映画館がやってきた!

構築日記・不定期便
- What's NEWを兼ねた日記のような読み物 -
2002年9月
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2002.9.30
  • 夢の人工光合成に成功(産業技術総合研究所)
     水に二種類の触媒を投入して光を当てるだけで、電気分解して酸素と水素が発生する んだそうな。夢のようなお話。
     ただし、今は植物の光合成の1/100程度の変換効率(0.03%)らしい。
     しかし将来もっと効率が上がるようになると、日向でぐりぐり水をかき混ぜている だけで、燃料が手に入る。そうなればエネルギー問題も温暖化も永遠に解決だなぁ…。
  • もやし、カイワレ育成中
     なぜか育てる植物がみな枯れる我が家。シアターなんかやって昼なお暗い からだという説もある(^^;
     ならばと、もやしとカイワレ の種を買ってみた(笑)
     もやしは、説明書を見ると夏場は一日2〜3回も水を換えろなどと書いてあって ちょっと面倒。そういえば以前TVで見たもやし工場は「シャワー」のように水を与え ながら育てていたなと思うが、なんとか、それなりの形になってきた。
     カイワレはもやしよりもっと劇的に育つ。
     ティッシュペーバーを土台にまいた種は、ピークには2〜3時間目をはなした間にも 明らかに違いが分かるほどの速度で伸び、仕上げに日光に当てて緑にするのも、 ほんの数時間光に当てただけで、す〜っと緑色になる。
     こりゃ面白いかも。
     失敗しても、毎週新たに取りかかれるし、カイワレ以外に同じように伸びる 種を買ったので、これを順に育てれば目先も変わって楽しいぞ。
2002.9.28
  • 『クリムゾン・タイド』鑑賞(TV) ☆
     冷戦下のソビエトでクーデターが起こり、反乱軍の手に核の鍵が握られる。
     弾道ミサイルへの燃料注入の情報を得て米海軍の原子力潜水艦に攻撃の命が下るが、 直後に敵の潜水艦と交戦、第2の指令の受信中に通信機が壊れる。
     はたして指令は「発射」か「中止」か?
     即時攻撃を主張する艦長と、攻撃は「失われた指令」を確認してからと主張する副長の 間で指揮権争いの反乱が起こり、武装した乗組員が対立する。はたして主導権を 握るのはどちらか…
     米国を代表する国威発揚フィルム・メーカー、ジェリー・ブラッカイマーの作。
     クーデターによる核戦争の危機かと思いきや、中身は「若くて聡明な黒人の副長」と 「ヒステリックな白人の老害艦長」との対立話だ。設定からして「大衆狙い」という 感じ。
     この老害艦長、平時から乗組員の士気が下がるような無茶な指令出しまくりで、 威張るだけのダメダメ艦長。無理な訓練で死人まで出す。副官と対立して 「艦長は俺だ」とわめき散らすに至ってはレトロ悪役の極み。
     にもかかわらず、副長から「核攻撃決定に関する軍機違反」で拘束された艦長に 味方して反乱を起こし指揮権を乗っ取るグループが形成されるのは、乗組員も馬鹿?
     だいたい、核戦争の危機に艦内で仲間割れしている場合か…というと この映画の根本に関わるけれど。

     誰もが想像する通り、艦内では「聡明な副長」が勝ち「確認された命令は攻撃中止」で 世界の滅亡は免れるわけだが、この話にはとって付けたような続きがあって、 「実は艦長は公正な人間で、反乱事件に関する軍の裁判で正しく証言し、副長を新艦長に 推薦し、自分は身を引く」というオチだ。
     つまり「米軍の軍人さんには悪い人はいないんですよ」という、言い訳付き。
     徹頭徹尾大衆をのせるためだけに作られたストーリーで、まあ、 差し詰め我が国であれば、角川映画のようなものか。

     映像的には、艦内にはあざといRGB三原色の照明が目立ち、顔面を左右から 赤と青で映し分けるのはもちろん「星条旗」の気分。
     ブラウン管に映る文字が、オペレーターの顔に投影されて見えるのも、さすがに 古くさい嘘だな。

     潜水艦映画として、ソナーを使った敵潜水艦との駆け引き、魚雷回避、 被弾と浸水、浸水回避と部下を見殺しにするジレンマ、沈没と圧壊の恐怖、 などなど定番のシーンは全部そろっていて、分かっちゃいるけどそれなりに ハラハラしてしまうのが悔しい(笑)
     国産アニメだって、『ヤマト』にも『ナディア』にも船モノには必ず 有る流れなのにスリリングに感じるのは、時限爆弾の数字が減っていくのとか、 「赤と白、どちらのワイヤーを切るか」とか、そういうのと同じ種類の プリミティブな刺激なんだろか?(笑)
     結局「米国大衆をターゲットとした商売っ気たっぷりのべたべたな展開」を 覚めた目で観察しつつ、潜水艦モノの定番シーンを「なるほど、なるほど」と 確認して、天下泰平を思う。そういう映画。
     …つまり、この映画は東西冷戦を背景に置きながら主題は 「白人の気分を害さずに黒人をヨイショすること」に有って、世界戦争や 核の恐怖なんて、白黒の対立の道具に過ぎない。
     今J.ブラッカイマーが潜水艦モノを作ったら「米の力の正義」を高らかに 謳い士気を鼓舞するような作品が絶対出来るだろう。「自国の不利益になる 国はバンバン爆撃して良い」なんて無法な大統領の支配する帝国で、国威発揚 映画を作るハリウッドという暗い影は、この『クリムゾン・タイド』にはまだ 無い。

  • ところで、『クリムゾン・タイド』の後説明によると、1996年以降は 核のキーは大統領が握っているが、それまでは原子力潜水艦の艦長に発射権限が あったというのが驚きだ。
     この映画のように「トラブルで中止指令が届かない」というストーリーは、 これが初めてではなく、キューブリックの『博士の異常な愛情』でも「核爆撃機」 のケースとして同じ話がある。こちらはなんと1963年の映画で、 「間違って発射したら?」という疑問は映画の世界でも昔からあったことが 分かる。
     つまり、1996年までは「まちがって先制攻撃かましても、それはしょうがない」 と思っていたのだな、米国は…。
2002.9.27
  • 『激突!』鑑賞(TV) ☆
    1972/米,監督:S.スピルバーグ
     よく「帰宅途中に追い越したトラックに執拗に追い回される話」と紹介され るが、ほんと〜にそれだけの話だった(^^;
     で面白くないかというと、そんなこともないけれど「倍速再生」で見てもぜんぜん 問題ない。アイディアは面白いけど、たぶん30分も有れば十分作品になる話で、それに しては長いということだけが私が退屈したポイントか。オムニバス作品の一エピソード 程度の扱いならもっと楽しいかも。
     その他、
    ・アメリカの道路は単調だなぁ
    ・他の車が全然いないなぁ
    ・スピード・メーターの表示がマイルなので速度がピンとこない
    ・意外なほど画面にスピード感が無い
    などなどが気になったところ。
2002.9.26
  • HV版『羅生門』録画しつつちょっと鑑賞
     DVDを買おうかどうかと思っている作品の一つ。ハイビジョンで美しければ わざわざ買うまでも…と思うのだが、放送されたものは結構絵のノイズが多いし、 音もバリバリ言っている。
     DVDの画質評価が知りたいな。
  • 『バック・トゥ・ザ・フューチャー BOX』DVD購入
     某量販店でも行列。三部作揃ってVHS一巻分程度の厚みに収まったブルーの パッケージはなかなか美しくて良い。
  • 『シャレード』DVD購入
     メーカーの「三本買って1本もらおうキャンペーン」の対象商品で、 周囲を見渡すと結構まとめ買いしている人が多い。だがこういう「キャンペーン 対象商品」って、なかなか3本も欲しい作品が揃っておらず結局いらない物まで 買わされる雰囲気なのが多い気がする。
     某1500円シリーズも、初出荷の定価時代に買ったものが含まれているのは 悔しいが、今持っていないのは「レンタルで十分だから1500円でも今更買おうと 思わない」レベルのものばかりだ。
     結局メーカーの利益は常に最大になるのだな(^^;
  • 物置部屋の収納up作戦
     本棚、CDラック、ビデオラックetc.のソフト類を入れた3畳ほどの納戸があるが、 開いている壁面を天井まで使ってソフトの収納upを計画する。
     それというのも、リビングに置いた500本以上入る目論見のDVD専用棚があっ…、 というまに限界に近づいているからだ。
     DVD時代になって「ソフトがコンパクト化する」という見込みは見事に外され、 中身のコンパクトさに比べて、やたら容積を食うパッケージが主流のため、 ボックス物など買うと10cm単位で幅を食う。LDより軽くて奥行きが無いのは結構 だが、棚の幅が消えていくスピードは二倍以上だ。
     たまにコンパクトなデジパック のシリーズ物を見かけると、それだけで手が出るくらい、スカスカBOXには 腹が立つ。『ナディアBOX』のように、単品はDVD一枚づつ売っているのをBOXでは 二枚組みにしているのは良いアイディアだ。
     逆にOVAなどに有るように一巻に30分しか入っていない作品では、とても買う気 が起こらない。完結したあとに4話ずつまとめたBOXなどで出るなら買いたいと思う 作品はいくつかあるのだが…。
     DVDだけでなく、文庫本だって毎週のように何かしら増えている。
     映画をたくさん見るようになってから、関連知識を収集するための読書も 一層増えた。直接映画に関連する資料も有れば、歴史や宗教に絡んだ膨大な バックグラウンドを持つ作品は集まる資料も膨大だ。
     特に場所を食っている作品は、シェイクスピア関連なら何でも集めているし、 『指輪物語』なら、原作以外にも昔から興味があって収集している西洋の思想、 伝承に関する本が山のようだし、『タイタニック』は妻が集めたグッズや 書籍、キャメロン以外の映画やドキュメンタリーのビデオも豊富。
    『スターウォーズ』に至っては、あまりグッズを集めてもどうせ上には上が いるのだから程ほどにしておけという自己規制が無ければ、どうなったものだか 想像するだに恐ろしい(笑)
     まあ、そういう増大するソフトの脅威に対抗するため、 最低1,000枚は収納可能なスペースを作り出すのだ。
     ざっくり計算すると、収納数DVD数は1002枚。1年に100枚のDVDを買ったと しても10年耐えられるとしたら、結構安心である。
     しかし、B旧映画や古い映画は、レンタルやTVで済ませて購入DVDを厳選するのも 大切だが、BSデジタルをD-VHSで録画するのがまた、凄い場所取りなのが 恐ろしい今日この頃では有る。早く、コンパクトで高画質な光ディスクが 実用化されることを願う。
2002.9.24
  • 『WXIII・パトレイバー THE MOVIE 3』DVD鑑賞 ★★
     ゆうきまさみ原作の「廃棄物13号」のエピソードを、とり・みきの脚本で映画化。
     パトレイバーの原作を「とり・みき」が…というだけで結構驚いてしまった。
     先日読んだ「SF大将」で見るようにSF方面にはマニア度が高い人だけに、 宇宙生命と遺伝子工学が生んだ化け物、というこのエピソードの脚本には期待 させる物があった。
     しかしフタを開けてみればこの作品は、渋い中年刑事の良い仕事や、若い刑事と 犯人(関係者)の女とのほろ苦いロマンス、親子の情など、ウェットな情念出しまくりの ダークトーンな刑事ドラマになっていた。
     主役は一課の刑事で、特車二課は最後の怪物退治の実行部隊としてちょろっと出る だけ。ほとんどパトレイバーの出ないパトレイバー。そして、渋い一課のトーンに 合わせるように、二課のキャラクターも従来の映画に比べてお気楽な無駄口もたた かず黙々と任務に取り組んでいる。
     すなわち、これはパトレイバー映画ではない。 近未来SFの背景として、レイバーが存在する東京を舞台にしているだけで。
     この作品が「パトレイバーでは無い」という事実には驚いたが、しかし、 近未来SF刑事ドラマとしては、今時の邦画界の企画としてはまず通らないだろう 「地味」で「渋い」話を丹念に取っているのは特筆物だと思う。
     激しい盛り上がりは何処にも無いのに、人物の魅力で観客を引っ張る力がある 良く出来た脚本で、ハリウッドならSFXに金をかけて実写で行く企画だろうけれど、 それをアニメで丹念に作る日本のスタッフというのは凄いな、と思ったりもする。 そんな話だ。
     とり・みきがこういうまったりとした刑事物を書くとは、なかなか驚きだった。
     欲を言うと、癌で死んだ娘の細胞を宇宙生物と合体させるというのは、ちょっと レトロな設定(マッド・サイエンティストのイロハ)だと思うし、ラスト怪物が 女であることを強調するような乳房が見えるビジュアルは エイリアン4臭く、これも古く、雰囲気がSFというよりはホラー/オカルトに 近く見える。
     登場人物の心の動きはウエットであっても、近未来の世界観はあくまでドライに リアルな方が説得力があるはずで、怪物に乳房はちょっと本質をそらした 気がする。
  • DVDとしては「超高画質」で、ハイビジョン的な明瞭感。最近のアニメの流行 なのか、ハイライトに光のにじみがあって、ボケボケした感じのシーンも多いけれど、 とにかく解像感が安定して高い。
     エッジの強調もほとんど無くて、フィルム的な自然さがある。
     CGを多用した背景は、二次元部分との乖離を感ずるカットもまだいくつか あったけれど、 ほとんどのシーンで自然な質感を引き出しており、フルCGアニメとはまた違った セル・アニメの特殊技法として熟してきた感じがする。
2002.9.23
  • 法要と会食。親の代は兄弟が多いので人数も多く、60歳を越えた人が多いのに、 相変わらずテンションが高い。へとへとである。
  • 実家の庭のキウイ・フルーツが収穫間近。
     2m*4mほどの面積の棚に、どう考えても千個以上の実がなっており、農家のように ちゃんと手入れしているわけではないので、一個一個は大きくならないかもしれないが、 絶望的に数が多い(笑)
     毎日主食に食べても絶対に食べきらないな〜
  • 同じく、実家の庭に生えている山椒の木に山ほど実が生っていたので、 試しにかじって見たら、衝撃的な辛さである(^^;;
     「麻婆豆腐」の「麻」は、山椒の粉の痺れるような辛さのことだそうだが、 普通の粉山椒の辛さでは「痺れるように辛い」というのは感じた事が無かった。
     しかし、木から直接摘んでかじったそれは、唐辛子丸かじりに負けない辛さで、なおかつ 「薄荷のような清涼感が痺れた舌に残る」という感じ。
     初めて「麻」の意味を実感した。少しもらって帰ってきたが、乾燥が進むと マイルドになるのだろうか…
  • 夜帰宅。三連休の最終日に東京に戻るのは、いつでも渋滞だ。 今日は+45分で済んだからラッキーな方。
     帰宅後は可能な限りの留守録を消化して寝る(これで疲労倍増…(^^;;)。
2002.9.22
  • 夜のヒッパレ、最終回spをDVD-Rで保存。
     ヒット曲を他の歌手が歌うという、変わった企画の番組だったが、 今はあまり活動していない名歌手などを定期的に見ることの出来たこの番組は 貴重な存在だったと思う。
  • 午後、彼岸の法要と墓石の開眼式のために帰省。
2002.9.21
  • こんにゃく座オペラ「十二夜」鑑賞(俳優座/六本木)
    原作:シェイクスピア、脚本:林光、萩京子
     小さな日本語オペラが得意のこんにゃく座が、シェイクスピアの戯曲をオペラに 仕立てた作品。
     地中海で難破した美貌で瓜二つの兄妹が別れ別れに流れ着き、互いに死んだと思う。
     妹の「ヴァイオラ」は漂流した地で見かけた「オーシーノ公爵」に遣えたいと思い 男装して家僕となる。
     公爵のお気に入りとなったヴァイオラは、公爵の思い人の姫「オリヴィア」の 元に恋の橋渡し役を 仰せつかるが、長年喪に服して頑なな姫は何故かヴァイオラの美貌を見て恋に落ちる。 しかし、当のヴァイオラは公爵に恋をしているのに男装しているために、伝える事が 出来ないという倒錯、錯綜した状態になる。
     姫の屋敷には、嫌味な執事、悪戯好きの下女、飲んだくれの叔父、姫に求婚するために 長期滞在している抜け作貴族、道化などがおり、執事虐めと抜け作貴族へのからかい が進行中。
     叔父は姫の心を奪ったヴァイオラと貴族が、互いに剣の技はへなちょこなのを 良いことに形ばかりの決闘をさせて見物しようと悪戯を仕掛けるが、そこに 生き別れた兄が公爵領にやって来て、あまりにヴァイオラとそっくりなので 間違えて決闘する羽目になる。当然強い。
     さらに、オリビアまでもが兄をヴァイオラと間違えて寝室に招き、兄は 何が何だか分からないまま彼女と恋に落ちてしまう。
     それを知った公爵は、ヴァイオラに裏切られたと怒り悲しむが、そこで 兄妹が二人揃い、兄はオリヴィアと、ヴァイオラは公爵とめでたく結ばれる。
     一方、嫌味な執事は使用人の謀略で「オリヴィアと結婚できる」と勘違い させられて、周囲からキチガイ扱いされ方法の体で屋敷を去る。
     この作品は、映画になったものを見て惚れ込んだストーリーだが、恋が 錯綜するどたばたは面白いが、何度見ても「オリビアが兄と結婚する」のは、 完全な人違いのママだし、「執事の追放」はいくら嫌味な奴だといってもやり過ぎ。
     つまり、最終的には理屈もへったくれもないのだが、肝心の恋のどたばたは さすがシェークスピア喜劇というべき笑えるストーリーなのは確か。
     こんにゃく座の芝居では、オペラ仕立てになっているために、言葉がゆっくり。
     だから時間を節約するためか前半はあちこち基本設定の紹介に当たる部分を 省略しているようで、初めてこのストーリーに接する人にはしばらく「意味不明」 の展開が続くような気がするし、シェイクスピア独特の台詞のスピード感が損なわれる。
     また歌うといっても、格別印象的なアリア、ミュージカルナンバーが有るわけでも なく、なんだか退屈だった。
     しかし、後半の恋の駆け引きが盛り上がってくるところはさすがに面白く、 シェイクスピアの面目躍如。
     だれが見ても「瓜二つとは言いがたい兄と妹」を全員が「鏡に映したよう」と 断言して、人違いが分かっても結婚してしまう…という「芝居ならでは」のナンセンス も、その不条理感さえも楽しむのが良い(笑)
     ちなみに、ヴァイオラ役の女優はなかなか花のある美形で、ほとんどの時間を 男装ですごさせるのが勿体無いくらい。兄役も似てはいないがまあ美形。ただ、 オーシーノ公爵についてはかなり「オヤジ」で、ヴァイオラが恋焦がれるか? と疑問をもつと、ちと苦しい(^^;;
     そういうわけで、終わってみればなかなか楽しい舞台だったが、「オペラである 必要があるか」というと、オペラ故の欠点も散見される企画であった。
     シェイクスピアの怒濤のしゃべくり戯曲を今音楽でやるなら 「ラップでwordを詰め込め!」とも思うがどうか?
2002.9.20
  • 『踊る大予告編』のDVD-R作成。
     久しぶりに見たけれど本当に良くできていて(ていうか、単純に笑える)、The Movie のオマケに入らなかったのが不思議なくらいだ。
  • 温暖化を考えてみる?
     南極の棚氷もバリバリ崩壊している昨今、アメリカ人を全員なんとかしない限り 地球温暖化は来る。関東平野に住んでいる私等にとっても、温暖化は他人事でない。
  • とりみきの「SF大将」(ハヤカワ文庫JA)という本を読む。
     古典SFのパロディーマンガだが、江戸長屋が舞台になっている「リングワールド」で 爆笑してしまった。
2002.9.19
  • 電動な義手
  • 『ウォーターワールド』鑑賞(TV) ☆
    1995/米,監督:ケビン・レイノルズ,出演:ケビン・コスナー
     地球温暖化で水没した地球。わずかに残った人類は海賊と人工の浮遊都市で暮らして いた。彼らの間にはこの地球のどこかにある陸地「ドライランド」の伝説があり、 その地図を入れ墨された少女を巡って海賊との争奪戦が始まる。
    ●どこにお金をかけたのか判らない
     当時最高の製作費1億7500万ドルをかけたというが、今見るとどこにそんな 金をかけたのか全然分からない。
     この映画は、火薬使いすぎで話題のUSJでド派手なアトラクションになっているが、 オープン当時の紹介番組で見た限り、映画よりアトラクションのほうが数段面白い と思う(^^;
     どこにお金をかけたのか…という視点で見ると、やはりセットだろうと 思うが、肝心の浮島は鉄板の切れ端を雑多に寄せ集めたような外観をしている。 しかし、これが「プラスチックに型押して作った」ようにしか見えず、実際 そうなのだろうが、結構お粗末だ。ガラクタにしても、もうちょっと「実物感」 が出せない物かと問い詰めたい。
     もう一つの「海賊船」は作ったのか、本物の廃タンカーを使っているのか 分からないけれど、これもこれといって面白みのあるものではない。
     水中の廃墟なんかも、お金をかけているように見えない。
     1995年作品なら、相当CGで何でも出来たはずで、思いっきり 安価に作ったB級な画面としか見えないこの映画から、大金の行方を窺い知る 事は出来ない。
    ●SF考証がメタメタ
     この世界の設定ではどこにも陸地が無いので、生き残った人類は小グループに分かれて ブリキ板を寄せ集めたような浮島に乗って生活しているのだが、これが結構小さくて、 とても何十人も の人間の生活を維持していくキャパシティーがあるとは思えない。
     基本食料はたぶん魚しかなくて、土を貴重な交易品として扱い、トマトの鉢植え なんか作ってる。
     衣類はボロボロの革を繋いだようなものや、布地も少し使われているようだが、 どうやってこれを手に入れているのか全く分からない。
     当然全ての文明は崩壊していて工業生産もストップしているのだが、海賊だけは タンカーの残骸を乗っ取って生活しているためか、ガソリンを保有して、水上バイク なんか乗り回しているのがちょっいとずるい。
     とにかく、「ウォーターワールド」というSF的な 舞台を持つ話なのに、この世界はただスラム化しているだけで、 「もし陸地が無かったら人はどうやって生き延びるか」という 考証が貧しいのに呆れる。
     考証といえば、極地の氷が解けて起きる海水面の上昇は、数メートルから 数十メートル。多くの都市は水没するかもしれないけれど、「陸が無い」 という設定は有り得ない。
     「地球でもない」というのなら、これはこれで良いのだけれど。

    ●ストーリーがいい加減
     設定は前述の通り破綻しているが、ストーリーもダメダメ。
     主人公の半魚人男は「俺は誰よりもたくさん旅したが、陸地なんか無い」 と言い放つ。
     本当にそうならば、陸は夢だというスジでも良いようなものだが、 少女の背中の地図の刺青を解読したら、それは割合近くにあり、 「あんたはどこを探していたのだ」とおもう。
     その地図の解読は「今まで逆さまに見ていた」というオチ。ふざけてる。
     陸地。ジュラシックパークっぽいその島には少女の親と思しき白骨死体が あるが、伝説の地図を持つ少女の身内が数年前に死んでそこにいるというのは なんとなく妙な感じだ。そもそも背中に地図の刺青があるというのが理不尽だが 「迷子札」みたいなものか。だったら、なぜそれが伝説になっているのだ、うぅ…。
     少女を取り返すために海賊船に乗り込むまでは良いが、タンカーの油に火をつけて 木っ端微塵はどうだろうか? 数百人の海賊が海の藻屑。ヒーローには有るまじき 行為では?
     半魚人の主人公はラスト、海に帰る。これは論理的だな。
     島は緑豊かな無人島に見えるが、これがハイハーバーのように独裁者に 支配される奴隷の島みたいな設定だったらひねりがあって面白かった。
     少女の身内は白骨化して死んでいたのだから、強烈な風土病が存在して 上陸したものはバタバタ死んでしまうという可能性もある。
     実は他の地域では文明が復活していて、彼らだけが浦島太郎、という 筋書きも良い。
     とにかく、もうひとつ二つひねらないことにはどうにも単純馬鹿な話で 物足りないのは確かだ。
    ●全体的にコ汚い
     見ていて楽しくない原因は、ここにもある。
     全編、鉄サビと垢まみれ。ぼろきれの服、垢まみれの手足、ばさばさの頭。 形あるものの全てが汚くガラクタの寄せ集めで、海と空以外は全編ドドメ色。
     これって、結構辛い原因になっていると思うね。
     実際には物が無いほど、人間は美しく着飾ることを追求したりすると思う。
     少数民族の晴れ着などは、極彩色だ。
     ウォーターワールドの世界は、水没してから何百年も経っているのだから、 いつまでも難民生活ではなくて、独自の文化が形成されていてもいいはずなのに、 ほんとにただ汚いだけってのも無いものだと思う。
     きっと、監督の中に「文化」が無いのだと思う。

     ちなみにに1996年のラジー賞、主演/助演男優、監督、の三部門制覇だそうだ(笑)
  • USJのアトラクション解説
  • CinemaScape
2002.9.18
  • 永久機関の特許を紹介しているページ
  • HV版『エレファントマン』鑑賞(BS-i) ★
    (1980/米/124分) 監督・脚本:デヴィッド・リンチ
    出演:ジョン・ハート、アンソニー・ホプキンス
    アヴォリッツ映画祭:グランプリ、批評家特別賞
     ヴィクトリア時代(19世紀末)の英国、異様に肥大した頭部を持ち見世物にされていた ジョセフ・メリック氏と、彼を診察したロンドン病院の外科医トリーヴス、興行師の バイツらの物語。
     この映画では、実在のメリック氏の奇形、頭部の異様な肥大、顔面の変形、右腕の 巨大化などの身体的特徴を忠実に再現していると聞く。
     残された彼の写真を見ると、映画がこれを忠実に再現していることに驚く。
     また、保存されている頭蓋骨の写真を見ると、その変形の凄まじさにぎょっとする。
     映画の中でメリックは医師トリーヴスに「治せますか?」と聞くが、これは現代の医学で あっても治療は困難なのだろう。
     物語は、その奇形の凄まじさを除けば、見るものの感情を揺さぶろうとする作為を 一切排除したかのように、メリックを取り巻く人と環境を淡々と描く。
     メリックは母の死後十代で興行師に引き取られ、小人、巨人などの他のフリークス とともに英国中を旅したが、硬く心を閉じて言葉を発しなかったため、知能が無いと 思われていた。
     彼は外科医トリーヴスに助けられ、余生をロンドン病院に一室を与えられて暮らす ことになるが、生活環境の劇的な向上が彼の人生にとって幸せであったことは間違い ないものの、医師が学会発表に彼を引き出すこと、社交界に紹介されることなどの さまざまなシーンで、見世物時代と本質的には変わらない好奇心が存在することに 対する、良心のうずきのような物が画面からにじみ出ている。
     病院の下働きの男が、知り合いから金を取って彼を見せたり、生活の糧を 取り戻そうとする興行師に連れ去られたりと、メリックを取り巻く環境から悪意が 無くなる事は無い。逆に「善意の押し売り」みたいなものを感じる事も有る。
     ラスト付近には、心の中の宗教的救済や、本当の友愛を感じさせる描写もあるが、 この映画はハッピーエンドが目的なのではなくて、容貌魁偉な隣人について何を思うか、 見るものそれぞれが思索を巡らす為のもののように感じる。
  • 史実のエレファントマンの診断
  • ところで、実際に目の前にエレファントマンが居たらどうなのか…、というと やはりちょっと怖いだろう。それは多分、種の保存にかかわる本能から沸いてくる 恐れであって、平気になるなんて事は無いんじゃないかと思う。
     エレファントマンは、突然聖書の暗唱なんかして、知能のあることを証明できた から人道的救済を受けられたけれど、そうでなければあの時代、医学的な発表の 後には見世物小屋に 返却されて、それも「一種の自活」であるからそんなものとして一生を終わった 可能性が高い。
     一方同じフリークスでも英国における小人などは、役者だったり、女王の小姓に は重用されたりで、社会に入り込んで安定しているケースもある。
     もっと範囲を広げたら、肌の色や服装が違うだけでも差別はある。
     こういうのを乗り越えるために必要なパワーというのは、決して小さくなくて 今も昔も大差ない。というのは、ラスト付近の子供のいじめシーンなんかを見ると 特に思う。
  • 題材は深さがあるとして、「映画としてどうか」というのは、ひねらずに 淡々と描いたのが良さという物だろう。だから、素材勝負だなとしか言えない。
     ホプキンス演ずる医師の、自分の善意の中に偽善は無いのかと問うているような 微妙な表情は、役者だなと思わせるものが有った。
     敢えて白黒映画であるというのは、成功だろう。
     エレファントマンの姿をなかなか見せないのも、白黒なのも、彼の姿を克明に 描きつつ、観客に与える恐怖を和らげるためにしていることだろう。それは 正しいことだと思う。
     おぞましいことでは有るが、感情移入できるという微妙な線をキープしている のは、さりげなく見えて練りこまれていると感じる。
2002.9.17
  • TU-BHD300
    パナソニックのBSDチューナーが消費電力14W(44%削減)で新発売だそうだ。げげ〜(^^;
  • HV版『シャンドライの恋』鑑賞 ×
     シャンドライはアフリカの女で、英語圏でメイドをやってる。
     冒頭から、ものすごくセリフが少ない。
     30分位すると一日中ピアノを弾いている男が突然結婚してくれと叫ぶ。
     「君のためなら何でもするよ!」(やたら無口なくせに、唐突な男だ。)
     彼女は拒否。アフリカで夫が牢屋に入っていることが分かる。
     男は夫の釈放のために尽力してくれる。ようだ。
     そのうちシャンドライは男が好きになってしまう。

     …いや、そんなことで良いのだろうか…?
     「何でもしてくれるなら、夫を牢から出して」
     というのは普通「婉曲なお断り」だろう。「牢から出したら結婚してもいい」 ということにはならないと思うのだが…、まあ、フランス人の考えることだからな…。
     一部で評価が高かったようだが、何がどう良かったのか、問い詰めたい映画だ。

  • 妻がオタク仲間からもらったタイタニック関連番組を取り溜めたビデオが2本。
     我が家で取った特番ビデオも数本。
     これを、「映画タイタニックのメイキング関係」「タイタニック現象etc.」 「タイタニックの歴史」「タイタニック引き上げ」に 整理分類してDVD-Rに焼こうかと思い立ちHDDに落とす。
     先日、タイタニックを発見した科学者のDVDを見たが、その後の、詳細な研究の 進展から引き上げ、引き上げた物品を使った研究、史実の再発見と、実に広範な話題の 番組がそろっている。
     まあ、これを見るのは面白いのだが問題は「強烈に悪い画質」だ。
     MPEGがここまでノイジーな画面に弱い、ということの実験をしているような気が してくる。
2002.9.16
  • DVD-R媒体不良率について
     最初に買ったマクセルの5枚入りDVD-Rが3勝2敗で書き込み失敗を起こして、 「こんなことでは…」と思ったが、TDKを買うようになって10連勝だ。
     やはり、本体のせいではなく媒体不良だったのだろうか。
2002.9.15
  • スクリーンへの羽虫混入率
     二度目の羽虫巻き込み事故発生。濡らした綿棒でなんとか取っているけれど、 いつか大物を巻き込んだらと思うと恐ろしい。
     電動で静々巻き上げるのも原因なのかなぁ…

  • HV版『さらば、わが愛/覇王別姫』鑑賞(BSd) ★★
    1993/香港/2:52/1993年度カンヌ映画祭パルムドール賞受賞。

     原題は『覇王別姫』。それは京劇の人気演目のタイトルで、諺で有名な「四面楚歌」の 戦いで敗れた王と、最後まで彼に付き従い、敵の手に落ちる前に潔く自らの命を 絶った愛姫の物語である。
     1925年、第二次世界大戦の足音が中国に迫る時代に幼くして京劇団に拾われた 主人公、蝶衣(レスリー・チャン)。彼の人生を通して、日本軍の占領、人民解放軍の 横暴、共産党支配、 文化大革命と、度重なる京劇への圧力に耐えて生きた京劇役者たちの愛と人生を 描く。

     先日見たディカプリオの『太陽と月に背いて』は、二人の詩人のホモホモ話 だったが、こちらは、京劇役者の女形と立役の報われない恋の物語を、厳しい 時代背景とともに描いたもの。同じ男同士の愛を扱った作品でも、ディカプリオ の美貌だけが売りの前者と、人間性に深く切り込んだこの作品では雲泥の差である。
     主人公は遊郭で産み落とされた私生児で、女として育てられた為か、京劇団に 拾われたときから心は女のようである。
     貧しい子供が成功を手にするためには、厳しい修行を積んで役者になるしかない という壮絶な環境の中で、先輩の小樓(チャン・フォンイー)を兄と思って頼り、 やがて大役人の御前公演で『覇王別姫』を演じたことによって、二人は、覇王と姫 役者として成功し、スターになる。
     覇王を演じる小樓は至ってノーマルな男であるが、姫を演ずる蝶衣は、芝居の中の 姫と現実の境界が曖昧で、それが圧倒的な名演を生む原動力ではあるが、彼の悲劇の 原因ともなる。
     やがて小樓は遊女、菊仙(コン・リー)と結婚し、蝶衣は舞台の上と現実の 断絶に苦しむことになる。
     度々挿入される舞台「覇王別姫」の姫の命懸けの愛と、蝶衣の小樓に対する 愛、そして京劇にかける激しい情熱の三つが一体となって画面には濃密な 感情が渦巻き、そのどれもが普通の人間が経験するには遠い感情であるがゆえに 激しい重圧感を感じる、そんな時が続く。
     だが、この困難な三角関係は、京劇を取り巻く時代の変化に押し流され、 主人公たちはさらに困難を生きることになる。
     第二次世界大戦中に中国に上陸した日本軍。そういう非常時の中でも京劇は 演じ続けられるという、中国人のしたたかさに感動するが、終戦と共に 愚連隊と化した中国軍兵士に舞台を妨害されたり、「日本人の前で踊った」と いう理由で裁判にかけられる蝶衣のシーンにはただ驚くしかないが、 共産党革命、文化大革命と、時代が進むにつれ京劇そのものが弾圧され、 伝統文化の全てが破壊されていく様を痛々しく描いたのは衝撃的だ。
     そして、新しい価値体系の中で悪と決め付けられた役者たちは、中世の 魔女裁判のように、広場に引き立てられ、自己批判という言葉の凶器で 自らの過去を捨て、愛する人に対する裏切りを行なう。
     小樓は愛する妻と蝶衣を裏切り、蝶衣もそんな小樓を厳しく弾劾し 愛は終わる。
     この映画の冒頭の現代のシーンで「四人組の時代は本当に酷かった」と 回想する一言もあるけれど、本当にここで描かれる古い価値の破壊と 非人間性は凄まじく、よくこういう映画を作る事が出来たと思う。
     香港で映画を作っている人間にとって、中国にそういう時代があった という事実は忘れてはならないのだという硬い意思を感じる。

     最後に物語りはまた京劇を演ずる事が許された現代に戻り、小樓と蝶衣 は、覇王と姫として無人のホールに舞い戻る。しかし、蝶衣はついに物語の 姫と自分の人生を一つに重ねて幕を閉じる。
     …とにかく、2時間52分という長い作品だが、この大河ドラマを 描くためにはこの時間は必要だと思う。 中国の文化や歴史を知らないための難しさはずいぶん感じたけれど、 全てのエピソードが濃密で、 人々の弱さと、その中で一番激しく生きた蝶衣の輝きが細やかに描かれて 見終わった瞬間の充足感は本物だった。
  • ところで、この作品はD-VHSにHSモードで録画した物を鑑賞したが、 何度かブロック上に画面がずりずりと崩れるところがあった。
     一々巻き戻して確認していないので真の原因は分からないのだが、 テープの読み取りの不安定だとすると困ったことだ。
     最近は古いVHSテープの整理で、大量のテープを通しているので、 ヘッドの汚れも有るのかも知れないけれど、やっぱり「テープ録画」 というのは不安定なものなのかもしれない。(すかさずクリーニングテープは 使ったけれど…)
     CMスキップなども、D-VHSはアナログなVHSよりかなり不自由だし、 ディスク録画出来る時代が待ち遠しい。

  • ナショナル・ジオグラフィックDVD『豪華客船タイタニックの悲劇』DVD購入・鑑賞 ★☆
     最初にタイタニックを発見した博士の探検の記録映像。
     キャメロンもこの映像のお世話になっていると思う。
     映像は全て興味深い物だが、とにかく「発見第一報」という感じの映像ばかりなので、 キャメロンの『タイタニック』や、引き上げ品展を見た後では、もっと詳細な 映像が見たいと思うのは仕方ないところだろう。
2002.9.14
  • 連休を利用して「保存版Hi8エアチェックテープ」のDVD-R移行作業を進める。
     NHKで放送された矢野顕子のコンサートやドキュメントをDVD化して、レーベル印刷も 画面写真をPhotoShopでアレンジして、なかなか良い感じ。
     市販の矢野顕子DVDは4本あって何れもVHSからダビングしたかと思うようなイマイチ な画質が多くレーベル面も素っ気無いので、相対的に手製DVDが凄く良く見える(笑)

  • 『マイリトルシェフ』最終回・鑑賞
     良いドラマだった。
     不自然なまでにゆがんだ恋愛ドラマや生々しい愛憎劇が多い中で、 そういうものは一切抜きにして、善良なシェフが人の幸せを願いつつ料理を作る なんて、軟らかな話なのは素敵だったと思う。
     店は経営難で潰れてしまうけれど、それで登場人物があまり不幸になることなく、 新しい希望を感じさせる結末が用意されていたのも良い。当然のことながら、 悲劇というのは印象が強いものだが、そうではなくハッピーエンドで爽やかに 終わって、しかもぐっと来るストーリーって、変に劇的なのより、難しいこと だと思うのだ。
     この数シーズンで見たドラマの中では、一番良い。
     視聴率は8%前後で振るわなかったらしいけれど、スターを投入して、 数字だけ良くても中身の薄いドラマより全然良い。
2002.9.13
  • 『やっぱり猫が好き DVD-BOX2』購入
     BOX2からは、三谷幸喜脚本が過半数になる。
     このBOX、どこにも"BOX2"とか書いてないので、中身を見ないと1と判別が付かないのかと ふしぎに思っていたが、よ〜く見ると、箱の背に書かれている小さな魚のイラストが 1匹から2匹に増えていた。細かすぎる…(^^;
  • 『くまのプーさん』DVD購入
2002.9.12
  • 【Sony Dream Worldレポート その1】Blu-rayレコーダを参考出品 ―次期フラッグシップDVDプレーヤーらしき製品も展示
  • テレパル休刊
     どういうことだ…、女性向け、大人向けの二誌に分割して再スタートとか。 しかし、従来読者には迷惑な話だ…。
  • 『ノイズ』鑑賞(TV) ×
     宇宙空間が出てくるけれど、わりと根拠レスな単純ホラーだった。
     「夫は本物?」という心理的な葛藤が全編の8割を占めるが、その部分に テンポ感がないし、見所と言える部分がこれと言って無い。
  • 日テレの新ドラマ『リモート』10/12から
     ひきこもりの天才捜査官が、婦人警官をリモートコントロールして 現場を捜査する話だそうだ。で、本人は部屋から出ずに事件を解く。
     これって『ボーンコレクター』の寝たきり探偵の二番煎じだよね。
  • フジの新ドラマ『天才柳沢教授の生活』10/16から
     松本幸四郎が演じるそうだ。
2002.9.11
  • テロの一周年。今日はあまり出歩かないようにしよう…。
  • エコライフガイド
  • sony ゲーム内の仮想空間を全方位見渡せる"ヘッドマウントディスプレイ"発売
     めがね型ディスプレイに、頭の向きをトラッキングするセンサーが内蔵されて、 頭を向けた方角の映像を映す。ただし、対応ゲームはまだ無い(^^;今後に注目だ。
  • H2A成功で民営化に弾み…?
     ひまわりも寿命の限界に近づいているわけで、成功はめでたい。
     で、政府はロケット打ち上げを民営化しようとしているらしい。 なんかSFっぽいぞ。NASAだって国家プロジェクトなのに。
  • 郵政事業も民営化だし、あとは警察民営化だね。ロボコップだ。 すでに「セコム」とか民間警備会社は有るわけで、その場合契約しておくと 路上であろうが、110番の代わりに電話するとJAFみたいに飛んできてくれるのね。
     痴漢に悩む女性がボディーガードに頼むとか、結構高くつきそうだけれど。
     犯罪捜査に関しては「民営化」が進めば会社ごとの検挙率の実績によって 「警察を選ぶ」時代がくるかもしれない。
     事故や盗難の保険会社と警察が業務提携したら、そりゃ〜真剣に捜査して くれるだろう。本質的に「働かずにすむほど良い」という構造は保険会社 に似ている。
     パトカーだって、出動しないほうが平和に決まっているので、平時は タクシーを兼務。適当に流しているから、事件のときもすぐに来るし、 このパトタクシーは、急行料金を払うと赤信号無視で 爆走できるところが売りになるかもしれない(^^)
     交番は当然「コンビニ」で24時間営業になり、コンビニ強盗事件は 過去のものになるね。住民と会話のある開かれた警察だ。
     銀行だって、窓口のお姉さんの半数は婦人警官になるね。 「金を出せ」なんて言ったとたんに犯人蜂の巣。
     交通違反の切符きりは、民営化で成績争いになったら大変だが、実は 今でも成績主義だというから変わらないのかも…(^^;;;
     しかしきっぱりと商売ということになれば、駐車違反くらいは、お金を 積めば点数を引かずに見逃してくれるかもしれない(笑)
     麻薬等禁止薬物の取り締まりだけは、取り締まるより商売したほうが 儲かる理屈なので民営化は上手くいかないかもしれないなぁ…。まあ、 会社同士で不正を監視させれば、それなりに期待できるかもしれないけれど。
  • 自衛隊が民営化したらそうとう凄いが、日本国憲法のもとでは営業が 成り立たないだろうなぁ(^^;
2002.9.10
  • HV版『太陽と月に背いて』鑑賞(BSd) ☆
     主演:レオナルド・ディカプリオ
     若き日の詩人ランボーとヴェルレーヌの禁じられた愛を描く。
     フランス人監督のイギリス映画。一口に言えば「お耽美」ものであるが、 若いディカプリオの酷薄な美青年ぶりは特筆ものか。
     この作品は初めて見たけれど、『ギルバート・グレイプ』から少し大人に なって、この作品から『タイタニック』までが彼の絶頂であったことを 印象付ける。
     それにしても、彼は演技なんか全然していない。存在感だけで他を圧倒する ことのできる美しさ。でも、後年を演じるときの「付け髭」は 激しく不似合いでなくて、将来の行き詰まりを暗示しているような…(^^;;
     ちなみに、彼とヴェルレーヌの詩と肉体の関係は、伝記に忠実なのだとか。 芸術家、狂ってる(^^;
     いくら事実に忠実に描いたとしても、映画が面白くないという事実は どうしようもない。なにより肝心の「詩」がちっとも表に出てこず、見える のは性格破綻者の破滅ばかり。偉大な詩人を扱うには、脚本家にも詩心が 必要だったろうが、この作品からは詩人の私生活に対する野次馬根性しか 見えてこない。
     つまり、「ディカプリオ」の写真集があれば、映画そのものは要らない ってことだ。

    産経
    CinemaSpace
  • 『血の婚礼』鑑賞(TV) ☆
    監督:カルロス・サウラ
2002.9.9
  • ブレードランナーFAQ
  • 東武ワールドスクエア、9/11は入場無料で寄付金を集める
     テロ以来、WTCの模型の前で事件について話をするお客さんが大勢居るとか。
     そういえば何年も前の話だが、ここで撮影した「霧の摩天楼」というタイトルの 写真がワールドスクエアの写真コンテストで入選してトロフィーをもらったことを 思い出した。
     懐かしい思い出である。
  • ついにSONYから新AVアンプSTR-VZ555ES登場
     リアセンター二本使いの7.1chシステムで、全チャンネル150wはかなりの 物量を推測される。重量は21kgもある。見た目は重くないのが損をしている かもしれないな…。
     詳しいことは不明だが、とにかくフル装備で頼もしい。これがあればとうぶん 買い替えしなくてよさそうだ(…という願いが何度覆されたことか…(^^;)
  • 居酒屋 樽一に鯨を食いに 行く。
     先日妻に鯨の話をしたら、食べにいこうという話になって。ネットで検索 したらグルナビの割引クーポンが有って得した(^^)
     歌舞伎町の入り口付近の雑居ビルに入っている広くもない店だが、 ちょいと古びた居酒屋で、通常の料理だけでも品数は多いがそれに加えて 鯨料理が数十種類もある。
     オーソドックスに、赤みの刺身とさえずり(舌)を頼む。普通の魚の刺身と 比較すると鮪のいいとこ並みの値段がするが、珍味として満足の行くもの では有る。
     〆には鯨の鹿の子の寿司を頼んだが、これがなかなか旨かった。
     月曜は鯨20%引き+グルナビの日本酒一杯サービスで、結構得した気分。
2002.9.8
  • 『アマデウス』ディレクターズカットで公開 されてるそうだ。新宿のテアトルタイムズスクエアで公開中。
     20分の追加映像で、モーツァルトの描写がより増えている。 ということは、DVDも新たに発売されるかな。
2002.9.7
  • とうとうHDDレコーダーが容量オーバーしてしまった。週末は未見番組処分市だ(^^;
  • 大昔のVHSテープがちぎれた(^^;;;
     ばらしてみるとリーダー部分だったので、リールへの取り付け部分を分解して 再セット。直って良かった…
  • 働く六本足レイバー
     森林作業用の昆虫型歩行マシン。動画も掲載されている。乗りたい〜!
2002.9.6
  • ビクターD-VHSビデオHM-DH35000 導入記登録
  • 「半神」(野田地図)のビデオをDVD-Rに焼く
     凄くインパクトはあるのだけれどよくわからない芝居で、マンガが原作らしいから 一度そっちも読んでみたいものだ。
2002.9.5
  • Panasonic ハイビジョン・チューナー TU-BHD250 導入記 登録
  • 舞台中継「ウィンザーの陽気な女房たち」
  • 友人と飲みに行ってメニューを見て「鯨の××,\1280」というのを見て、 珍しいから頼もうか、いや、値段の割りにうまいかどうか分からないぞ…。と躊躇。
     それで、捕鯨反対・反対日本の食文化を守れなどと思う割には、 案外「鯨料理を知らない」ということに気が付く。つまり、私ら庶民が知っている鯨の味は せいぜいが「給食の竜田揚げ」だということ。
     もちろん伝統的に沿岸捕鯨を行なってきた地方では、鯨文化があるのだろうけれど、 全国的には、竜田揚げ、鯨ベーコン、さらし鯨、刺身…、そのあたりが一般的に食べられる やりかたで、文化というほどのものは無いようだ。
     実際聞いた話では、現在調査捕鯨で捕獲された鯨の肉は売れ残っているのが現実だという。 つまり、「給食の竜田揚げ」は懐かしく思っても、食卓の文化として定着していない ので、家庭で鯨を食べようという人が居ない。供給不安定では料理屋でも見かけないはずだ。 また、捕鯨禁止の流れの中であまりにも 供給量が減ってしまったために、日常の食材として忘れられてしまったという事も有るだろう。
     …というわけで、文化を知るには「食うべし」ということで、いつか専門店に行くのだ。
     一度は、本物の、伝統の鯨料理を知っておく必要があるでしょう。 それでこそ、捕鯨擁護に気合が入るというもの(^^)
2002.9.4
  • 『反則王』鑑賞(TV) ★☆
    2000年/韓国(製作総指揮/オ・ジョンワン (なんと女性))
     主人公デホは昼はダメ銀行員、夜はダメレスラーの二足のワラジ。
     毎日銀行の上司にいじめられ、ヘッドロックを掛けられて悔しい、というのが プロレスを習いたいきっかけとは情けない。
     門をたたいたジムが、これまた情けない。
     デホでさえ「あなた本当にプロレスラー?」と訝るほど、技も知らなければ 痛いの大嫌いな軟弱レスラーが二人在籍するだけ。
     しかし、館長は(実は)もと人気覆面レスラー「タイガー」。ついでにコーチ をつとめる娘ミニョンは可愛い。お約束(^^)
     最初は全く相手にされないデホだが、ジムの経営のため、他のジムの 若手レスラーにぶつけるための「派手な反則技でショーを盛り上げるための レスラー」として採用される。
     そう、プロレスの世界は勝負というよりはショー。
     ろくな選手が居ないジムにとっては、へぼい仕事でも食べる為には えり好みできない。
     プロモーターが指定した筋書きを、演劇のように練習するジムの 面々がなんだか寂しいが、デホは館長の娘、ミニョンの猛特訓に絶える うちにレスラーの魂に火を灯す。
     普通のスポ根ものと違って「プロレスには筋書きがある」という設定が とても生きている。
     そんなプロレスだからこそヨワヨワの「反則王」が舞台に上る余地が 有るのだし、だけど「子供の頃は憧れだった」という、プロレスの 筋書きの無い部分への純粋な情熱も燃える。
     ラストのユ・ビホ戦。
     筋書き通りの戦いと、真剣勝負の交錯。
     反則と派手な空中殺法の大サービスで、純粋に楽しい。筋書きがあったと しても、鍛え上げた技の応酬には、迫力がある。いや、もともと映画なんだ から全ては芝居なんだけれど、そう思ってみると、ロボットアニメの 格闘シーンを楽しむようにプロレスを楽しめば良いのかと、そういうことが 分かる。
     つまりは、本気と様式美が入り混じった世界なのだな。
     そして、様式の部分で楽しみ、本気の部分で感動する。
     そういうプロレス世界の二面性がうまく映画のストーリーに絡み、 強いのか弱いのかよくわからない主人公の一生懸命が光る。
     とにかく、ダメダメでも誇りは捨てちゃダメだ。そういう 一途なところが清々しい作品であった。
    日本版公式ページ
2002.9.3
  • 『レディ!レディ』鑑賞(TV) ×
    キャスト:薬師丸ひろ子 桃井かおり
     針小棒大な脚本であった。いや竜頭蛇尾?,張子の虎?... 主演女優は二人とも大好きだけれど、それだけではこの脚本の駄目さは救えない(^^;
     何か起きるのかと思って頑張ってみたが、全然。ダマされたよね…。
     英語タイトルはReady!Lady
     田舎から飛び出してきたプチ不良娘 薬師丸ひろ子 (ただし23歳)が、都会で成功している叔母桃井かおり (ただしわけ合って独身)のもとに転がり込むオープニングを見ると、
    「イモっぽい薬師丸が、Lady...洗練された都会の女に変身する物語」か と期待させる。
     デザイナー志望のひろ子のために桃井は有名デザイン会社にコネで渡りを付けて くれるが、ひろ子は「自分の実力で生きたい」と面接を蹴る。桃井はひろ子に、 「偉そうなことを言うけれど、あなたは23にもなってまだ何者でもない」と叱る。
     …ここまでは、まずまずのオープニングだ。いい女の代表選手桃井を向こうに回して、 まだ何者でもない女ひろ子 の成長の物語が展開するのか…、と期待したら、就いた仕事が 「パン屋のバイト」だと。
     そして、意味も無く店長の青年と恋。くだらない。安っぽい。四畳半フォークだ。

     この若い店長には裏がある。有名大学工学部卒の秀才で、プレイボーイ。
     桃井の銀行に借りた借金苦で自殺した父の後を継いでパン屋を続けるが、 夜は「時限爆弾」を製造しており、父の命日に銀行を爆破するつもり。
     桃井自身にもビリヤード場を経営する「謎の男」が付いており、賭け代に女の体を 要求するひどい男だが、かっての本業はカメラマンで、桃井も趣味で写真を取って いたらしい。
     訳あり女と訳あり男の四つ巴。
     しかし、その訳をほとんど説明も掘り下げる事もなしに、若い二人は恋に落ち、 唐突にパン屋は桃井に親のカタキであることを説明しに乗り込み、たまたまビリヤード 屋も桃井のマンションに用も無く上がりこみご対面。
     女たちが切れて解散。
     翌朝、パン屋の部屋に上がりこむひろ子(何故かいつでも鍵は掛かっていない)は、 パン屋の元妻にばったり会うが、本筋は「部屋の時限爆弾がなくなっている」こと。
     ひろ子は銀行に駆け込み爆弾を探し、それを屋上で見つけるが、よく見ると 爆弾型の焼きたてパンだった。抱き合う二人...
     説明してくれよ!!
    • 何故爆破を止めて焼きたてパンを屋上に置いたのか
    • 本物の爆弾は完成したはずだがどこにやったのか
    • パン屋の妻は何をしに出てきたのか
    • 開店前の銀行の屋上にどうやって入った
    • ひろ子は結婚するつもりだが、パン屋の女将さんで満足なのか
    • 自殺するほどの借金苦で、どうしてパン屋は潰れていない?
    • 工学部のプレイボーイはいつパン焼の修行した
    • 桃井はひろ子に部屋を貸しているだけで、全然話しに絡んでこないぞ
    • 桃井の男との過去を説明しろ
    • ラスト桃井は単身赴任で九州に行ってしまうが、男はどうなる
     結局広げた思わせぶりの風呂敷の後始末が何も無いではないか…。
     それに、桃井とひろ子の二人の女優を配して、ラブシーンが一つも無い。 お堀でボートに乗るってデートシーンと日の出桟橋(?)で飲んでいるだけだ。
     そして、引越し荷物をまとめた部屋で、桃井とひろ子が、パジャマ姿で だらしなく酒盛りしながら「男なんて何さ」と騒ぐラスト。何が言いたい のかわけ分からん。
     最後に、桃井の引越し荷物に、自分のバイクを混ぜたひろ子。 不倫の果てに身一つバイクで田舎を飛び出したプチ不良が、バイクを 捨ててパン屋の女将に収まる事がこの映画の結論だとしたら、 あまりにもクダラナイ。
     私の好きな二大女優をこんなに無駄遣いされて、腹立たしいのである。

    CinemaScape−映画批評空間−
2002.9.2
  • 『ミザリー』鑑賞(TV) ★
     ある意味名作。怖い話は専門外だが、あのキャシー・ベイツが主役っていうことで 録画して見た。
     人気作家とファン(ストーカー)の女性の話。
     ミザリーという女性が主人公の人気シリーズを書いている作家は、そろそろ 本当に書きたい物を書きたいと思い、ミザリーが死ぬ話を書く。
     山荘でやっと書きたかった新作を書き上げ、雪道を街へと降りる途中に 車が転落。ストーカー女に救われる。
     両足複雑骨折の大怪我だが、女は看護婦で手当てをしてくれた。
     ところが、新作でミザリーが死ぬことを知った女は、作家を監禁し、 ミザリーの復活の物語を書かせる。
     作家は何とか逃げ出そうとするが、試みは全て失敗し、やがて血みどろの 争いに発展する。
     てな話。
     なんだけれど、別に殺しあわなくたって、素直に小説を書いてゆっくり機会を うかがえば良いじゃんと思う(笑)
2002.9.1
  • 国立歴史民族博物館(歴博)(in 佐倉)
     特別展「男も女も装身具 - 江戸から明治の技とデザイン -」
     世間では夏休みの最終日。博物館は夏休みの宿題のネタに詰まった小学生がいっぱいか とも思ったが、先日「江戸東京博物館」に行った勢いで、「国立歴史民族博物館」 にも行ってみた。
     到着したのは午後。小学生はもう、まとめるために帰宅したのだろう、 空いていた(笑)
     佐倉は江戸時代には房総で一番の大名が城を構えた地で、博物館はその跡地にある。
     そして、町が古い。駅から博物館までの道すがらの建物が、既に博物館に入りそう な古さでびっくりしてしまう。
     とても広い博物館なので、本日は「特別展」だけ狙い。
     男性の物は印籠、煙草入れとそれについている「根付」。刀の金具に施された 彫刻。
     女性の物は、櫛や簪、笄(←読むのも大変(^^;))、着物に帯、帯留、ハンドバッグの 前身とも言える小物入れの類。化粧道具。
     とにかく展示物の細工の細密なことには驚いた。
     根付などは、いまや「携帯ストラップ」に姿を変えて大量に出回っているけれど、 江戸時代のそれは全てが手彫りの一品物だし、どうやら有名彫刻家によるブランド 品や、2大ブランドによる合作…浮世絵師がデザインして彫刻家が製作とか…なども あって、とてつもなく高価なものもあったようだ。
     ともあれ、細工は確かに芸術。象牙から彫った2cm強の長さの竹の子の中をくり 貫いて、中に雀のお宿の1シーンを浮き彫りしたものなど、人間業とは思えない 細密な細工で、驚嘆する。
     デザインでは、印籠の表面に薄っすらと見えるか見えないかの淡い金蒔絵で富士山を 描くなんていう、奥ゆかしい意匠が「日本人だなぁ」と思う反面、花魁の頭飾りの ようにハデハデの極地のような物もあるのが不思議だ。
     小物の中には、動物、昆虫、カエル、魚、食品etc.の意匠も多いが、何故かんざし にナス?しかも見えないほど小さく。など、謎のデザインも数多い。どうみても カッコいい、美しいを敢えて外して「ふざけた、つまらない物」をやたらリアルに 作りこんでいるものがたくさん有る。
     「江戸東京博物館」の展示でも感じたが、どうも江戸時代の人たちは、現代人には 理解できないファンキーな粋感覚を持っていたようだ。

     博物館の人には、展示方法をもっと考えてもらいたいと思う。
     人の流れが、一筆書きになるように考えられていないので、長い展示の途中で 人の流れが衝突しているし、不必要に分厚い枠で被って、小さな展示物が遠くなって いるし、暗いし、解説文が少ないし、印籠の両面に彫刻があると解説に書くなら 裏を鏡で見せるとか必要だと思うし、とにかく、ただ並べただけでは物足り無い。
     博物館と美術館のセンスの差なのだろうか。
  • 帰りがけに妻の実家によって夕食。
     義父母は、この夏休みは「バルト三国」に行ったそうだ。
     それとは無関係に貰いものの「豪酒」(オーストラリア産の日本酒)を飲む。
     何しろ真面目に作ったまっとうな純米酒のコクがあるので感心する。
     外国で作っている物の方が伝統製法に忠実で本物の味がするなんてのは 「美味しんぼう」に書いてあった話だけれど、本当だなあ。

  • HV版『アパートの鍵貸します』鑑賞(BShi) ★★
     「ビリー・ワイルダー」特集の三つめ。
     「ハイビジョンだからどうだ」というような作品ではないのだけれど、ラスト付近の テニスラケットにくっついたスパゲッティが、やけにはっきり見えたり、 「ハイビジョンだから見えた」と感じるものは幾つもあった。
     何度も見たが久しぶりで、ラストのシャーリー・マクレーンの泣き顔から笑顔への 微妙な変化を見て思わず涙してしまった。
     この映画、最初はそんなに飛び切り可愛い女には見えないのだけれど、最後の最後で 本当に幸福そうな美しい顔をする。最高の表情がラストのために取ってあったようで 「やられたなぁ」と思いながら目頭を押さえてしまうのだ。

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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!