映画館がやってきた!

構築日記・不定期便
- What's NEWを兼ねた日記のような読み物 -
2006年2月
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2006.2.28
  • リハビリの目標設定
     「イナバウアーができなくても良いが、船のデッキで紙テープを投げられるようになりたい」 これ。
     それにしても、NHKで見た荒川静香がいつでもどこでも柔軟運動。寸暇を惜しんで 柔軟運動している姿は感動的だった。
     視点をスルツカヤに置けば「努力が実るとは限らない」という厳しい話 になるのだが、少なくとも、努力する人間にだけスタートラインに立つ資格が 与えられる。
     まあ、コトはリハビリの柔軟体操なんだが(苦笑)
     女子フィギュアの中継(NHK総合)は40%を超える視聴率だったとか。
     当然BS-1,BS-hiあるいは録画で見た人もいるわけで、早朝の中継だったのに 凄いことである。その日の飲み屋の話題がどのテーブルも「荒川・金メダル」 だったのも当然か。
  • 「もしかして愛だった」阿川佐和子読了
     今年発刊されたエッセイ集。阿川さんは私より10歳少々年上であるが、 独身なだけあって文章の端々にほんのり初々しい香りがする。まあ「姉の独り言」 を横から聞いているような、そんな感覚がする。
     このエッセイの内容はごく日常的な買い物の話と食べ物の話である。 なぜ買って帰りたくなったかというと、後書きの「愛」についての話が 心に残ったから。
     それはこんな話。
     だから私は「愛している」と言われたら、「大切に」思って もらったのだと解釈することにしている。そして私が「愛している」と いう言葉を発するときは、心の中で「大切なのよん」という思いをこめる。
     私の「愛」は同時に「もったいない」と訳すこともできる。はたまた 「捨てがたい」という意味も含む。愛は長い時間をかけて発酵、熟成させる ものである。たまにカビが生えたり腐ったり変質したりすることもあるが、 それは愛の結晶と思って受け入れればよい。愛は壊れたり傷ついたりを 繰り返しながら、真実のものへと昇華していくのである。
     美しい文章だ。久しぶりに「自分の言いたいことを言ってもらった」 感じがした。 学生時代はこういう気持ちを自分のコトバで文章にしたくて大いに悩んだ こともあったのだが、 今「阿川佐和子の言葉はいいな」と素直に思うのは大人になったから かしらん?
     阿川さんの「愛」は広くて深い。生活する ことの隅々に愛が満ちている。生まれてから50年以上、大切に生きてきた からこんな文章が書けるんだろう。
     だから、自分も愛を大切にしなければいけないと思う。
     これが、家族愛であったり、一食一食を疎かにしないであったり、 もちろん音楽や映画にも愛情はたっぷり注ぎたいものだし、熟成に 失敗している愛もなんだかありそうだ。酒も愛してる(笑)
     何にせよ、愛は世話をかけないと成長も熟成もしないと思うのだ。 それには究極的には、自分がマメに元気良く生きることがとっても 大切ってこと。
     40歳を過ぎて年毎に「人生折り返した」感が深まっていくのだが、 熟成のための手間は日々怠ってはいけないと思い直す。「姉の独り言」が 頼もしく感じられる。
  • グインサーガ106「ボルボロスの追跡」読了
     一段と、イシュトヴァーンの隠し子に対する(作者の)期待が募り、 アナキン&ルーク化する未来が見えるようである。
     しかし、物語の中でこの子(イシュティ)が新たな希望"A NEW HOPE" であることは明らかだし、そうあることで、救いの無いイシュトヴァーン の未来に光が差せば…とも思う。
2006.2.27
  • 国民の素朴な疑問
     国会での「ガセネタ」追求問題が議員辞職に及びそうだ。首相が言うには
     「あれだけ他人の名誉を傷つけたのだから謝って済む問題じゃないだろう」と。
     いやいや総理、あなたは米国が流した「大量破壊兵器」のガセネタを掴まされて、 罪も無い無数の人々が米軍に殺される片棒を担いだのではないか。
     それは「死んでお詫びをしても足りない」ほどの犯罪行為ではないのか?
2006.2.26
  • フルHDでトリノ(完結編)
     オリンピックも終り。
     真剣に見たのはフィギュアだけだが、大画面マニア的に見ると、結局フルHDクオリティではなかったな。
     前回の夏のオリンピックは、モロUPコンの「国際映像」とHDの「NHK独自番組=柔道とか」 の落差が激しかった。
     トリノはそれよりだいぶマシだが、精細感は720Pモードにも僅かに足りていない感じ。
     てことは、結局ソースはPAL変換なのか?
     六カ国を転戦するフィギュアの「グランプリ・シリーズ」の中継も、国によってずいぶん画質が違った。
     もちろん「日本大会」が最高画質。素晴らしいぜ、NHK様!
  • あとは、何とか編集して「マイ総集編」を作る予定。
     HDD容量が限界に近づいているので、見るものを見ないといけないし、まだまだ TVが忙しい(=溜め込んだD-VHSの映画にたどり着かない)(^^;
2006.2.25
  • ひな祭りと肩のリハビリ
     今日はちょっと早いが「姪のひなまつり」で、妻の実家経由でお出かけ。
     妻の実家は「整形外科」で先日、私の地元の整形外科を紹介してもらったこともあって、 「家に来たら診てやるぞ」というので、またまたレントゲンをとった。
     水曜に注射を打ってもらってから3日後だが、最初のレントゲンで綺麗なソラマメ型に 写っていた石灰の塊は、半円形に崩壊しかかっていた。
     義父が最初に「何週間か注射をすればすぐに治る」と言っていたが確かに。
     短期間でこれだけ石の形が変わるということは、「軽石」のような構造なのか。 …そういえば、最初の注射を刺すときに注射針が「ザリザリッ」と音を立てたのは、 この石灰の塊に直接針を刺した音ってこと? どうりで、やけに抵抗を感じたはずだ。 なんか凄いな。
     二度目の注射針は、抵抗無くするっと刺さった。
     注射の後1時間ほどで、それまで残っていた痛みが徐々に薄くなっていくのが分かる。
     半日後にはほとんど痛みが消えた。
     あとは、右肩の「可動範囲」を取り戻す為のリハビリだけかなぁ。
  • ひな祭りの部
     治療の後、姪の家に行く。
     急に大人四人が家に来たせいか、泣かれる(^^;;
  • ところで、医者は「注射を打てば治る」と断言し、確かに言う通りなのだが、 患者としては「治る仕組み」も知りたいなぁ。
     医者は毎日のことだから分かりきったことだと思うのだが、患者は何もかも 初体験なわけで、不安を埋めるのはやっぱり情報しかない。
     それは医者が親でも同じこと。
     なにせ、病名も良く分からない。単に「五十肩」だね、とか言われるとちょっと がっかりする。
     症状とレントゲンと治療の中身から逆にネットで 検索してみると、私のは「石灰沈着性腱板炎」という病気らしい。
  • 神田〜秋葉原回遊
     そろそろ閉館になる「交通博物館」だが、ライトアップが美しいので写真を撮って来た。
2006.2.24
  • フルHDでトリノ
    「フィギュアスケート・女子フリー」
     早朝5:00起きして生観戦。
     最終組に恐ろしいほどの番狂わせが生じて、 SP1位のコーエン(米)、2位のスルツカヤ(ロシア)が共に振るわず転倒、減点と云う アクシデントの嵐の中、実力を出し切った3位荒川が抜け出して優勝!
     素晴らしい!!
     4位の主村は、その位置をキープ。しかし、演技の内容はメダルを取れるレベルだった。 つまり、「採点が細分化、具体化されてきたために、観客にアピールする美しい滑りでも、 リストに無い技では得点に結びつきにくい」という壁が存在したのだと思う。選手は 悔しそうだったが、きっと観客の記憶には残った。
     安藤は4回転に挑戦したが、90度くらい回転が足りず転倒。その後の滑りにも精彩を欠き 大きく後退したが、これはジャンプの練習の為にスタミナ配分が辛かったのかなと思う。
     それにしてもスルツカヤの滑りは、世界選手権のパーフェクトな 滑りとは大きな隔たりがあり、オリンピックの重圧か。残念。
     コーエンは、ガラスのチャンピオンとか、シルバーコレクターなどと呼ばれ、もともと 大舞台での安定性の弱さには定評があったので安心していた(何が(^^;;)のだが、 それにしてのSPの憎らしいほどの完璧ぶりからは信じられないほどの動揺っぷり。
     これもまた印象的な出来事だった。
     ともあれ、日本フィギュア界初の金メダル。おめでとう。
     日本人三人とも、本当に良く頑張りました。
     次のオリンピックは安藤の再挑戦や、若手が育ってさらに期待できるかも(^^)
  • 荒川は、オリンピック前のNHKの特番でこれまでの道のりを見ていたけれど、 新採点システムとの相性で一度沈んでから、ひとつひとつ努力を積み上げてメダルに 挑戦してきた姿には感動を覚える。
     「天才スケーター」などと言われるけれど、実際には努力と執念の人だ。
     勝負には時の運も有るけれど、今回「コーエン」と「スルツカヤ」がミスを出して 後退して行ったのは、勝負に掛ける荒川のオーラに圧倒されたのだとも 思う。
  • 肩のリハビリ
     肘を曲げて力がかかりにくい姿勢なら、少し肩があがるようになってきた。
     何かを取ろうと手を伸ばすと、肘を曲げたまま肩関節の稼動角度を補うように上半身も動いて しまう。ちょっと上向きの体勢。
     これってC3-POの仕草にそっくりなんじゃない?

  • 「イタリアの古歌」(波多野睦美&つのだたかしin白寿ホール)
     イタリアのルネッサンス、バロックのアンソロジー。
     妻が張り切って購入したチケットは2列目中央。なんか緊張しちゃう(笑)
     席のせいじゃないと思うが、今日の演奏は凄かった。緊張とやすらぎの波状攻撃で、 トリノで早起きして眠いはずなのに、それどころじゃない。一瞬も聞き逃してはならないと思う。
     なんだか、つのだ氏のリュートも調子良かった気がするし。
  • 終演後は、小雨の中を歩いて渋谷に。
     ハクジュホールの最寄り駅は「代々木公園前」で、このあたりはこれといった飲み屋が 無いのだが、15分まっすぐ歩くと渋谷の東急本店前に着く。
     で馴染みの台湾料理屋「麗郷」へ。
     えらく混んでいて、なかなか料理が出てこなかったけれど、カウンターに座ったので 燃え上がる火を見ているだけで楽しかった。
     それにしても、店内の話題は誰も彼も「フィギュアスケート・荒川・金」 ばかりだった(^^)
2006.2.23
    [2002] フォジェール / マ・デュ・コロンベル フランス ラングドック・ルーション / 750ml / 赤
    今日のワイン
    [2002] フォジェール / マ・デュ・コロンベル(フランス ラングドック・ルーション / 750ml / 赤)
     妻がエノテカの通販で買った「南仏セット」一本目。
     こてっと甘酸っぱい香りで、こういうのを「果実味」って言うのかなぁ。 今までにあまり飲んだことの無いタイプの味。
  • 肩のリハビリ
     関節内への注射、飲み薬(鎮痛剤、筋肉を緩める薬)、シップ薬の波状攻撃で、なんとか凌ぎ中。
     妻が晩御飯を「鍋物」にするが、肩が動かないから「小さく前に倣え」の姿勢以上に腕が 上がらないので、煮えても鍋から具を取れない。
     君も、「脇を締めたまま」箸を使ってみなよ、オカズが取れないから。
     肩痛ダイエット…(^^;?
     ただし、片手しか動かなくても左手で酒は飲める。
2006.2.22
  • フルHDでトリノ
    「フィギュアスケート・女子SP」
     上位12人くらいのすべりはさすがオリンピック。素晴らしい。そして、 メダル圏内の5人はなお素晴らしい。
     SP終了時の結果は 1.コーエン、2.スルツカヤ、3.荒川、4.すぐり、 だが、個人的にSPの順位をつけると、荒川を一位に据えたい。 でも、スルツカヤに金をあげたい気もする。悩むね。
  • 整形外科に行く
     激痛と同時に、腕が動かせなくなった。
     肩に石灰化した小片。真珠とかなら良いのに
     以前から「投球フォーム」が出来ないのが気になっていたが、関節の中に こんな石が詰まっていたら、骨がツッカエて動かないのは当然だなぁ。
2006.2.21
  • フルHDでトリノ
    「フィギュアスケート・アイスダンス・フリー」
     面白かった。日本人の順位も上がった。
     どうも見るダンスとしては「ラテン」の方が好みなので、ODの曲の方が楽しめた 気はするけれど。
  • 居酒屋「嘉多蔵」(市ヶ谷)
     仕事帰りに妻と待ち合わせ。
     雑誌で数度にわたって紹介されたことのある「昭和レトロ・インテリア」の居酒屋。
     店自体は本当の昔から「食堂」として存在していたものを居酒屋として改装したものだという。
     内装は古い木材を組み合わせて、随所にホーロー看板など飾ったもの。
     オーソドックスな居酒屋料理もあるが、なぜか沖縄料屋っぽいメニューも充実している。
     「洋風煮込み」と有るのは、どこから見ても「ビーフシチュー」だった。
     島豆腐は食べ応えがあった。
     刺身の盛り合わせは、中トロ、カンパチ、白身の三種だが、微妙にカピっとした肌合いで 怪しい。そもそも歯ごたえに見合う厚みで切るところに刺身の仕事があると思うのだが、 全部厚切りで食べ応えがあり過ぎだ。あまり繊細な料理人は居ないのか。
     そういうわけで、料理はそれほどのものではない。
     日本酒と焼酎の種類は凄い。ただし安くはない。
     スタッフは大勢居るが、となりの席でネクタイに煮込みをべっちょりこぼして おしぼりを使っているのを見ていながら、要求するまで変えのおしぼりを出さないとか、 サービス業としてのトレーニングは積んでいない。
     というわけで、若者の気持ちをひきつけるレトロなインテリアは落ち着くけれど、 所詮は流行の「似非レトロ」水準。リピートするほどのことも無い店だった。
     今更だが、雑誌の紹介記事も過剰でアテにならないな(^^;
2006.2.20
  • フルHDでトリノ
    「フィギュアスケート・アイスダンスOD」
     アイスダンスの二回戦は、決められたリズムの組合せ(ラテン三種類)で、決められた 技術要素を織り込んで振り付けをして踊る。
     出走順はコンパルソリーの結果をベースに組み分けされる。とはいえ、コンパルソリーは 短時間で配点も小さい為、一瞬のミスで順位が大きく変動する。だから、下位の組でも油断 できない。
     きちんと見ると普通の社交ダンスと並ぶくらい華やかで面白い。
     これまで「ペアと比較すると地味で詰まらないな」と思っていたのは、社交ダンス視点 では見ていなかったことと、試合は「下位の選手から滑る」ために、上位の選手の技を 見ることなく挫折していたのだということだと理解した。
     とにかく、ローカルな大会の中継の最初に出てくるような選手と、オリンピックの 最終グループで登場する選手とでは、全然別物。ミラクル。
     しかし今回は最終組の選手が3組も転倒するという、前代未聞の波乱の試合。
     まあスキーでもF1中継でも事故が起きたりするのがまた見所なのだが、アイスダンス の場合はラストのクライマックスで超絶技巧的ステップを入れてくるからこそ、 フィニッシュ直前で転倒というドラマチックな展開。
     シングルは冒頭に大技を入れて転倒、そのまま「あ〜」っと盛り下がってお仕舞い… というのが通例なので、アイスダンスとはだいぶ違う。
     そして、転倒後の技術的なリカバー、カップルの人間関係がまたドラマチック。
     いたわりあうカップルが有るかと思えば、フィニッシュした氷上で30秒も二人で 向き合って無言で葛藤するカップル(ちょっと怖い)。採点が表示された瞬間バラバラに 退場するカップルなどなど、結局今日の試合で5組が転倒したけれど、それぞれの表情が みな印象的であった。
     日本人は一つ順位を上げて16位。
     しかし一位に立ったロシアカップルなど上位の迫力は物凄い。最初から最後まで 一分の隙も無い演技で芸術的。このクラスの演技ならペアのアクロバットより面白い かもしれない。
2006.2.19
  • フルHDでトリノ
    「フィギュアスケート・アイスダンス・コンパルソリー」
     芝居見物の連投でくたびれ、日曜は一日オリンピック観戦。
     フィギュア好きの我が家でも「アイスダンスはちょっと別物」ということで、 NHKで放送される国際大会などでも今までパスしていたのだが、オリンピックは コンパルソリーからみっちり見てしまった。
     コンパルソリーは全員が同じ音楽で同じステップをすべり、その正確さを競う競技で、 24組三時間もかかる。これは選手より審判の方が苦行のような気がする。
     とはいえ、辛抱して見ているとそれなりに上手ヘタが存在し、NHKの解説が 滅茶苦茶親切なこともあって、自分も採点に参加出来る気分になってくる。 競技がシンプルなだけに、見た目の印象と順位が一致しやすい。
     今回の課題曲はワルツ。
     アイスダンスは「氷上の社交ダンス」と言われるが、なるほど、社交ダンスの スタイルに良く似ている。基本的に踊り(見物)好きで、社交ダンスからフラメンコ、 チアリーディング、暇があるならエアロビ全国大会でも何でも見ているのだから、 アイスダンスを見ない手はなかったのかも。
     日本人は17位。頑張れ。
     ついでに、アイメークも外人選手をまねして派手に行って欲しい。西洋人は 元々濃い顔なのに、メイクで目の大きさが倍になっていたりする。これでは よほど書き込まないと迫力負け必死だから(^^;
2006.2.18
  • 「間違いの喜劇」(彩の国・蜷川シェイクスピアシリーズ)
     「間違いの喜劇」鑑賞にあたって、事前に戯曲を読んでいて良かった。
     ストーリーはいわゆる「取り違え」の喜劇で、幼い頃に船の難破で別れ別れになった 「双子の兄弟と双子の召使」が居て、18になった弟が兄の居場所を尋ねて旅をする。 そして、兄の住む町で兄の知り合い、妻、商人etc.が全員弟を兄だと思い込んで 歓待してくれる。
     逆に兄は、事情が分からない弟(と召使)の頓珍漢な振る舞いのとばっちりを受けて きりきり舞いする。
     最終的に、別れ別れになった「双子の兄弟」「その親の夫婦」「召使の双子」 の三組の再会と「兄と妻と、弟と兄の妻の妹」「双子の召使と、兄夫婦の召使たち」 の4組のカップルの縁組で大団円。
     つまりとにかく複雑な喜劇だ。
     真っ白な状態で観劇するのも面白いと思うが、登場人物の関係くらいは把握していた方が 「誰が何を勘違いしているのか」が見えて理解しやすい。

     役者は「双子の兄弟」と「双子の召使」は、ラストの全員集合シーンまでは一人二役。
     帽子の色などで、お客さんにはどちらの「兄弟、召使」か分かるようにしている。
     ラストでは兄弟の掛け合いがあるので、もう一組の役者が出てくるのだが、セリフは 「腹話術」だ。
     あんなに大きくはっきりした声の腹話術は初めて聴いたが、指導は人気腹話術師 「一刻堂」だそうだ。まあ、それとなくバレバレではあるがそこは笑いどころ(^^)
     登場する女性はすべて男。女形。
     これもシェイクスピアの時代には女が舞台に上ることは不許可だったらしいので、 時代を再現した感じだけれど、喜劇の女形と言うのはなかなか面白い。

     今回の蜷川演出では、様式感を生かして、シェイクスピア時代のオーソドックスな 演出をベースにしているように見える。
     舞台は鏡張りの壁面に三つの大扉が付いていて、中央を開ければ兄の館の門になったり、 左右を開けると背景に路地の絵があって、舞台は街角になる。全部閉じれば室内のシーン。 ついでに、二階の窓を開けたら、お屋敷から路地を見下ろした感じ。
     シンプルで効果的な舞台だ。
     役者の出入りは、大々的に客席通路が使われる。
     客いじりが多くて、召使の愚痴につき合わされたり、最前列に座ったお客さんは、 ほとんど参加しているような状態。
     蜷川の演出は、こういう上演機会の少ない作品では極力様式感を生かした方向に 行くようだが、心の底から芝居に入り込み楽しむことが出来た。
     スターを起用した作品はちけっとが取れなかったりするのだけれど、今回 主演の小栗旬は、これから売れていく俳優。実力はあってまだチケットが買える。 ありがたい(笑)
2006.2.17
  • オペラ「ロミオとジュリエット・瓦礫の中の」こんにゃく座in青山円形劇場
     林光作曲、加藤直演出。
     「林光&こんにゃく座」のオペラ〜歌芝居はずいぶん長いこと見ている。
     現代音楽の鑑賞に傾倒していた二十代の頃、林光の「日本オペラを作る」という著書を 読んでその趣旨に感動したことと、当時妻が参加していた合唱団がこれまた林光の 「合唱オペラ」なんてものを上演していた事が、「こんにゃく座」の芝居を見に行くよう になったきっかけだ。
     今回の芝居は「戦火に焼かれたとある街の劇場で、密かに上演される 『ロミオとジュリエット』」という劇中劇の構成になっていて、 比較的オーソドックスに「ロミオとジュリエット」を歌芝居に作ったものを、 小康状態の戦火の中を集まってきた劇団員の様子を見せるオープニングと、 街が敵に包囲され陥落する瞬間…の間際を語るエンディングで挟む仕掛け。
     芝居を終えて後々酒など飲みながら討論するうちに、 「劇中のどことも知れぬ街の戦争」と、 「劇中劇のモンタギューとキャピュレットの対立」を通して、 「現実の国際情勢の対立」を考えさせるという製作意図なのかな?と 理詰めで行けば思えないわけでもないのだが、芝居そのものは木に竹を接いだような チグハグ感が拭えない。
     構成上の弱点としては、「劇中劇を見下ろす視点」が固定されていないのが 問題だろう。オープニングで「戦火にさらされたこの街で我々が芝居をいたします」 という歌が披露されるけれど、一旦『ロミオとジュリエット』が始まってしまうと、 100%『ロミオとジュリエット』の上演になって、これが敵の目を忍んで密かに 演じられているアングラな芝居であるということを暗示する仕掛けはどこにも無い。
     恐らくそのシチュエーションを意識する事が出来るのは、かろうじてこの芝居に 「瓦礫の中の」というサブタイトルがついているおかげとさえ言える。
     もしも、この芝居に現実の国際紛争とロミオとジュリエットを連結する劇中劇の 仕掛けが無ければ、ただの舌足らずなロミオとジュリエットにしかならないだろう。
     であれば、もっと、「瓦礫の下」のシチュエーションを随所で通奏低音のように 鳴らし続ける必要があったのではないだろうか。
     「大道具が砲撃にさらされた家の燃え残りの鉄骨のようであった?」
     鉄骨の四角いフレームを使いまわし、他にはほとんど何も無い舞台に、屋敷や教会や 墓場や、様々な舞台を表現するのは面白い。表現の幅はさすが加藤直とも思う。
     なるほど、好意的に見れば「瓦礫の舞台で演じている」という演出意図であるように 見えるが「ミニマムな道具の使いまわしの妙」は、それはいつもの加藤直演出であって、 戦時下の物資欠乏を表現しているようには見えないのが辛いところ。
     次に肝心の『ロミオとジュリエット』のオペラ化に成功しているのか、 というとこれがなお辛い。
     問題は林光の音楽と、劇団員の歌唱力双方にある。
     林光の音楽には「アリア」が無い。
     戯曲のオペラ化と言うと、セリフの速度が遅くなる為に大幅に台本をカット せざるを得ない。ましてシェイクスピア戯曲ともなれば、本来それは「言葉の洪水」。
     あえてそれをオペラとして再構成するからには、言葉だけでは表現できない音楽の力 を信じるからだと思う。
     しかし残念ながら林光の音楽には力が無い。どこを切っても同じような音の 羅列で、ロミオとジュリエットだからといってイタリアの香りがするで無し、 日本人が作曲しているからといって和風でなし、あまりにも淡々とした音が あるだけ。
     もっというなら、どの作品を聴いても代わり栄えがしない金太郎飴。ひょっとすると やっつけ仕事なのではと疑ってしまう。それでも「これが林光の 個性だ」というならば、あまりにも魅力に乏しい。
     記憶に残るメロディーの一つくらい聴かせて欲しい。
     役者は何を思っているだろう。
     些かなりとも芝居に興味を持っている観客ならば『ロミオとジュリエット』など 山ほどのバリエーションを既に知っているはずだ。「激しく」「美しく」「華麗に」 そして「悲劇的に」。
     しかし、「オペラ」という形式はストレートな芝居と比べれば表現の大筋は 音楽に制約されている。ならば「歌」を磨く事が本筋のはずだ。
     ところが、そこがなんだかイマイチなのだ。
     林光の「お経」のような音楽を「棒読み」のように歌う。
     どちらにより大きな責任があるのかは知らないけれど、観客は辛い。
     あるいは役者の歌唱力が高いレベルにあるならば、林光の音楽から豊かな 表情を立ち上らせる事が可能なのかもしないが、現実はとてもそこまで届いていない。
     自作の「日本オペラ」の上演を、林光本人はどう見ているのだろうか。もしも 高い理想が有るのなら、渾身の曲を作り、日本中の最高の歌手、スタッフを集結 させて上演してみたいとは思わないのだろうか?
     イタオペは確かに美しく豪華で、日本語に翻訳してもあの流麗さは損なわれてしまう 気がするけれど、モーツァルトは「ごっついドイツ語」でオペラを成功させた。
     少なくともドイツ語で作れる音楽作品が日本語で出来ないことは無いと思うけれど。

  • 十徳(渋谷店)
     井の頭線(マークシティ)北側のごちゃっとしたエリアにひっそりたたずむ居酒屋。 渋谷の他に新宿西口にも支店本店がある(新宿が本店なのかな?)。
     芝居の後、宮益坂をてくてく下って渋谷駅を通り過ぎたどり着いた。
     枡に入れたコップに少しこぼしてくれるスタイルの日本酒が500〜800円程度と、 真っ当な価格であることと、料理も結構「酒が進む」系統の渋いものが揃っていて 良い店だ。
     客はサラリーマンが主体で子供が大騒ぎしていないのも良い。
     日本酒以外にも、流行の「梅酒リスト」も置いてあった。渋い居酒屋でも、そこは 渋谷の店と言うことか。
     残念なのは「全席喫煙」のため二時間も居ると全身にタバコの匂いが染みこむ事か な。単に換気が悪いだけなのかもしれないが、酒を楽しむ邪魔になるのは否めない。
     
2006.2.16
  • トリノ
    「フィギュアスケート・男子フリー」
     SPで第一滑走だった高橋は、フリーでは最終滑走。精神的に辛そうな 極端な状況の下での演技で、結果的に順位を下げて終わったけれど良く頑張った。
     次のオリンピックも頑張れと言いたい。
     王者プルシェンコは、SPと比較すると「ゆったり確実に技を決めていく」というふうに 見えた。
     SPの方が狂ったような激しさだったのは、演技時間に比例したペース配分の結果だった のかもしれないなぁ。
     SPは満場一致でプルシェンコに圧倒されたと思うが、フリーでは三位に入ったカナダの 爽やか青年「ジェフリー・バトル」の演技が記憶に残った。

  • 伊福部昭・没す  たぶん、武満、坂本龍一と並んで世界に通用する日本人作曲家の筆頭とも言うべき 大家の冥福を祈る。
     よい曲を書く日本人作曲家は多いけれど、あれほど日本〜北海道の土地の香りを 音楽に込めて表現することに成功した作曲家は居ない。
2006.2.14
  • トリノ
    「フィギュアスケート・男子SP」
     期待の「高橋」は一番滑走。一番目と言うのはなかなか点が出にくいもので、精神的な ところからも厳しいはずだが、二度ほどぐらついただけで、全体的にはまずまずの演技。
     しかし二番手の「プルシェンコ」は凄かった。
     曲は「トスカ」で比較的ゆったりとしたテンポだが、「ビデオが倍速再生になっている?」 と戸惑うほど激しいステップワークで、高得点要素を詰め込みまくり。
     ジャンプもパーフェクトで、同競技で90点を超える得点が出るところを始めてみた(^^;
     すごい、凄すぎる…
     結果的に「高橋」は5位だが、一位が飛びぬけており2〜7位は僅差。
     フリーでバッチリ決めてメダルに届いて欲しいところだ。
2006.2.12
  • 今月後半は、オリンピック観戦のために全てを犠牲にする覚悟(笑)
     で、「男子スボード・ハーフパイプ」
     事前の民放の壮行会特集番組であれだけ目立っていたくせに、全員予選落ち。おいおい、 若者は口先だけかよ…
     大きな大会でいつもの実力を出す為には、やっぱり練習、練習また練習なのだろう。
     「男子滑降」…日本人は登場しないけれど、滑降は硬派な競技だと思う。
     「ジャンプ」も男の競技だと思うが、滑降は最大時速127km/hだというのだから、 バカじゃないと滑れない。感動する。
     「ノルディク」系は、見ているだけで辛いので、録画して早送り。
     やっていることはマラソンに近いのだが、何故か数段見ていて辛そう(^^;
     「フィギュア・ペアSP」は、これも日本人は居ないのだが、見る。
     男女シングルに比べて、ペア、アイスダンスは地味な印象だが、さすがにオリンピック でメダルを狙う選手たちの演技となると、確実に面白い。
  • 春キャベツ(特製味噌でお召し上がり下さい)
     深夜のオリンピック観戦、小腹が空いたので生のキャベツをバリバリ食べる。
     問題は味付けだが、適当にブレンドしたら、なんだか居酒屋のメニューに良くあるような味の物ができた。
     レシピは、
    A.味噌、マヨネーズ(少々)
    B.蜂蜜、醤油、ラー油、七味唐辛子、ちんこう酢、レモン、焼肉のタレ、etc.

     ようするに、Bパートは先日作った「中華風ゆで豚のタレ」の残り物で、 これをAの味噌マヨの隠し味に混ぜたものだ。
     何も無い時に、野菜スティックに味噌マヨは手っ取り早く作れる定番ツマミなのだが、 「中華風ゆで豚のタレ」を合わせたら格段に複雑でコクのある味になって驚き。
     コイツは商売になりますぜ、全て目分量なので再現性は薄いけれど(笑)
  • 【送料無料】南フランスのエッセンス 12本組
    妻がエノテカの「南フランスのエッセンス 12本組」というワインセットを通販。
    どうせなら、オリンピック企画としてイタリアワインを買えばいいような気がするのだが、 南仏とはマニアックな…。(ちなみに、内訳はラングドック11本+ローヌ 1本だった)
2006.2.11
  • オリンピック開催記念ディナー
     ていうか、こじつけてイタリア・ワインを開ける。
     「サンジョベーゼ」というイタリアのブドウは「ほのかな苦味」のような独特な味で ワインの味に重みがある。
     料理は妻が「豚のタン」でシチューを作った。
     サイズの点で牛タンのようなボリューム感は無いのだが、味は見事。内臓肉系の ほのかな苦味がサンジョベーゼの個性と絶妙なマリアージュ…とかいうと、 料理記事っぽい?(笑)
  • トリノ・オリンピック開会式
     翌日の新聞を見ると「長すぎ、豪華すぎ」という批判を言う人もいるようだが、 「トリノ」らしい演出で堪能した。真っ赤なF1カーが登場したのも期待通り。 パヴァロッティの歌が途中で切られたのは残念だったが、ようするに放送予定を 超えて押してしまったんだろうなぁ…(^^;
     聖火点火の「花火のウェーブ」は笑ってしまうほど派手だった。
     もはや、リレーしてきた種火の存在がどうでも良くなってしまうほどの大仕掛けだが、 面白かったからOK(^^)
2006.2.10
  • 明日から「トリノ」
     ハイビジョンだけでも、生中継は深夜中ず〜っとやっている。
     HDDレコーダの容量が危ない(^^;
     とりあえず、 NHKトリノ放送予定表のpdfをひろって作戦を練る
     それにしても、BS1は一日約23時間、BS-hiは17時間、総合は10時間、オリンピックを放送する。
     もちろん、半分くらいは重複していると思うのだが、一日24時間を大幅に超えているのは 間違いないなぁ。
     とりあえずBS-hiは全部録画して早送りで日本人選手をフォローするつもり。
  • ドラマ「ナースあおい」脱落
     一話一話は面白いとは思うが、毎回主人公がひどいめに会い、進歩が無い。 「達成感」が 無いのがきつい。トリノに専念するため今週で脱落。
2006.2.9
  • ドラマ「神はサイコロを振らない」
     相変わらず面白いけれど、視聴率は10%をギリギリ切っている。勿体無い。
     ドラマのロケは隅田川の河口付近のあちこちが多いが、ひょっとして「尾道」だったら 1%くらい視聴率が上がったり(^^?
     毎回映る勝どきの「トリトンスクエア」ビルは、他のドラマでも使われていたが、大きな 施設の割りに相変わらず全然ひと気が無いので、ロケには最適なんだろうなぁ…(^^;
     ところで、このドラマは「あと10日で自分or恋人etc.がこの世から消えてなくなる」という 設定の下でどう生きる?という「黄泉帰り系」人間ドラマだが、自分ならどうするだろう?
     例えば「あと10日で地球滅亡(巨大隕石が衝突するとか…)」だと、世界中が大パニック になって、やりたいことは何も出来ない可能性が高い。
     例えば「病気であと10日」だと、実際には病院のベッドから離れられないだろうから、 たいした事が出来るとは思えない。
     病気で「あと半年」と言われて、それだけ時間があっても、案外なんにも出来ないし、 普通に生活するしか出来ないし。逆に10日なら、何か特別なことをするだろうか?
     あるいは、普通の人間は、平均80年生きるとしたら、20歳の人は残り60年だし、 40歳なら残り半分、40年、その間に何をするか、計画的に生きられる人間はあまり 知らない。
     (そもそも、前半40年間、あまりたいしたこと、してない…)
     最低限確かなのは、一番やりたいことから順にやった方が良い、ということか。
     とりあえず、やりたいことを書き出す?
     でも、書き出した後に「やりたいけれど出来なさそうなこと」を抹消する作業が 憂鬱そうだな…
  • ドラマ「アンフェア」
     4週かけて第一の事件が終わった。5週目から誘拐事件に入り「もう良いか」 と思っていたら、第一の事件と関連が有るらしい。
     「終わってなかったのか…」という登場人物の呟きは、視聴者の感想でもある。
     ただし、第一の事件が初回にずらりと怪しい人物を並べて「この中に犯人がいるから 当てて下さい」と、推理小説らしい流れを作っていたのに対して、 この誘拐事件の方は、事件は前回ラストから始まっているのに、まだ「犯人候補」の描写が無い。 フェアな推理の要素に欠けているような…。
     今のところ推理の素材は、
    • 通信技術に詳しい
    • アンフェアなのは誰だというキーワードを知っている(警察関係者?)
    • 刑事個人の自宅/携帯電話番号を知っている
    • 拳銃を所持している
    • (おそらく)第一の事件最終日のお手伝いさんの行動を知っていた
    • 筆談している(声で人物の特定が出来る?)
     ということ
     誘拐は「お手伝いさんが子供を連れ出して半日失踪していた帰り道」 で発生している。
     失踪がお手伝いさん個人の考えだとすれば、犯人にもその日の居場所が 分かったはずが無く、朝自宅を出る所から尾行していたとすれば、監禁まで丸一日 待ったのは不自然だ。
     つまり誘拐犯は「初めからその日のお手伝いさんの行動を知っていた」ことになる。
     更に言えば、第一の事件のラスト「か弱き者予告殺人事件」で、捜査を ミスリードする為に娘を連れ出すようにお手伝いさんに指示した第三者がいる。それが犯人、 ということか。
     とはいえ、第一の事件の犯人は既に死んでいる。
     どういう展開にするつもりだろう?
2006.2.8
  • BS-hi受信レベル対策2
     今日調べると受信レベルが微増していた。どうも今月頭から、電波が弱くなったり強く なったりふらついている。
     とりあえず、配線の影響を確認する為に壁の端子から直結してみた。
     全然受信レベルが変わらない。ある意味、「3分岐アダプター」とか、二台の受信機を 直列に繋いでいることによる損失が「ゼロ」というのは、逆に不思議なくらいだが…。
     ともあれ、これで「自力で出来る対策が無い」ということははっきりしたわけだ。
2006.2.6
  • BS-hi受信レベル対策
     どうも、マンションの共同アンテナからのBS1,2,3の電波が弱い。
     とりあえず配線の見直しをしてみたが、壁のコンセントから直で引いたアンテナ線に、 地上デジタルチューナー用の「3分岐アダプター」を噛ませているだけなので、あんまり 原因になるところが無い。
     仕方が無いので、「BS用ラインブースター」というのを噛ませて見ると、それだと 電波が強すぎる様子で映らない。(安物なのでゲイン調整できない(^^;)
     さ〜困った。
  • 俺に牛丼を食わせろ!
     秋葉に行くと、何となく目の前にある「×屋」の定食を食べてしまうことが多いのだが、 これがまずい。「(旧)生姜焼き定食」は、豚薄切り肉だが、紙粘土で出来ているんじゃ ないかというほど不味かった。これは、最近見たら薄切りから細切れ肉にモデルチェンジ したようだが、前のがトラウマになるほど不味かったので怖くて試す気にならない。
     そして「カルビ焼き定食」…これは、BSE問題以前から存在するメニューだが、 はっきり、問題以降劇的にマズくなった。まるで靴底をかむようだ。
     自宅で肉を焼いて食べる場合、どんなに安い肉を買ったとしても、それをただ焼いて あれほど不味くすることは不可能だ。国産かオーストラリア産か知らないが、あれほど 不味い肉が「安全」という事があるのだろうか。
     私は断言する。恐らく、「今後日本でBSEに罹患して死亡する患者の数」より、うっかり 「×屋のカルビ焼肉定食を食べて憤激のあまり血管が切れて死亡する数」 の方が多い。と。

  • オージービーフは好きです…念のため
     ただし「扱い」次第。赤身の肉は少しでも火を通しすぎたら 食べられなくなってしまう。ステーキなら最低2cm以上の厚さに切って、表面を固めて 中はほんのり温まる程度のレア。これ。
2006.2.5
  • 篠沢教授って、何の教授だったんだろう
     とりあえず、全部。
2006.2.4
  • NHK交響楽団第1560回定期公演(Cプロ)鑑賞(渋谷NHK-H.)
    指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット,コンサートマスター:ペーター・ミリング
    s1:幸田浩子,s2:半田美和子,t:福井敬,br:河野克則,cho:国立音大
    • モーツァルト/交響曲第34番K.338
    • モーツァルト/ミサ曲ハ短調K.427
     今年はモーツァルトの生誕250周年ということで、どこに行ってもモーツァルト。
     個人的にモーツァルトは、普通に生活していると勝手に耳に入ってくるのであえて追い かけないという程度の認識なのだが、まあ、さすがにモーツァルトの音楽は美しく ポップだと思う。
     そんなわけで「交響曲第34番」も、タイトルが付いている交響曲くらいしかCD持って いない私にはなかなか新鮮。三楽章しかないのも、なんかヘンだし。
     指揮者のブロムシュテットはN響は三年ぶりだそうだ。相変わらずしなやか。
     ミサ曲ハ短調は「未完の大曲」…未完とはいっても、演奏時間は55分もある。
     この曲のソプラノはモーツァルトの妻「コンスタンツェ」のために書かれており、 要するに結婚に反対していた父親に対する「妻のプロモーション」みたいな性格を 持っていた曲で、当然美しく出番が多い。
     今回の「s1:幸田浩子(=コンスタンツェ)」は、甘く華やかな声で、そういう経緯の この曲を歌うにはなかなか相応しいキャラクターだと感じた。
     サンクトゥス〜ベネディクトゥスは合唱の見せ場。
     前半から、「若いな〜」と思いながら(やや物足りなく)聴いていたが、ラストは バリバリに燃えて、若者合唱団の良いところが出ていたかも。
  • 渋谷のドトールでお茶をしたのだが…
     隣に高校生のカップルが座りいちゃいちゃするのがイヤでも目に入り落ち着かないこと この上なし…というのは、「そこから先はホテルに行ってからやれ!」と教育的指導 を入れたくなるほどスレスレ濃厚だったから。
     若いカップルを見るのは恥ずかしい…てか、羨ましいのか(笑)
     そういえば、自分が高校生のころは校則で「喫茶店は出入り禁止」だった。 それを破ってお茶する部活の「おねえ様」方が大人に見えたなぁ(しみじみ)
2006.2.3
  • 戯曲「間違いの喜劇」(小田島訳/白水社)
     こんど芝居を見に行くことになったので、「間違いの喜劇」の戯曲を読んでみた。
     「初期の作品」とされる取り違えモノの喜劇だ。
     手に取った時に「薄いな…」と思ったけれど、確かに短い作品で、シェイクスピアの 作品の中でも最も短い部類らしい。歴史モノ超大作に取り掛かると何日もかかるから、 たまにはこういう軽い戯曲もいいものだ。
     ただ、「取り違え」ものは、文字で読むとどっちが何をしているのか直感的に分かりにくく はある。舞台で見ることとの面白さの違いは相当大きいだろう。
  • 第3回 スプラアンサンブル独唱・重唱研究会(北トピアつつじH.)鑑賞
     合唱団の団員が銘々の好きな曲を持ち寄って発表する会。
     オペラのアリアから日本の歌曲まで。プロ、セミプロの声楽家及び卵の皆さんも擁する レベルの高い 合唱団なので上手なのは当たり前なのだが、名曲がずらりと並んで結構面白かった。
     高田三郎の「ひとりの対話」は、なかなか高田三郎らしい曲で、20年以上前に 合唱をやっていたおじさんには超、懐かしい。
     木下牧子の歌曲集「愛する歌」は、ごく部分的に聴いた事があるが、今回5曲を聴いて すごく気に入った。谷山浩子的不思議ちゃんの入ったフワフワした曲調。
     ファリャの「7つのスペイン民謡」は、自分的に100回以上聴いている大好きな曲。
     妻が歌っている。
     以前にも部分的に演奏した事があり、毎回地道に充実していっているのでいつも楽しみだ。 が、好きな曲だけに「こうして欲しい」という細かな注文は沢山ある。
     ピアノ伴奏版だが、ギター弾きの視点からは、ギター伴奏版との表現の差異に関する ワンポイント注文もある。…というわけで、本当はリハーサルに立ち会ってこまごました注文 を付けられると良いのだが。喧嘩にならない程度に(笑)
     トマス・ウィルクスという1600年くらいの人の曲は、400年も前の曲なのに、近現代の 歌曲と並べて聴いてまったく古さを感じない。20世紀の音楽家と思うほど斬新な響きに 満ちていてびっくり。
     こういう曲を発掘してくるというのがそもそも凄い。

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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!