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究極カレーまで1,000光年

- とりあえず旨いカレーを探すお話 -

 このページで言うカレーはいわゆる「カレーライス」のこと。家で作るカレーライスを旨くしたい。 そのための研究記録です。
 完全なる手作りカレーを志向するのではなく、とりあえず市販カレールーでもっとも好みに合うものを開拓し、 これにスパイスを追加することでオリジナリティーを表現するという手軽な究極を目指しています。

■index

  1. 市販カレールウ調査
  2. 市販スパイス・ミックス調査
  3. 「美味しんぼ」のカレー
  4. 香辛料を単独で味わう
  5. NHK「ためしてガッテン」のカレー
  6. 我が家のカレーレシピ
  7. その他 (カレーと食中毒)

市販カレールウ調査

 自分で香辛料を調合するなどという深みに突入する前に、お手軽に 市販のルーを食べ比べてみるという企画です。
 基本的に最小限の具材(牛肉・タマネギ・ニンジン・ジャガイモ)、追加香辛料なしの 味で評価しています。
 いわゆる「本格カレー」のレシピと「カレールウ」の原材料を比較すると、ルウには 手っ取り早く旨くしてしまうための成分が大量に含まれる事が分かります。
 本格と市販ルーの違い、市販ルウ間の材料と味の違いを分析することで、仕上げの匙加減を 考えるヒントが得られるのではないでしょうか。
 (星は5点満点・基準は5:大好き,4:好き,3:普通,2:嫌い,1:返品)

市販スパイス・ミックス調査

■市販スパイス・ミックス調査

 カレーの黄色の元である「ターメリック」はガラムマサラを名乗る製品には入っていない。
 辛さの主体は「唐辛子」or「黒こしょう」である。
 風味として、「クミン、シナモン」は全品で、
 さらに「コリアンダー、クローブ、(ブラック)カルダモン」が複数製品で使用されている。

■S&Bのスパイスを使ったカレー粉の調製

 S&BのWebページで紹介されている「自分でカレー粉を作るときの配合比率」を勉強してみた。
分類名称分量(4皿)解説ワンポイント
色を付けるターメリック大さじ1カレーの黄色の成分
辛味をつけるチリペッパー小さじ1/4ひりひりした辛味辛口なら1/2、甘口なら無し
ブラックペッパー小さじ1/2ピリッとした辛味、爽快な香り
ジンジャー小さじ1/2シャープな辛味と爽やかな香り
香りをつけるガーリック小さじ1旨み旨みを高めるなら増量
クミン小さじ1/2カレーらしい香りの成分。ほろ苦い増量するとインド風に
コリアンダー小さじ1/2さわやかで甘くマイルドな香り増量するとインド風に
シナモン小さじ1/2さわやかな香り、スパイシーな甘み
カルダモン小さじ1/3強く刺激のある香り
クローブ小さじ1/4バニラのような濃厚な甘い香りビーフカレーのときほんの少し増やす
ローレル小さじ1/4すがすがしい芳香と若干の苦味
オールスパイス小さじ1/4シナモン、クローブ、ナツメグを合わせた香り
 上記は「S&Bガラムマサラ」にターメリック・ローリエ・オールスパイスニンニク・ショウガ を加えたものに相当する。
 また「S&Bガラムマサラ」は、「美味しんぼ」が取材していた、インドのガラン・マサラの成分に「クローブ」を 足しただけで、非常に近い。あと「ショウガ・ターメック」を足すだけで同一の成分になる。
 「美味しんぼ」がどれほど普遍的な取材をしているかわからないが、ベーシックなインド風の土台として、使用できる。

■S&Bのスパイスを使ったカレー粉の調製

 以上の研究から、カレー作りで欠かせない基本の要素をまとめる。

 

「美味しんぼ」のカレー

 人気漫画「美味しんぼ」にもカレーを主役にしたお話がある。この中で作者が 取材している情報が面白いので簡単にまとめてみる。

■カレー勝負 (単行本第24巻)

香辛料を単独で味わう

参考:S&B スパイス&ハーブ辞典

NHK「ためしてガッテン」のカレー

[ポイント] [ガッテン流・材料] [ガッテン流・調理の手順]  番組の印象は、とにかく、滑らかなソースを作ることに命かけている感じ?

[2007年2月5日]実際にこのレシピでポークカレーを作ってみた
 番組の指示通り作ったが、カレーのルーが通常の半分になっていることで カレーっぽさが足りないような。
 「味を足したらルーを減らす」という原則だが、 いきなり半分は少なそう。トウガラシ2本を足しているけれど、これでは ルー2.5皿分の補いにはならないようだ。
 その代わりコクのほうは炒めタマネギのおかげでたっぷり。
 肉はつまり「ポークソテー」なので、肉料理得意の妻に 調理を依頼。これがカレーに入ると、確かに今までのカレーにはなかった 柔らかくてジューシーな旨み。これは素晴らしい。
 ルーの量はより普通のカレーに近く(50%→75%)して、肉はガッテン流どおり につくればより旨そうだ。

我が家のカレーレシピ

■夏休み企画「夏野菜カレーMAX」(2005/8/8)

 夏休みなのでちょっと主夫をやって妻を楽させてみようという企画
 カレーが食べたかったのでちょっとこれまでに無いくらい豪華な夏カレーに 挑戦してみる。


今後の企画
・香辛料を組み合わせてみる

その他

■カレーと食中毒

 カレーは2日目が美味しい、という話があるが、カレーで食中毒を起こすと言う話も多い。
 問題を起こすのはウエルシュ菌
 ウエルシュ菌は熱に強く通常の加熱では死滅しないものがあり、 43〜47度で空気が無い状況で活発に増え毒素を産出する。
 ルーでドロリとしたカレーは表面が冷えても中まで冷めるのには相当に時間がかかり、 この時、ウェルシュ菌の増殖に最適な状態になる。
 この毒素は熱に弱いため、カレーを温めなおすときに全体にしっかり火が通れば 無毒化するが、ルーを均質に再加熱するのは難しく手間がかかる。
 つまり、中途半端な暖めなおしを繰り返すとウェルシュ菌を培養し毒素を生産するのを 手伝っていることになる。
 したがって、カレーはあまり大量に作らないこと、再加熱は徹底的に行うこと、 夏場は冷めにくいため特に注意する事が大切である。
[参考URL:http://www.pref.aomori.lg.jp/sh-hoken/ho-topix/topix5/topix5.html]

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文:唐澤 清彦 究極カレーまで1,000光年 - からから亭