映画館がやってきた!

構築日記・不定期便
- What's NEWを兼ねた日記のような読み物 -
2002年6月
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2002.6.30
  • N響Cプロ(NHKホール・渋谷)
     演目は、ベートーヴェンの1,3番の交響曲。朝比奈さんが振るはずだったプログラム である。でも、追悼の意味か客席は満席だった。
     1,3番というのは「地味なセレクト」だと思うが、ハイドンが築いた交響曲に対して、 ベートーヴェンのそれが如何に革新的であったか、ということを考えながら聞くと、 安定した構築感のある5,6,7,9番などより「アバンギャルド」と言っていいほどの 型破りに満ちていることを、改めて感じさせられる。
     残された当時の記録から、その昔、大人たちがロックとエレキギターを嫌った ような事件が、さらに大昔のベートーヴェンの時代に恐らくあったのだろうと想像 すると面白いね。
  • コンサートで一緒した友人がちょうど横浜のスタジアムの近所に住んでいて、 混雑を恐れつつ早々に帰宅して行った。
     スタジアムの近所は、予選のときより警備もさらに厳重で物凄いことになって いるらしい。
     4時過ぎの渋谷駅には、早々と顔にペイントしたブラジルのサポーターが切符を 買っていたりする。
     渋谷の街中も警備車両でいっぱい。
     人気の無い路地にも、警官がずらずらと配備されている。
  • ワールドカップ決勝
     サッカーファンではないけれど、一応大スクリーンで鑑賞してみた。
     ソースはBShi(のダウンコンバートだけど)
     試合が終わって、2点を取られたドイツのキーパーの、あの悔しそうな表情は やっぱり、歴史に残したいような重みがあった。なまじな役者の芝居なんかより、 訴えてくる物があったと思う。

  • 『マスク』鑑賞(TV) ★☆
    キャスト: ジム・キャリー/キャメロン・ディアス
     「いい人」何をやってもダメダメな銀行員(ジム・キャリー)は、今日もダメダメだった ある日の帰り道で謎の木彫りのマスクを拾う。
     ところが、そのマスクには「封印された悪戯な妖精」のパワーが秘められており、 マスクをつけた人物の「心の奥底の最も強い願望」を引き出して実現してしまう のだった。そして、主人公の願望は「女にもてたい」(^^;;
     そこで、緑のマスクマンに変身したジムは、憧れの歌姫(キャメロン・ディアス)の いる高級クラブに乗り込むが、無節操なマスクマンは軍資金を得るために銀行を襲う。 しかも、銀行で同じく強盗に入ろうとしていた高級クラブを経営している街の悪玉の 一味と鉢合わせして、出し抜く。
     おかげでマスクマンは、警察と悪玉の両方から追われ、マスクは悪玉に奪われ、 ジムは警察に捕まってしまう。だが、裏切りを許さない悪玉に狙われた歌姫のピンチを 知ったジムはなんとか警察を脱出し…
     こんな話。
     なにしろ善良を絵に描いたような主人公が、いきなりマスクの暴走に巻き込まれて 無意識のうちに街の悪玉とやりあい、銀行強盗をやらかして追われる身になって しまうのがびっくり。
     一応「気分はスーパーヒーロー」らしいのだが、何しろ善悪の判断よりも欲望に 忠実だから、破天荒の度合いに限度が無い。
     おかげで見ているこっちはずっとハラハラのし通し。
     散々めちゃくちゃやって、警察に追われつつ、歌姫の救出のために悪玉と格闘を やって、歌姫と恋に落ちた自分は、素顔の自分なのか、それともマスクマンの ほうなのか…と、恋の悩みもあって…、もうどうしよう状態。
     しかしラストには全て丸く収まってハッピーエンド。
     主人公は成功して、悪人には報いを。それはコメディーの大原則だけれど、 『マスク』は、主人公が大ピンチから大逆転するその落差が実に鮮やかで気持ち いい。
     かぶるとマシンガンの弾も跳ね返し何もかも意のままの超人になれるマスク。
     一見マスクに支配されて銀行強盗をしてしまうように見えるけれど、実は心の 底の願望が増幅されて現れているのであり、そんなめちゃくちゃな出来事も自分の 責任と納得して行動するジムも、なんだか良いやつだ。
     まさに「理屈ぬき」で楽しいコメディーだが、内気な主人公がマスクによる 開放を経験することで、マスク無しでも言いたいことが言えるようになっていく という描写もあって、じんわり「いい話」系の要素もある。
     とこあれこのテンションの高さ。ジム・キャリー恐るべし(笑)

  • 古畑任三郎 part3(8)「完全すぎた殺人」(6/26) ★
    犯人: 福山雅治
    テーマ: アームチェア・マーダラー

     車椅子の化学者が、同僚の男へのプレゼントに爆弾を仕込み殺害。その罪を 自分を振った女にかぶせようと仕組んだ完全犯罪。
     基本的には「蓋を開けると爆発する」仕組みの爆弾をプレゼントし、自宅に持ち帰った 頃合に電話で蓋を開けるように指示して殺害するというトリックだが、女を罠にはめる ために、実にこまごまとした罠を同時に仕掛けている。
     その罠は見事といえば見事だが、TV的には細かすぎて着いていくのが面倒くさいとも 感じる。視聴者は我侭だな(^^;
     犯人のトリックが緻密なのに対して、古畑が犯人の目の前で決めてとして用いた のは、被害者が仕舞い込んでいた包み紙の折り目が、爆弾が入っていた「考える人」 の石膏像のサイズに合うから。というよく分からない理由。いくらその包み紙に 犯人の指紋が付いていたとしても、紙の折り目が裁判で証拠になるんだろうか?
     指紋にしても、職場の引き出しにあった紙だから、犯人でなくても触る機会は 有るはずで、「被害者が貰った包みを、職場で開けて見せてもらったが、元通り 包みなおした」とでも言えば、証拠に成らない。
     もっとも、一人の女をめぐって彼氏と元彼、という三人の間で起きた殺人事件ならば どんな完全犯罪でも、容疑者として徹底的に調べられるのは元彼。あえて言えば、 交通事故だとか、偶発的な事故死以外なら動機のある奴がやったに決まっている。
     つまり、完全犯罪を計画するほど頭がいいなら、成功しても疑われることくらい 分かるはずで、ならば犯罪にならないが陰険な嫌がらせ…というものをいくらでも 考えられるんじゃないかと思うね。

     それはそうと、犯人はなにやら「難しげな電子回路」を爆弾に使っていたけれど、 蓋を開けたら爆発するという仕掛けくらい、乾電池とリード線だけで簡単に 作れるんじゃないか?

  • 古畑任三郎 part3(9)「雲の中の死」(6/27) ★
    犯人: 玉置浩二
    テーマ: コメディーです

     人は死んだが、殺人は無い。
     妻と一緒に飛行機に乗った男が、旅行先にまで着いてきた愛人と飛行機の中の トイレでひと悶着しているところに、運悪く乱気流が起きて打ち所が悪く女は死亡。 あくまで事故。
     しかし、女の持ち物に自分が写ったプリクラを発見した男は、妻に関係がばれる のが怖さに手荷物を持ち出し隠ぺい工作をしたことから、話がもつれる。
     最初から「乱気流のときに事故が…」と言って助けを求めていれば事件に ならなかった話なのに、勝手にドツボにはまる犯人(?)を哀れむ話である。
     今回は「西園寺君」があれこれ推理をして古畑はお休み。
     またしても、西園寺君の暴走とも言える。
2002.6.29
  • 横浜港に帆船集合
     ワールドカップ開催に合わせて、韓国から横浜まで12カ国の帆船が帆走して、この週末 横浜港に入港し、船内の見学会や、一斉展帆とか、イベントをやっているのであった。
     という情報を妻が拾ってきたので、朝からお出かけ。
     横浜駅から「シーバス」で山下埠頭に行き、そこから徒歩で大桟橋。
     そこには、参加している帆船のうち最大の二隻が停泊して、これを見渡せる範囲には、 埠頭といわず、歩行者デッキと言わず、ずらりとカメラマンに囲まれていた。
     だが惜しむらくは曇り空。「やっぱり青い空、白い帆で行きたいね」とは言っても、 現実は「白い空、白い帆」(^^;;
     そういうわけで、私は気合を抜いて手軽にデジカメで撮影してきたが、まあ、 高級カメラ、高級レンズがズラズラ…。キャノンの白レンズなんか全然珍しくなく、 70-200mm,100-400mm,35-350mmなどが大量に並んでいた。さらに、EOSの 一眼レフ・デジカメを二台も見かけたのは驚いた。
     メーカーの分布は、キャノン、ニコン、ミノルタが満遍なくあったようだ。 こんなことを見ているのも、天気が悪くて余りにも人が多いので、船を撮るより カメラマンを観察していたほうが面白いから(^^;;
     フィルムのコンパクトカメラはほとんど絶滅で、デジカメはもちろん多い。
     それに、ノーファインダーで取れるデジカメは、こういうイベントには最適だし。
  • 山下埠頭は、秋に完成だそうだが、半分以上は既にオープンしていて、 木造船の船底のふくらみをデザインしたような、ゆるやかにうねる曲線を多用した ウッドデッキがとってもカッコいい。
     晴海もアートなオブジェをたくさん取り入れた綺麗な場所だが、新・山下埠頭は 国際的にも誇れる美しい客船ターミナルとして完成しそうだ。
  • 埠頭と「赤レンガ倉庫」地区をつなぐ歩道橋が完成したので、停泊中の客船を 見晴らしよく眺めながら散歩が出来る。
     ショッピング街に生まれ変わった赤レンガ倉庫は押すな押すなの大混雑。
     根本的に狭い。
     二つの倉庫のうち、小さいほうはイベント用。
     大きいほうは、3階建ての一階は物販と飲食店が半々。二階は物販、三階は 巨大飲食店4店のみ。
     ウナギの寝床のように長くて、通路が狭いことが災いして、ノロノロ。
     エキゾチックでお洒落な雰囲気の店が多いけれど、これは疲れる。
     どういうわけか、リュックを背負ったお年よりも多い(^^;?
     一年くらいして程よく人が減った頃がねらい目かな。
  • さらに、がしがし歩いてランドマークの一角へ到達。
     港に沿って、中華街、山下公園、氷川丸、客船ターミナル、赤レンガ倉庫、 巨大ショッピングセンター、コスモワールド、ランドマークタワーetc.と 点々と観光拠点が並んでいるけれど、とにかく見るところがたくさんあって 大変だ。
     中華街なんかはいつ行っても面白いけれど、ランドマークや赤レンガ倉庫の ショッピングセンターはいくつかの例外を除いては「ここでなければ無い」と いうものは無くて、飲食店も多くは関東一円に広がるチェーン店なので、 「横浜らしい物を」などと考えると困ってしまう。
     だから、やっぱり「横浜と言えば中華街」で決まりかな。

  • キネ旬のニュースを読んでいたら、動物愛護運動の活動家である ブリジッド・バルドーは韓国の食犬文化を批判して、 「牛は食べるために育てているのだから許せるけれど、犬は違うのよ」 とかいって、山ほど脅迫状を貰ったそうだが、その後ウイーンで
    「文化と言うのは、モーツァルトが作曲した音楽やウィーンにある建物のこと を指すのです。犬を食べるなんて悪趣味なだけ」とかスピーチしたそうだ。
     まったく、西洋人という奴はなぁ…
     韓国の犬問題は応援するから、日本の鯨問題も応援して欲しいな。 (何かできること、あるのかな?)
  • 映画で犬を食べるといえば『少林寺』だっけ?
2002.6.28
  • 『華氏451』鑑賞(BS) ★
    1966年/イギリス, 原作:レイ・ブラッドベリ
    監督:フランソワ・トリュフォー
    モンターグ/オスカー・ウェルナー, リンダ=クラリス/ジュリー・クリスティ

     原作者ブラッドベリは、初期SF界の巨匠といっていいだろう。叙情性にあふれた 未来を書いた作家だ。
     『華氏451』とは紙が燃える温度。あらゆる活字メディアが禁止された 未来の日常生活と、「禁書を焼却する仕事」に従事する消防士(Fire man)の葛藤 を描く。
     1966年の作品なので、映画も「レトロ・フューチャー」といった意匠にあふれて 独特の空気感がある。これがイギリス映画だというのも、異質な雰囲気に一役買っ ているのか。
     タイトルバックにTVのアンテナをコラージュした映像が使われているが、これが 活字を追放した未来の象徴になっている。1966年といえば白黒TVがやっと家庭に入り だしたような時代だと思うが、未来のTVは60インチくらいの壁掛けカラーTVだったり する。40年近くたって、ようやく現実になり始めた未来のTVだが、そこに「リモコン」 が無いのが作家にとって予測外だったのか、興味深い。
     さらに、このTVには「視聴者参加型ドラマ」という、双方向性が備わっていて、 ブラッドベリの未来予測が凄いのか、40年前のビジョンを長い時間をかけて実現した 歴代技術者が凄いのか…と、考えさせられる。
     この世界に「消防士のモンターグ」が居る。彼は勤務成績優秀で昇進の内示を 受けていたが、実は現場からこっそり持ち帰った本を読み、文学の魅力に取り付 かれていた。
     妻は双方向TVに夢中でまるでTVの操り人形のよう。
     そんな妻に苛立ちを感じるモンターグは通勤モノレールで知的な女性に出会うが、 これが「本を愛好する秘密結社」の一員だった。
     消防署の上司の台詞によれば、本は人を空想の世界に導いたり、誤った考えを 助長する、というような悪影響を指摘される。だが、実際にはTVによって考える 力を奪われ、その向こうに居る権力に支配されている、というのがこの世界の実態 だろう。
     TV時代の幕開けとともに考察されたそんなビジョン、メディア論は、部分的には 現実の物になっているといっても過言ではないだろう。大量消費を煽るCMだとか、 低脳なバラエティー番組や、一国の総理大臣のアイドル化、湾岸戦争のショー化、 巨大テロの生中継に、報復戦争のプロパガンダ。TVの果たした役割の大きさは 恐るべきものだ。
     しかし、一方で究極の個人メディアとしてのインターネットの普及で、 わずか5,6年前には思いもよらなかった、アンチ・マスメディアのパワーが広がった。
     たとえば、個人が大企業を告発したことは広くニュースになったし、TVショッピング で反射的に電話をかけてしまっていた人たちも、ネットで購入者の生の声を聞いて 自分で判断が付けられるようになったり、情報の純度は低いけれど、可能性は 飛躍的に拡大した。
     文明論として興味深いこの作品の結末は、本を焼くことに反抗したモンターグの 逃亡と、逃げ延びた先で出会った「記憶によって自らを一冊の本とし、活字文明を 守る人たち」の集落、という極めて叙情的な映像で幕を閉じる。
     40年前に書かれた近未来SFが、現代においては一種のパラレルワールドの 物語として見事な実在感を持っている。現代の映画産業の環境では、なかなか 映画化されないだろう静かな佳作である。
2002.6.27
  • ↓追いついてない(^^;
  • 古畑任三郎 part3(6)「絶対音感殺人事件」(6/24) ★★
    犯人: 市村正親
    テーマ: 絶対音感
     この話のテーマは「ネタ」というだけ。絶対音感を利用して殺人を犯したわけではなく、 そのことでアリバイが崩れたみたいなものだし。
     ともあれ、今回のエピソードはズバリ、殺人の過程からストーリーが始まる。
     雨の降る陰気な午後の室内で別れ話をするオーケストラの指揮者と、ヴィオラ奏者。 指揮者は女を殴り殺してしまう。そして、階段から転落したように偽装して、本人は その夜のコンサートに出演する。
     そこまでの演出が正統派サスペンスな感じでなかなか良い。
     音楽家の話なので、意図的に「音の演出」に凝ったのだろう。殺人と雨音は 似合いすぎるし、音楽と静寂の対比を使った演出はとても緊迫感を引き出していると 思った。
     犯人役の市村さんがまた、繊細で、虚栄心にあふれていて…という芝居が抜群に 似合う。風貌が「小澤征爾似」というのも可笑しいんだけれど。
     結局今回は大胆な推理というよりは、アリバイに関する反証を突きつけて絶句させた という事なんだけれど、音にこだわったのは面白かった。もっとも、絶対音感と言う ネタは当時流行した同名のベストセラーに触発されたのだろうし、作家に絶対音感に 関する正しい理解があるとも見えないのだが。
     例えば、雨の音、机をたたいた音etc.には、ハッキリした音程は無いので、 「雨の音とモーターの動作音が不協和音になって気持ち悪い」ということはまず 考えられないし、そもそも「不協和音」というのは「相対音感」の働きだし、 その辺は大誤解がある。
     うちの妻にも絶対音感があるので、私がある曲を歌いやすいキーで歌っていると、 それを無視して本来のキーで割り込んで衝突する。…つまり人の歌の音程を聞かずに 自分の絶対音感で歌いだす。なんて事があるが音楽以外の雑音に対して「不協和音が 気持ち悪い」なんて言ったことは無い。
     他にも数人親しい友人の中に、絶対音感の持ち主がいるが、普通の人だ(笑)

     この話に出てくるオーケストラの事務所は、実際はホール(ティアラ江東)の事務所で、私の 結婚披露パーティーの打ち合わせで使ったことがある(多目的ホールで宴会場もある) ので、えらく懐かしい。田村正和と同じ席に座ったんだなぁ、う〜ん、昔のことだ(笑)

  • 古畑任三郎 part3(7)「哀しき完全犯罪」(6/25) ★
    犯人: 田中美佐子
    テーマ: ずぼらな人間は完全犯罪には向かない
     今回も正統派殺人事件。
     ドジでぼんやりしているけれど、実は社交的な性格の女流棋士が、 「家庭に収まる良き妻」を演じることを強いられて夫を殴り殺してしまう。
     この夫がやたら几帳面な性格で、夫が数時間生きていたように見せかけようとした 妻の工作は、そのずぼらな仕事によって「夫のやったことのはずが無い」と、 ほころびが発見されアリバイが崩れる、という話。
     囲碁は最近小学生の間でブームだけれど、段位を取るほど強くなるには 頭の中に強力な定石のデータベースを構築して、素早く手を読む回転も要求 されるので、性格がずぼらかどうかはともかく、ここでの犯人のようにぼけぼけ した人では、プロになれないと思うのが一番引っかかってしまったなぁ。
     ところで、古畑の犯人はよく「犯行時刻の偽装」を行なう。
     今回は「打ち合わせ中に携帯電話に着信があった」という偽装を行なっているし、 Part3(1)若旦那の犯罪、では「被害者が落語を話していた」という偽装をしていた。
     しかし「司法解剖の結果その時間には死んでいたはずだ」という事実から、 死んでいたはずの時間に犯人と話をしたetc.と言う人物こそが怪しい、という 決定的な墓穴になっている。
     これをやっちゃうと推理でもなんでもなくなってしまうので、犯人は、 なにか別の工夫をしたほうが良いですねぇ(^^;;
     今回の話だって、犯人が何一つ偽装工作をしなければ、単なる物取りの 犯行で終わっていたのかも知れないし。
     も一つ、「今夜は麻婆豆腐を作って待っている」と夫から電話があった。
     という偽装電話だが、麻婆豆腐なんか一瞬で出来る料理なんだから、帰宅した妻と 一緒に食事をしようとするなら、作り置いてラップをかけておくなんてことを、 料理自慢の人間がするはずが無い。
     怪しむなら、古畑はそこで気が付くべき。
     脚本家の食生活は、店屋物中心か?と勘ぐるね。出前の麻婆豆腐はラップ かかっているからね(^^;

2002.6.26
  • 妻と秋葉原のY電気でウインドウ・ショッピング
     妻は会社から借りているPCのリース期限が近いので、そろそろ自前のPCが 欲しいらしい。前の自前PCはPC-9821NCだったかな?とにかく古い。最近のノートPC は3Dなゲームやマルチメディアをバリバリやらない限り性能不足は無いから、 デザイン優先でもいいだろうかと見るが、「合体ロボ」みたいな機種が過半数? 残りの半分が事務的で無機質。と見ると、SONY,東芝,NECの中から選ぶのかな。
     照明器具コーナー。先日とある居酒屋でやたら真っ暗の中、テーブル中央だけに ダウンライトというインテリアがあって、黒っぽい柱、砂壁と相まって 「これはシアター的」と思ったのだが、「壁は白が良い」との妻の反対である。
     ていうか、居酒屋っぽいインテリアは嫌?
     スポットライトについては、ダイクロハロゲンの照明器具に手製のフードを併用して 約1mのスポット径の明かりを自前で確保しているが、光を絞り込んでも 「全体にぼんやり明るい」のは、やはり壁/天井の色のせいだろう。
     実は壁面には、スクリーン脇から「濃紺のカーテンをかけたソフト棚」 「背丈ほどのAVラック」「黒いソフト棚」「ピアノ」「映画のポスターを入れたパネル」 などなどがずらりと並んで、単純に白い面は無く、床もダークレッドのフローリング なので、一番影響があるのは「天井の真っ白」だ。
     これを、ちょっとベージュ系か、あるいは彩度の低い紺とか、そんな壁紙で張って みるとかなり雰囲気が変わると思うのだけれど。
     とはいえ、ダークな内装にしたくないという説にも一理あって、「夜の内装」と 「昼の光の中の内装」を両立させるのは難しい。
     洗濯機コーナーにも引っかかる。
     洗濯機といえばやっぱり『スチュアート・リトル』
     スチュアートが溺れかかったドラム式洗濯機が何としても欲しい物だが、 最近の国産機は「丸いドア」を四角くデザインした物が増えてわかっていないのだ。
     ところが、最近東芝が北欧(?)のメーカーと協力して展開している「あちらっぽいデザイン」 の製品群の中に、わりとシャレた丸ドアの製品があった。(スチュアートの洗濯機には似て いないけれど)
     ついでに、全ての機種には「動作中のドアロック」が付いているので、映画のように 水が入っているのにドアが開くってことは有り得ないんだけれどね(^^;
     シアターフロアはプラズマでいっぱい。
     「明るい店で見るときほど画質の差を感じないな」と言うと、妻が「でもこちらの機種の ほうが良く見える」と言ったのは、どうも、画面サイズが小さいほうが粗が見えにくい という意味らしい。
     プロジェクター・コーナーには、エプソンの新型と、シャープのDLPが同時上映。
     エプソンはハイ・コントラストを強調した調整になっていて、バリバリに濃厚(色の濃さ)で くっきりした絵(シャープネス)になっているが、シャープは全般にマッタリ画調。
     番組はBShiのサッカー(トルコvsブラジル)の解説。
     エプソンの液晶はこんなに黒が沈むのかと、一瞬騙されるが、パネルの実力はともかく、 解説者の着ている濃紺のジャケットが真っ黒けで何も見えない。シャープに限らず他の プロジェクターはちゃんと洋服の襟やポケットが見えるので、これは「調整が幼稚」 としか思えない。それで新製品を売りたい店は、
     「ほ〜ら、バリバリにクッキリですよ」と、初心者の客を騙すのだなぁ。
     シャープネスも上げすぎで、ジャケットの襟の斜め線が、太くジャキジャキ。
     TV売り場を通りかかると、TVでも機種によって濃紺のジャケットがきちんと写るか 真っ黒に潰れてしまうか、だいぶ差が有る。
     TVは「絶対的な面積」が小さいので、黒く潰れても気になりにくいが、 大画面だと「情報量ゼロの空間」は穴が開いたように感じるから、見かけのコントラスト に騙されてはいけない…などと言うコツを妻に教育する。
  • 画「質」や音「質」の話は意見が一致するが、現実の買い物となるとまた 話は別だ。
     インテリアの邪魔をしないデザインのものを探しているが、なかなか大きな センタースピーカーには抵抗がある。
     今妻の不満は「スピーカーは、スピーカースタンドにただ置いただけ なので、いつかひっくり返すぞ」ということ。ある日こっそり木工用ボンドで…とか 言われてる(笑)
     その点、トールボーイな中型スピーカーは、床置きなのでスタンドが要らず、 妻の心配も一つ減るぞと。
     JBLの巨大スピーカーなんかも絶対倒れないと思うが、それはまた別の話か…(^^;
2002.6.25
  • SW2 CMコレクション
     今日は「クローン兵」が主役の15秒ものをゲット。
     クローン兵が続々と武装を受け取って宇宙船に乗り込むシーンだったりする。
     兵士は皆成人サイズだが、ナントカ星の技術なら、教育抜きでも戦闘能力を 身につけた即使える大人のクローンが作れるということだろうか。
     今までにこの手の15秒CMは3本、ドロイド編とジェダイが主役の物を見たのだが、 果たして全部でいくつになるだろう。
     今のところベストはドロイド編のR2-D2の活躍かな。
     あのボディーに「反重力ブースター」まで搭載しているとなると、EP4,5,6より 活劇的展開が期待できそうだが、C3-POの方は相変わらずのトボケぶりらしい。
  • 古畑任三郎 part3(5)「古い友人に会う」(6/21) ★☆
    犯人: 津川雅彦
    テーマ: 名探偵の夢は事件を未然に防ぐこと
     いよいよ、見るべき番組が蓄積してきて、古畑を放送当日に見ることが難しく なってきた。何しろCMまで飛ばさずに見て(^^; あれこれと編集作業をやっているのだから 手間がかかる。
     さて、今回の目玉は普段は冒頭に起きる殺人が起きないこと。
     古畑は古い友人である小説家からFAXをもらい西園寺君と遊びに行くことになるが、 どうも様子が おかしい。と思って見ていると、20も年下の若い妻と担当編集者が激しく浮気をしている のを目撃してしまう。
     殺人事件が起きそうな予感を感じさせられた古畑は、事件を未然に防ぐべく、 この一家の思惑をといていく。
     …今回も今泉君はのけ者で、置いてけぼりにされたものの、小説家の山荘に 遅れて自力で辿り着く。そして今泉が「古畑の行方の手がかり」として持ってきた 招待状FAX送付表の宛名の文字が、古畑の推理の決め手になる。
     つまり、今回も彼の「無意識のお手柄」という話になっている。
     その証拠というのは、例によって決定打的なものではなく「何でそこまで分かってしまうの?」 と驚くようなタイプの超推理なのだが、それはともかく、精神的に追い詰められた 小説家役の津川雅彦の熱演がいい。
     ところで、今回もいわゆる「オフ」の出来事だが、君が現れてから古畑さんが 冷たくなったと詰め寄る今泉に、西園寺君は「古畑さんの側で勉強したいんです」と 弁明する。そういう今泉はたぶん「犬のように懐いている」とでも表現の仕様が無い のだろう。数々の恩も有るし。
     しかし、当の古畑はオフに部下を連れて歩くようなタイプには全く見えない。
     人間観察には興味があるが、人付き合いは苦手なタイプ?
     あの三人組がいつも一緒な理由は、強いて言えば「他に全く友達がいないから」 という感じだろう。
     古畑というのは時々名探偵にしては当たり前の常識に欠如した行動を取ることが ある。これって、脚本家三谷のエッセイ集などを読んでいると、脚本家の行動そのまま に思えるフシがある。たぶん、古畑と部下の関係というのも三谷氏と劇団員の 人間関係がそこはかとなく滲み出しているのではなかろうか。
2002.6.24
  • 『スターウォーズ・エピソードU』※先々行・先行上映時間決定!
     仕事の都合で、先先行には行けそうもない。むぐぐ。
     最近になって、キャラクターをテーマにした15秒CMが入りだした。
     公式なDVDには「日本版の予告」は入らないのが通例なので、可能な限り切り出し てDVD-RAMの手製特典ディスクを作るぞ。

  • 空から降る一億の星(11)最終回
     ついに全ての過去が明らかになる。
     ラストの9,10,11回は展開が速く、サスペンスドラマとして楽しめた。逆に2-8回までは 展開が遅くて視聴者は色々考えてしまうが、それは「ミステリー」のテンポなのだろう。
     つまり、謎の部分がしっかりしていなくても、テンポがよければ楽しめるが、遅ければ よほど深みが無いとダメだ。
     結局主人公(キムタク)は最初の女子大生殺しの後、井川お嬢様の破滅劇をゲームとして 楽しんでいる過程で、妹との再会、父の敵の発見…と、今までの人生が変わってしまう体験 をするが、井川お嬢様と妹(深津絵里)が同時に出てくるエピソードが多すぎたために、 「親友を破滅させ自殺に追い込んだ男を愛する深津の態度が理解できない」という 変な常態になってしまった。
     つまり、井川のお嬢様は2,3回でとっとと殺してしまえばよかったのだ。
     もちろん、 「ゲームを楽しむように、妖しい魅力で次々と金持ちのお嬢様を引っ掛けて用が 済んだら消してしまう」というキムタクの設定が、「アンマリダ」というのも あるけど。
     深津絵里の芝居は最終回近辺まではなんとなく「浮世離れ」した感じが漂っていた けれど、最終回のようにドラマティックな展開の中でテンションが上がった状態の 中では迫力があって、兄弟であり、恋人であり死んでいく二人の状況に説得力を持た せた。
     考えてみれば、ラストは深津に「父親が殺人犯である」という事実を知らせまいという 曖昧な情報が招いた誤解から生まれた悲劇であり、きっかけは中途半端に教えた「琴子」 が悪い。
     芝咲コウが警察に話しに行こうとしたのを邪魔したのも「琴子」で、あの時きちんと していればキムタクは捕まっていて、心中劇は無かった。この話で最悪な女はやっぱり 「琴子」。たぶんさんまとの「腐れ縁」が恋に発展しなかったのは、そういう間の悪い 性格、行動が災いしているのだろう。
     あと、バーテンダーの使えない後輩も、悲劇に一役買っているね。
     演技で実力を見せ付けたのが深津だとすると、脚本上美味しかったのが芝咲コウ。
     サイコな危険人物として登場して、ラストはめっちゃいい人で、さんまちゃんとの 年の離れたロマンスも予感される。
     まぁ、さんまちゃんは琴子さんと結婚してもいいこと無いから、芝咲コウとうどん屋 でも開くのがよろし(^^;
     「空から降る一億の星」という長い長いタイトルは、結局二人の悲劇の現場 でさんまが夜空を見上げて「こんな夜なのに星が綺麗だ」などとつぶやくシーンで 使われるのだが、まったく空振りの感が強い。
     これほど言いにくく謎めいたタイトルを使ったからには、きちんとしたオトシマエ を期待するのが人情だろうに…。
     二人の心中以後のシーンも、ちょっと漫然としていた。
     芝咲コウの自首シーンは登場人物の後日談としては必要だろうが、ドラマとしては 深津がバンと自殺したシーンで終わっている物と考える。ゆえに、その後のさんまの 独白も、カセットテープを聴いて泣くシーンも、退職(?)のシーンも要らない。
     さんまが二人の死を止められなかった説明として「高速の渋滞」が挿入されるのも 陳腐だ。時間経過を追うと、深津がキムタクの山小屋に向かったのが深夜or早朝 のことで、さんまが帰宅して後を追うのはその日の朝、数時間後。
     そして、悲劇は日中だが深津が湖水に船を出して自殺するのは真夜中。
     どう考えても悲劇の締めくくりとは思えない、間延びした時間経過だ。
     家から現場まで12時間以上、さんまは車の中で何をやっておったのか。
     地元警察に手配をかけていれば、二人とも死ななかったのではないか。
     そのへんの、時間経過の矛盾が、さんまに「こんな夜なのに星が綺麗だ」などと 言わせるための無理だとしたら、演出家は無能だ。
     珍しく「主人公を殺しておけば盛り上がるだろう」式の安易なストーリーではなく 「誤解や後悔、因果に追い込まれて止む無く破滅する」正当な展開なので、余計な おまけを付けず、深津の 演技力を信じてドンと盛り上がったところできっぱり終わらせておけば、もっと 余韻の残るヒキになったのではないかと思うが。
2002.6.23
  • お友達の合唱団"Voices わ"の演奏会で舞台カメラマン
     横浜のフィリア・ホールは定員500人くらいの中ホールで大変に響きが綺麗で 合唱にはぴったりだが、そのぶんカメラマンとしては音に気を使う。だから カメラは厚いタオルで包み込んで使う。
     EOS55というカメラも、AF駆動、シャッター、巻き戻し音など清音撮影には 向いている。
     …と苦労しているのに、客席では同一人物が二度も携帯電話を鳴らして 顰蹙を買っていた…
     今回の撮影では、70-200mm/F2.8のレンズでちょうど全体写真ととアップが 賄えて良かった。これに、28mmで会場全体の雰囲気を写しこんだ写真、50mmで 小道具の仕込みのあるステージを撮って万全という感じ。
2002.6.22
  • 妻の誕生日につき自宅でスペシャルディナー
    • コドーニュ キュヴェ・ラベントス(スペイン産スパークリングワイン(白))
    • サンダニエーレ生ハムとレタスのサラダ、ライ麦パン
    • 鴨のフォアグラのソテーと大根のミルフィーユ仕立て、インゲン添え
    • Casa Castillo Crianza 1998(スペイン産赤ワイン)
    • ラムチョップステーキ、まいたけソテー、人参グラッセ添え
    • ストロベリーシフォンケーキ

     通販サイトに詳しい妻が、 切りたてドットコム - フランス産カモのフォアグラ試食日記 … というページを見て購入した フォアグラが今回の食卓の目玉。その他の「生ハム」と「ラムチョップ」も 同じ通販サイトで購入。
     酒を買うのは私の仕事。
     ワインは、普段は1000円程度のスペイン産お手軽赤、ライトボディを愛用している が、今日はお祝いなのでスパークリングワインを用意。ビン内二次発酵を行なうタイプ で物凄くビンが分厚く重い。
     赤も同じくスペイン産だが、いつもよりちょっと良くてフルボディ・タイプを用意。
     そういうわけで乾杯。
     キュヴェ・ラベントスは、とてもクリアな味で食事の始まりにぴったり。
     生ハムも美味しいけれど、前回買った「クラテルロ」は通販サイトでも品切れで サンダニエーレというもの。これはトロリとソフトなタイプでまた良し。
    (以前某デパートのイタリアン・フェアで買ったクラテルロは、値段ほどの実力は 無かったので、どこで買っても良いというような物でもなく、良い店に在庫があった ときだけ大切に食べるのが良いのだ)
     そして、今回の主役。
     鴨のフォアグラのソテーと大根のミルフィーユ仕立て、インゲン添え
     皿の上のその姿は、極めてオーソドックス。知ってる知ってる、という感じ。
     美味しい! … あっさりとした大根に挟まれたフォアグラのとろりと 濃厚な甘みはどうだろう。「餌を食わせすぎた鴨」という不健康なイメージを 微塵も感じさせない優しい旨みが濃縮されていて、同じ脂肪の旨みに例えるなら 「新鮮なミルクから作りたてのバター」といったような爽やかささえある。
     そして、小麦粉をはたいてカリッと焼き上げた断面の、サックリした食感がまた 魅力的で口に運ぶ楽しみを倍加している。
     素晴らしい! 久しぶりに食の新鮮な感動を味わった。
     ふと、疑問が湧く。
     外食でフレンチを選択することはほとんど無いから、今までフォアグラに お目にかかったのも専ら「結婚披露宴」ぐらいの物だったりするが、 それでフォアグラが旨いと思ったことなど一度も無かったのだな。 「所詮脂肪肝」としか思わなかった。
     妻の妹の「レストラン・ウェディング」では なかなかに旨いステーキetc.が出てきたけれど、ほとんどの場合、やはり「宴会料理」 といわゆる「フレンチ」とは違うと、分かってはいるけれど今回のフォアグラ で感じた落差は激しすぎた。今まで中途半端なものを口にして旨いものとすれ 違っていたかと思うと悔しいぞ(笑)
     …で、赤ワインを開けてラムチョップステーキに進む。
     普段は気軽にライトボディのものを飲んでいるので、Casa Castillo Crianzaは 結構口当たりが硬く感じる。硬さの正体は「バニラ香」と言うのだろうが、日本酒の 杉樽のような感じもする。(ワインは樫樽だろうが…)
     しかし、程よく室温に馴染んでくるとその他の要素とうまくバランスしてきて 深い味に感じるようになった。夏場は「赤は室温」とは言っても適度に冷やした いものだが、その加減が難しい。やはりデカンタが必要かな。
     羊肉といえば、昔人に教えてもらったとある京都の専門店のラム・ステーキが この上なく旨かったのだが、以来これを超える味にはちと巡り会っていない。
     自宅の駅前に「高級ジンギスカン」の店ができて、ここの肉は大変に上質で 一切れ一切れがジンギスカンというよりは「ラムステーキ」に近かったが、醤油だれが もう1つ上品過ぎて肉食の醍醐味に欠けるところがあり、引きが弱かった(と思ったら 先日改装して北海居酒屋になってしまったのだが…)
     最近は羊肉も通販サイトの専門店から、その辺のスーパーではなかなか 買えない上質な物が手に入るので自宅でもかなりの満足。外カリカリで、 中が旨い具合にピンクにというのは、妻の技術の安定振りが感じられる。
     だが、京都の専門店の 感動との間にはまだ何か有るね、秘密が。その店はかなり思い切った香辛料の 使い方で、複雑な味を出していたのでそのまま真似るのは難しいと思うが、 家でもまだできることが有ると思う。
     たとえば、ラム肉は基本的に水分が多くて淡白なので下ごしらえの塩を 強めにしてみるとか…。ニンニクとその他香辛料の使い方も様々工夫の余地 があるね。研究のためしばらくラムステーキが続いても私は文句言わない …(笑)
     締めくくりは、コージーコーナーのイチゴシフォン。
     栓をして残しておいたシャンパンといっしょに。
     こういう幸せは、もっと頻繁に有っていい。とりあえず私の誕生日が 時期的に「おせち料理」に固定されてしまうのがつまらないので、別途 設定しよう(笑)
  • 通販の台所用隙間戸棚組み立て  通販の組み立て家具はいつでもそうだが、すさまじくいい加減である。
     今度のスチール製の棚も、ねじ穴が無いに等しく(タッピングネジでも ないというのに)実力でねじ穴を切り刻みながら組み立てるのであった。
     しかも棚板に水平にねじ穴があるので、ドライバーを握る広さが無い。
     そこで必殺の電動ドライバーに150mmロングネジにさらに延長シャフトを 取り付け、隙間から最大トルクでねじ込む。
     電動工具様様。全部手でねじ込んだら恐らく翌日はキーボードに迎えないほど のダメージをこうむったであろう(^^;
  • 表皮効果の式を解こう
    δ=√(2/ωμσ)
    δ:表皮の厚さ〜表面の電流値に対してちょうど自然対数の底eの逆数になる深度
    ω:周波数(オーディオ的には20-20KHz。ビデオで30MHzまで)
    μ:透磁率
    σ:導電率
     こういう式は「オーダー」だけ分かっていれば役に立つ。
     つまり、肝心なのは表皮効果は周波数の逆数の平方根に比例するという事実。
     つまり、周波数が1000倍で表皮効果は30倍。
  • 電話線とSP線の比較
     直径 0.1mmの極細線と、3mmくらいの太線との抵抗は、面積比と同じで、900倍。
2002.6.21
  • 引越ししてから炎のように映画を見ている(笑)ので、プロジェクターの 二個目のランプがもう約1,500時間経過で、画面が暗くなってきた。
2002.6.20
  • 電磁妨害について勉強中。
  • HiVi 8月号発売
     ベストバイ号。
     買い物をした直後なので、盛り上がらない(笑)贔屓の製品のランキングだけ ちらっと確認する。
     SONY製品は各ジャンルの比較的安価な価格分類のところでベスト1を取りまくっており、 「商売上のボリュームゾーンで勝負」なのかな、と思うが、もう少し上の価格帯でも がんばってほしいもの。まあ、50〜100万円の世界で1番でも、買わないから意味無いと 言えばそれまでなんだけれど…。

     SONYのプロジェクターVPL-VW12HTの速報記事が載っていて、なんとなく 気分が盛り上がる。
     ベストバイでも1位。投票段階では試作機でしょう。不自然な感じはするけれど。
     ともあれ、今期のプロジェクターのベストバイは、DLPグループを抑えて、 ソニー、エプソン、三菱の液晶勢が上位入賞。最新機種では性能拮抗、値段が 半分なんだから、液晶を買うよな…。
     ベストバイの講評は「10から11に変わったとき以上に12の変化は大きい」 というもので、11の時には「我が家の完璧調整の10と大差ないぞ」と思った 私にとっては、今度こそドキドキする(^^)
     パネルの性能はエプソン勢がコントラスト600:1で、ソニーは1000:1
     ビクターの反射型液晶をつかったDLA-G150CLの記事もあるが、 そもそも透過型には無いハイコントラストが売りだったD-ILAのこの機種の コントラストは600:1。三管との比較記事でも「まだ黒が弱い」と 言われているのに対して、VW12HTの記事では「ハンパな三管式は顔色なし」 とまで言われている。
     もっとも、ビクターは光源に「キセノンランプ」を使っているので、 単純にコントラスト以前に味の違いの出る可能性は大いに有る。
     今月号をあちこち読んでいると、大変なものを作っちゃったな…という 雰囲気がじわじわとしてくる。
     早く店頭で見たいなあ…。
  • 松たか子の芝居『VAYAGE〜ヴォヤージュ 船上の謝肉祭』の録画をDVD-R化
     132分なので"4.0Mbps/D2"でギリギリ。
     もとはS-VHSの三倍モードの録画で、圧縮後の画像の暗部がチリチリとしていると 思ったら元画像に瞬く小さな点のようなノイズが影響しているのだった。
     面白いことに、RD-X2の自己録再よりも、DVD-Rに焼いてDVP-S9000ESにかけた方が ずっと圧縮ノイズが減って大画面でも見やすい。何かS9000ESが裏で努力しているん だろう。
     エプソンのCDレーベル印刷ソフトがイマイチ使えないので、いつもの PhotoShopで、画面写真数枚と、キャスト・スタッフの文字を打ち込んで 合成したものを作り、完成したイメージを印刷ソフトに取り込んで、DVD-Rの 盤面印刷。
     レイヤーを駆使して心行くまで調整できるので、市販ソフトっぽくカッコいい 印刷になったぞ。

  • 『レーサー』鑑賞(BS) ★
    1969/米, 監督 ジェームス・ゴールドストーン
    キャスト:ポール・ニューマン,ジョアン・ウッドワード,ロバート・ワグナー
     前日に放送された『ル・マン』がレースそのものをテーマにしていたように見える のに対して、こちらは「レーサーの私生活」がテーマ。
     主役の「フランク・キャプア」を演じるポール・ニューマンは、私生活でもレース 大好き人間。本編では自分で運転しているし、1993年にはインディ500にチームオーナー として参加してN.マンセルを優勝させたとか。
     また、映画には当時の本物のレーシング・ドライバーを多数参加させているとか。 (もちろん69年のことでは私の知っているドライバーは居ないけれど。)

     物語は、アメリカでも最も重要なレースのひとつであるレッドバーン・200に優勝した フランクは、祝賀会を抜け出してレンタカーを借りて息抜きに行こうとするが、その 窓口の女性エローラ(子持ち)をナンパして結婚する。
     ところが、その後の大会では連戦連敗。すっかり負け癖状態。
     そして「インディ500」への挑戦。
     コレばっかりは負けられない、と、連日連夜ガレージにこもり、日曜も妻を放り出して マシンの整備に精を出す毎日。スタッフが「日曜くらい休んで妻の相手でもしたら」 と追い返すので部屋に帰ってみると、な〜んと妻はチームメイト、アーディング (ロバート・ワグナー)とまっ昼間から浮気の真っ最中ではないか。
     目の前真っ暗で、予選タイムはメロメロ。
     微妙に壊れた夫婦関係の間に彼を尊敬する妻の連れ子の青年が尋ねてきて一念発起。 レース本番では、スタート直後の 十数台を巻き込む大クラッシュも避けて、鬼のような追い上げで優勝。
     しかしフランクの気持ちは晴れない。
     妻の実家を訪ねて、人生やり直しを約束してハッピーエンド。

     レースシーンは結構カッコいいのだけれど、ストーリー上は添え物。
     肝心の男と女の心情も、夫がレースに没頭している寂しさにチームメイトと 浮気なんて、めちゃめちゃ陳腐。
     だいたい、ナンパで一目ぼれの女と結婚したら相手が「毎日優しくして くれなきゃイヤイヤ」ってんだからどういうつもりなのか、レーサーの女 としてはハナから最悪 である。そんな女と結婚したキャプアも馬鹿だ。
     そして、どうせ陳腐なドラマを撮るなら、パッと明るいほうが良い。
     とはいえ、ダメダメなストーリーをレースのスピード感で補填してなんとか 楽しめる映画になっているのだから「クルマニア」には良い映画なのかな(笑)

  • 古畑任三郎 part3(4)「アリバイの死角」
    犯人: 大地真央
    テーマ: 探偵をアリバイ工作に使う方法

     謎の男「花田さん(八嶋氏)」登場の回。
     歯の治療に行く古畑。そこの美人医師(大地真央)が今回の犯人。
     虫歯の治療の時には顔に布をかけるので見えない。そこを利用して途中で 助手とすりかわって隣のビルまで「自分を捨てた男」を殺しに行く。
     このときの治療は「歯石取り」なんだけれど、治療中に身代わりの助手が 一言も声を発しない保証は無く、とんでもなくハイリスクなアリバイ工作である。
     そして本人は「男に変装」して男子便所に潜入するのだが、ちょび髭の大地真央 てのは、相当珍品。でも、コーヒーショップで変装したのを店員に見られているし。 もちろん「男装の女」にしか見えない
     相手がトイレにやってくるのは、自分が彼に打った歯科治療のさいの麻酔薬が切れて 薬を飲みにくる時間を狙ってのことだが、いくら計算して薬を与えたとしても ほんの5分という短い時間で彼が現れる保証はないし、そのトイレに現れる保証も ないし、まあ、計画的な犯罪としては穴だらけではある。
     銃をどこで手に入れたかは不問としても、素人が一撃で心臓を打ちぬけるものか どうかも怪しい。
     また、「アリバイ」は有っても、誰もが認める動機がある以上念入りに調べられるのは 当たり前で、そういう場合はピストルで殺したら「誰が見ても他殺」で、何とか自殺や 事故死に見える殺し方を考えたほうがよかったなとも思う。
     いずれにしても、古畑をアリバイ工作に使ったことがまず間違いで、どうせなら もっと平凡で切れない相手を使うべきだった。「名探偵」をアリバイ工作に使う なんて大胆なことは、恋の嫉妬に狂った女ではなく、冷徹で犯罪を楽しむような 知的な犯罪者にやっていただきたかった。
2002.6.19
  • 『イン&アウト』鑑賞(TV) ★☆
    1997/米,原題: "In & Out"
    監督 フランク・オズ,脚本 ポール・ラドニック
    音楽 マーク・シェイマン
    出演 ケビン・クライン / ジョーン・キューザック / マット・ディロン / トム・セレック / ボブ・ニューハート / デビー・レイノルズ

     ハワード(ケビン・クライン)は、高校の文学教師。教え子である俳優のキャメロン (マット・ディロン)がアカデミー男優賞を受賞し、その授賞式をTVで見ていると。
    「この賞を恩師のハワード先生に贈ります」
    「彼は...ゲイです」
     あくる日から小さな田舎町は大騒ぎ。
     婚約者のエミリー(ジョーン・キューザック)との結婚式を10日後に控えているのに、 ハワードはTVのレポーターに追われ、町のみんなから疑われて何とか男らしく振舞おう と努力するが、次第にそんな自分に疑問を感じ始める。そして結婚式の最中ついに…

     「ゲイでもエエじゃないか」という映画なんだけれど、な〜んか明るい。
     カミングアウト…というか、目覚めてしまったハワードは、教師の職も失う ことになるが、卒業式でそのことを聞いた生徒たち、父兄の皆がハワードを 守るために立ち上り、「ゲイでもエエじゃないか、わっしょいわっしょい」の お祭り状態になる。
     ここから、軽快で元気の出る音楽がガンガンかかり、なんだか感動が盛り 上がってくる。
     結婚式でほおり出した花嫁(彼女も教師)は、「僕のせいだ」と駆けつけた 教え子キャメロンが何とかしてくれるし、老いた父母はラブラブだしと、 なんかにぎやかくて爽やかな気分で終わってしまう。
     さして深い話は無いけれど、善人が多くて後味が良い映画。 でもデート・ムービーには使えないかな(笑)

  • 古畑任三郎 part3(3)「古畑、風邪をひく」 ★★
    犯人:松村達雄
    テーマ:オリエント急行殺人事件

     長野県の山間の小さな村の全員が共謀者。
     古畑の捜査の過程で、嘘が崩れていく様はちょっと情けないのだけれど、 今回はシチュエーションが抜群によくて好きだな。

     被害者は東京のデパートの仕入れ責任者を名乗る女。
     実はこの女に騙されて1500万円を無駄にしたと知って逆上した村人に 消されてしまう。
     しかし、たまたまこの村に逗留することになった古畑一行のうち、 今泉だけが彼女と宿で接触して知っていた。
     たまたま「お地蔵様に落書きした」疑いで駐在につかまった今泉が アリバイを証明するために彼女を必要としたために、村人は全員で 彼女の存在を抹消しようとする…。
     とにかく、昨晩の行動を一つ一つ追いながら、その先々で彼女がいた証拠が 消されている不気味さ…っていっても、古畑の場合は最初に事件が起きてし まっているために視聴者は村人が共謀していることを知っているわけだが、 それだけに、どちらかというと犯人側の気持ちがわかって面白い。
     ミステリーらしさという点では、かなりのセン行ってる。
     ただし、村人が古畑に見破られるきっかけが、止せば良いのに死んだ 女の身代わりを立てて一芝居打って「何事もなかったんだ」ということに しようとしたその芝居の中で身代わりの女が口走った「焼蛤」という 言葉が「焼酎」の読み間違いだから、「台本があるに違いない」ってのは、 むちゃくちゃじゃないかと思うのだが…(^^;
     まぁ、今回は今泉君がある意味主役なので解決が情けないのは、 似合っているともいえるかな、トホホ。
     古畑任三郎の法則 「今泉が恋すると、相手が死ぬ」
2002.6.18
  • 表紙カウンターが280,000件に。この一年ほどはとてもコンスタントに 1万件/月。
  • 『海と毒薬』鑑賞(TV) ☆
    (1986/日)
    原作: 遠藤周作,音楽:松村禎三,監督:熊井啓
    キャスト: 奥田瑛二,渡辺謙,岡田真澄,岸田今日子,根岸季衣
     昭和二十年、夏。終戦間際の米国人捕虜を使った陸軍と九州大学医学部の 生体解剖と、 その裁判記録を元にした遠藤周作の原作小説の映画化。
     岡田真澄扮するアメリカ軍の取調官の目を通して、心の中の罪の概念に ついて問い掛ける。
     …と、そういう話なんだが、映画がどこまで遠藤周作の書いた「日本人 に被せて考えるキリスト教的な罪の概念」みたいなものに迫れたかというと 「生体実験の衝撃」に関する重苦しさは十分に表現されていたけれど、 それに関わった若い医学生のジレンマや、看護婦たちの屈折した感情という ものは、創造の範囲内から飛び出して衝撃的というところまでは 行かなかったようだ。
     心の中を描くのには、やはり映画メディアよりは小説なのかもしれない と思う。
     この作品、けっこう時代は新しいけれど「モノクロ」
     結核治療のデータ取りの為に生きた人間の肺を切り取ってどこまで 生きていられるか…なんて実験の映像を写し、なおかつ戦時中の雰囲気を 出すには適していたと思う。
    (もっとも、手術中の様子はもっぱらガーゼに吸い取られた血と、内臓を いじくる「ぬちゃっ」という音だけで表現されている。つまり「図解生体解剖」 には成っていない。)
     冒頭に病院の空襲シーン有り。派手に機銃掃射を浴びているし爆撃もある。 パール・ハーバーではゼロ戦が病院を機銃掃射するシーンが鬼畜っぽかったが、 米軍も負けずにやっておるのだな。
     医学用語に関する説明は一切無い。これは、わけもわからず医者にされるが ままという雰囲気をかもすのには有効だった。
     キャストには今も第一線で活躍中の名優がずらりと並んで豪華であるが、 ならば、もっと「地味に嫌っぽい」以上の重みがほしかったと、私は思う。

  • 空から降る一億の星(10)
     最終回前。いよいよストーリーの整理に入る。
     キムタクと深津は結婚を考えるまでに成っている。しかし、銃を手に入れ警察署まで 「親の仇」のはずのさんまを殺しに行って、逆に父親が殺人犯であって、逮捕の瞬間に 撃ち殺されたのだということを知り、それを糸口に本当の記憶がよみがえる。なんと 深津は妹だったのだ。
     …なんてことを今更本人に驚かれても、視聴者はみんな知っているので、 「今ごろ気が付いたか、ドアホ」というモードである。今まで散々 「あなたと私の間にあるこの特別な感情はなぜ」…というオーラを振りまき まくった挙句に本人だけが気が付いていなかったとはびっくりである(^^;
     あの二人のことはこれでカタがついたとして、残るはさんまの周囲の女たち (琴子、柴咲コウ)だ。
     柴咲コウがさんまの「大人の優しさ」に感動しているのはまぁ良いとして、 次回にたぶん訪れるさんまの危機に巻き込まれて死んでしまいそうな気がする のが心配。もちろん、彼女が生きていると琴子さんがひとりあぶれるという、 配役上の布石もあるしね。でも、どう考えてもいままでろくにプラスの 活躍をしてこなかった琴子がハッピーエンドに納まっても納得がいかないん ですが…。

  • 古畑任三郎 part3(2)「忙しすぎる殺人者」
    犯人:真田広之
    テーマ:ヒッチコックの裏窓…とは全然関係ない
     やたらに忙しい男が主人公。サブタイトルにもなっているけれど。
     今回の殺人者はホテルから秘書と電話中に殺人を犯す。しかし、秘書に いったん電話をかけさせ、携帯電話からかけなおし、最後にもう一度 秘書から電話をかけなおさせる…というのは、ホテルの通話記録を調べれば 一発だし、携帯電話の履歴も細工しなければならないし、トリックとしては まったく破綻している。
     さらに、自殺と見せかけた犯行時間の証拠を残すために「ホテルのTVの ターミナルを銃で撃って壊す」ということもやっているが、自殺する人間が そんなことするわけないので、大ボケだ。(不倫記者会見のニュースを見たく ないなら、普通の人間はブラウン管をぶっ飛ばすだろう。)
     犯人が犯人なら、古畑が決め手とした「窓から外が見えたならカーテンが 開いていて、外から光が見えたはず」という理屈も、携帯電話を使っていた のだから、電話をしながらカーテンの隙間から覗いた。と言えば、アリバイ は崩せない。
     まあ、今回の見所は「携帯電話をかけながら殺す」という、超多忙な 殺人者像ということだろう。
     ヒッチコックの裏窓へのオマージュが含まれているというと、カッコ いいのか?
2002.6.17
  • 古畑任三郎 part3(1)「若旦那の犯罪」 ★☆
    犯人:市川染五郎
    テーマ:ダイイング・メッセージは煮干し
     あっというまに第3シリーズですね。ついて行くのが大変だ(^^;
     新作落語を作る才能は有るけれど話かとしての花がない兄弟子と、 人気が有って笑わせる力はぴか一の真打だけれど、自力で面白いことを考える 能力に欠ける弟弟子。
     真打昇進記念の独演会で出す「新作」を作る自身の無い弟は、兄弟子のネタを 欲しがるが拒否され、結局盗作上演を行い揉める事に。これが、殺人の動機。
     殺された兄弟子は何故か「煮干」を掴んでいる。これがダイイングメッセージ。
     …で、今シリーズは「ちびの西園寺君」が古畑の部下に登場し、今泉が嫉妬に狂う というのが基本ライン(^^; 第二シリーズで「いやだいやだ」といいながらも あれほど行動を共にしていた古畑と今泉の関係は、かなり疎遠になる兆し。
     弟弟子の殺人計画はかなりはちゃめちゃで無理があると思うが、そんなことより、 犯人役の市川染五郎の、いかにも若くて才能は有るけれど人格的には問題が ある危ない奴、という演技が物凄くはまって印象的だ。
     マジで芸のためなら人殺しそうに見えるからね〜。かといって、『マトリョーシカ』 では、老俳優に振り回される被害者の青年役も見事に演じていたから、地のままで はまっているわけでもないだろう。見事。
     推理作品としては、冒頭に出てきたダイイングメッセージが、事件の解決に なんら役立っていないというのが、肩透かしであるけれど、いいんだろうか、 これで(^^;
2002.6.16
  • ハードディスクレコーダーを買ったから、これからはTVの映画番組もマメに チェックして見るぞ〜と決意して、もう5本も未見で溜めてしまった(^^;;
     しかし、単純計算で300本の映画をTVで見れば、レンタル料金でHDRの金額が 取り返せるし、DVDならたったの40本でハードの金額は元が取れる。
     その意味では2年以内に減価償却するんじゃないかな。
     もちろん、DVD-Rに保存したりすると結構高くつくが、毎日何らかの映画が放送され て、見たことの無い映画がまだまだ沢山あることを考えると、ハードディスク レコーダーが一台では足りないほど見たい番組は沢山ある。
  • ところで、そのRD-X2だが、DVD-RAM/Rの読み取り失敗が結構な頻度で出る。 「レンズまたはディスクが汚れています」と言われるのだが、買って一週間たたない うちからエラー頻発なのは何かあるな…。

  • 『栄光のル・マン』鑑賞(BS) ★
    1971/米,原題:"Le Mans"
    出演:スティーブ・マックィーン, 監督:リー・H・カツィン
     本物のル・マンに合わせたような日程での放送。しかも今年のル・マンには リュック・ベッソンが映画のカメラを持ち込んでいたそうだ。『栄光のル・マン』は アメリカ映画だけれど、フランス人によるル・マン映画も出来るのかな。
     近藤雅彦のチームも出場していたので、映画に出てくるかも。
     さて、この映画のことだけれど、「これがハリウッド映画か」と驚くほど 寡黙な男の映画なんだな。なにしろ、主役のスティーブ・マックィーンが ほとんど喋らない。文字通りの寡黙。
     映画は主人公のレーサーがフランスにやってきて去年の事故を回想するシーンから 始まり、そのシーンは全くの無言。
     そして、レース当日。ピットクルーとの短いやり取りはあるけれど、ほとんど レースの実況中継の声だけが聞こえる中スタートし、数度のクラッシュシーンがあり、 ドライバー交代のひと時、「何故一番早く走らなければならないのか」というような 女との短いやり取り、事故と女たちの不安などを挿入しながら、やっぱりメインは ひたすら走りの映像。
     そして、主人公は最後のドライバー交代で熾烈なデットヒートの中、チームメイト の一位争いをサポートして、二位入賞。ひたすら渋いベテランドライバーを演じて 寡黙。
     最近の映画『ドリブン』でも主人公はサポートに徹して二位というラストなんだ けれど、この映画の真似かな。あっちは、めちゃくちゃ喋り捲る映画だけれど。
     どうも、この映画は「ル・マン体感」がテーマのような気がする。
     本物のル・マン前日にこの映画のサワリだけ見て居眠りしていた私は、翌日の 本物のル・マン中継を見て「あれ、ル・マンは24時間なのにまだやっているのか?」 とボケたくらい、なんだか本物っぽい。
     まあしかし、それには30年たって、コースはもちろん同じだし、何故か走っている 車の基本的なデザインもそれほど変わっていないというのが大きい。
     子供の頃、ル・マンの車のデザインをしたミニカーで遊んだ記憶があるけれど、 それらの車は本当にスポーツカーらしい形をした美しい車でどうも、今でも懐か しい。
     映画としてほとんどストーリーを持たないこの作品は、まさにレースそのものが 主役。そういう映画が有っても良いかもしれない。

  • 『十戒』鑑賞(TV) ★
    1956/米,原題:"The Ten Commandments"
    監督:セシル・B・デミル,出演:チャールトン・ヘストン(モーゼ) /ユル・ブリンナー(ラムセス)
     旧約聖書の「出エジプト記」をモロに映画にした作品なので、ストーリーの解説 は無用だろう。
     チャールトン・ヘストンが出演した「キリスト教物」ということで、 1959年の『ベン・ハー』を思い起こさせるが、画面の雰囲気は結構似ている。
     スキンヘッドのユル・ブリンナーはエジプト王。なんか、悪い王様役は『王様と私』 のシャム王と同じく、やたら似合うのだが…(^^;
     この映画の売りというのはたぶん、モーゼとエジプト王のお抱え魔術師の奇蹟合戦 のSFXなんかにあると思うが、CGの無い時代のことなので手書きアニメとの合成が メインになっている。見ればそれと分かってしまうけれど、結構丁寧ではある。 炎の表現がなんとなく「ディズニー」を思い起こさせる。
     紅海を割るシーンなんか、設定上「神様が起こした風が海の水を押しのけた」と 言うことらしいのだが、その合成は結構それらしくよく出来ている。
     エジプトの風景は完全な砂漠の孤島だけれど、文明が栄えていた頃のエジプトには、 少なくとも宮殿の近辺には水と緑は当然あったはず。
     ストーリーは聖書だから荒唐無稽なのは仕方ないが、見たことも無いはずの生みの親とか 血筋を第一にして育ての親を蔑ろにするモーゼの態度というのは如何なものかと思うし、 「奴隷の解放」が即「エジプトの都市を出て行く」ということになるのが、全くの短慮で 指導者としては最低である。
     本来ならばエジプトの奴隷居住区を開放して、その中で自治を獲得するなり、領地の 交渉を含めて考えるべきを、いきなり砂漠の中にさまよい出たのでは民に「飢えて死ね」 と言うような物。
     いったい、行く当ても無く、どうやって食べていくのかを考えないで、どうやって 民を救うつもりだったのだろう? そのモーゼのせいでユダヤ人は未だに行くあても無く パレスチナでは戦争を続けているのだから、ひどい指導者もあったものだ。
     もしも「出エジプト」でなく、「奴隷の自治確立と待遇改善交渉」だったら、世界の 地図はきっと変わっていたのだろうなぁ…。
     出自を知ったモーゼは「王子の身分のまま奴隷労者に混じって働く」というシーンが あるのだが、もともと奴隷に優しく食料と休息を与えて建設作業の効率化を果たし 王の信頼も厚かったモーゼであるから、本当はそのまま王になり、権力を掌握してから 政治的に改革を推し進めるのがベストだった筈。なのに、自分から全てを投げ出して 体制に敵対してしまうモーゼの存在というのはめっちゃスジが通らないのだ。
     怒った王様は「全ての記録の中からモーゼの名前を削除しろ」と命じるのだが、 この辺は、神話を歴史の中に挿入するための常套的手法だ。
     映画の中で笑えるのは、神の直筆の十戒の石版を一旦不信心者に投げつけて、地割れの 中に消えてしまった後、「もう一度神に書いてもらった」という石版が登場する下り。 石版を投げるところで「おいおい、そんな粗末に扱っていいのか」と突っ込み、再登場で は頭を抱えたね(^^;
     もう一つ笑うのは、モーゼが最初にエジプトを追われ羊飼いの家族に救われる シーンで、羊飼いの娘たちにモテモテになるところ。ここは主役を俳優としてヨイショ するためのサービス・シーンだねぇ(^^) メル・ギブソンのヒーロー映画に、本題と 無関係なラブシーンが必ず差し挟まれるのと同じと見た。
     そういう視点で見ると、「モーゼの母」の役の女優が、奴隷たちの逃避行の中で 一人だけ足が悪いわけでもないのに「輿に乗せられて」いるのも、女優の格の問題で リアリズム以前に「汚い格好で皆と歩くのはちょっと…」という事情なのかなぁと 思えてくる。
  • 前からチャールトン・ヘストンは若い頃のシュワルツネッガーに似ていると 思うのだが、調べたら『トゥルー・ライズ』で競演しているらしい。記憶が無い…。
2002.6.15
  • VPL-VW12HTのページが出来ていた
  • 「東芝HDD&DVDレコーダー RD-X2導入記」掲載
     とりあえず、DVD-Rを焼いて失敗した話まで掲載。
     今後の課題はマクセルの媒体でDVD-R書き込みに失敗したので、多メーカーの媒体では どうかということ。もっとも「店頭で一番安い」という基準で選んでいるのでなかなか 色々なメーカーのものをすぐ買うという訳にも行かないが。
     DVD-RAMは将来性から言っても、ベータや8mmビデオ化する危険性は高いので、あく まで テンポラリ用で、これで長期保存することは考えない。DVD-Rに焼きたい番組の整理 とか、5分番組の撮り貯めとか。
     RAMディスク自体はもう9枚買ったのでそろそろ打ち止め。あまりテンポラリを 増やすと収拾がつかなくなりそうなので。
     今後考えるのは、LDとHi8の録画の保存。

  • 古畑任三郎 part2 スペシャル「しばしのお別れ」
    犯人:山口智子(=生け花師範)
    テーマ:生け花の意外な世界(かな?)

     またまた二人のオフにおきた殺人事件。
     今泉が通っているフラワーアレンジメントの教室に誘われて古畑も花を生ける 羽目になっている。「やっぱり興味ない」とぼやきながら、この男はどうして 今泉に付き合っているのだろう(^^;;
     ともあれ、その教室の発表会というのが、ステージの上で音楽にあわせて花をいける というショー形式のもの。そこで殺人事件がおきる。
     被害者は師範(山口智子)が元居た教室の大先生で分家騒動の確執があり、当然師範 が疑われるが、暗闇の客席で指定席から移動していた大先生をどうして殺すことが できたのか…という話。
     今回は動機ははっきりあるために、なぜ殺すことができたのか…ということが ポイントだが、現実的には「ホントニ可能かな〜」と思うようなトリックだ。
     それはそうと、この話の中に出てくる「ステージでフラメンコを踊りながら花を 生ける」というショーのような生け花教室。以前見たときには変なことを考えるな〜 と思っていたのだが、本当にこういう生け花はあるらしい。
     というのも、仕事の関係で「生け花インターナショナル」という事務所を訪問した とき、そこの発表会が終わったばかりで、見せてもらったパンフレットが正に、 こういうライトアップされたステージでパフォーマンスとしての生け花を見せる というものだったから。
     正直言って私は猛烈にびっくりしましたです(^^;;
     これは伝統的生け花と衝突するのも無理ないと思うのだけれど、その協会は 文字通り国際組織で、名家の奥様方が運営してらっしゃるのだな。
     三谷氏も、そういう生け花を知ってネタにしたくて一本モノに下のだろうけれど、 師範役の山口智子が舞台上でフラメンコを踊るのはなかなか格好よくサマになって いるし、犯行後古畑と対決するシーンの毅然とした姿も凄く良い。はっきり言って 容疑者としてではなく、あからさまに「犯人と古畑」という態度なんだけれど、 それが緊張感があってよい。
     そういえば、一瞬だけ先日亡くなった伊藤俊人が登場するのだが、ちょっと 切ないね。「今泉慎太郎」のほうにはレギュラーで出ていたので、そっちの再放送 も望みたいのだが…。
2002.6.14
  • 古畑任三郎 part2(10)「ニューヨークでの出来事」
    犯人:鈴木保奈美(=旅人・殺された流行作家の妻)
    テーマ:アームチェア・デテクターかな?

     あいも変わらず古畑と今泉はオフを共にし、ニューヨークに向かう長距離バスの 客である。
     同じバスの中で知り合った日本人女性ノリコ・ケンドールは古畑一行が刑事と知り 彼が「解決できなかった事件は無い」と断言するのを聴き、彼女自身がかかわり 無罪判決を得たある事件を解決することができるか謎をかける。
     それは夫を毒殺したという事件だった。
     さて、謎解きは古畑がノリコの語る事件の記録を聞くことで行われるが、 この事件の最大の謎は「毒は夫自身が二つに分けて二人で食べた今川焼きに 含まれていて、犯人はどうして毒の無いほうを取ることができたのか」という ことだ。
     ネタをばらしてしまうと、実は「今川焼きを暖めるためにオーブンを使うことが できなかったならば、代わりにトースターを使ったに違いないが、今川焼きは分厚くて トースターには入らない。ならば、それは鯛焼きだったはずだ。」
     …というすごい推理。
     鯛焼きならば、頭と尻尾があるから、半分だけに毒を入れるということも可能だ。
     しかし、それにしても今川焼きは分厚いから…という↑の理屈って限りなくギャグ に近い。にも関わらずスジは通っている。よくこんな屁理屈を思いつくなぁという のが率直な感想である。
     しかし、鈴木保奈美は美しいし、「私は裁判で有罪になることを望んでいたにも かかわらず、夫が自らの不倫をテーマに書いた恋愛小説の印税で生きている」という 涙で幕を引くというシンミリと余韻のあるラストがなんとも言えない。
     ニューヨークロケということでラストシーンの遠景に今は無きWTCが映っている のも感慨深い。
2002.6.13
  • ついに VPL-VW12HT登場(8/1発売)
     次世代素子の発表があったばかりで新型PJの発表である。見ると欲しくなる(笑)
     なにしろ「次世代素子」の機種が仮に1,000万なら買えないが、VW12HTという ことなら現実味が違う(^^;
     発表の中から気になるところをピックアップしてみると、これまで液晶の コントラスト比を伏せてきたSONYがついに投射型液晶プロジェクターとして初の コントラスト比1000:1を実現と宣言したのが目立つ。当面のライバルDLPの 上位機種が1100:1あたりなのでほぼ並んだ。
     液晶がマイクロレンズアレイ付になったのは、液晶の素子の隙間に当たって 無駄になっていた光が全部液晶を通るということなので、光の利用効率が上がるのと 同時に、乱反射がコントラストを悪化させる現象が減るのだろう。
     いずれにしても毎年新デバイスを開発するSONYの液晶関係者はすごい。
     緑を25%カットするシネマフィルター付属。お好みで装着…というのが、 ちょっとアヤシイ。
     やるならダイクロイック・ミラーでRGB分解するときのバランスの調整でやるのが 本筋だと思うのだが、それだと輝度の絶対値が稼げないための方便か。
     ガンマ調整ソフトウェア "ImageDirector"というのは、いじり倒したい 向きにはすごい機能だ。
     今まで、10HTの隠しモードに入って、膨大な数字のメモを取りながらちまちまと 根気の要る作業をやっていたのが、パソコン画面を通して作業できて、設定した値の セーブ機能も有るなら実験的な数字の設定も可能だし、納得のいくまで数字を突き詰 めることが出来そう。
     その他、長短のオプションレンズがラインナップされたこと、 エアフィルターの強化も、できることは全てやったという感じ。
     10HTに対して11HTと共通の強化点は、シネマモーション
     残念ながら強化されなかったのは、DRC-MFがV1にならなかったことか。
     価格はオープンだが、うわさでは11HTより10万円安いそうだ。これは、 EPSONあたりの新型を意識しているのではないか? 10HTが発売されたときのライバルは 三菱のL10000という99万円の機種で、画質が向上して価格は激安というのは衝撃的だっ たが、今回も販売面で負けるつもりは無いと?
  • で、12HTは買いか?
     実機を見るまで分からないが、VW1xHTシリーズの繊細さを保ったまま DLPと同等の輝度レンジ(コントラスト)が得られれば、現時点での最強になるのは間違 いない。
     単板DLPには「RGBの色割れ」が宿命的に有って、個人差があるとは言うが、 どうも長時間鑑賞するにはチカチカして私は目が疲れる気がするのが弱点。
     だからDLPの一番のウリである「高コントラスト」を獲得した「液晶」なら、かなり無敵に 近く、残る問題は画素不良と、ユニフォミティだけだ。そしてユニフォミティの 制御はパソコンによる調整ソフトが提供されることで、調整好きな人にとっては とことん突き詰められるのは、かなり楽しいことだ。
     10HTから11HTの時には「良く調整した10HTは11HTに遜色ない」と言えたが、 10HTと12HTを比べたら明確な差になるのかもしれないという予感がする。
  • 某店店頭のVW11HTのこと
     ランプタイマーが2,800時間になっていた。
     寿命で終わりかけのランプは一目見て暗く、店頭の「新型プロジェクタ」がいつも 綺麗に見えるのは、半分以上ランプの寿命のせいではないかと思える。

  • 古畑任三郎 part2(9)「間違えられた男」
    犯人:風間杜夫(=運の悪い男)
    テーマ:たぶん犯罪コメディー
     古畑第二シリーズ中、もっともマヌケな話である。
     とある山荘で人を殺したはいいが、逃走用の車はパンク、ヒッチハイクした車の 男は自分を一方的に知っており、自宅に電話して「月間門松編集長を乗せている」と 留守電に吹き込んでしまうので、思い余って殺してしまい、留守電のテープを 盗みに行く。
     なんとかテープを回収して逃走しようとした瞬間、なんと古畑がマンションのベルを 鳴らす。
     なんとかその場を取り繕おうとする男に古畑は「ピン」と来てしまい、次々と 揚げ足取りをしてドツボにはまる姿を楽しむが…。

     この回は、トリックも何も無。ひたすらマヌケな犯人をいじる古畑を鑑賞する。 しかし、犯人に対してこの古畑ほどには意地悪になりきれずに哀れを感じてしまう のでイマイチ乗り切れないというのが正直な感想だ(^^;;
2002.6.12
  • SONY,高精細・高コントラスト・広い色再現が可能なディスプレイデバイス「Grating Light Valve」を開発
     2000年に「レーザー光線をスキャンするプロジェクターの新方式」を研究中、という ニュースがあったが、いよいよ1920画素(水平)×1080画素(垂直)のフルHD・プログレッシブ 映像を実現するデバイスが完成(試作)したというニュース。
     うちの妻は「じゃあ、プロジェクターの光を浴びたら死んぢゃうね」とボケた。
     レーザー=殺人光線かって。レトロだなぁ(笑)
     反射型デバイスだが、DLPがミラーのON/OFFで擬似的に階調を作っているのに対して 「光回折素子」をアナログ的に動かすことで階調を作る。
     また、DLPが二次元に画素を作っているのに対して、縦一列の画素しかないのを、ミラーで スキャンして二次元画像を作る。
     アナログ的な階調制御では「ユニフォミティ」の確保が大変そうだが、素子が縦一列しか ないので、電気的な補正をかけるのは飛躍的に楽なはず。そして、DLPがデジタルの擬似 階調で有るがゆえに、原理的に暗部階調の再現が難しいのに対して、アナログだから滑らかな 再現が期待される。
     光源が色純度の高いRGBのレーザーなので、ブラウン管以上に色再現性が高い。ということと、 コントラスト比が3000:1というのもすごい。1080/60P対応というのも、現状考えられる 最高値だ。
     原理的に「水平方向に画素構造が無い」というのは、三管プロジェクター的で、それも 心引かれる。
     「2年以内を目標に色再現性などを重視するプロフェッショナル市場や高画質ホームシアター 用途向けデバイスとしての実用化を目指す」というが、いったい一号機はいくらくらいの値段 で出てくることか。
     SONYのプロジェクターには出所不明の「12HT」の噂もあるが、GLVデバイスの民生二号機 あたりを狙うなら3〜4年後になるだろう。製品化するならその性能はDLPを超えるものに なるはずだし、100万円くらい貯金して待つのが吉かもしれない。

  • 古畑任三郎 part2(8)「魔術師の選択」 ★★
    犯人:山城新伍(=手品サロン経営)
    テーマ:マジシャンズ・セレクト
     松たか子がゲストで花を持たせる。第3シリーズ第1話には犯人役で市川染五郎も出て いる。松本幸四郎とおねえちゃんはどうだったか…
     この話は、「手品師が意図した物を、本人にも自分が選んだと錯覚させるように 自由自在に選ばせる」というテクニックが、トリックの重要な部分を構成する。
     すなわち、手品のトリックを駆使して衆人環境の中で、被害者に毒入りの飲み物を 取らせる。進んで自分から選んだようにしか見えない方法で。
     本放送時にはこのトリックを深夜のミニ番組『今泉慎太郎』で解説していたが、 今回の再放送では『今泉慎太郎』がセットになっていないので、録画をじっくり見て 自分でトリックを思い出すしかないか(^^;
     もうひとつ、コインのトリックは番組中で原理を説明している。(モロにネタバレは していない)
     「三種類のコインを並べて、相手がどのコインを選ぶか予言する」という この手品のトリック、一度目はとても不思議だが、二度目以降は勘がいい人なら 原理が分かるというシンプルで面白いもの。以前見たときに妻を相手に披露したら 二度目にはきっちり見破られたな(笑)
     殺人事件としては、結婚に反対だからといって相手を殺すか(?)という動機の点と、 古畑が指摘しただけのことで犯人が自白するのは弱いのではないかと思うが、 「手品師が手品を使って完全犯罪を実行する」というシチュエーションがとても 面白いことと、山城新伍のキャラクターが今はステージから引退して後進を育てている ちょっと怪しい中年マジシャン…にあまりにもぴったりなのがすばらしい。

  • 『007/ネバーセイ・ネバーアゲイン』鑑賞(DVDレンタル) ☆
    007=ショーンコネリー
     これで、現在DVDでリリースされている007は全部見たことになるかな。
     おっと、普段とまるで違うオープニング、と思ったらハリウッド製なんだな。
  • DVD-Rを試しに製作。
     書き込み0%でいきなり書き込み不良で媒体がお釈迦になった。
     続いてセットした同ブランド、同ロットの二枚目のディスクは無事書き込み終了。
     何が何だか分からない。媒体のマクセルが悪いのか、機械の東芝 が悪いのか…
     一枚500円以上するのだからちょっとショックである。
     RD-X2は「メニュー画面が作れる」というのも売りだが、このメニューは 「タイトルメニュー」で「チャプターメニュー」は作れないということも判明。
     つまり、「連ドラを複数録画する」というのには役立つが、音楽番組で曲ごとに チャプターを付けて、それをメニュー画面に表示するということは出来ない。
     結構、がっかりだ。
2002.6.11
  • DVD-RAMは両面/カートリッジ入りを買っている。背表紙を書けば整理に便利 なので、Wordのテキストボックスでディスクに付属のシールのレイアウトを作って プリンタで印刷してみた。
     レイアウトはおよそ0.1mm単位で作れるので、物差しで測って作れば簡単なのだが、 とはいえ結構時間が掛かって大変だった(^^;
     でも、ラベル印刷ソフトを買う必要はないね、根気さえ有れば。
     市販のラベルを使うなら テンプレートBAMKという ページに山ほどテンプレートが登録してあって、これは便利。
     気を良くして「古任三郎」の畑が赤地の 白抜きになっているVHSの背ラベルまで製作して寝不足だ(^^;;
  • 『スターウォーズ』をアナキンの物語として再編集できるか…という 視点で鑑賞。
     真剣に見るとこれは結構密度の濃い編集で、ず〜っと「どのシーンも欠かせない」 という密度が続く。一つのエピソードとしての密度も高いし、エピソード1から今度 の2に連絡する様々な要素がぎっしりと並んでいる。
     で、初めて「あ、このシーンはカットしても影響ないな」と思ったのは、やはり というか…、特別編での追加シーンだった(^^;
     エピソード4は前期三部作(1,2,3)の落とし前である「アナキンとオビワンとの決着」 が大きな部分を占めているので、1,2,3の予習として4,5,6を見るとき一番重要なのは やはり1だと思う。特に、エピソード2は予告編を見る限り 「世界が大幅に帝国化している」ので、旧三部作の香りが濃厚だ。
     話は逆順に映画化されているのに、エピソード4と新三部作がよくもここまで 密接に作ることが出来るものだと感心する。
  • 古畑任三郎 part2(7)「動機の鑑定」
    犯人:澤村藤十郎(=骨董店主)
    テーマ:よくわからん(^^;
     美術館と骨董店主が癒着して重要文化財の指定に伴う大金を転がしている。
     それを快く思わない陶芸の老大家が「贋作」を製作し、これを「真作」と鑑定して 美術展を開こうとする二人に贋作の証拠を発表して潰すぞと脅しをかける。
     そこで二人は共謀して物取りの犯行と見せかけ殺してしまう。
     だが、棚に並んだ名作に目がくらんだ美術館主が犯行後に再び忍び込み、作品を盗み 出したことでアリバイが無くなってしまう。
     骨董店主は、自主しそうな美術館主をも殺してしまう。
     …というわけだが、今回は骨董の世界の符丁が古畑たちを惑わすなかで、細かな アリバイ崩しが行なわれる。あと、スペシャリストの世界に生きる人間の、普通とは 違う価値観の意外さ。
     職業の特別さに焦点を当てた話は同シリーズ中にもいくつかあるが、これは地味な 話だった(^^;
2002.6.10
  • そろそろ『スターウォーズ・エピソード2 - クローンの襲撃』鑑賞準備 としての『スターウォーズ・エピソード4,5,6,1』一挙上映会をやりたいが、 さすがに合計9時間かかると思うと気が遠くなる。
     そこで、ダースベイダー視点の『エピソード4,5,6』再編集版… というのが有ったら面白いんじゃないかなあと思う。2時間くらいで。ということは、 各話を1/3くらいにつまんで。
     仮題、『アナキンsaga』
     そうすると基本的にハンソロがメインのエピソードは全て削除してもいい。
     オビワンとヨーダのエピソードは、重要になるだろう。
     しかし、パソコンの前で妄想するにも、本編再生時間+編集の検討時間で、 数日かかりそうだ。割と最近に「特別編+オリジナル」を見たばかりなので、かなり 頭の中だけで再現できるぞ…(^^;;
  • 古畑任三郎 part2(6)「VSクイズ王」 ★☆
    犯人:唐沢寿明(=クイズ王)
    被害者:伊集院光(=TV局の衣装係)
    テーマ:クサヤを使った密室トリックと意外なアリバイ崩し
     「VSクイズ王」はTVのクイズ番組の八百長が殺人事件を引き起こす。
     米国では1957年にクイズ番組の八百長スキャンダルがあり、これをドキュメンタリー 調に撮った『クイズショウ』という映画があるが、三谷脚本でお得意の 「有名な事件/作品を"つかみ"に使って、そこから三谷ワールドが展開する」 という定番パターン。
     実は、居眠りしながらこの番組を再生していてぼんやりと 「うぇ〜鬼のように難しい問題を出すクイズ番組をやっているな〜」 と思ってよく見たら、古畑だった(笑)
     三谷氏は駆け出し時代に「え、ウソほんと」というクイズ番組の問題を作る仕事を やっていたこともあるそうで、一昔前の視聴者参加型クイズ番組全盛時代を思わせる 懐かしい画面だ。
     本物のクイズ番組そっくりでありながら、微妙に安っぽいところが良い(笑)
     唐沢寿明はこの異常に難しい番組の7週連続勝ち抜きのクイズ王だが、番組の 「スターが欲しい」という意向によって、最後の数字にちなんだ問題が出るコーナー の「今週の数字」を教えてもらっている。それを週刊誌にすっぱ抜かれた局は、 今週から一切の情報漏えいは出来ない…と通告する。
     しかし「番組に命を懸けている」というチャンプは、納まらない。
     数字はコーナーアシスタントの衣装に縫い付けられて登場することから、彼は 衣装係に接近するが、緘口令が敷かれていて聞き出せない。そこで衣装ケースを 強行に覗こうとするチャンプと衣装係がもみ合ううち、転倒した衣装係は打ち所が 悪くて死んでしまう…
     一方古畑は何故か「今週の挑戦者」として予選に出場している。
     ところが、問題を全部聞かないでボタンを押してしまうので自滅してしまう。
     今泉君は、オフだというのに古畑に付き合ってTV局に見学に来ているが、お陰で 八つ当たりされる(^^;
     二人が帰宅しようというその時、衣装室を明けた女子職員の悲鳴が聞こえた…。

     今回興味深いのは、古畑には「警察官としては特殊な部類なほど使えない」と 言われ、いつもいじめられている今泉君が、実はオフも一緒に行動するほど仲が いいんじゃないか? という疑惑(?)と、悲鳴が聞こえてから今泉君が走り出すまで のレスポンスが意外に良いこと。
     まぁ、捜査になるといつでも「やっぱり事故じゃないんですかね? 自殺じゃ ないんですかね? 考えすぎですよ」と、役に立つことは言わないのだが。
     この話で古畑が「分倍河原に住んでいる」ということが分かるが、たぶん 田村正和が大昔に「聖蹟桜ヶ丘」の駅から通勤するシーンのあるドラマに出ていたから だろう。(出来立ての聖蹟桜ヶ丘駅はとってもおしゃれに見えた)
     事件そのものは「伊集院光が転んで打ち所が悪くて死んだ」という極めて事故に近い 形の殺人なので、なにも大掛かりな密室トリックを考えなくても「事故」として助けを 呼べばよかったような気がするし、転倒直後に医者に運べば死ななかった可能性もある。
     そこが「殺人事件」としては弱いと思うが、クサヤを使った密室トリックと、 クイズ王ならではの癖を逆手に捕らえた古畑のアリバイ破りの罠は、なかなかの アイディアだった。
2002.6.9
  • 『ダブル・ジョパディー』鑑賞(DVDレンタル) ★
    1999/米,監督:ブルース・ベレスフォード
    キャスト:アシュレイ・ジャッド(妻リビー) ,トミー・リー・ジョーンズ(保護監察官トラヴィス) ,ブルース・グリーンウッド(夫ニック)

     何故か先日見た『ボルケーノ』に続いてトミー・リー・ジョーンズのご登場。

     誰もが同一の犯罪で二度有罪にはならない」―合衆国憲法修正第5条―
     公開時のこの予告編の文句は、なかなか心引かれた。見に行かなかったのは、 予告編でほとんど結末が分かるから。このネタ自体が瞬間芸的だからね。
     …幸せに暮らしていた夫婦だが、ある日二人でクルージングに出たヨットの船上から 血塗れのナイフを残し夫が消える。
     多額の保険金の受取人になっていた妻は夫殺しの容疑で有罪になる。
     だが、刑務所から友人に預けた息子に掛けた電話の向こうに夫の存在を感じる。
     「夫は生きていて、私ははめられた」真実を知った妻は、囚人仲間から聞いた 「同一の犯罪で二度有罪にはならない」という法律を縦に夫への復讐を始める。
     …というのが、予告編の内容で、つまりどんなにどんでん返しがあったとしても 最後は夫が撃ち殺されてめでたしめでたしという内容なのは、分かっているわけだ。
     だから、そこまでの細かい内容がとても大切。
     結論から言うと、女一人の追跡劇なので派手なアクションは少なめだけれど、 自ら保護監察官に追われながらも、着々と標的=失踪した夫の手がかりを探り当て、 追いすがり、対決するという、二重構造の追跡劇が推進力に満ちて、とてもよくできた ストーリーだと思った。

     まず裁判。
     夫は夥しい血痕とナイフだけを残してヨットから消えた。沿岸警備隊に「助けてくれ」 という無線を残して。死体は上がらない。巨額の保険金がかかっている。
     だから「保険金殺人」として妻は有罪。
     確かにそう見えるけれど「夫には巨額の借金があって破産寸前だった」という 事実もそこにはあるので、死体が上がっていない以上「狂言殺人」という可能性 だって相当あるのではないだろうか。何しろ、妻には保険金以外には殺人の動機が 無いし、本気で保険金を得るためには、自分が捕まるような方法で殺さないだろう。
     ヨットで殺すなら、ただ海に落とすだけで良い。いくらでも事故死で通るだろう。 血塗れのナイフを手にしているところを、都合よく沿岸警備艇に発見されるなんて 馬鹿すぎる。
     私が陪審員なら、そこを怪しむね。
     もし狂言殺人だとすれば、海のど真ん中で死体が消えたトリックには、必ず共犯者 が居るはずだ。その人物は直接保険金を受け取らないけれど、結果的に手に入る 立場の人間。つまり唯一残された子供の後見人になる人物と深いかかわりがある に違いない。
     そうやって人間関係を洗っていけば、この事件は比較的短期間で解決したはずだ。

     次に「本当に夫を殺しても罪にならないか」という点。
     「同一の犯罪で…」というのがキモだが、どう考えても、これって「ひとつは冤罪事件」 「もうひとつは殺人事件」で二件の事件じゃないかな。だから「罪にはなる」。 量刑の判断において、お釣りが来る可能性は高いけれど。
     それと、「乏しい判断材料で拙速な判決を下した」陪審員と裁判官には 罪は無いのかね…。
     また、いくら模範囚でも「保険金殺人」は相当罪が重いはず。たったの6年で仮釈放に なるのだろうか?ってのも疑問だね。

     仮釈放された妻は、息子を預かって行方をくらませた女を追うために、彼女の 元職場に家宅侵入して社会保障番号を探り当てる。
     そこで警備員に見つかり逃走するところから、この映画は面白くなる。
     まあ、最初に母親の家に行って逃走資金を調達するところは「真っ先に手配され るだろ」と思わないでもないが、女の社会保障番号をきっかけに、彼女と息子、 そして夫の逃亡の手がかりを一歩ずつ着実に探り当て近づいていくプロセスは 本当に良くできている。
     トミー・リー・ジョーンズは、彼女を追う「保護監察官」トラビス役。
     夫はニューオリンズでホテル経営をして成功しており、彼女はそのパーティー にもぐりこむ。
     このニューオリンズの街の雰囲気がエキゾチックでなかなかいい。常に 生演奏のジャズがどこかから聞こえていて、町全体がジャズがテーマの ディズニーランド風テーマパークという趣。
     トラビスは、その街の警察署に連絡を取って彼女を追うのだが、次第に 「彼女の話は本物ではないか」と信じ始める。
     そしてついに確信を得たトラビスが彼女の味方になって夫と対決…という ラストだが、堅物の監察官が彼女を信じるようになったきっかけというのが、 意外にもやもやしていつの間にか味方になっていたというのが、ちょっと 分かりにくかった。
     最後の証拠は「写真」で彼女の追っている男と死んだはずの男が同一人物だと 確認するのだが、そこに至る心の動きの書き込みがもっと欲しい。
     それと、冒頭の狂言殺人のトリックがもっと鮮やかで、絶対に彼女がやった としか思えないような殺しだったらなお深みのある作品になっていただろう。 この話では、ひっかかる警察が大馬鹿としか思えない。

  • 公式HP
2002.6.8
  • ひたすらRD-X2で遊ぶ
  • 新しいTV雑誌を買ったら、古畑の第三シリーズも放送することが分かった。
     嬉しい。…でも、第一シリーズはいつ放送していたのだろう…(^^;
    ★第3シリーズ★
    第1話 若旦那の犯罪 犯人:市川染五郎
    第2話 忙しすぎる殺人者 犯人:真田広之
    第3話 古畑、風邪をひく 犯人:松村達雄
    第4話 アリバイの死角 犯人:大地真央
    第5話 古い友人に会う 犯人:津川雅彦
    第6話 絶対音感殺人事件 犯人:市村正親
    第7話 哀しき完全犯罪 犯人:田中美佐子
    第8話 完全すぎた殺人 犯人:福山雅治
    第9話 雲の中の死 犯人:玉置浩二
    第10話 最後の事件(前編) 犯人:江口洋介
    第11話 最後の事件(後編) 犯人:江口洋介
2002.6.7
  • 古畑任三郎 part2(5)「偽善の報酬」
    犯人:加藤治子(=TVドラマの脚本家)
    テーマ:凶器をさがせ
     やっと金曜日。再放送はありがたいが、月〜金で放送があるのは 忙しい。(いちいち感想など書くからという説もあるが…)
     さて、今回の犯人はおばあちゃんの脚本家。海辺の一軒家でマネージャー、 家事全般etc.を務める妹と二人暮しだが、妹の趣味は慈善事業である。それも 「若手脚本家の育成」などの名目で100万単位のお金をぽんぽん出すので、 稼いでいる本人はつねに腹を立てている。
     そしてある日ついに、台所で鰹節を削っている妹を後ろから「鈍器のようなもの」 で殴り殺してしまう。
     今回のテーマは「凶器を探せ」。
     誰が犯人かというのは、ばあちゃんが積年の恨みを晴らして嬉々としているので、 古畑ならずとも「ばあちゃんが怪しい」と知れるという…(^^;
     で、謎の凶器も「それだけでは凶器として成立しないものに、ひと手間かけて 鈍器に仕立てる」という定番のトリック。ただ、缶詰、氷、ドライアイス、岩塩 etc.の定番の凶器と違って、言われてみれば「偽善の報酬」だな、と思われるよう な物で殴られるというのがポイントか。
     本シリーズで虐められ役の今泉君は、今回は古畑ではなく、脚本家のばあさんに 食事の世話から庭の草取りまで、雑用を押し付けまくられている。 挙句に「凶器の始末」まで させられるのだから、伊達に虐められていない…というか、結構重要な役回り だったのである(笑)

  • 『ボルケーノ』鑑賞(DVDレンタル) ☆
    キャスト:トミー・リー・ジョーンズ
     ロスのど真ん中で噴火が起きて、災害対策局の責任者(トミー)が大活躍する話
     日本公開直前に国際線の機内で別の火山映画『ダンテズピーク』と立て続けに見て、 いつかまともに見直そうと思っていた作品。
     地質学的に「ロスのど真ん中で噴火が起きるか」というのは分からない。 北米西海岸は日本の太平洋岸と同様プレートの沈み込みが起きている部分で、 昔大地震があったように、地下活動が激しいことは確か。
     まあ、日本でも平地の畑のど真ん中に山ができてしまった「昭和新山」というものも あるので、ロスであるかどうかはともかく都市のど真ん中に火山ができるという事態 そのものは否定できない。
     しかし、地震の描写には、いささか疑問がある。
     この映画に出てくる溶岩は「さらさら型」で、世界にはハワイ島とかアイスランド とか、さらさら型噴火をする火山は何ヶ所か知られている。
     映画の中では、ある日地震があって、その24時間後に大噴火が始まるが、この短さは 驚異的だ。
     通常は「さらさら溶岩」は静かな噴火で、そばに近寄って見学することも可能。
     だが、映画では派手に火山弾が飛んでいる。常識的に考えれば、爆発型の噴火は 「粘り気の強い溶岩」で見られる特徴で、この二つは相反する二つのタイプの噴火を 同時に描いている。
     しかも、地上に落ちた火山弾は「熱い石の塊」なのに、派手な大爆発とともに ガソリンの炎を上げている(^^;
     炎といえば、「地下から派手な炎が吹き上げた一瞬後に、その炎が吸い込まれるよう にして戻っていく」という描写がしつこく繰り返される。映画『バックドラフト』あたりで 「炎が吸い込まれる」という描写が話題になったけれど、火事場では「可燃ガス」が燃えて 体積が小さくなったりするとそういうことがあるかも知れないけれど、こちらは火山だ。
     ガスや水蒸気、灰、溶岩が噴出することはあるが、それらは熱いけれど「燃えているわけ ではない」のだから、『バックドラフト』の炎とはまるで違う描写になるべきだ。
     「地下鉄工事の爆破が原因の一つ」という話が出てくるが、地表すれすれの爆破の刺激で 噴火してしまうほど溶岩が地表付近まで上がってきたら、当然火山性微動とか、地殻変動とか、 地温の上昇とか、派手な前兆現象があるような気がする。
     アメリカってそういう観測をしていないのかな?

     地下鉄構内で溶岩に追いかけられる描写も長いが、溶岩が流れ込んだトンネルの中って とても熱いのではないかな。1つの映画の中でも、溶岩ぎりぎりの場所で素手のドラマを 繰り広げるシーンと、耐熱服を着ていながら酸素マスクが溶けるほど熱くて命からがら 逃げ出すシーンと、両方あって矛盾している。
     熱さに関しては、車が溶岩に飲まれても、ガソリンに引火しないのは謎である。
     唐突に始まった噴火は、12時間足らずで唐突に終わる。むりやりハッピーエンドに している気がするが、考えてみればこの噴火、街の目抜き通りを溶岩が通過したために 大騒動になってはいるが、被害の総面積はかなり狭い。

     人間ドラマに関しては、徹底的に類型的で陳腐である。
    • 主人公はたぶん離婚していて一人で娘を育てているが、13歳の娘は極度に臆病で、 ものすごく足手まといな奴だが、ラストには責任感のある大人の娘に生まれ変わっている。
    • 主人公は「災害が生きがい」。現場のトップだが、上位管理職から「責任者はデスクに 座って指揮を取れ」、と再三注意をされるが、怒涛の噴火の中で走り回る。(でも実質的 にはあまり役に立っていない)
    • この部局のナンバー2は陽気な黒人青年だ。
    • 登場人物はぜんぜんそれが「溶岩」だということを認めず、あれはなんだ!と引っ張る。 (普通、あれは溶岩以外の何物でもないぞ)
    • ヒロインは、美人地質学者で、主人公といい感じになる(主人公は子持ちだが離婚して いるのでラッキーだ)
    • 一方才能はあるが地味で人見知りな女性地質学者はさっさと死んでしまう。
    • 救助される一般人は、臆病で救助する側を窮地に落とす。
    • しつこい黒人差別描写。火災現場に「うちの火も消してくれ」と頼みに来た黒人を逮捕してしまう横暴白人警官。 だが、力をあわせて溶岩と戦って仲直り。
    • 災害現場で活躍する女医と、「危ないから止めよう」としつこい彼氏(金持ちの青年)。
    • その「いやな青年」の所有する新築ビルは、溶岩を食い止めるための爆破作業で 粉々にされて観客サービス。
      (ただし、良く考えると、溶岩にやられるより救助活動の犠牲になって破壊されるほうが、 保証金が出て儲かる気がする)
    • 「動物も助けられています」という心温まるTVレポート。
    • 溶岩の炎の中を、倒れた仲間を抱えて踏みしめるように脱出する男。…でも 歩くのが遅すぎて溶岩に追いつかれて死亡(^^;;(アホです)
    • 爆破作業のために逃げ遅れるが、みんなのために「準備完了」と偽って死ぬ消防士。
    • ビル爆破に巻き込まれても死なない主人公。
     という具合に、徹底的にうそ臭い設定と、類型的な登場人物の寄せ集めで出来ている 話だが、災害映画としてのテンポは良く、バンバン燃えるし爆発するし、涙を誘う人情話 は有るし、一種の馬鹿映画としての完成度は高い。映画館で大音響で脳みそを空にして みれば楽しいかもしれないと思える。そんな映画だ。

2002.6.6
  • 古畑任三郎 part2(4)「赤か、青か」 ★☆
    犯人:木村拓哉(=大学講師、電子工学が専門で時限爆弾が得意)
    被害者:警備員、今泉
    テーマ:古畑の話術のトリック
     深夜の遊園地。キムタクは大学の近くにできた遊園地の観覧車のゴンドラの 中に時限爆弾を仕掛ける。ところが、途中で自転車の鍵を無くしてしまい、 載ってきた自転車の鍵を壊したところを巡回中の警備員に見咎められ殺害して しまう。
     翌日、古畑一行が訪れのんびりと殺人事件の捜査中をしている最中、遊園地に 爆弾犯からの脅迫電話が入る。
     古畑は殺人と爆弾は同一犯人であるとピンと来る。
     犯人は「非常にデリケートな爆弾だから、観覧車を止めろ」という。だが、 爆弾が仕掛けられたゴンドラには何故か「史上最悪の刑事、今泉」が乗って いた。
     捜査当局は「爆弾の専門家」を呼んで時限装置を解体しようとするが、 いつも協力してもらっている先生が忙しく、何故か犯人の「キムタク」に お鉢が回ってくる。
     古畑はキムタク会った直後から彼を疑い始める。
     やがて爆弾の解体は「赤か、青か」という最終局面までくるが、古畑の 執拗な追求にキムタクは「僕は犯人ではないし、それは爆弾を仕掛けた 本人にしかわからない、降りた」と宣言して研究室に帰ってしまう。
     何としても、爆弾を解体しなければならない古畑たちは、犯人に罠を仕掛け るべくキムタクの研究室に出向き芝居を打つ。

     以前見たときはラストで犯人が「青だ」というのに古畑が「赤だ」という 理由が、その日の朝、向島巡査が差し入れした「おみくじクッキー」のおみくじに 「ラッキカラーは赤」と書かれていたからという、本人の種明かしを聞いて 「そんないい加減な」と思っていた。
     ところが、本当の理由は別にあるらしい。
     よく考えてみると、研究室に来た古畑に対して犯人は
     「爆弾はどうなったんですか」と聞いている。古畑は
     「青いコードを切って、無事解体できました。」と答える。
     この後、爆弾の話からそれて殺人事件についての話になるのだが、話が爆弾に 戻ってきたときにキムタクは「爆弾は解体されていない」という前提で話をする。
     それは青いコードを切って爆弾を解体したという古畑の話が嘘だと 分かっていたからで、だから古畑も「正解は赤だ」ということが、キムタクの 最後の答えを待つまでも無く分かっていたのだ。
     この回、「古畑ともあろうものが「おみくじ」で事件を解決するとは」という 批判を聞いたことがあるが、古畑にとって「ラッキーカラーが赤だったから」という 答えは向島巡査のためのジョークだったのだろう。
     そうすると「キムタクには現場を離れてもらわなければならなかった」という 発言は「無事解体できました」というハッタリを利かすためだったということが 分かるし、無用に犯人を刺激するような発言を繰り返していたのも、自然に現場 から追い出すためだったと説明がつく。
     向島巡査に本当の理由を言わなかったのは、古畑の美学なのだろうか?

     君自身が爆発物処理班だと言われて泣き叫ぶ今泉。
     今回は今泉君の「使えないぶり」が強調されていて可哀想だったな…(^^;;

  • RD-X2導入記 - 書きかけ
2002.6.5
  • 古畑任三郎 part2(3)「ゲームの達人」
    犯人:草刈正雄(=すかした医師)
    被害者:おひょいさん
    テーマ:完全犯罪崩し
     三文推理小説の夫婦と家族ぐるみの付き合いをしている医師(草刈)は、実はその妻と 不倫の関係。小説家に関係がばれそうになり、女に結婚を迫られた医師は、二人をピストル 自殺に見せかけて葬るが、彼の完全犯罪には穴があった。
     という話。
     ゲームの達人とは、なんでも万能な医師のゲームの才能と、古畑の前で完全犯罪を たくらむことの難しさを喩えているのだろう。古畑にとっては推理こそがゲームだと。
     でも、この古畑が、ビリヤードだのダーツだの、遊びに関してはからきしダメで、 実は今泉が警官になる前はハスラーだったなどという(笑)
     古畑が今泉の打ったポケット寸前の9ボールを手で取ってしまうとか、 ダーツの的にしたりとか、今回は「今泉遊び」がずいぶん多い。
     ピストルで狂言自殺するおひょいさんが額の真ん中に血糊を着けたり、 そんなのもかなりふざけていて、その時点で「完全犯罪には程遠い」という ダメさが漂っている。
     ともあれ、今回は草刈正雄のカッコ良さを堪能するのが目的のような 回であるからして「コレでいいのだ」と言う事ですね(笑)

  • 『フィールド・オブ・ドリームス』鑑賞(DVDレンタル) ★☆
    1989/米,原題:"Field of Dreams"
    監督・脚本:フィル・アルデン・ロビンソン,原作:W・P・キンセラ
    音楽 ジェームズ・ホーナー
    出演 ケビン・コスナー / バート・ランカスター / ジェームズ・アール・ジョーンズ / エイミー・マディガン

     ケビン・コスナーのスポーツ物である(笑)
     「それを作れば彼が来る」という天のお告げを聞いて、自宅のとうもろこし農場を つぶして野球場を作った男。 するとそこに天国から名プレイヤーがやってくる。
     …というようなあらすじを聞いて、またどんなしょうもない話かと思って見てみたら、 意外にもキャッチボールで親子の愛を語る感動物だった(^^;
     天の声を聞いて畑をつぶし、借金までして野球場を作るなんて正気ではない。 そこに、今は死んだはずの 名プレイヤーがくる。それも正気ではない。しかもそれは、真昼間、家族の目の 前だけに現れ、親戚の面々には見えない。当たり前だが、いよいよ家族の狂気が 明白になる。
     家族も、そこにいるのが幽霊だと分かっている。
     幽霊の練習相手もしちゃう。
     でも、そこまではっきりやられると、これは「自分の心に欠けているものを探す ためのファンタジーなのだ」と納得できた。ケビン・コスナーのいつものスポーツ物とは ちょっと違うんだ。

     野球場を作ったために出来た借金を返済できない夫婦の周りで心配する親戚をよそに、 さらなる天の声に突き動かされて奔走する夫婦。夫のやりたいようにやらせてくれる 妻は優しいし、 付き合ってくれる幼い娘がまた可愛い。
     で結局のところ、ケビン・コスナーは野球選手たちの中に、子供の頃喧嘩別れして 家を飛び出した、その頃の父に出会いキャッチボールをしながら言葉を交わす。
     付き合ってくれた黒人作家は、グラウンドの先のトウモロコシ畑の中に何かを見つ けて去っていく。
     そして、どこからともなく、ここに何かを求めてやってくる人たちの長い行列が 出来る。それぞれに野球の中に込められた昔の夢を思い出すためにやってくる。きっと。

     この映画は「子供の頃父親とキャッチボールをした」という思い出に郷愁を感じる 人なら誰でも、理屈とは関係なく懐かしい気分に浸れる映画だ。 それ以上でも以下でもないのだけれど、それでいいんじゃないかと思う。
     トウモロコシ畑のど真ん中の野球場。そこには安らぎがある。

     ところで、図書館にグリーンの卓上電気スタンドがあった。あれ、欲しいなぁ。
     色々な映画に出てくる。最近で覚えているのは『クリムゾン・リバー』の図書館にも 有った。いや、ここで並べて語る映画ではないけれど(^^;;

2002.6.4
  • 古畑任三郎 part2(2)「笑わない女」 ★☆
    犯人:沢口靖子(=戒律に厳しい女教師)
    テーマ:聖職者の動機とは
     沢口靖子の「能面演技」が売り、なのかなぁ(笑)
     厳しい宗教的な戒律でがんじがらめの女子高。そのなかでも最も厳しい教師であった 沢口が、同僚の教師を殺したその動機とは。というのがテーマ。
     今回は山ほど証拠があるし、殺人犯として優秀な犯人ではないので、なんで あの先生が人を殺すのか、という動機を探すのがテーマになっているが、 「それが動機になるのかなぁ」と一般人は思い、「宗教だから、そうなるのかなぁ」 と納得するのも難しいかも。
     ガメラの「藤谷文子」が女子生徒役で出てくるが、相変わらず下手で可愛い(笑)
     確か「リハウス」のCMに出ていなかったかな。

  • 『太陽を盗んだ男』鑑賞(DVDレンタル) ★
    1979/日,監督・脚本 長谷川和彦, 原作 レナード・シュレイダー
    出演 沢田研二 / 菅原文太 / 池上季実子
     監督・長谷川和彦は33歳の若さでこの作品を取り、絶賛され、以後隠居生活に入った。 そのあまりの寡作ぶりにカリスマ化された。
     作品そのものより、そんな逸話のほうが今となっては有名になったこの作品だが、 DVD化されて再び日の目を見たわけだ。
     ストーリーは『太陽を盗んだ男』。すなわち、原子力発電所からプルトニウムを 盗み出し、原子爆弾を作り、「プロ野球の完全中継」「ローリングストーンズ・日本公演」 「5億円強奪」をだらだらと要求する中学校理科教師(=沢田健二)の物語だ。

     1979年は、昭和54年。当時の批評家は「日本のアクション映画の新境地を開いた」 などと絶賛したらしいが、その絶賛が、長谷川を監督としての死に追いやったのでは ないかという気もする。
     だって、今見れば「往年の刑事映画」そのもので、例えば『踊る大走査線』の スペシャルに「稲垣五郎」が出演しているようなノリだ。とにかく刑事もの という雰囲気を「菅原文太」が一人で背負っており、彼一人で、当時の刑事もの ブームの匂いを一手に引き受けている。っていうか、沢田と文太以外のめぼしい 登場人物がいなくて、ほとんどこの二人の対決に終始しているから。
     往年の刑事映画、の感覚は「音楽の使い方」も多大な影響を与えていると思う。
     当時の批評の絶賛振りを見ると、他に面白い日本映画が無かったのかと 首を傾げたくなるが、なに、Gメンだって、太陽にほえろだって、TVの刑事ドラマは 皆面白かったし、映画となればもちろん予算は変わってくるだろうが、パトカーの 5,6台つぶしたって、ヘリコプターで追いかけたって、知れたものだろう。
     むしろ、埋立地とはいえ、当時の東京都はよくカーチェイスのロケをやらせて くれたな、いい時代だなと思うけどね。
     ストーリーは大まかにいくつかのブロックに分かれて分かりやすい。

    1.無気力な青年教師沢田の日常
    2.天皇陛下に合いたいバスジャックとの遭遇と、刑事(文太)との出会い
    3.プルトニウム強奪。東海村原子力発電所への潜入。
    4.原爆製造工程
    5.第一の要求。野球中継延長
    6.女DJとの出会い〜第二の要求。ローリングストーンズ来日公演
    7.サラ金業者の尾行
    8.第三の要求。50億円の要求
    9.逆探知成功〜原爆没収
    10.原爆の再奪取〜カーチェイス
    11.武道館〜刑事との死闘

     まず1.2.は要らない。30分近く使っているけれど。
     3.プルトニウム強奪のチープな映像は笑える。
     現実のプルトニウムの保管場所がどうなっているか知らないけれど、なんだか 「戦隊物」の秘密基地みたいなセットが泣けるし、逃亡途上での銃撃戦も、 中学教師がピストル撃って当たると思えないけれど…。
     原爆製造工程は、さらに凄い。
     大変な時間をかけてこれを描いてはいるけれど、ビニールのカバーをかけると ガイガーカウンターの振れがゼロに成るとか、それだけで腰が砕ける。
     映画として面白くなるのは、犯人が要求を考える下り以降だろう。
     「原爆は手に入れたけれど、何がしたいのか分からない」という不条理は それはそれで哲学的だ。
     だったら何故、命がけでプルトニウムを盗んだのかというところまで話は 戻るのだが、映画の中では単なる「原爆にあこがれる変人」としか見えない。
     「要求を思いつかないので、ラジオのDJに聞いてみる」というのは時代だね。
     最後の50億円は、原爆を作るための電気炉を買った借金を返すために現金が 必要になり、大きく出た。という所。
     ここから後は、普通の刑事物だ。
     逃げる沢田に特別な才能のひらめきがあるわけではない。
     カーチェイスだって、TVより規模が大きいだけで、革新的な感じはしない。 もちろん昔のことだけれど、こういうものは才能より予算だろうし。
     つまり、この映画ならではの「核」は、「原爆を手に入れたけれど、何に 使ったらいいのか分からない」という哲学であって、アクションなんかに 特別な価値は無い。
     定番のパトカークラッシュとか、沢田が何発弾を撃ち込んでも死なない ターミネーターのような菅原文太とか、女DJとの首都高逃避行とか、やれば やるほど陳腐で泣けてくる。
     そのほか腰が砕けるシーンはマツダRX-7を盗み出して「その辺で 一番早そうな車を盗んできた」とか、「最近暑いね」と嘆く沢田に菅原文太が 「ビーバーエアコンは涼しいらしいぞ、値段は知らないが、20〜30万かな」 とか、おいおい、本編にCMを挟むなよと、恐らく映画館でも突っ込み たくなったに違いない、どぎつい発言。
     腰が粉々ですぜ。

     結局のところ映画としては「原爆を手にした人は何をするか」ということが、 アクションの為にぼやけているともいえる。今の日本映画だったらどんな 風に料理するだろうか…。
    各新聞の映画評

  • 『イグジステンズ』鑑賞(DVDレンタル) ×
     ×が付いてしまった。
     近未来、VR(バーチャル・リアリティー)型ゲームの開発者が新作発表会で、 会場に乱入した「VRゲームを悪魔のゲーム」と非難する狂信的グループに命を 狙われる。という話。
     ゲームはハビタットのような「電脳空間」に入り込んで別の人生を体験する RPGみたいなもので、完全に生身の現実のように感じることが出来る超空間に 入り込むことが出来る。
     参加者にはゲームの目的もクリア条件も知らされない。全てはその中で行動して 自力で探さなければ成らない。
     でもね〜、現実のゲームでも自由度が高くて何をしてもいいRPGって 「目的の無い人生」みたいなもので意外につまらない物なのだな。そうでなければ、 「全てはあなた次第」と言いながらも、一旦話の流れに乗ると、行くことの出来る 道筋は決まっている。
     つまり、この映画の中のゲームはいわゆる「クソゲー」だから、面白くないのは 当たり前。VRの世界に登場するNPCキャラクターも、プレステのRPGに登場するキャラクター なんかより、全然ダメだ。
     また、ゲーム世界では世界の中でのキャラクターの設定にしたがって、プレイヤーの 自由意志が制限される。つまり勝手に××したい衝動に駆られて逆らえないシーンも ある。
     しかし、複数のプレイヤーが現実世界のように協力して活動するゲームなので、 自分のキャラが意思に反した行動をとるというのは大問題だと思う。パーティーを 組むことひとつとっても、信頼できる相手以外とは組みたくないね。
     唯一このゲーム世界の売りは、ゲーム機が突然変異した生き物から採取した「生体部品」 で出来ていて、脊髄に打ち込んだプラグを介して、臍の緒のようなコードで接続すること。
     そのぐにょぐにゅーょ、ぬめぬめした質感が気持ち悪い。
     敵が持っている武器も、生き物の骨の銃に人間の歯を弾にしたものだから金属探知機に 引っかからないとか。そういう異常な世界。
     そして、VRのゲーム世界の中でさらにVRのゲーム世界に入り込む入れ子構造になって、 自分が今どのレベルにいるか分からないパニックを体験させる。
     ただし、その展開があまりにも「クソゲー」である。
     しかも、この映画の本当のオチは一種の「夢オチ」で、反則。
     さらに、夢オチであることは案外最初のほうで分かる人には分かってしまう。
     まあ、ぐちゃぐちゃ、ぬめぬめが好きな人にだけ楽しめる映画だろう。
     多分、監督に才能があれば同じ道具立てでもっとマシな作品になったかも 知れないが、成らないかもしれない(^^;;;
     アイディアにそれを生かすだけの脚本が伴わなかった作品だ。
2002.6.3
  • 本日より、古畑任三郎 part2の再放送が始まる。
     実は突然HDDレコーダーを買ったのは半分は 「古畑のエアチェックをきちんとCMカットして残したい」という動機による。
     それにしても、月〜金放送でたった二週間でおしまいというペースは、忙しい。
  • なんと「古畑任三郎研究会」消失
     サーバトラブルなのだそうだが、バックアップが無かったというのが悲しい。 …といいつつ、うちのパソコンもパックアップせねば。月一度のつもりが、どうも 面倒で…。
  • 古畑任三郎・第二シリーズ解説
  • 古畑任三郎 part2(1)「しゃべりすぎた男」 ★★☆
    犯人:明石屋さんま=弁護士
    テーマ:法廷劇(?)
     なんと今泉が殺人犯として逮捕されるが、真犯人は弁護士だったという話。
     「さんま」を弁の立つ弁護士という設定にしたのが良い。
     なんと言っても「しゃべる職業」だから、彼にとっての得意分野だ。
     最近『空星』で明石屋さんまの演技を見ているけれど、彼のキャラクターが 生きているように思えない。それはやっぱり「脚本」のせいで、三谷幸喜は 偉いのかなあと思うわけ。
     今泉(西村)の怪演も凄い。
     第二シリーズの初回を飾るこの第一話は90分枠での放送だが、まさに あっという間の90分。第一シリーズでの相棒の今泉君が殺人事件に巻き込まれる という大胆な設定がまず目を引くし、古畑と今泉の微妙な人間関係の距離感も 面白い。
     犯人の念入りなアリバイ作りが崩されたと見えて、決定的な証拠には成らず、 意外なところから犯行現場に居たことが証明されるという二段構えの構成が又 見事。
     次から次へと起こるイベントで確実に話が進んでいく。ストーリーに推進力 を感じる。
     基本的に『古畑任三郎』が一話完結型の物語で短時間で解決するものだとは いえ、はっきり前に進む手ごたえがある物語は気持ちがいい。誰が何を考えて 行動しているかもハッキリしている。ハッキリしているからこそ、犯人 (または視聴者) が見落としていたトリックの穴をズバリと指摘する古畑がカッコいい。

  • 空から降る一億の星(8)
     前回クスリを飲んでさんまに電話してきた柴咲コウは定番通り助かり、さんまに 「女子大生殺し」を自白する。が、さんまは上に報告しない。
     さんまは、RAVEにキムタクを訪ね自首を勧め、妹に会わないように言う。(まぁ、 当たり前だよね)
     琴子さんとも、柴咲コウを庇っていることで喧嘩。さんまは、多くの登場人物から 浮き上がっていく。
     キムタクは、柏木姉の誘惑を断り、店を任される話を棒に振るが、深津に義理を 立てる気持ちになったのか?
     彼は深津との宴会でうたた寝した後、夢にうなされてパニックする。
     「超記憶」を持つ彼だが、25年前の事件に関する記憶は「偽物」のような気がして いるらしい。なんか「眠れる森」っぽくなってきた。
    (次回は精神科医も出てくるぞ)
     妹とキムタクが会わないように干渉するさんまは、二人のデート現場に先回りして キムタクを刺してしまう。警官がそんなことしていいのか!
     なんかもう、主要な登場人物全員が正気を失っている。
     デートを阻止したいのなら、女子大生事件の証人がいるのだから逮捕すれば いいのだし、キムタクだって「共犯者がゲロる」と分かったら姿をくらますだろう、 普通。
     深津も「親友がはめられ、自殺に追い込まれた相手」と分かっているのに、何を考え ているのか、いないのか。

     次回、唯一の良心、見合い相手の「八嶋さん」が再登場するらしいのが救いで ある(^^;
     こんな発狂ドラマを来週もまた見るであろう自分が悲しい。
     う〜ん、これじゃキムタクに翻弄されつつ離れられない登場人物と変わらないぞ(^^;;;
2002.6.2
  • 妻の合唱団の定期演奏会を聴きに行く。
  • 東芝 HDD/DVDレコーダー RD-X2
     編集機能を色々と試してみる。
2002.6.1
  • 東芝 HDD/DVDレコーダー RD-X2購入


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!