[戻る]

オーストラリア紀行

第三部:ケアンズ編
  1. アウター・リーフ・クルージング
  2. スキューバ・ダイビング
  3. カジノな夜
  4. リバー・ラフティング
  5. オーストラリアの料理?
  6. ナイト・スポットで踊ろう!

アウター・リーフ・クルージング
世界最大の珊瑚礁グレート・バリア・リーフ は、オーストラリア東海岸に沿って 南北2000kmにも渡って広がるという。海岸線から約30kmほどの沖に 珊瑚礁の小島が連なっている。これはアウター・リーフと呼ばれていて、その 一角に浮かぶポンツーンと呼ばれる 人工の浮島へ船で行くツアーが アウター・リーフ・クルージングだ。
ケアンズの港から出発して、途中、グリーン島 という小さな島へ寄って、しばらくゆっくりした後、再びポンツーン へ向けて出発する。昼ごろ、ポンツーンに着いて、そこで昼食をとったり シュノーケリングを楽しむことができる。 僕はここでスキューバ・ダイビングを することにしていたので、友人Sと別行動をとることになった。
スキューバ・ダイビングは2本潜ったので、時間はあっという間に過ぎて 3時ごろになった。本来なら、ここからまた船でケアンズまで帰るところだが、 僕らはまたしても変則的な計画をしていた。それは ヘリコプターで帰るというものだった。行きの船の中で申し込みは 済ませてあった。過密スケジュールのため、ダイビングから戻るとすぐ、出発 しなければならなかった。ヘリコプターには生まれて始めて乗ることになった。 パイロットを入れて6人乗りで、僕ら以外に日本人のカップルが同乗した。 救命胴衣を着けて乗り込み、耳栓の役割をする大きなヘッドフォンをつけた。 飛び立つとアウター・リーフの素晴らしい眺めが見えた。天気も良かったので 空から見下ろす最高の景色だった。いつも乗るジェット機と違って、視界がとても 広いのがいい。100〜200mくらいの高さを飛んでいたように思う。 船だと1時間半くらいかかるところを、30分くらいで着いてしまった。

スキューバ・ダイビング
スキューバ・ダイビングは実に3年ぶりだった。沖縄の海でライセンスを とってからは、もう4年にもなる。久しぶりだったので、少し不安もあった。 実際、説明を受けたときは、2年以上ブランクがあるので、1本しか潜れない かもしれないと言われた。しかし、その日は申し込み者が他にいなかったため、 インストラクターと二人で潜ることになり、予定どおり2本潜ることができた。 インストラクターはマイクというおじさんだった。
一本目は、ボートで少し沖に出て潜るボート・ダイブだった。水は少し濁って いて視界はそんなに良くはなかったが、大きな珊瑚がたくさん見られた。 ここでは、なんと体長1mくらいのサメ を見た。これは生まれて始めてのことだった。そんなに怖いとは思わなかったが、 独りだったらきっとかなり慌てただろう。その後は、あの有名な ナポレオン・フィッシュも見た。 こちらはちょっと遠かったので、見えにくかったが、そのシルエットは はっきり分かった。額の部分が飛び出していて、ナポレオンの帽子のように 見えるところから、この名前がついた大型の魚だ。
昼食をとった後、再び二本目を潜ったが、今度はポンツーンの付近だったためか 小型の魚がたくさんいた。これは沖縄の海でも良く見られる魚たちだった。 良く見れば、少しは種類が違うはずだけど、そんなに詳しくないので区別は つけられなかった。
一本あたり、大体、45分くらい潜っているが、あっという間の時間だった。 久しぶりのダイビングは、とても楽しむことができた。

カジノな夜
その晩は夕食を食べた後、わざわざカジノ のあるホテルに出かけて行った。僕はカジノは初めてだったが、 友人Sは去年、ラスベガスに行って味をしめているようだった。 僕は昔から、どうもギャンブルは苦手だった。あれは子供のころ、弟と テレビを見ていたときのことだった。たまたま「ちびっこ相撲」をやっていて、 大きながっしりした子供と、やせた小さな子供が対戦するところだった。 どう見ても大きい方が勝つとしか思えない状況だったが、弟はなぜか小さい方が 勝つと言い出した。あまりに自信があったので、普段そんなことはしないのに、 そのときに限って10円(せこい!)を賭けて勝負することになってしまった。 結果は弟の言うとおり、小さい方が勝ってしまった。あまりのショックに しばらく開いた口がふさがらなかった。そのとき、僕はギャンブルに弱いことを 初めて自覚したのだった。その後も、初めてパチンコに行っては、1000円、 初めて競馬に行っては5000円と、自慢じゃないが負けたことしかない。 これに懲りてパチンコも競馬も、ちびっこ相撲に賭けるのも、二度とやって いない。すべて最初で最後だ。
そんなわけだから、今回も期待できないだろうと思いつつ、とりあえず、 10$ばかりメダルに換えてスロットマシンをやってみた。30分くらいは 持ったような気がする。その後、ルーレットをやろうということになり、 50$をチップに換えてやり始めた。出る数字は不思議と偏っていたが、 今ひとつの感じで、次第に手持ちが減っていった。そしてついに手持ちが0に なった、と、思ったら当たって、だけ少し持ち直した。友人Sの方は、うまく稼いで 結局、160$くらい勝ったようだ。僕の方は、半分取り替えしたが、それでも 25$くらい負けてしまった。
ギャンブルの弱さを再確認した夜だった。
帰りにカジノを出たところで、たまたま近くを通りがかった陽気な オーストラリア人のおじさんが写真を撮ってくれた。 ちょっと酔っ払っていたようだが、彼はなぜか寝転んで足をあげて 写真を撮った。出来上がった写真にはその足も写っていた。

リバー・ラフティング
リバー・ラフティングとは、 丈夫なゴムボートで急流を下るスポーツだ。これは体力の限界を考えて、 一日のツアーはやめて、半日のツアーに参加した。バロン川の上流まで 送迎のバスで移動し、そこからゴムボートで下って行く。ボートは インストラクターを入れて10人乗った。僕らの乗ったボートは、 インストラクターも含めて全員日本人だった。しかも、参加者は 会社の慰安旅行で来たというおじさん、 おばさんばかりだった。 独りだけ若い女の子もいたが、それもおばさんに一緒について来た娘だった。
今思うと、つくづく平均年齢の高いボートだった。僕らが女の子を除いて 一番若いということで、ボートの先頭に乗ることになった。 前半は割と急流を行くので、緊張したが、次第に慣れてくる。 思っていたほど体力は使わなかったが、それでも肩は凝った。 後半は流れのゆるやかなところで、のんびり川下りをすることになる。 そうなると、おじさん、おばさんは世間話に華が咲いて、手は漕ぐのを忘れる。 「みんなはゴルフに行ったが、できないのでラフティングに来た」などと 身の上話を聞かせてくれた。
そんなわけで、当初のイメージとはかなり違ったラフティングだったが、 それはそれでおもしろかった。

オーストラリアの料理?
オーストラリアでは、料理もおいしかった。オーストラリアは移民の国なので、 色んな国から来た料理があふれている。行きそびれた ギリシャの料理も食べた。しかし、これはチーズとオリーブの実が とても塩からかったので、かなり苦しんだ。帆立貝はおいしかった。 海が近いせいか、シーフードが新鮮でおいしい。カキやエビは当然おいしい。 中でもおいしいのは、イタリア料理 だった。特にシーザーサラダは毎日のように食べていた。もちろん、 オージー・ビーフやラムもおいしいのが安く食べられる。 変わった料理としては、ワニの肉ポッサムの肉などがある。ワニは ともかく、ポッサムはちょっと可哀相な気もするが…食べてしまった。
それから、あまり食べてないが、中華料理 をはじめとして、日本料理韓国料理インド料理などアジアの料理も多い。
ビールはフォーエックス(XXXX) がなかなかおいしい。これは日本でもときどき売っている。また、前にも書いたが シャンペンが安くておいしいので、 よく飲んだ。
そういうわけで、食べ物で困ることはほとんどなかった。
困ったことといえば、ギリシャ料理が塩からかったのと、クランダで夕食を 食べ損なった夜(ポテトチップでしのいだ)と、ハミルトン島の中華レストランが 値段のわりにまずかったことくらいだろう。
ところで、オーストラリアの英語は、 ブリティッシュ・イングリッシュを 基本としている。そのため、フレンチフライ(日本語ではフライドポテト)を チップスと言い、ポテトチップスはクリスプと言う。だから、例えば 「フィッシュ・ン・チップス」と言えば、「魚フライとフライドポテト」 のことになる。もちろん、これくらいなら間違えたからといっても、ショックは 小さい。確かにポテトには違いない。

ナイト・スポットで踊ろう!
ケアンズは小さな街だが、ナイト・スポット は深夜でも盛り上がっている。今日はナイト・スポットを めぐろうと決めた夜、まずはブルース・バー に行った。店内はブルースの生演奏をやっていて、とても 賑わっていた。アップテンポの曲になると、何人かは陽気に踊り出す人 もいた。また、音楽をBGMにビリヤードをやっている人達もいた。
しばらくそこで楽しんだ後、店をかえて、今度は クラブ(ディスコ)に行った。ここでは当然、みんな踊っている。 本当に久しぶりだったので、楽しく踊れた。日本でカラオケに行くような 感覚で、みんな踊りに来ているような気がする。
どちらも日本人の客は全くいなかったが、チャージ料金も5$くらいと安いし、 見た目ほど怖いところじゃないので、お勧めできる。
こうしてケアンズの夜は更けていくのだった。

第四部へ続く〜

ご意見、感想などはこちらへ…

E-mail: JuN Kawai <jun1967@pis.bekkoame.ne.jp>