映画館がやってきた!

90インチ・ウルトラビーズ・スクリーン導入記

〜 オーエス・AM-TV090BUの使用感 〜

 ドルビーデジタル導入、液晶プロジェクター更新と、今年に入ってから着々と 強化してきた『からから亭ホームシアター』ですが、ついに今回の機器更新の 一応の締めくくりである「スクリーンの更新」を果たしましたので、ここにまと めを書いてみようと思います。

導入の経緯〜納品

 市販サイズに90インチの物がなく、AVACの電子メール通販で、
「特注もそんなに高くない」ということを教えてもらった話は、 前回に書きましたが、そこで、このサイズで各種のスクリーンの見積もりを出してもらいま した。

メーカー型番特価(税込)
kikuchiSBSR-90G(ビーズ)\81,900
オーエスAM-TV090BW(ホワイト)\51,340
オーエスAM-TV090BU(ウルトラビーズ)\82,950

 ホワイト、ビーズ、ウルトラビーズを比較検討した結果、お店の方にオーエス のスクリーンを勧められたこともあって、オーエスのウルトラビーズAM-TV090BU を発注しました(メールでお買い物)。
オーエスのページ

  6/30 銀行振込
  7/ 2 AVACから確認の封書が届く
  7/ 7 納品。雨の中を長物が届く

 不思議なことは、発注のメールには「特注のため納期がはっきりしたら、 再度連絡の上、土日配達して下さい」と書いたのに黙って火曜日に届いたこと。
 「納期は10日程度」と言われていたのが早く届いたことは嬉しいのですが、 たまたま「一足早い夏ばて」で休暇を取っていたために受け取ることが出来まし たが、まさに偶然(^^;;

 第一印象…、箱の大きさを見て「げっ」と思いました(笑)
 90インチだと、スクリーンサイズは横190cm強なのですが、配達のお兄ちゃんが
「長いですよ!」と言って差し入れたそれは「ずずず〜〜い」という感じ。
 どう見ても2.5mはあり「間違って変な物が届いたのか」と思いました(^^;

 梱包を解いて中身を確認して一安心しましたが、箱は100インチ用の既製品 なのかも知れません。でも、やっぱり大きいなぁ…(^^;

設置の話

 とりあえず、「一人で設置できるのか」が問題です。広告を見ると、お店に 頼むと設置費用2〜5万円と有るではないですか。とんでもない(^^;

 取り付け場所は、カーテンボックスの板。
 まず、今まで使っていた代用スクリーンのロール・スクリーン・カーテンを はずします。
 次にスクリーン取り付け穴の左右の距離を採寸。
 2m以上あり、巻き尺の長さを越えているため、測るだけで一苦労ですが、途中 で、測っても余り意味がないことに気付き、実物でマーキングする方法に転換。

 まず、左右スピーカーの幅いっぱいになる予定だったので、スピーカーを移動 します。こんなに壁にくっつけてしまって、きっと音は悪くなるでしょう(^^; しかし、これは大画面と引き替えなのです。
 そろそろとスクリーンを壁面に沿って置き、スピーカーの間に納まることを 確認。残った余裕は10mmのみ。
 窓枠を起点に、左の取り付け穴の位置を測り、カーテンボックスの高さに 平行移動。
 カーテンボックスに窓枠の延長線マーキング。
 そこから、取り付け穴の距離をマーキング。

 スクリーン取り付け金具には、ひょうたん型の穴があり、ネジを打った後に 引っかけることが出来るようになっています。これなら一人でも設置可能です。
 しかし、天井ギリギリに設置したいのに、これでは1cmほど隙間が出来ます。
 そこで「ひょうたん穴」で、とりあえず仮止めして、そのあと天井に押し上げ た場所で固定のネジを打つことにしました。

 大きな声では言えないけれど、いくつも無駄穴を開けてしまいました(^^;
 ちなみに見える穴は、ティッシュペーパーをちぎって詰め込んで補修。白壁 なので割と上手く隠せたと思います。

 さて、仮止め状態からぐいっと天井に押しつけ右をネジ止め。
 左に回り、同じくネジ止め。最後に「ひょうたん穴」の仮止めネジを抜き去っ て完了です。
 ネジは、2cm木ねじ*4。これに金属とゴムのワッシャーを咬ませ、ゴムの弾力 でガタと衝撃を吸収しようと言う目論見です。

 カーテン・ボックスは固くて良い音がするので結構しっかりと固定されている と思いますが、スクリーンの自重約10kgに、引き出すときの力が結構掛かります。
 そっと扱うよう心がける必要はありそうです。

 離れてみると、カーテンボックスの高さから1cmくらいはみ出してしまいまし たが、ケースが壁と同じベージュなので美観的にはまあまあだと思いました。

使用感

 さて、いよいよ本題であります。

・操作感

 まず、引き出してセット。このバネはかなり固くて重いです。
 従来のロール・カーテンと比較してはいけませんが、自重があるから仕方ない のか、使い込めばある程度柔らかくなる物なのか。できればもう少し柔らかい ほうが、取り付け面に負担が掛からなくて嬉しいですね。

 巻き上げは、オーエスは、独自の機構によるスローアップを売りにしています。
 確かに、手を離すと一定の速度でしずしずと巻き上がってゆき、ショックは ほとんどゼロと言えます。

 ただ、巻き上げ機構の作動音が「ギューン」といかにも機械的に減速している ふうの音で、美しくはないですね。惜しいな。

・画質

 本題中の本題ですね(^^)

 いままでの代用スクリーンは性格的には「ホワイト・マット」でした。
 それで明るさは十分だと思っていたのですが、ウルトラ・ビーズの第一印象は

  「ピカ!」

 …っという感じ。とにかく明るい。

 マットは投影されている感じでしたが、これは自ら発光しているような輝き方 で、このビーズに特有なギラッとする感じは映画的しっとり感を求める人には マイナス要素でしょうが、いい方に表現するなら
「よりTV的でくっきりとした映像」になったと言えます。

 ハイライトが伸びるので、いままで白が飽和していた絵柄の中に、階調が見え てきました。スターデストロイヤーの船体表面のディーテイルが浮かんできまし たし、エンジンの青い炎も一面に青いのではなく、もやもやとした形があるのが 見えてきました。
 明るく、細部が見やすくなったために、目が疲れないような印象もあります。

 もともと暗い方には弱いプロジェクタですが、明るくなった分だけ暗いところ も見えてきたような気がします。
 もののけ姫のタタリ神の「濃い紫色」のうにうにも、今まではあまり紫色を感 じなかったのですが、暗部の形が分かり、色が乗ってきます。うにうにが細かく ほぐれて本数が増えたような感じですね(^^;
 さらに、2001年の木星の暗黒の宇宙空間で回転するモノリスもちゃんと判別 できるようになったことは立派だと思います。

・迷光

 ビーズはスクリーンから反射する光は、原理的にプロジェクタに戻ります。  従来は明るい映像は派手に壁面を照らし、スクリーン自体が明るくなっていま したが、周囲の壁面は暗くなりました。
 スクリーンのハイライト部分の階調が向上したのは、このように迷光が減少し たことも大きいと思います。つまり、明るいシーンの細かい黒がより黒く沈む。

 部屋全体を含めた視覚も、周囲がより暗く、スクリーンがより明るくなったの で画面に集中しやすくなったと思います。

・視野角について

 わが家では、いわゆるハイ・マウントの水平投射。
 視聴ポイントは、プロジェクタの直前で、頭越しの投射です。

 狭いと言われるビーズの視野角ですが、確かに最高のスイートスポットは、 画面の幅程度の視距離では狭く、2人座る幅があるか無いか。
 しかしこれで十分だし、もう少しはずれて画面がやや暗くなっても、全体的な 画質はそれほど劣化しません。十分明るいです。

室内照明との関係

 壁面(スクリーンと直角の面)にスタンドを置いていますが、これを点灯しても、 直射光を入れない限り画質へのダメージがほとんど無くなりました。
 従来よりかなり明るさを稼ぐことが出来ます。
 また、部屋の隅(スクリーンのすぐ隣)のスタンドを点灯すると従来は何も見え なくなっていたのですが、内容は十分わかるという感じです。
 天井等は、構造的に直射光が入ってしまうので付けられないのですが。左右の 壁の照明に関して言えば、かなり工夫の範囲が広がったと言えます。
 やっぱり、リビングにはビーズ・スクリーンだと思います。

最後に

 心から「買って良かった…」と、思っています。ますます、プロジェクタを いじるのが楽しみになります。
 とりあえず、七夕の晩にやってきたスクリーンなんで、「ななこ」とでも 呼ぼうかと思っているのですが…(おいおい)

 色々落ち着いて、定番のスターウォーズやターミネーター2を見ましたが、 もうすっかり、これで当たり前というか、もう戻れないと言う感じ…(笑)
 今まで画質に関しては「大画面だから…」というオマケの気持を持ちつつ見ていたのですが、 TVの明るくシャープな画像を見るのと同じ気分で大画面を見られる環境になった ということなのでしょう。


[続く] - シネスコ・マスク制作記
[戻る]

文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!