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電磁環境(EMC)の基礎の中でもAV機器使いこなしに直接関わる基礎知識だけを まとめてメモ。
■電磁誘導
ループ状の銅線のループを貫く磁束が変化すると電圧が発生する。これを
「電磁誘導」という。
大電力の送電線に近接して通信線を設置した場合、送電線で発生する
「変化する磁界」によって通信線の対となった電線の間に電圧が発生する。
これを「電磁誘導障害」という。
より対線(ツイステッドペア)を用いると、誘導によって発生する電圧が
一ひねりごとに逆方向になるために打ち消しあい、「電磁誘導障害」を受けにくい
(LANケーブルなどで使用されている)。
ただし上記のようなケースでは電力線による「誘導妨害」も同時に受けるので、
シールド線を用いることが多い。
■熱雑音
抵抗体には「熱雑音」が発生する。
雑音の有能電力(実効値) = kTB[W]
k : ボルツマン定数( 1.381e-23 (J/K) )
T[K] : 絶対温度
B[Hz] : 周波数帯域
■電源高調波
商用電源は50/60Hzの正弦波であるが、高調波成分が混じると、
電力用コンデンサの振動/過熱、TV/蛍光灯のちらつき、ステレオの音質低下などを引き起こす。
発生源としては、インバータ、サイリスタ応用機器が代表的。
対策として、リアクトルとコンデンサでトラップ回路を作り、高調波を吸収する。
■コモン・モード/ディファレンシャル(ノーマル)・モード
電気回路は、電源と負荷を結ぶ一対の導線で成り立ち、行き帰りの導線に流れる
電流は等しい。
しかし、導線と基準面(筐体、大地など)の間に電気容量など「浮遊インピーダンス」
が存在すると、高周波でその影響を無視できなくなる。
コモン・モード電圧/電流とは、回路と基準面の電圧/基準面を流れる電流のこと。
コモン・モード・ノイズとは、大地やグランド線に流れるノイズ。
コモン・モード・ノイズは、導線と基準面からなる大きなループを電流が流れるために
これが電磁波を発生し、他の機器に放射妨害を与えやすい。
一方、無線妨害、落雷のサージ電圧、商用電源からのノイズは、いずれもコモン・モード・
ノイズとして伝搬し機器に障害を与える。
対策は
■遮蔽(シールド)
■電波吸収体
電波吸収体は
文:唐澤 清彦 | 映画館がやってきた! |