本-開寒行60日シリーズ第3週。本-開

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「侍・大和撫子は何処?」2/13

今朝も境内の空気は冷たく感じました。着替えや洗面、猫の餌等の順番いつもと違うパターンで用意して鐘突に出ると、本堂を開ける鍵を忘れて、また鐘突の後、鍵を取りに戻って境内諸堂参拝が5分程遅れました。すると東の空はオレンジ色に染まり始め、霊園墓地参りでは西の空に大きな満月が沈む、美しい光景に巡り会えました。今日は好天に恵まれるでしょう。ずっと雨や雪雲の為に西の空に月を見たのは今月始めての様に思います。いつもとちょっと違うだけで、出会える奇遇が、なんだか幸せな気分です。

さて、トリノオリンピック出発前から、意気込んで「やってやるで〜俺達の世代は今までの選手とは違うんだ〜!遊びながら楽しんで金メダルを必ずゲットしてくっから、応援よろしく!」なんて言うスノーボード・ハーフパイプの十代の選手。大会のスタート台では雄叫び、滑り終わり高得点が出ないと、観衆の目の前で崩れてジタバタ雪面を叩く姿が世界に放映され、結局4人全員が予選落ち。あまりにも日本人として見苦しい醜態と恥ずかしく感じたのは古い人間だけでしょうか・・・。

 近年の若者の言動で、同じ事を感じていました。口だけ達者で小生意気に言ったことに責任を持たない。努力しないで、一番になったるとか、高校・大学志望校や将来の夢を自信満々に語り、結果は世界の足下にも及ばない実力である事に気が付かないで「井の中の蛙」の雄叫びを、誇らしく思う母親の言動が若者を増長させてしまう様です。華やかな成功者の表だけを見るのでなく、それぞれの世界の頂点を見極め、頂点への道を謙虚に精進してきた先人達の弛まぬ努力や精神的な強さに視点を変えて成功への道に臨んで欲しいものです。

日本男児たるもの、不言実行!飯は食わねど高楊子。貧乏でも環境が整わなくとも、苦しい試練鍛錬に耐え、また、その壮絶な難行苦行を満行しても自慢せず隠しきり、いざ、本番では大偉業を平然と次々と黙って成し遂げる者を、美学としてきたものです。

日本女性たるもの、今年のNHK大河ドラマの山内一豊の妻「千代」の内助の功を美学としてきたものです。何のことか解らない人は一年間日曜日の午後八時からの「功名が辻」(土曜日二時からの再放送アリ)を見てください。

 

「七転び八起き」2/14

今日は温かくなる予報でしたが、今朝の境内は昨日より冷え込みました。

いま、フィギアスケート・ペアで、最後に滑った中国ペアをちょうど見ていました。男性の力で放り投げられる様に高く遠く一人では飛べないジャンプ着地で失敗し、足と膝の苦痛で動けなく中止すると見てると、なんと中断した途中から痛みをこらえて、また大ジャンプ前から再開して立派に滑りきりました。通常のパワーでは決して出来ない信じられない精神力と、すさましい練習に裏付けられる演技を転倒後にも見せて審査員をうならせ「銀」を獲得しました。将に七転び八起きの繰り返しの証ですね。

方や我が日本期待のハーフパイプ、ジャンプの日本勢はことごとく崩れ、もっとも金メダル近い男子スピードスケートの加藤までも1回目に失速、2回目も34秒代を出し切れませんでした。また次回につながる悔し涙を流す選手を見たかったけど、自己満足で終わってる今時の若者が多いのが本当に残念に思います。

オリンピックやワールドカップなど4年に一度の国際大会で、どこが諸外国の選手と日本の選手に違いが出るのでしょう。技術的、力的には皆、国際水準にまで日本人は到達してるのですが、4年に1度への意気込みすぎと不自然な自己管理、精神的なプレッシャーをプラスにするかマイナスするかの違いでしょうか?それだけでは無いと思います。日頃の厳しい練習をたった一回の本番で出し切るかどうかは、総てを超越した自然体と厳しい練習と本番を重ねた経験から生まれるバランスかもしれませんね。

クラシック音楽界も数々の国際コンクールがあります。そこでの日本人メダリストの割合は一昔前からスポーツ界よりも案外多いのですよ。

いずれにしても、本人が意識するとしないに係わらず、日の丸を背負わせられて、プレッシャーの中、尋常でない精進をしてきたのですから、そう言ったメダリストには国から奨励金を贈る制度を確立して欲しいものです。コンサートホールやアリーナなどハードの建設には膨大な税金を無駄使いし、建設業界と行政への天下り談合や賄賂に奮闘する金の亡者達の渦に巻き込まれないで、我々の納税を有効に使って欲しいですね。

 

「涅槃会」2/15

今朝は、新館玄関や唐門玄関の材料となった檜の薫りと共に雨の臭いが境内にたちこめ新鮮な空気を感じました。久し振りに寒さより春の臭いを感じた気分でした。

さて、今日15日は毎月の阿弥陀如来月縁日と御開山教信上人の月命日に加え、お釈迦様ま約2500年前に亡くなられた命日でもあり、毎朝の鐘突朝の勤行の後、今までお供え物・お膳・献花を本堂・開山堂に、涅槃図掛け軸の前には何故か昔からの恒例で「あられ」をお供えしていました。

そして、もう一つ、今日は先代慶明師の誕生日でもあり、よく母は「父ちゃんはお釈迦様の生まれかわりやで!」と、子供の頃に聞かされたものです。

全国の寺で新暦・旧暦で、この涅槃会を4/8の降誕会(花祭り)と共に必ずどの宗派も仏教寺院なら務められています。当然、仏教を世界に開かれた伝道された教祖様ですから、当然ですよね。ところが、最近の若い世代は、12月25日のクリスマスは何の日か知らない人は日本国中いないのに、今日のこの日を知らない人がほとんどです。4月8日さえ何の日か忘れ去られているのですからね。日本では約1300年前に聖徳太子が国の宗教を仏教と定めて以来、日本が仏教より受けた恩恵ははかり知れず、その仏教の教えを説き世界の人々を救済されたお釈迦様に2500年分の感謝を、これより午前八時よりの涅槃図の前で法要してきます。では、ご一緒にお祈り下さい。

 

「不思議な因縁」2/16

今朝も雨でした。雨の日は、外よりも屋敷が大変なことになります。昔は雨漏りや濡れ縁の腐敗など大変でしたが、今は、猫の泥足で廊下や食堂カウンター、流しの上が泥だらけになります。何しろ、水溜まりにわざわざ入りに行って、庭を駆け回る犬の様な猫達ばかりです。しかも一匹が手足で4つの足跡を残しますから、

4足×10匹×(x動いた歩数)=(y泥だらけ)

と言う公式が雨ごとに出来る訳です。

さて、昨日は涅槃会を紹介しましたが、法泉院先代住職時代に壇信徒総代として、長年法泉院を始め地域に貢献されてきた長老が同じ日に遷化されました。故人は前住職に進められ本山得度で入信帰依して以来、校長を歴任した教育者として、文化財では地域の史誌を執筆し、法泉院庫裡の新築建立昭和の落慶に尽力され、新館「音楽の館」新築資金借入担保に田畑を提供するなど若輩の当時の私にまで応援してくださいました。また町内薬師堂に去年まで毎日参拝される信心深い人柄から、町内外から尊敬される人格者だったのです。93歳の高齢まで肝臓癌を押さえつける精神力は頑固一徹で、酒豪だった故人は末期の水まで酒だったそうです。そして、先代時代までは涅槃会を午後2時に教信寺本堂で追善供養してたのですが、ちょうどその時刻を待ってたかのように、癌の痛みを一切煩わず、穏やかに眠るように、家族や孫に見守られながら自宅で大往生されたのです。先代住職に仏道を教えられ、地域社会へ貢献する布施行や旦那寺を復興するなど、お釈迦様に生き方を学んだ故人は、最も尊敬するお釈迦様と同じ命日を選んで静かに旅立たれたのだと感じました。浄土で必ず先代住職に出会い、再び文化財の話しに延々と花を咲かせらる様に、告別式で極楽浄土へ迷わず行けるパスポートとファーストクラス指定切符をお渡ししたく存じます。

 

「休み無し」2/17

今朝はようやく雨が上がりました。いつもの鐘突諸堂参拝の後、午前8時からの毎月の観音会の準備をしてお供のお花やお膳を用意して戻ってきましたが、一日のスケジュールが休み無く詰まりちょっと急いでいます。

この後、本堂で観音会、法泉院で写経会、昼から加古川駅前周辺で寒行托鉢で回ってますので、お近くにおいでの方は是非、災害地への募金に協力して私の鉄鉢に布施してくださいね。そして、夜は通夜と続き、今夜のTV「チャングムの誓い」は夢の中で見る事になりそうです。

「寒行托鉢」2/18

今朝も冷えています。昨日の日中1時から3時まで加古川駅周辺で托鉢をしました。私はニッケパークタウン東側駐輪場辺りに立ちました。笠をかぶり、右手に錫杖、左手に鉄鉢をもっていた為、手袋は勿論、ポケットにも手を入れられない状況なのに、北風に急激に気温が下がり雪が降ってきました。帰りの車の運転中まで指先が凍えて感覚がなくなる近年まれな、本当の寒行托鉢になりました。そんな天気だった為に、街頭も人がまばらでしたが、何人かは急ぐ足を止めて賽銭を布施される老若男女に出会えた瞬間は、心温まりました。

今日も冷え込みが厳しくなります。しかし、前住職時代の総代の葬式を、暖房のきいた葬儀会館でなく、自宅から出棺されるので、屋外での一般焼香の旁々が風をひかない様に祈るばかりです。

葬式後斎場から戻って直ぐに午後からは、明石市内の全ブラスバンド中高生対象のクリニックでコントラバスを弾いてる学生を一堂に指導します。

もう何年も継続して指導しているので、学校によっては、しっかり基礎を受け継ぎレベルが全般に向上してきました。全国大会に選ばれたり、コントラバスのアンサンブルで出場したり、教え子達の活躍を聞くと嬉しく思います。昨日も7年間教えた愛弟子の一人で今年の卒業生が卒業演奏に選ばれたと連絡が入り本当に嬉しく思いました。直接の弟子も、30年間のCbセミナーに参加した延べ1,000人の当時の学生諸君がプロオケやアマオケ、それぞれの世界で活躍する情報を提供してくれる事も、我が子のように嬉しく思うものです。勿論、コントラバスから離れて幸せな出会いや家庭を持った諸君も含め、現在の立場での生き甲斐と皆の幸せを祈ります。

明日からは「オケの中のバス」と題した昔話シリーズで、朝のレッスンを始めます。専門分野の諸君はご期待下さい。

 

「切羽詰まった時の心」2/19

昨日宣伝した「オケの中のバス」は人は第4週明日の月曜日からスタートします。

忙しい毎日が続き寝不足状態ですが、昨日も時間に追われていました。鐘突・本堂境内お参りの後、午前の葬儀・斎場、昼食もそこそこに、眠気覚ましにコンビニでアリナミンVを飲み明石市内の全中学校より選ばれた17人のコントラバス奏者の玉子達を指導してきました。全員限りない可能性を秘めた学生達です。クリニックでは集中講義と同じですから、途中30分の休憩以外は3時間ぶっとうしで練習のポイントを伝授し弾かせました。この中から将来の日本を背負うような奏者が出てくると愉快ですね。

さて、冬季オリンピックでメダルが取れない日本勢、最終日のフィギアスケートに期待したいものです。4年に一度のたった一回の本番で結果を出さなくては成らないプレッシャーは計り知れないと思います。しかし本当のメダリストは、結果を出すことに執着するのでなく、日々の総合的な厳しい鍛錬に裏付けられた自分を信じ、ミスを極限まで0に近づける事が出来る強い平常心と、恩師・同朋・家族・両親・祖父母・ご先祖様・神仏に感謝する優しい心が調和した人が最後にメダルを手にするように思います。

どんな世界でも切羽詰まるプレッシャーを克服しなければならない時を何度も経験し、それらをどのように乗り越えて来たかによって人生が大きく変わります。人生の岐路とはそんな時です。

どんな世界でも、決してお金だけでは買えない、実力の世界で欲しい金メダル・地位・名誉・仕事・財力・等が手に入る人は、恐らくそれらを最終目的としていない人ではないでしょうか。見せかけのそれらを手にした人は沢山居ますが、直ぐに滅びます。どんなに小さな各界の中でも、大きな世界の中でも、本物の金メダルを手にする人は、ただそれだけを欲して努力したのでなく、意識するとしないに係わらず別の清らかな崇高な目標を持ち続け、その通過点で、無欲でそれほど期待していないのに結果として得られたのでは無いかと思います。

人を吃驚させる難易度の高いジャンプやテクニックも、美しく完成させなければ感動を与えることは出来ません。

或程度は人を許す心や、人の成功を羨むのでなく自分の事のように喜んであげられる自然な心、人のため周りの命のため神仏に祈りを捧げられる崇高な心、日頃間接的で気が付かない恩恵までにも感謝ができる素直な心、自分の努力によって周りが喜ぶ事に惜しみない時間と労役を尽くせる心、そんな心の持ち主になる努力をすれば、人の笑顔や感謝を引き出す予知能力が磨かれ、自分のするべき事が見えてきます。

自分の成功を邪魔する物は、決して外の環境にあるのでなく、自分の心や口や行動にあるのです。強い虚栄心・妬み・嫉妬・強行突破する無理矢理傲慢な心・無い物ねだり・強い執着心など誰でも持ってる108つの煩悩が邪魔をするのです。

成功者は合理性と感性をバランス良く磨き、どんな逆境に置かれても神仏との約束を忘れないで、感謝を忘れない人です。社会に於いても学校に於いても、その場その場でイヤなことも我慢して協力を惜しまず、問題を打開して行く小さな成功への積み重ねにいつも謙虚に精進をしてる人は、いずれ少しずつ認められ、結果が後から付いてきます。

平常時は良い人を装っても、目前に切羽詰まった観衆が見守るハードルが来た時に、虚栄心から自分を良く見せる行為や、無骨な野心で欲するタイトルを軽々しく口にする人は、結局プレッシャーに潰され、観衆や採点者に心を見抜かれ、良い結果が逃げていきます。

オリンピックでもワールドカップでも、国際コンクールでも、突出する人は、野心や欲望を超越して、純粋に今トライしてることが大好きであると、それをさせてもらえる環境に感謝して、感謝する人に恩返ししたいと言うそれぞれの心が調和した時、始めてプレッシャーを解きほぐし、抜きん出たパワーを出せるのだと思います。

頑張れ日本!頑張れそれぞれの分野で夢見る未来のメダリスト達!各界の玉子達!純真無垢な無欲な心と、自分がその道を決めた時の初心を忘れず大好きであるが為に正しい精進を怠らない貴方には必ず成功をもたらすでしょう!

教信寺貫主:長谷川慶悟=音楽家:長谷川悟

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