いているらしい。
     それ、誰かが記録を書き換えて横領しているんじゃないのか?
2007.6.13
  • 「ウルトラセブン」第48話「史上最大の侵略」
     …を見ていたら、ダンの寝室に振り子にあわせて目がくりくり動く 「ふくろう時計」があった。同じものが以前に 『ケロロ軍曹』のどこか(軍曹の私室)にも出ていたな〜
     ちなみに体調の悪いダンは、「脈拍360、血圧400、熱が90℃近くある」と つぶやいているが、かなり凄い。人間なら死んでる。
     アンヌ隊員が「精密検査」受けなさいと勧めるのだが、90℃もあったら、 調べなくても近くにいるだけで熱いって。
2007.6.12
  • 演奏会「インスピレーション!」古楽器バンド タブラトゥーラ with ロー・フュジェール[ヴォーカル]
    チラシ インプロヴィゼーション
    〜ここはもうすぐ小さくなってしまう
    --*--
    タルタリア
    鳥たちよ
    オード
    M2007
    夜の蟹
    夜の想い[夜来る人]
    静かな愛
    --*--
    トロキルス
    スカボロフェア

     一曲目の「インプロヴィゼーション」は、ロー・フュジェールが「グラスボウル」 を叩いたり擦ったりして幻想的な世界。踊りも有り。
     「グラスボウル」は、直径30cmほどある、ちょうどお寺で使う「おりん」 みたいな形状のもの。
     チラシの写真では大太鼓のマレットみたいなもので叩いているが、 今回はリレーのバトンみたいな形状のもので叩いたり、グラスハープのように こすって持続音を出したり。
     しかも、擦り方で低い音と、高い倍音の二種類の音がする。
     曲は最初はほとんどローのソロで始まるが徐々にタブラトゥーラの 演奏と交錯し、打楽器では「ガラス製の小さな器を弓で弾く」なんて 仕掛けもあって「グラスボウル」の世界に広がりを持たせていた。
     およそ50分にも及ぶ長〜い即興は、眠りを誘う…というのは褒め言葉。
     後半の各曲でも、ローのボーカルが入る曲は、ちょっとエルフっぽい透明な世界。
     タブラトゥーラだけの器楽曲はにぎやかな曲だったが、団長は「はしゃげる曲」 が少ないので、わずかなチャンスに飛ばそうと必死だった(笑)
     なにはともあれ、「生ならでは」のアートな気分に浸れて有意義な演奏会だった。


  • 東芝、低価格化したHD DVDレコーダ「RD-A300/A600」−VARDIAエンジンで高速動作。i.LINKムーブ/DLNA対応
     価格は600GBモデルで20万。ドライブがBlu-rayなら即決仕様。
  • ソニー、BDドライブ/HDMI搭載「VAIO」2モデル−BRAVIAの液晶技術を採用した「type F」など
     ドライブは二層記録に対応。ということはレコーダの二層対応も間近かな。
2007.6.11
  • 木の生えている場所
    木は土に生えている
    木は庭に生えている
    木は大地に生えている
    木は日本に生えている
    木は地球に生えている

  • HV版『トップガン』鑑賞(WOWOW) ★★
     1986年/パラマウント、アカデミー歌曲賞
     WOWOWでは今回(5/20)が初ハイビジョン放送となるそうだが、めちゃくちゃ高画質。
     冒頭の蒸気とグレインだらけの空母甲板のシーンから、デジタル放送の転送レートで このとんでもないザラザラ画面がよくぞ破綻しないものだと驚嘆する。
     基本的にビデオ的なエンハンス皆無で、フィルムの持つ情報量を引き出している。
     全編にわたってザラザラなのだが、逆光に輝く金髪は毛先までサラサラ。
     今頃になって初HV放送だけのことはある丁寧な仕事だ。
2007.6.10
  • HV版『ホワイト・プラネット』鑑賞(WOWOW) ★☆
     シロクマ親子を中心に北極圏の一年を追ったドキュメンタリー。
     一見の価値あるが、ラストに温暖化防止を訴えるメッセージは無くてもいいと思う。 解っていることさ、誰でも。
     それはともかく、DVDのパッケージにもなっている双子の小熊の可愛さは、 一瞬しかない(すぐ育ってしまうので)とはいえベラボウにラブリーである(^^)
     アザラシの水中授乳シーンも愛が写っている。
  • HV版『アクロバティック白鳥の湖』鑑賞(WOWOW) ★☆
     中国の雑技で構成された白鳥の湖。一見の価値ある物凄さだが、 白鳥の湖である必要は良くわからない(苦笑)
  • HV版『2001年宇宙の旅』鑑賞(BS-hi) ★
     久しぶりの再放送で、VPL-VW100でフルハイビジョン対応してからは初めて。
    (前回の放送は2004年で、一度は地震で中断、再放送も地震で字幕入りという 不運に見舞われた)
     画質は、細くてくっきりした輪郭補正のためぱっとみてやたらに解像感が高い。 ほぼ2ドット幅の輪郭線が発生して、宇宙空間のようにコントラストの高い絵柄では アニメのトレス線みたい。
     しかしそれよりも問題なのは、(カットによっては)黒の見えるかどうかスレスレ のレベルに凄い量のノイズが見えること。
     このノイズはDVD(デジタルリマスター版)でも同様にさらに盛大に出ているので、 元々のフィルムにあるノイズのために圧縮の容量を食っているみたいな現象か。
     輪郭線も暗部ノイズも、「ブラウン管モニター」では気にならないのかもしれないが、 Blu-rayソフト化の際には徹底的に対策してもらいたいものだ。
     先端のレベルからはだいぶ距離があるが、とはいえ、ハイビジョン放送は DVDでは全然見えなかったものが克明に見えてきて、驚きの連続。キューブリックの 仕事の完成度の高さに改めて感動。
     Blu-ray化に向けての「仕事」に期待する。
    参考:
    20041007関東で震度5
    20041104北海道で震度4
    20061013ニーチェと2001年

     それはそうと、木星まで到着した頃に、初めてファーストコンタクトミッション の司令を渡すとは、人権無視、人命軽視も甚だしいな、ドクター。

2007.6.9
  • 『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』鑑賞(TC錦糸町#2) ★★☆
     前二作のBlu-rayを見て絶対行くいくモードになってしまい劇場へ(笑)
     前作からは完全なる続編で、一作目からの引用ネタも多数ある。
     本作の効果以後には、本家ディズニーランドのアトラクションも「リニューアル」 するそうだ。
     前作でデービー・ジョーンズの心臓を手に入れフライングダッチマン号を 自由に操ることになった提督は、次々と海賊船を始末し世界の海を制覇しよう とする。
     海の自由を守る為、海賊の長たちは全員の力をあわせ、提督と フライング・ダッチマン号に対抗する為立ち上がるが、彼らの切り札となる 海の女神を目覚めさせるためには、死者の国に送り込まれたジャック・スパロウを 復活させる事が必要だった。
     てなわけで冒険が始まる。
     されがシリーズ完結編ではあるが、1,2作目の謎や因縁話が多数解決するのと 同時に、微妙に新たな謎も増えているような気がして、モヤモヤしないでもない。
     単体の作品としては、3時間にもなるスケールの大きな作品だけれど、 やっぱり「ジャック船長」が居ないと盛り上がりに欠けて、彼が復活するまでの 数十分は退屈があった。やっぱり主役はジャック。ジョニーデップ天才。
     文句無く凄かったのは戦闘シーン。
     海賊船がガンガン大砲を撃ちまくると、敵の船がバリバリ壊れるんだけれど、 「木造船」の壊れっぷりは最高。飛び散る破片が画面を埋め尽くし「木っ端微塵」 とはまさにこの事だ。
     これは「謎の顛末」がどうこう言わず、この豪快な破壊っぷりを楽しむのが正解。
     どう見ても英国艦隊には相当数の死者が出ていると思われるけれど、 一対一の決闘でも無い限り一滴の血も流れないし、海賊のメインキャスト は笑えるほど死なない。猿なんか一作目から金貨の呪いで「不死身モード」だし 本当は「猿が主役かも」と思うほど美味しいシーンで活躍しているし。
  • 「メディア・バイアス」松永和紀/光文社新書
2007.6.8
  • 祝・バーガーキング再上陸
     10年前(?)安売り競争で日本を撤退した「元祖巨大バーガーの店」 バーガーキングが新宿に再オープンしたそうな。
     撤退前は毎日田町駅前店に通っていた私としては感慨深い。っていうか、 田町駅前店は価格競争が苦しい時期にもとても繁盛していて一斉撤退は 納得が行かなかった記憶がある。
     今後数年で順次店舗を増やす予定というが、今度は苦しくても撤退しないで 頑張ってもらいたいものだ。
  • 年金問題
     97年の基礎年金番号付与時、存在確認が出来ずに宙に浮いた国民年金のデータが110万人。
     10年間で53万件をしらべたというが、昔は引っ越したら追跡調査が大変 だったろうが、今は「住基ネット」でどこに引っ越しても、氏名生年月日 で検索が出来るのだから簡単なはず。市町村のてを煩わせる必要も無い。
    ちゃっちゃと検索して解決して欲しいものだ。
  • 内閣支持率32.9%・不支持53.7%(読売)
     先月の支持率が49.6%、さすがに急降下。
     年金の支払い漏れを保障する法律の支持は51%が評価する、と出たようだが、 それは設問の問題で「今の法案では甘い」という選択肢を作ればそれが 一位になると思うよ。
  • 安倍さんが、2050年には、「全世界からの温室効果ガスの排出量を半減」 と言ったとか。(5/27付)
     目指すところは正しいけれど、無理?というか「根拠が無い」ような。
     本当は「環境技術を輸出して食べていく」ぐらいの本気度が必要だと 思うけど。
     そのためには何もかも変えていかなくては。
     たぶんキセノンランプのプロジェクターなんて、2050年には無いね…。
  • コムスン問題
     はっきり言って、不二家問題よりおおきいよなぁ…。不二家が潰れて コムスンが看板の掛け替えで生き延びるのでは、何が正義かわからない。
  • 米SONY、倍速表示のFullHD BRAVIAとSXRDリアプロ発売。
     倍速SXRDもいよいよ投入。どこまで進化するのか知らないが、 なかなかこれが究極、最後の決定版…はやってこないな(^^;
  • スメルキラー(ステンレスの脱臭剤)に排除命令
     浴室とか台所にステンレスの塊を置いておくだけで脱臭効果があるという オカルトグッズを公取が禁止した。
     オーディオ業界のオカルトグッズ(張ったり置いたり巻いたり冷やしたり光ったり…)も バシバシ排除してくれれば良いのに(笑)
     意味の無い商品で金儲けするメーカーは、日本の経済をダメにすると思う。
2007.6.7
  • PS3で邦画DVDをアプコン
    • 『有頂天ホテル』(東宝)
       輪郭強調が気になる。大半の邦画DVDの色が粉っぽいのは 低コントラスト(=階調重視)のためなのかなぁ。
       東宝の三谷作品はハイビジョンで見ても輪郭補正しているっぽいんだけれど。
    • 『Shall we ダンス?』(角川/大映)
       輪郭強調は有るが、あまり気にならない。マイルドな画調はアップコンバートに 適している感じで自然に見られる。
    • 『平成ガメラ』(大映)
       これは制作年代も近い『Shall we ダンス?』と近い画質。やはり 強調感の少ないDVDはアプコンの結果が良い。
    • 『』
  • PS3v1.8…TeraStationのDLNA対応
     PS3はVersion1.8でDLNAクライアント機能を搭載した。
     ネットワーク上のマルチメディアデータを送受信するための規格で、 写真、音楽、動画を「著作権保護機能」対応で扱える。
     今は自分の撮影した写真データをPS3で上映するために、 ポータブルなUSB HDDに入れて直接PS3に繋いでいる。
     某量販店でTeraStationのDLNA対応版が2TBで10万円を割る価格 で売られていた。
     私は写真データも含めてBunBackupというフリーソフトで、1TBのRAID5ネットワーク ドライブにPCの内容を自動バックアップしている。
     これをDLNA対応のネットワークドライブにすれば、今まで見たい写真を USBドライブに落として繋いでいたのが、ネットワークドライブの全ての 写真をいつでもPS3で見られることになる。
     ちなみに、去年買った1TBのTeraStationと今年の2TBのTeraStationは ほとんど同じ値段。ドライブが3.5からSerialATAの2.5インチになって筐体も 小型化している。くやしいぞ(^^;
  • 書評「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」(武田邦彦)
     著者は2000年ころから「リサイクルしてはいけない」式の多数の本を 出版しているが、今年TVに出てこの本がベストセラーになっているそうだ。
     内容はウソとホントが半々だと思う。(というか、煽りっぽい)
    ・ペットボトルのリサイクルをすると環境が悪化する
    ・ダイオキシンの毒性は低い
    ・温暖化しても海水面上昇は問題無い
     「リサイクル」に関しては、ペットボトルリサイクルが回収に要する エネルギーの方が大きくて何もしないほうがマシというのは事実だろう。
     東京都の 「廃プラスチックのサーマルリサイクルについて」 というページを見ると、行政も有名無実なリサイクルは止めようという動きなのが 良くわかる。
     ただし、ペットボトルに関して最悪なのは「リサイクル」が始まったとたんに 生産量が爆発的に増えたことだ。リサイクルは業界の免罪符になっているのが 良く無い点で、一番良いのは作らないことだという結論にたどり着いて欲しかった。
     「ペットボトルは適当に燃やすのが最適解」だ(最悪は埋立地に廃棄)という ことは、行政も わかっているわけで、最後の敵は「何が何でも回収・再利用!」と主張する 市民団体でしょ。
     ダイオキシンの話はまったく指摘の通り。
     温暖化については、武田氏ほど楽観的でいいのか?
     温暖化して水蒸気が増えると、南極の雪が増えて水面は上がってこない… という研究も有るけれど、それが正しいかどうかは、水面が上がる、という 研究と同じくらい未知の領域だ。
     それに、水分が南極に集まるということは、温帯域の乾燥化が進むという 可能性も有るのだから、結構致命的。現在の日本だって冬場の雪が少ないと 夏の水不足が心配されているわけで。
     一方ベネツィアなんてすでに水没しているわけで。
     また、温暖化対策は結局「資源保護」と同義なので、海水面上昇とは関係なく 必要なことは間違いない。
2007.6.6
  • 書評「電脳セッション」(東野司/ハヤカワ文庫)
    目次
    スウィート・メモリ
    人生スクロール
    素敵なコンパチブル・ライフ
    暗闇からポップアップ
    アドレスに帰りたい
    デリートしよう、思い出を
    忘れじのキャリッジ・リターン
    日本一のバグ男
    愛と哀しみのバイナリ
    I/O牧場の決斗
    俺たちにROMはない
    マクロの決死圏
    裏ウィンドウ
    華麗なるフロッピー
    コンパイラ少女の恐怖
    八月の濡れた回路
    ルートディレクトリに進路を取れ

     1990年に書かれたパソコンを題材にしたショートショートSF
     著者の友人が映画・歌謡曲のタイトルをパソコン用語でもじったリストを作り、 著者がそのタイトルにあわせて短編を執筆したという変り種である。
     そんな経緯なので内容はちょっと無理やりな感じがする話も有るが、 1990年というとPC-9801の全盛期。OSはMS-DOS。Windows普及以前で、ワープロの 一太郎などが独自インターフェイスでマルチウィンドウやマウス操作を 実現させ始めた頃。
     少ないメモリで大きなプログラムをきゅうきゅうとして走らせていた頃の 苦労を思い出す。
     そんな当時のパソコンのレトロ感が懐かしく、題材になっている 名画や歌謡曲の古さとマッチして良い感じ。
     発表当時は「レトロなテーマと最新のパソコンネタのミスマッチ」が 面白さのSFだったはずが、今や「レトロ&レトロ」で楽しめるのだから なんだか不思議だ。

  • 地球(テラ)へ…』の設定をSF的に考える
     生まれてくる子供の0.0...?%に自然に超能力者が発生してくる世界で、 超能力者たちはどう生きていくのか…、ということに一般化すると、 これはSF界でかなり多用されているネタだ。
     『地球へ…』の世界では「成人検査」によって超能力者を社会から排除している。
     『機動戦士ガンダム』では、「ニュータイプは戦争の道具」として利用されている。
     『幻魔大戦』では「(宗教)指導者として信者を集めている」。
     「迫害」されるか「利用」されるかがメインで、超能力者がエリート集団として 人類を指導するというパターンは少数派か。

     現実社会で考えると「超能力者」というのは異端だ。宗教や、肌の色が違うだけで 差別が起きる現実を考えると、激しい排斥に会う可能性は大きい。
     もっとも危険なのは子供の時で、大人になれば能力を隠して生きる事も 可能だろう。
     『七瀬ふたたび』のように徹底的に追われ、消される可能性もある。
     しかし「超能力」も使いようによっては有益だ。一般人は感情的に 排斥行為に出ても、企業や軍はのどから手が出るほど欲しいだろう。
     国家としては「証拠の残らない犯罪」が可能なリスクが高いので、 当然「超能力者登録制」は考えるだろう。
     超能力犯罪の対策を考えると、やはり「超能力警察官」が必要か。
     政治家にとっては「テレパシー」などで秘密が漏れるのはマズイ。 テレパシーを使うこと自体が犯罪になるかもしれない。
     宝くじの当選者には「超能力者検査」が義務付けられるだろうし、 スポーツ選手にもドーピング検査と同じように、超能力の有無が 調べられるだろう。
     プロ野球では「超能力者は1チームに2人まで」とか超能力者枠のルールが 出来るかもしれない。どんな能力者をどう組み合わせるかが監督の 采配のツボになったり?
     いずれにしても、社会に受け入れるならば、様々なルール作りが 必要とされるのは間違いない。監禁するか洗脳するほうが楽だ。
     『地球へ…』では、100%検査、100%排斥なので、社会の有り様としては 非常にシンプルだといえる。
     ただし、成人検査で始めて発覚するだけならそれも可能だろうが、 それ以前に覚醒した場合、どんなに禁止しても子供を守る親は出るだろう。
     超能力者が地下に潜った場合、『地球へ…』のように組織化され 体制の敵になる可能性は十分有る。
     敵に回したら、様々な能力がある分、いくら一般人の数が多いからといって 能無しは不利だ。

  • バイオエタノールと遺伝子組み換え作物
     最近ガソリンに3%のバイオエタノールを混入するなんてことが始まったけれど、 アメリカの顔色を見ながら始まったこの政策、実は米国産の遺伝子組み換え作物 がなかなか良い値で売れないことが発端らしい。燃料にするなら遺伝子組み換え 関係ないし、遺伝子組み換え作物が売れて市場が回転すれば、非組み換え作物の 価格も高くなると。
     先日は直接エタノールの原料となるトウモロコシの値段が上がって デモが起きたというニュースがあったが、日本でも「マヨネーズ=大豆油」の 値上げのニュース。
     しかも、他の作物を作っていた畑がエタノール原料作物に転作し始めたことで 作物全般の価格が上がり始めた。
     まったく、SFな世の中だ。
     車をエタノールで走らせるなんて、生ゴミや建築廃材をエタノール化する 技術が確立してから始めれば良いのだ。税金はそういう研究に投下すべき。
     ましてや輸入したエタノールを使うなんて本末転倒も良いところ。
     (ゴミを100%リサイクルしても、たいした分量は無いと思うが)
     米国は農作物の価格コントロールのためにわざとやっているのだが、 国内に関しては、政治家がいかに理系音痴かということがモロわかりな法律だな。

  • 年金問題再考
    1.持ち主不明の年金のデータは97年の「基礎年金番号への一本化」の 作業の結果、一本化の終わったデータが1億件、終わっていないのが5,000万件 ということ。つまり、10年前に始めた仕事がまだ終わっていない。
    2.不明の原因は「80年代から始まった電算化で入力したデータが腐っていた」 から。
     具体的には、漢字の名前をカタカナで入力する時に適当な読みがなで入力した、 必要な項目を入力していない。その上、まるごと入力していない (故意の入力漏れ=サボタージュ)ケースもある。
    3.電算化以前の1964年、93万件という規模で持ち主不明の年金データ が存在することがわかっていたが、対応した記録が無い。
    4.事務所によっては、80年代以前の記録のコンピュータへの入力が終わっていない ところも有る
    5.コンピュータにもマイクロフィルムにも一切記録が無く消えてしまった データがある。(本人の領収書だけが有って発覚した)
  • というわけで、自民党は「97年に厚生大臣だった菅さんが悪い」と わけのわからないビラを作ったそうだが、年金データが腐っているのは 64年に発覚していて、80年にさらに腐敗が加速し、97年以降に起こって いたのは、突き合わせたらうまく行かない事が隠せなくなったという だけに過ぎない。
     もしも、97年の「基礎年金番号への一本化」をやっていなかったら、 バレずにずっと腐っていただけだろう。
     安倍総理は「社保庁と菅の責任です」と断言しているが、 この50年余りの内閣の監督責任とかどうなっているのか聴きたい。
     第一、総数1.5億の記録の0.5億が未処理って、コンピュータに入れたきり、 ほとんど何も作業していないに等しいんじゃ無いか?
     入力が終わっていない事務所に至っては、論外。
     まあ、新聞読んでゴルフの事ばかり考えている所長じゃ、当然か。 見たことは無いが。
  • こうなると政府は「年金の時効を無くす」決議をしたが、 現実的には無理な話になってくる。
     腐ったデータの中には50年以上前のデータも含まれているんだから、 問い合せる本人も会社も存在していないケースが膨大だろう。
     現実的に時効は「本人が生きている限り有効」に設定すべき。
     確認作業は逆に「最短時間で最大の処理をこなすために」最近の データから処理すべきだな。
  • 問い合せ電話でパンクしている場合じゃない
     はっきり言って、個別の電話対応に職員を割くより、全員の 保険の記録を送付して本人に確認してもらうのが先だ。 (こんなことはコンピュータがやってくれる)
     そうすれば、問題の無い人が電話してくることは無いし、安心できる。
     問題が有れば、どの記録が欠落しているのかは、本人がわかるのだから 話も早い。
     「不明なデータをゼロにする」よりも、「記録に疑義のある人をゼロにする」 ほうがどうみても簡単だろう。
     データは窓口で文句を言わないけれど、眺めていても新たな証拠が出てきたりしない。
     役人はどうしてその程度の段取りが出来ないのか?
     ちなみに、問い合せの電話受付は24時間体制にするけれど、夜はオンラインが 動いていないので回答できないそうだ。なんだそりゃ。
  • こうしてみると、今まで「年金記録の問合せ」が即座に回答されなかったのは、 記録がぐちゃぐちゃなのを隠蔽する目的で故意に抑止していたとしか思えないな。
     ついでに、電算化に係った企業も、データが腐っている内情は知って いたはずじゃないのか?
     当然守秘義務はあるだろうが、80年代から20数年、隠蔽してこれたのが 不思議なくらいだ。
2007.6.5
  • 舞台中継「OHダディー!」(BS2)
     川平慈英のミュージカル・コメディ。
     ストーリーは面白かったが、堀内敬子の歌だけはちょっとキツいものがあったぜ(笑)
     でも、このコンビ三谷幸喜の映画『有頂天ホテル』でも良いコンビだった。
     で、でも…(^^;
  • 書評「これから食えなくなる魚」(小松正之/幻冬舎新書)
     最近の新書のスタイルで「キャッチーなタイトル」が多いのだけれど、 まじめな内容の本を買おうというときは「著者の経歴」を確認する。
     この本の著者は、独立行政法人水産総合研究センター理事で、国際捕鯨委員会 など各種の国際会議に日本代表として出席している本物、第一線のの実務の専門家。
     その専門家が警告している。
    第一章 日本の食卓から魚が消える?
    第二章 日本の漁業は倒産状態
    第三章 マグロはいつまで食べられるのか?
    第四章 この魚はいつまで大丈夫?
    第五章 魚は国民の共有財産
     …第一章のタイトルは衝撃的だが、実際世界の漁獲対象の75%が資源枯渇の 危機にあり、世界の魚食が上昇しているのに対して、日本の漁獲は減少し、 貿易では他国に買い負けしている。
     第二章以降は、具体的な日本の漁業の現状のレポートだ。
     日本の漁業の凋落は30年も前に始まっていたにもかかわらず、 行政は「港湾施設」を作ることばかりにお金を注ぎ、漁業を変えてこなかった。
     スーパーの魚は輸入物ばかり、「国産」養殖魚はエサが外国産、 国内の漁獲量の激減、そしてこのままでは22年後に猟師が居なくなるという 高齢化問題。etc.
     第三、四章は資源管理の問題。
     日本は高級マグロの八割を食べている。でも、 「地中海産クロマグロのダイオキシン蓄積量は国産の51倍」なんて驚きの数値。
     魚は海の状態によって、いわしが獲れないときにはさんまが豊漁になる、 というような関係があるというが、市場も漁師も獲りたい魚しか獲らない。 目標の魚の資源が枯渇してくると小さな魚まで追いかけて獲り尽くしてしまう ようなそういう漁法の間違い。
     あるいは、海を荒らす漁法のこと。
     第五章は法律・政治の問題。
     日本でも「漁獲制限」は課せられているのだが、「決められた枠内で早い者勝ち」 という方式のため、大きな船で短期間にがばっと獲って後は遊ばせてしまうような ことになっているそうだ。もちろん、政治的判断で科学的枠が歪められることも 当たり前におきている。
     興味深いのは、国際法では「魚は人類の共有財産」とあるけれど、 日本の民法では「持ち主の決まっていない物はとった人のもの」とある。
     それで、結局政治が漁業をコントロールできない原因になっている。
     私たちは、正しい魚の利用法を学ぶ必要がある。
     消費者は安価で大量に供給される魚種ばかり食べる食べ方を考え直す必要がある。
     流通業者は、正しい産地情報や資源の枯渇に関する情報を売り場で消費者に 提供する必要がある。
     政治と漁業者は60年間硬直したやり方を、科学にてらして変革しなければならない。
     だけど、おおもとの政治を変えるのは「早い者勝ち、獲った者勝ち」という 考えに慣れきった現場には無理らしい。つまり、私たち消費者が、 正しい行動を取り、政治家を選ぶことが絶対に必要。
     だからこの本の内容は魚を食べる全ての人が知る必要がある。
     
  • 続年金
     オンライン上の身元不明データのほか、東京都の調査では、オンライン化するときに そもそもまったく入力されていないデータも続々発掘されているらしい。
     郵便局でも郵便物を棄てちゃう局員が居たくらいで、悪意で入力しなかった 職員も居るんだろうなぁ。
     データ化したときに「本人宛に郵送してチェック」くらいの 手間をかけていたら絶対に起きていなかった間違いだ。
     与党はこれの突合せには「10年かかる」と消極的らしい。
     結局「年金記録対策 台帳照合、期限示せず」てな話になっている
     どうも自民党が一年以内にやるといっているオンライン上の照合は、 自動的にざくっと照合させる程度の作業であまり意味がなさそうだ。
     いずれにしてもニュースを見ると「参院選を乗り切るために」という 目先の利益で取り繕っている風に見える。
2007.6.4
  • 5,000万件の年金データを1年で突合する話
     総理が「やる!」と言っているが大変そうだなぁと思うので計算してみた。
     政府は「予算10億円」とかいって、それだと一件20円で、ハガキ代にもならない。 バカも休み休み…なのである。
     1人で作業すると200日8時間労働なら0.1秒/件で処理する必要がある。(当然、人海戦術)
     作業内容は、コンピュータで繋がりそうな年金の情報を検索したうえで 本人に問い合せて確証をとるという作業だから、ハガキを出すとか、 直接来庁してもらうとか、職員が出向くとか、とにかく手間はかかりそうだ。
     ハガキで解決する人も居れば、出向く必要がある人も居て、平均で 1人一時間かかるとすると、36,000人/年の仕事量だ。
     二時間かかれば、72,000人/年
     まあ簡単のため50,000人/年としましょう。
     これだけの人間をどこからかき集めるのかというのも大問題だけれど、 1人300万円くらいの年給でやってもらうとして、人件費は1兆5千億円 てとこですか。
     一世帯あたりちょうど5千円の負担ということだなぁ。
     なんかたまらないな〜
     他に人数分の端末の調達も必要だし、フロアも必要だし、5万台の端末が 接続するオンラインデータベースも必要。もちろん開発費も。
     検索システムの開発に半年かかると、検索にかける時間は半年になってしまうので、 端末の台数が倍になる。これ致命的(^^;;
     システム構築費用は、人件費と同じくらい必要かもしれないと考えると、 一世帯あたり合計一万円ですか…
     こりゃどうも、じっくり精度の高い検索ソフトを構築して、突合期間 5年くらいかけたほうが、総費用は半分以下になるんじゃないかという 気がするんですが…
     それに作業をするのは個人情報を扱うのだから「みなし公務員」に なるんでしょ?社保庁職員は今でも問い合せ対応でパンクしているのだから、 全員新規採用だよね。5万人も急遽採用したら、個人情報漏洩もあちこちで 発生するだろうなぁ
     年金詐欺グループも紛れ込むだろうし。
2007.6.3
  • 書評「渇きの海」(アーサー・C・クラーク/ハヤカワ文庫SF)
     1961年発表。ケネディーが人類を90年代末までに月に送ると演説したのが 同じ1961年5月である。
     私がこの作品を知ったのは、小学生くらいのころ聞いたNHKのラジオドラマ だったと思う。それは、アポロの月着陸からまだ数年という実にホットな 時代だった。
     この「渇きの海」は、月面にコロニーが出来、観光事業が立ち上がった 時代を背景にしている。
     「渇きの海」とは、月面の石が風化してできた微粒子のパウダーが、 月の地形の窪みに溜まって水面のように滑らかな平原を作っている場所。
     そのパウダーは完全に乾燥してサラサラで、地球の1/6の重力の下では あたかも重たい水のように振舞う。(このへんがSF設定)
     そのパウダーの海を走る観光船「セレーネ号」が、数万年に一度という 地殻変動に巻き込まれ、陥没した砂の海に飲み込まれる。
     埋没したのは水深(?)わずか15m程であるが、砂は電波も通さないため 救難信号も出せないが、定時連絡が取れないことを検出した月世界は 「セレーネ号」の救出作戦を開始する。
     …というお話。ま、サンダーバードのエピソードにありそうな流れ。
     状況があれば、あとは勝手にお話が進み出すような巧みな舞台設定が まず上手い。
     船内には実力派の船長。乗客は月旅行をするくらいなのでお金持ちの リタイヤ組みが多いのだが、中に「元宇宙艦隊提督」なんて人物が居て 乗客を統率する手助けをしてくれる。
     乗客には科学者も居れば、困ったお金持ち、犯罪者etc.
     一方救出側は、今まで日陰者だった科学者、観光局の責任者、 技術者の責任者、そしてたまたま事件をかぎつけたジャーナリスト なんて人種も。
     このジャーナリストが現場からわずか数キロのところにチャーター機 (もちろんロケット)を出して生中継するおかげで、全世界がリアルタイムで 救出劇を見守る…というのも1961年という時代にはロマンだと思う。
     だって時代的に「宇宙生中継」ってのがSFだから。
     救出劇はSFだが、「セレーネ号」内部の人間模様は良くできた文学だ。
     乗客一人一人のキャラクターが明確で、期待される役割をこなしていくのは 気持ちが良いし、酸素や食料の残りと、救出作業の進み具合が絶妙。
     ○時間大丈夫、と思っていた状況が思わぬアクシデントで半分になって しまうとか、緊迫した状況が智恵と勇気で回避されるとか、お約束を 違えず盛り込まれるその緩急の配合が素晴らしい。
     頭の中に「サンダーバードな絵柄」を思い浮かべながら一気読みすると、 凄い充実感が得られる。
2007.6.3
  • 書評「星は、昴」(谷甲州/ハヤカワ文庫)
    目次
    フライデイ
    私の宇宙
    コズミック・ピルグリム
    敗軍の将、宇宙を語らず
    星は、昴
    時の檻
    道の道とすべきは
    ホーキングはまちがっている・殺人事件
    星殺し
    猟犬

     谷甲州は「航空宇宙軍史」という長編SF戦記物を書いている人だが、 これは珍しい短編集。
     テーマは各編ごとにバラバラなはずだが、筆者の興味は執拗に「文明の終焉」 「一つの文明が持つことのできる情報量の限界」「生命・知性の本質は情報か?」 というあたりを中心に回っている。
     結果的に「終末論」的な作品ばかりになってひどく重たい雰囲気に満た されている。
     つまり、読後感がハードSFというべき(^^;
     ただ「ホーキングはまちがっている・殺人事件」と「敗軍の将、宇宙を語らず」 はスラップスティックなホラ話で宇宙論に興味のある人なら「くすっ」と 笑えるかも。

  • DoReMiFa〜中山うり
     先日「サクサク」にゲストで出演していた「中山うり」のアルバム。
     サクサクはちょっと癖のある新人アーチストが紹介されることが多いが、 番組で聴いた曲からいつものようにポップス系なのかと思ったら、Amazonではジャズに分類され ていた。
     番組でちらっと紹介されるクリップではポップ系のバラード〜R&B系?と言っても 通る曲が紹介されていたけれど、翳りのあるシャンソンっぽい歌声がなかなかいいぞ。
2007.6.2
  • PS3 Ver1.8のアプコン
     最近見ていなかったDVDをいろいろ試している。
     今回は手持ちのジブリ作品を全部試した。
     結果は5段階に分かれた
     ちなみに、全ての作品の冒頭に収録されている「トトロ」のロゴを見ると 本編の画質もわかってしまうのが面白い。
    • ★★★★★
      『ハウルの動く城』VWDZ8076
       唯一ジブリアニメで大画面鑑賞に適する完璧な画質。不自然な強調処理が一切無いので アプコンの素材としても優秀。
       
    • ★★★★
      『千と千尋の神隠し』VWDZ8036
       色が赤すぎるのは確かだが、プロジェクターの色温度を最高にすればなんとか。
       弱い輪郭補正があり、TVサイズではほとんど気にならないがスクリーンでは これが目に付く。圧縮に伴うざわつきもある。
       ちなみに、PS3の画質調整に「スーパーホワイト」という項目が出てこない。
      『風の谷のナウシカ』VWDZ8006
       わりと太い輪郭補正が見えるが、濃さはそれほどでもない。
       もとのフィルムがグレイニーなのか、動きの無い画面でも8Mbps程度使っている のにザラザラする。輪郭線の周りにモスキートノイズがまとわりつく。
      『天空の城ラピュタ』VWDZ8014
       ナウシカと基本傾向は同じだが、ナウシカよりシータの肌の方がツルっとしている。
      『耳をすませば』VWDZ8004
       ラピュタの画質とほとんど同じ。ただし安定感は耳すまの方がある。
    • ★★★
      『ルパン三世カリオストロの城』VWDZ8032
       セル画の輪郭線より太いくらいの輪郭補正が見えるので、細かい絵柄になると ぐちゃぐちゃ。大画面ではかなり目に付く。
       意外にノイズ感は無い。
      『魔女の宅急便』VWDZ8008
       セル画の輪郭線より太いくらいの輪郭補正。
       発色が浅く、全般的にザラザラして汚い。せっかくの美しい背景美術が台無しちゃん。
      『紅の豚』VWDZ8022
       輪郭が太いし解像度が低い。色も浅い。
       やっぱり飛行艇の赤がきちんと出てほしいところ。イタリアっぽく。
    • ★★
      『となりのトトロ』VWDZ8002
       セルの輪郭線の1.5倍はあるぶっといシュートがついている。
       輝度信号に対し色信号が遅れている(色が右にはみ出す)。
       色が浅く解像度が低い。

    • 『もののけ姫』VWDZ8010
       輪郭線に現れるシュートのそのまた輪郭に線が現れるような、強烈な 輪郭補正がかかっていて絵がとても汚い。クレヨンで描いたみたい。
       例えば女の子の口の輪郭線(黒)周りに、白い線がぐるっと出来てまるで 「泥棒ひげ」のように見える。
       草木、タタリ神のうねうねなど、絵が動くとブロックノイズが多く、 あからさまに絵が四角い。(これはノイズリダクションが効く)
       また、色ずれが酷い(110インチスクリーンだと1.5cmくらい右にずれている)。 出来の悪い「浮世絵」みたいな画質だ。
    …というわけで、★5『ハウル』は飛びぬけて高画質で、これなら ハイビジョンソフトでなくてもPS3のアプコン画質でいいほど。
     これ以下のクラスのソフトとは明らかに製作側の考えが違うと思う。
     ★4クラスのソフトまでは、発想は小画面向きの調整だが、大画面でも まあまあいける。
     ★3以下は大画面では辛いので(今更トトロでもないが)ハイビジョン ソフトが出たら買い換えか。
     ★2,1は明らかに製造機材の調整不良じゃないか。
     不思議なのは、画質レベルとリリース時期が必ずしも一致していないことだ。
       輪郭線の濃いDVDはアプコンすると輪郭線も明瞭になるため相性が良くない。 なるべく小画面でまったりした画質で見るほうが良い。
2007.6.1
  • 6月のBS/WOWOW★注目番組
    • 8日金 hi 2001年宇宙の旅
    • 9土1220 wow☆南極物語※
    • 9土2000 wow★ホワイト・プラネット
    • 10日1540 wow パーフェクト・ストーム
    • 10日2000 wow★ポセイドン(ほんもの,23)
    • 11月2100 BS2 めぐり逢い
    • 13水1055 wow かもめ食堂
    • 13水1900 wow イベリア 魂のフラメンコ

    • 16土1300 hi メトロポリタン美術館1〜4
    • 16土2000 hi 歌劇「魔笛」ライオンキングっぽい版
    • 16土2155 hi 歌劇「エフゲニーオネーギン」
    • 17日2000 wow★フラガール(22,30)
    • 17日1740 wow Vフォー・ヴェンデッタ

    • 26火0:00 BS2★アニメ夜話 母をたずねて三千里
    • 27水0:00 BS2★アニメ夜話 装甲騎兵ボトムズ
    • 28木0:00 BS2★時をかける少女(アニメ版)
    • 29金0:00 BS2★番外編「精霊の守り人」

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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!