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オーストラリア紀行
- アウター・リーフ・クルージング
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世界最大の珊瑚礁グレート・バリア・リーフ
は、オーストラリア東海岸に沿って
南北2000kmにも渡って広がるという。海岸線から約30kmほどの沖に
珊瑚礁の小島が連なっている。これはアウター・リーフと呼ばれていて、その
一角に浮かぶポンツーンと呼ばれる
人工の浮島へ船で行くツアーが
アウター・リーフ・クルージングだ。
ケアンズの港から出発して、途中、グリーン島
という小さな島へ寄って、しばらくゆっくりした後、再びポンツーン
へ向けて出発する。昼ごろ、ポンツーンに着いて、そこで昼食をとったり
シュノーケリングを楽しむことができる。
僕はここでスキューバ・ダイビングを
することにしていたので、友人Sと別行動をとることになった。
スキューバ・ダイビングは2本潜ったので、時間はあっという間に過ぎて
3時ごろになった。本来なら、ここからまた船でケアンズまで帰るところだが、
僕らはまたしても変則的な計画をしていた。それは
ヘリコプターで帰るというものだった。行きの船の中で申し込みは
済ませてあった。過密スケジュールのため、ダイビングから戻るとすぐ、出発
しなければならなかった。ヘリコプターには生まれて始めて乗ることになった。
パイロットを入れて6人乗りで、僕ら以外に日本人のカップルが同乗した。
救命胴衣を着けて乗り込み、耳栓の役割をする大きなヘッドフォンをつけた。
飛び立つとアウター・リーフの素晴らしい眺めが見えた。天気も良かったので
空から見下ろす最高の景色だった。いつも乗るジェット機と違って、視界がとても
広いのがいい。100〜200mくらいの高さを飛んでいたように思う。
船だと1時間半くらいかかるところを、30分くらいで着いてしまった。
- スキューバ・ダイビング
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スキューバ・ダイビングは実に3年ぶりだった。沖縄の海でライセンスを
とってからは、もう4年にもなる。久しぶりだったので、少し不安もあった。
実際、説明を受けたときは、2年以上ブランクがあるので、1本しか潜れない
かもしれないと言われた。しかし、その日は申し込み者が他にいなかったため、
インストラクターと二人で潜ることになり、予定どおり2本潜ることができた。
インストラクターはマイクというおじさんだった。
一本目は、ボートで少し沖に出て潜るボート・ダイブだった。水は少し濁って
いて視界はそんなに良くはなかったが、大きな珊瑚がたくさん見られた。
ここでは、なんと体長1mくらいのサメ
を見た。これは生まれて始めてのことだった。そんなに怖いとは思わなかったが、
独りだったらきっとかなり慌てただろう。その後は、あの有名な
ナポレオン・フィッシュも見た。
こちらはちょっと遠かったので、見えにくかったが、そのシルエットは
はっきり分かった。額の部分が飛び出していて、ナポレオンの帽子のように
見えるところから、この名前がついた大型の魚だ。
昼食をとった後、再び二本目を潜ったが、今度はポンツーンの付近だったためか
小型の魚がたくさんいた。これは沖縄の海でも良く見られる魚たちだった。
良く見れば、少しは種類が違うはずだけど、そんなに詳しくないので区別は
つけられなかった。
一本あたり、大体、45分くらい潜っているが、あっという間の時間だった。
久しぶりのダイビングは、とても楽しむことができた。
- カジノな夜
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その晩は夕食を食べた後、わざわざカジノ
のあるホテルに出かけて行った。僕はカジノは初めてだったが、
友人Sは去年、ラスベガスに行って味をしめているようだった。
僕は昔から、どうもギャンブルは苦手だった。あれは子供のころ、弟と
テレビを見ていたときのことだった。たまたま「ちびっこ相撲」をやっていて、
大きながっしりした子供と、やせた小さな子供が対戦するところだった。
どう見ても大きい方が勝つとしか思えない状況だったが、弟はなぜか小さい方が
勝つと言い出した。あまりに自信があったので、普段そんなことはしないのに、
そのときに限って10円(せこい!)を賭けて勝負することになってしまった。
結果は弟の言うとおり、小さい方が勝ってしまった。あまりのショックに
しばらく開いた口がふさがらなかった。そのとき、僕はギャンブルに弱いことを
初めて自覚したのだった。その後も、初めてパチンコに行っては、1000円、
初めて競馬に行っては5000円と、自慢じゃないが負けたことしかない。
これに懲りてパチンコも競馬も、ちびっこ相撲に賭けるのも、二度とやって
いない。すべて最初で最後だ。
そんなわけだから、今回も期待できないだろうと思いつつ、とりあえず、
10$ばかりメダルに換えてスロットマシンをやってみた。30分くらいは
持ったような気がする。その後、ルーレットをやろうということになり、
50$をチップに換えてやり始めた。出る数字は不思議と偏っていたが、
今ひとつの感じで、次第に手持ちが減っていった。そしてついに手持ちが0に
なった、と、思ったら当たって、だけ少し持ち直した。友人Sの方は、うまく稼いで
結局、160$くらい勝ったようだ。僕の方は、半分取り替えしたが、それでも
25$くらい負けてしまった。
ギャンブルの弱さを再確認した夜だった。
帰りにカジノを出たところで、たまたま近くを通りがかった陽気な
オーストラリア人のおじさんが写真を撮ってくれた。
ちょっと酔っ払っていたようだが、彼はなぜか寝転んで足をあげて
写真を撮った。出来上がった写真にはその足も写っていた。
- リバー・ラフティング
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リバー・ラフティングとは、
丈夫なゴムボートで急流を下るスポーツだ。これは体力の限界を考えて、
一日のツアーはやめて、半日のツアーに参加した。バロン川の上流まで
送迎のバスで移動し、そこからゴムボートで下って行く。ボートは
インストラクターを入れて10人乗った。僕らの乗ったボートは、
インストラクターも含めて全員日本人だった。しかも、参加者は
会社の慰安旅行で来たというおじさん、
おばさんばかりだった。
独りだけ若い女の子もいたが、それもおばさんに一緒について来た娘だった。
今思うと、つくづく平均年齢の高いボートだった。僕らが女の子を除いて
一番若いということで、ボートの先頭に乗ることになった。
前半は割と急流を行くので、緊張したが、次第に慣れてくる。
思っていたほど体力は使わなかったが、それでも肩は凝った。
後半は流れのゆるやかなところで、のんびり川下りをすることになる。
そうなると、おじさん、おばさんは世間話に華が咲いて、手は漕ぐのを忘れる。
「みんなはゴルフに行ったが、できないのでラフティングに来た」などと
身の上話を聞かせてくれた。
そんなわけで、当初のイメージとはかなり違ったラフティングだったが、
それはそれでおもしろかった。
- オーストラリアの料理?
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オーストラリアでは、料理もおいしかった。オーストラリアは移民の国なので、
色んな国から来た料理があふれている。行きそびれた
ギリシャの料理も食べた。しかし、これはチーズとオリーブの実が
とても塩からかったので、かなり苦しんだ。帆立貝はおいしかった。
海が近いせいか、シーフードが新鮮でおいしい。カキやエビは当然おいしい。
中でもおいしいのは、イタリア料理
だった。特にシーザーサラダは毎日のように食べていた。もちろん、
オージー・ビーフやラムもおいしいのが安く食べられる。
変わった料理としては、ワニの肉や
ポッサムの肉などがある。ワニは
ともかく、ポッサムはちょっと可哀相な気もするが…食べてしまった。
それから、あまり食べてないが、中華料理
をはじめとして、日本料理や
韓国料理、
インド料理などアジアの料理も多い。
ビールはフォーエックス(XXXX)
がなかなかおいしい。これは日本でもときどき売っている。また、前にも書いたが
シャンペンが安くておいしいので、
よく飲んだ。
そういうわけで、食べ物で困ることはほとんどなかった。
困ったことといえば、ギリシャ料理が塩からかったのと、クランダで夕食を
食べ損なった夜(ポテトチップでしのいだ)と、ハミルトン島の中華レストランが
値段のわりにまずかったことくらいだろう。
ところで、オーストラリアの英語は、
ブリティッシュ・イングリッシュを
基本としている。そのため、フレンチフライ(日本語ではフライドポテト)を
チップスと言い、ポテトチップスはクリスプと言う。だから、例えば
「フィッシュ・ン・チップス」と言えば、「魚フライとフライドポテト」
のことになる。もちろん、これくらいなら間違えたからといっても、ショックは
小さい。確かにポテトには違いない。
- ナイト・スポットで踊ろう!
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ケアンズは小さな街だが、ナイト・スポット
は深夜でも盛り上がっている。今日はナイト・スポットを
めぐろうと決めた夜、まずはブルース・バー
に行った。店内はブルースの生演奏をやっていて、とても
賑わっていた。アップテンポの曲になると、何人かは陽気に踊り出す人
もいた。また、音楽をBGMにビリヤードをやっている人達もいた。
しばらくそこで楽しんだ後、店をかえて、今度は
クラブ(ディスコ)に行った。ここでは当然、みんな踊っている。
本当に久しぶりだったので、楽しく踊れた。日本でカラオケに行くような
感覚で、みんな踊りに来ているような気がする。
どちらも日本人の客は全くいなかったが、チャージ料金も5$くらいと安いし、
見た目ほど怖いところじゃないので、お勧めできる。
こうしてケアンズの夜は更けていくのだった。
〜第四部へ続く〜
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