DOLBY DIGITAL | PRO LOGIC | EFFECT量 | |
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5.1ch/2ch DIRECT (比較基準として) | 空間の広さより、ピンポイントの定位を望む場合は、5.1ch DIRECTがもっとも効果的。 シャープでハードなSF/アクションものには望ましい。 | 2ch DIRECT(サラウンドoff)でも、良くできたソフトは、真横にもスピーカーが あるかのように定位する。 | なし |
VIRTUAL MULTI REAR | 効果は微妙なもので、複数のスピーカーが「実在する感じ」というよりは、 前後のスピーカーの間の空間にじわっと広がり、音源の重心も仮想スピーカーの展開方向に 少し移動する。DIRECTに対して柔らかい響き。少な目に利かすのが定位を損なわない。 | 柔らかい響きになるが、あまり顕著な効果は感じられない。 | EFFECTを上げると仮想スピーカーの音量が増すので、 実スピーカーの音量を取り直す必要がある。 |
VIRTUAL REAR SHIFT | スピーカーを移動させ、狭い部屋を広く感じさせるというモードだが、 我が家のように教科書通りのスピーカー配置に近い場合には効果は判りにくい。 リヤスピーカーの距離が近ければ、効果的なのだろう。 | もともと、サラウンドがモノラルなためか、左右に広げる利点は感じられない。 | ? |
VIRTUAL ENHANCED SURROUND | フロントのみでサラウンドを実現するモード。 実際にリアスピーカーがあるのとほとんど変わらない音響が得られる。繰り返し切り替えながら 聴いてもどちらが本物かわかりにくいほどの実在感がある。驚異的。 |
サラウンド音源は首の真後ろ、手を伸ばせば届くかな?というほどの位置に定位する。 | EFFECTは、仮想音源(サラウンド音)の音量 |
「マルチリア」がおそらく6本のスピーカーをフルにそろえて5.1ch音源を再生する場合の、
このアンプ(TA-V88ES)のSONYが想定するメインモードと思われるが、これは、5.1ch再生の印象を
激変させるものではありません。つまり、このモードを使いこなすにはピュアオーディオ的に基本のドルビーデジタル再生の
セッティングを成功させていることが基本。
基本の5.1ch再生に仮想マルチリアSPを追加することで、フロントとリアの中抜けを埋めて、
前後の繋がりを改善すると理解するのが正しいと思います。
フロントに比べてリアSPは何かとセッティングの制約が大きいため、我が家でも完璧には遠いですが、
EFFECTを上げていくと、仮想SPの音量が上がり、音源の重心が後ろから横に移っていくのを感じることが
出来ます。また、仮想SPは三台発生するため、音色は柔らかく、定位の芯は拡大していきます。
このような特徴を考えると、リアに音楽を持ってきているようなソースではEFFECTを上げてふくらみを出し、
前後やリアチャンネル左右の移動感を重視しているサウンドデザインの作品では、ごく控えめに
EFFECTを掛けるのが基本といえるでしょう。
私は1/4〜1/3程度の設定で使用することが多く、ごく控えめですが、良くできた5.1chソフトを
楽しむにはそのくらいが適当と考えています。
良くないソフトに活を入れるような使い方(?)には、「シネマスタジオA/Bモード」を活用するのがよいと思います。
「リア・シフト」モードは、リアSPの距離が十分取れている我が家のセッティングでは、 効果を感じませんでした。
結局PRO LOGIC音源の場合はSPセッティングをしっかりすれば2chでも十分な広がり感を得る ことが出来るわけだから、3D機能を使う必要はないし、すべてのスピーカーをそろえる場合も、 どちらかといえば残響付加アルゴリズム である、シネマスタジオA/Bモードの方が有効であると感じる。