空気清浄機(東芝 CAF-45H1)導入記
- プロジェクターをホコリから守ろう -
空気清浄機選びの基礎知識
おもに、松下と東芝の比較をしてみました。
まず埃の性質を調べます。
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空気の汚れの原因と粒子サイズ(単位:マイクロ・メートル)
綿ぼこり 100〜10
花粉 100〜10
カビの胞子 50〜4
バクテリア 3〜0.8
砂ぼこり 50〜0.4
室内の浮遊塵埃 20〜0.01
タバコの煙 1〜0.01
ウィルス 0.05〜0.008
匂い 0.8〜0.001 (東芝のカタログから)
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最近主流の機種はHEPAフィルターと活性炭脱臭の組み合わせです。
HEPA(High Effective Particuler Air Filter) とは、0.3(マイクロメートル)の
汚れを99.97%捉える性能のフィルターで、各メーカー共通の呼称です。
HEPAは、花粉症やハウスダストの対策には十分な性能を持っていることがわかり
ます。
匂いは主に活性炭で捉えます。
次に機種ごとの特徴を見ます。
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例:松下 EH3550(46,800円)
フィルター:プラズマHEPA(松下) 99.997%(0.3マイクロメートル)
放電でイオンを発生し、脱臭と吸着を行う(ウィルスも不活性化)
フィルター寿命:4500円/3年
消費電力(最低):7.5W/16db
年間維持費:3000円
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例:東芝 CAF-45H1(53,000円)
フィルター:クーロンHEPA(東芝) 99.999%(0.006マイクロメートル)
半永久帯電繊維で吸着する。その分繊維の目を荒くし、空気の通り
が良い。 0.006マイクロメートルまで集塵する
フィルター寿命:6800円/5年
消費電力(最低):2.0W/15.5db
年間維持費:1760円
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フィルターは「如何にHEPA以上の性能を得るか」に技術がつぎ込まれており、
松下は、高圧をかけプラズマで塵を帯電させることで、フィルターに吸い寄せる
方法で10倍の能率を達成しています。
(静電気でブラウン管にホコリが溜まるのと同じですね)
東芝は、繊維を帯電させることでホコリを吸着し、HEPAフィルターの1/50の
サイズの粒子まで除去します。
0.006マイクロメートルというのは、タバコもウィルスも、一部の匂いの
粒子以外は全て引っかかるというもの凄い性能です。他の機種ではこの部分を
活性炭フィルターに任せています。逆に言えば活性炭は長持ちすると言えるで
しょう。
おそらく、活性炭に掛かる負担の差が、フィルター寿命に現れており、
東芝の5年交換は業界トップです。
消費電力の点では、3.75倍の差がありますが、これは、モーター制御と
フィルター方式から差が出ています。
まず東芝は静電気(クーロン力)による吸着を利用してフィルターの網目自体は
従来機より荒くして、空気が通りやすくなっています。
松下は、プラズマ発生器に電圧をかけるために電気を使います。
またモーター制御にコストをかけているのは冷蔵庫と同様で、パワーのある
モーターをゆっくり効率よく回すことで、消費電力を押さえます。
電力とフィルター、本体価格を計算すると、本体の
差額:6200円は5年で逆転し、以降は東芝が安いと言うことになります。
●同一メーカー内のモデルによる差異
東芝 CAF-45H1(53,000円)を例に取り、下位機種との比較をすると、
下位機種ほど、消費電力が大きく、フィルター交換サイクルが短い。
CAF-45H1 53,000円 1760円/年 本体差 年差 回収
CAF-30H2 43,000円 1860円/年 10,000 100 100年
CAF-260 34,000円 2200円/年 19,000 440 43年
松下との差が5年で逆転するのと比べると、東芝の機種はどれも
低コストと言えそうですし、壊れるまで使っても、大した差は出ないという
結論になりそうです。
ただし、上位機種の方が風量が大きいため効率が良く、ホコリを
検知した瞬間にぱっと動いてすぐ止まり相対的に静かな運転になる
ということは言えそうです。
なぜ『空気清浄機』?
2000.2.2
-
空気清浄機(東芝 CAF-45H1)を買う。今シーズンの新型だが秋葉原駅前の
サトー無線で3割引の33,000円(税込み)。他店は3割引だったのでちょっと得した感じ。
今回の購入目的は、次の四点。
- 1.花粉の季節に備える(妻の希望)
- 2.プロジェクターの埃対策(夫の希望)
- 3.キッチンから進入する煙や匂いの粒子を退治する
- 4.オーディオラックに積もる埃を減らす
購入した機種の特徴はクーロンHEPAというフィルターで、通常のHEPAフィルター
の1/50の0.006マイクロメートルの塵を99.999%まで取り除く能力があるという。
これは、ウィルスや匂いの粒子までも捉えるほどの小ささで、通常のHEPAで活性炭が
やっていたことをかなり肩代わりする細かさ。そのためか、フィルター寿命も1.5倍ほど
長い(5年)
あとは、21畳にも対応する大風量のファンが内蔵され浄化速度が速いのと、微風運転時
の消費電力がわずか2ワットほどで現時点、業界ナンバーワンらしい。
ともかく、カーペット敷きのマンションのためフローリングの部屋に比べ微細な埃が
溜まりやすく、掃除してもどうしても人が動けば埃が浮くというのが気になっていたので
これからの花粉症の季節や、暖かくなるとダニの発生を防ぐためにも、塵の撲滅を
目指して導入したというわけだ。
電気屋さんで「目的は何ですか?」と聴かれたが「掃除が嫌いな清潔マニアなんです」
と答えたら笑えただろうか(^^;; 実際問題掃除した直後でも浮遊する埃は、なかなか
減らないし、液晶プロジェクターに浮かぶ埃を見てしまうと、健康に害があるかどうか
はともかく「とにかく許せない」という感情的な部分も、まあ無視できない。
臭い対策が主目的なら、イオン分解や、光触媒を使った機種が高性能らしいが、
これらは小なりといえどもそれなりに電気を食うので、それが気になると言えない
ことはない。(ヒト桁ワットではあるが、運転時間は長いので)
空気清浄機・導入記
- 空気清浄機を使って分かったこと
- センサーのリセットが面倒
「コンセントを挿して5分間の空気の状態を、綺麗な状態として記憶して自動運転する」
のだそうで、寝室とリビングで簡単に運んで使い分けるという目的にはちょっと面倒。
その間は部屋の換気タイムだと思えばいいのかも知れないけれど。
- 静か
微風運転が静かなことは確かで、他の電気製品など、音が出そうな物全てを止めた
ときにしか聞こえないほど。その一段上の運転速度(汚れ、匂いの検出ランプが
一つくらい付いているとき)でも気にならないし、プロジェクター(SONY VPL-VW10HT)
の運転音に比べると、もう一段回転数が上がっても気にならない。
- 意外に目に見える埃に反応しない
プロジェクターを使っていると、部屋に埃がいっぱい浮いているのが見えて
思わず息が詰まる感じがするが、取り説を見ると「布団の上げ下げなどで発生する埃は
タバコの煙などと比べて大幅に粉塵量が少ないのでセンサーが反応しないことがあり
ます」と有る。
ということは、プロジェクターの光に浮かび上がるふわふわした埃もなかなか
反応しないと言うこと? 目に見えるほどの埃はプロジェクターのフィルター
にも引っかかりそうだから平気なのかも知れないけれど、気になるときは手動運転
が必要と言うことか。
- 節約モードだとセンサーの反応が悪い
24時間モードは常にゆっくりファンが回って空気を循環させているが、節約モードは
空気が綺麗になると運転が止まる。運転が止まると当然空気清浄機の回りの空気は綺麗
になっているのだが、離れた場所で埃が発生しても気が付かないので止まったままだ。
埃のほとんどは人間が動くことで衣服や床から立ち上るが、上昇気流に乗って天井に
昇ってしまい、部屋の隅に置いた空気清浄機は反応しない。
しかし、たぶんそのふわふわしたゴミが、人間が居なくなると静かに降下して、
オーディオラックの焦げ茶の表面に降り積もって行くらしい。
このラック表面の埃は、タオル片手にせっせと磨いてもあっという間にまた
積もって、三日と綺麗な状態は持たないし、機器の底の手の届かない隙間にも容赦
なく入り込み、積もる。
従って、人が部屋にいるときには節約モードは使わず静かに空気が循環している
状態が効果的だと思う(使いっぱなしでも、微風運転での電気代は一日一円だけだし)。
寝るとき、出かけるときには、タイマーをせっとして停止させればよい。
あるいは、人が居なくなって上昇気流が無くなったときこそこうした埃を吸い込む
タイミングか?、
こういう運転で、オーディオラックに積もる埃が減るかどうか、お楽しみ。
- 微風運転は本当に微風
どうも、微風運転の風量だと人間の体温で発生する上昇気流に勝てない気がする
(冬だから余計に)。つまり天井付近に浮いた埃を循環させ、吸い込むほどのパワー
は無い。急速モードで循環させると何もかも吸い込んでしまいそうな勢いだが。
寝る前に換気して、タイマーで少し微風運転してお終いというのがもっとも効果的か。
- 匂いには敏感
浮遊する埃にはわりと鈍いセンサーだが、匂いは超微粒子で室内に均等に
分散するためか、結構敏感に反応する。
酒を飲んだ息を吹きかけると、ぱっと匂いセンサーに赤い表示が出て、がんがん回る。
なかなか面白いが、そばまで行かなくても飲んでいると敏感に検出して勝手に回る。
そして一旦回り始めると色々吸引して埃センサーも点灯し、がんばって浄化している
雰囲気有りである。
で、人もだんだん酔っぱらってくると「なんだ、お前は酒が嫌いかぁ〜?」などと
言って空気清浄機にカラミ、酒臭い息を吹き付けると、彼はさらに赤く光ってがんがん
回る(笑)
台所の換気扇を回しても、もれる匂いに反応し、特に焼き魚など煙っぽい匂いは
得意らしくすぐに反応し、あっという間に脱臭してしまう(フィルターも新品だから
能率はよい)。
しかし、こいつには「いい匂いと悪い匂いの区別が付かない」ので、食事など
していると「お前はミソの香りが嫌いかぁ?」と難癖を付ける事態にも成りかね
ない(笑)
調理中など匂いが濃いと分かり切っている場合は換気扇に任せて、空気清浄機は
止めておき、あとの仕上げを任せるという使い方の方が良いかも知れない。
ただし、窓を開けたくない季節(冬、夏)の焼き肉など、台所の換気扇の管轄外の
料理には活躍してもらいたい。
- 花粉対策
家は交通量の多い道路に面しており、うるさいのと、埃とでもともとあまり窓を
開けたくないこともあるが、考えてみれば、一時的に大量発生する埃と匂いは
換気すれば事足りる。
問題はやはり、シアター状態で締め切ったときと、換気すると却って酷そうな
花粉の時期である。
はたしてこの空気清浄機が花粉症のオアシスになってくれるかどうか楽しみである。
- 掃除が必要
お店の人が「フィルターってこんな感じ」とフタを開けた瞬間、どわっと
灰色のもやが出た(^^; 秋葉原の表通りの塵を吸いまくっていたわけ(^^;
エアコンの目の粗いフィルターでも、一年使うと結構大変なことになるのに、
なぜ5年もフィルターが持つのか不思議に思っていたのだが、取扱説明書には
「二週間に一度、フィルターに掃除機をかけること」とある。
これは一種のリサイクルではないか(^^; 納得。
- プロジェクターの排気音と空気清浄機の排気音のこと
風量に対して音が静かなのは本当に感心。結局空気清浄機というの
はあの大きな箱に、フィルターとファンだけが入っているという仕組みで、
物量勝負の世界である。
プロジェクターも底面全てをフィルターとファンにしてみたら、あれく
らい静音になるのだろうけれど、逆に言えば、現在のサイズで静音化する
のは、結構大変ということかな。
空気清浄機能付き液晶プロジェクター。面白いと思うけれどな…(^^;
- 夕方妻から「インターネット通販で東芝CAF-30H1(G)定価49000円が23500円で出ている」
というメールが来ていたようだが、見そこねていた(^^; 5割引(^^;;
もっとも、消費税・送料別だから5000円くらいしか違わない。良しとしよう。
妻から「色がダークグリーンだから安いのかな?」と言われたが、CAF-30H1は、
確か今年はH2にバージョンアップしていて、旧製品割引でしょう。
カタログ上は、30と45の集塵速度はフィルター性能と風量の関係から4倍くらい違う
らしい。
- ついでに通販の空気清浄機リスト
私の購入価格と、この通販サイトと同じくらいだった。
ちなみにCAF-30H2を\22,800で発見。安物探し競争で妻に勝った?挑戦請う(笑)
ホコリとの戦い(購入後記)
2000.6.9
- 2月2日に買ったので、ほぼ4ヶ月。
うちは空気清浄機を24時間運転していますが、空気清浄機の
フィルターは「二週間に一度掃除しろ」というのが、取扱説明書
の指示。
で、これがやはり数ヶ月使うとじんわりと油染みっぽい色が付
き、フィルター面にくっついているホコリ同士もしっとりしている
ので、LDKでプロジェクターを使っている人は気を付けないといけ
ないですね。
しかし、台所で突然炒め物の煙が上がっても、プロジェクターは
急には止まれない(^^;; ので、そういう緊急事態には全ての窓を
解放し換気扇を回し大騒ぎです(^^;
空気清浄機には油の粒子が付着しているのに対し、そのお陰か、
ほこりゼロにはならないものの
プロジェクターのフィルターに付いている埃はさらっとしたものが
少量だけ、になっているような気がします。
- フローリングなら良いのかも知れませんが、我が家はカーペット
敷きのリビングなので、ホコリが多いのかも知れません。
掃除機だけではどうしても綺麗にならないので、先日「粘着テープ」
を転がすやつを買ってきて、部屋中ころころしたのですが、毎日毎日
親の敵のようにコロコロやって綺麗にしても、翌日には同じほどの
ホコリがまた取れるようなので、参っています。
空気清浄機は2月に購入した物ですが、オーディオラックに積もる
ホコリの総量は、減っているように思うので、効果はあると思います
が、それだけでは「クリーンルーム」のようには到底ならない。
ひたすら掃除。掃除あるのみ。
- 空気清浄機はどうやら、ブラウン運動で室内に均等に拡散するような
微細なホコリの除去は得意だけれど、綿埃のような大きなホコリを
吸引するには、そいつを吸い込むだけの強烈な風を起こさなければなら
ない。
全力運転すればそれは可能だけれど、それではうるさくて
映画鑑賞の邪魔になるので、いつもというわけにはいかない。
やはり基本は掃除。
そして空気清浄機の綺麗な微風を、プロジェクターに当てる。
これが決定版。幸い我が家のプロジェクターは総運転時間800時間
くらいで、ひとかけらもホコリの進入がないのは、それなりの対策の
結果ではないかと考えられる。
まあしかし、プロジェクターを一台飼うのは、アトピーの子供を抱え
ているような雰囲気ですね。自分もダニ・アレルギーの敏感肌(どうもそうらしい)
だから
一挙両得かな(^^;; とにかく、ホームシアターをやっていると、部屋を
締めきりにする時間が長くなるので、換気と掃除は強く意識する必要が
あるでしょう。
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