本-開寒行60日シリーズ第2週本-開

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「老人とペット」2/6

今朝も冷え込みが厳しいです。今日は先月7回忌をした先代の祥月命日の6日なので墓前でいつもより長く追善供養してきました。生きていれば、2/15日が誕生日ですから、あと9日で94歳になる計算です。病院でリハビリに励んでいる母は今年の誕生日で85歳になります。

日本は世界一の長寿国になりましたが、健康で介護を必要としないで長生きしたいものです。私がウィーンで生活してた頃、カフェや公園のベンチで犬と向かい合い話をしてる老人を日常的によく見かけました。老人が話しかけると犬がうなずいているのです。絵になる素敵な光景だけど寂しいな〜っと、その頃見てましたが、最近になって平穏なささやかな幸せだともふと感じます。もっとも、北欧を始め欧州では社会保障制度がしっかりしていて、日本のように老後の年金がもらえなくなるのでは無いかという心配がありません。確かに消費税は高いのですが、そう言った社会保障に還元されているのがハッキリ見えてるのです。

話は戻りますが、毎朝目覚ましの音で、飼い猫のチビクロが枕元で起こしてくれて、洗面所に立つと、必ずモコと曼陀羅が側にいて「おはよう」って話しかけ猫と会話をしてる自分を、ああウィーンで見かけた犬と老人に同じだなーと思うようになりました。

働き盛りの人や若者から見ると、一人寂しい生活とおもわれるかもしれませんが、しかし案外、寒行中は「人々の幸福・生命共存・世界平和と地球環境保護」などを祈り、心静かに過ごせる平和で穏やかな時期でもあるので、むしろ人間より猫との朝の会話が気に入ってる自分を発見しています。うん?と言うことは私も老人になったのかな???

「堂梼」2/7

今朝は冷え込みが厳しくないです。空は曇りです。こうして寒暖を繰り返して毎年、春がやって来るんです。太陽の惑星であり、地球が自転してるから四季があり、水があるから大気があり、空気が動く。地中マグマは地球の体温を保ち地表には火山と天然温泉を提供してくれ、本当に不思議で素晴らしいですね。地球は生きているんです。

さて、今日は壇家の村に昔からある法泉院飛び地境内の薬師堂で年に一度、法泉院住職がお参りをする「堂の梼」の日です。どこにある薬師如来様も左手に薬壷を持っておられます。そして右手は薬指で参拝した人に薬を塗ってあげようとする印を結んでいます。日本では平安時代に薬師信仰が庶民にも広まりました。傷を負った人、不治の病に倒れた人、疫病がはやり多くの子供が亡くなった時期もあり、看病する人、健康な人、皆がお薬師様に祈願しました。いつしか、外的病だけでなく、心に傷を負った者、苦しい心境の時も、薬師如来にすがり救済をもとめました。薬師如来は求めた全ての人々を分け隔てなく身体や心に薬を塗って痛みを取り除き健康な心身にして下さいます。

そんな、お薬師様をお祭りするお堂で、旧暦正月行事を修するのです。町内の新生児を毎年、末巻に書き加え続けますから、冒頭は村の最長老となります。お経を読んだ後、この巻物を開き、天下太平、風雲順次、五穀豊作、家内安全、息災延命、等を祈願した後、町内壇信徒の働き手となる全ての男性の名前を読み上げます。他の村では、男だけで準備して修める明治までの女人禁制がまだ伝統としてあるようですが、法泉院が担当する町内では、明治以後、主婦が準備し主婦が参詣して、子孫の男子、働く主人、繁栄を提供してくれた祖父などに健康祈願と感謝の気持ちを添えてお薬師様にお供えするのです。他府県から嫁に来た主婦が、この土地で生まれ育った主人や祖父、子供や孫の健康を祈り、それが家運興隆となり、村全体が健康で繁栄するように祈るのです。なんとも素晴らしい風習でしょう。村の男性はこの堂梼を守る奥様に感謝を忘れないで働き、いつまでも途絶えないで、この良き願い事の「堂梼」を残して欲しいですね。

将に、吾が為に経を読む無かれ、吾が為に経を写す無かれ、他が為に祈念せよ!

自分の幸福や欲求達成を祈るのでなく、他人の幸せを祈る模範的善行為と言えるでしょう。そうした嫁や姑には、いつまでも幸せが続く家庭となる家内安全がお薬師様からプレゼントされるのでしょうね。。。。オンコロコロ センダリマトウギ ソワカ(薬師真言)

 

「ボランティア公演」2/8

昨日の夕方から風が強く吹き冷たい空気を運んできたからでしょうか、今朝の境内は寒かったです。

明日は園児達と父兄が奏楽堂に来る親子鑑賞会があります。毎年11月の恒例行事になってしまい、楽しみにしてくれてるようです。しかし昨年は法泉院新館建設の為、家財を客席に歩く場所も無い程仮置きしてた為、やむなく明日に延期してもらったのです。でも明日の天気と冷え込みが心配です。

この公演を始めて聞いた園児が今は25・6歳になっているでしょうから、いつの間にか20年も続いていることになりますね。最初、幼稚園児にクラシックは無理だとお断りしてたのですが、開演してみると、子供達が大きなコントラバスを初めてみて驚き、低音の迫力から、高音のメロディーに目を丸くして聴き入ってくれました。楽しい曲は歌い踊る様に、静かな曲は目を閉じて情景を想像する様に鑑賞してくれて、むしろ、音楽への純粋な反応にこちらが驚きました。以後、世界的な様々なゲストをまじえて本物を子供達にプレゼントしてきました。今回は津軽三味線をゲストに迎え、ピアノ伴奏で三味線が「メヌエット」や「さくら変奏曲」、コンバスとのデュオで「日本民謡メドレー」や「津軽じょんがら即興曲」を披露し、私達の伴奏で子供達が元気に歌うコーナーも準備しています。親子の驚く顔や、音楽に感動する子供の純粋な笑顔を想像すると今から楽しみです。プログラム画像

 

「おもてなしの気配り」2/9

今朝も寒さが残っていますが、午後からは少し気温もあがるそうです。園児や客演者が来るまでに部屋を暖めておいてあげよう。

日本には素晴らしい「おもてなしの作法」が、茶道や仏道修行で厳しく教えられます。

もともと、茶道の原点は、仏様にお供えした献茶や献湯から派生しました。普段なにげなく出す家庭内や職場、接客としてお友達やお客様に出すお茶や紅茶・珈琲も、おもてなしの心が表れると素晴らしいものです。

ちょっとした気配りが、喜ばれて雰囲気を良くします。究極の気配りは喉を潤す水にもあります。

昔、夢中になって狩りをして汗を出し喉が渇いた武将が、山小屋に立ち寄り「水と飯を所望する!」と言いました。貧しい生活で何もない亭主は最初冷水を一杯出しますと、「もう一杯」とおかわりを望まれ、二杯目はぬるま湯を出しました。まだ足りない武将は「もう一杯」と言うので、亭主は三杯目を白湯に湧かす間に庭に咲くヤマブキの花を一輪摘み柿色の花を白湯に添えてして出しました。三杯飲み干した武将は、亭主の気配りにひれ伏しました。身体が熱く喉が渇渇の一杯目は冷水で水分補給を、二杯目はまた一気に飲み干すと腹に負担が大きくなるのでぬるま湯を、三杯目は既に水分補給された身体に、ほっと一息の心の余裕が出来る様にお湯をすすりながら、一輪の花を観賞して心身共に満たされたのです。そこまで相手の心身を気配り計算された作法こそ、おもてなしの極致なのですね。一杯の水で「もてなし作法」と「されて感じる」の真剣勝負をした、ただ者でないこの二人が日本天下統一した、後の太閤秀吉と千利休の始めての出会いだったのです。

普段の家庭生活にも、仕事場でも、ボランティアの場所でも、こんな気配りの接客を心懸けると、きっと幸せと、思いがけない成功のチャンスが、向こうから飛んで来てくれますよ!

 

「笑顔・笑顔・笑顔」2/10

今朝も鐘突堂は冷い風が少し吹いてました。境内参りから帰る頃の東の空からは日中の日差しが温かく感じる空模様でしたが、しかし、本当に冷え込んでいます。

昨日は園児と父兄が音楽の館に二回入れ替わる2公演でした。このボランティア公演も20年続いています。それは、地域で子供達に本物を見て聞いて感じて貰おうと言う主催者達の心が受け継がれ、何よりも、園児達が感動して元気な笑顔で喜んでくれる事、親たちも日々の生活から一時の心の潤いと安らぎを得られ、楽しく尚かつハイソサエティーな文化に触れて純粋に喜ぶ子供達の姿を見て、我が子の一面を見直す喜びに溢れる事、手伝いの旁々も、その喜びの輪の手伝いが出来たと幸福感に満たされ、共演者も子供達の笑顔と驚きと感動の反応に逆に乗せられ精魂込めて音を出す。音楽の館に広がり巡る笑顔こそが20年続いた証かもしれません。

個人的には住職が忙しく演奏家としては現役を退いた隠居者のつたない演奏で恐縮してますが、ウィーン時代の師匠が人前での演奏を自ら止めたとき、こんな事を話しくれました。「サトリ。わしは、もう人前では弾かない!オーケストラに招かれるソリストと言うのは、協奏曲でステージに立ってる間、お客様は勿論、指揮者、コンサートマスター、オケの各パート首席奏者、tutti奏者、主催者、マネージャー等の関係者総てが喜んでくれないとダメなんだ。その努力を続ける隠れた自己鍛錬の練習は今もしてるけど、体力の衰えと共に、何よりもホールの総ての人々に送るパワーが今萎えてしまった。だからもう人前では弾かないんだよ!」と、自分の心の内を弟子の私一人だけに語られた事がずっと脳裏から離れません。私から見れば、その当時も、世界広しと雖も、まだまだ師匠の演奏を越える人は誰一人居ないと言える素晴らしい演奏だったのですが、本人からすれば、衰えた体力に思うように弾けない苦しい葛藤だったと今になれば少し解る気がします。それだけ完璧主義者だったのです。

ウィーン・フィルをバックに協奏曲を弾くのと、昨日の園児を相手に弾くのでは比べようもありませんが、少なくとも、引退した私がいきなりコントラバス奏者として甦り、共演者の助けを得て、今回も会場いっぱいに笑顔の連鎖を招いてくれた事だけは、恥ずかしながら自分にとっても慰められた心境の半日でした。さて、寺務仕事に戻ろう!

 

「トリノ・冬季オリンピック開幕」2/11

今朝は冷え込みが緩んだお参りでした。冬季オリンピックが開催されるイタリア・トリノの競技場の雪はどうなんだろう。スイスとオーストリアにかかるアルプス山脈から南下するとイタリア北部トリノがあります。ウィーンでの生活や、帰国後も海外公演で欧州各地へ何度も出かけましたが、冬の欧州は毎日、雪か霙の灰色の空なんですが、このアルプス山脈を越えてイタリアに出ると一変して真っ青な空になるので心配です。しかし、そんな明るい天候からラテン系のイタリアが育んだ芸術性にとんだ演出で選手入場行進・開幕セレモニー・感動的な聖火の点灯が放映されました。素晴らしい演出でした。平和で事故のない大会の成功を祈りたいと思います。

また、厳しい練習や精神修養の日々の末に今回を迎え、ただ一回の本番で記録に挑み、自己表現の極致を克服する選手達の健闘を讃えたく思います。

さて、今日は、もう30年近く通う音大の直接担当する弟子の卒業試験の日です。これまでに数十人の門下生の演奏を聴いてきましたが、同じように伝授した音楽や奏法を、弟子が自分なりに消化して、それぞれが自分の持ち味と能力出し切り大学4年間の集大成の演奏をしてくれます。それはオリンピックの選手と同じです。もっとも高校から一貫して教えた弟子は七年間の集大成です。この日は毎回、成長して旅立つ弟子達を見送り、いつも感無量になります。音楽に点数は付けたくないけど、卒試なので試験管としては相対的点数を付けるしかありません。しかし個人的には、これまでも、これからも頑張って精進してきた学生生活最後の今日の演奏を迎えた弟子に100点満点を心の奥底より贈りたいと思います。

「全国交通危険週間」2/12

今朝鐘突後、本堂でいつもの勤行をして出ると氷雨が降ってきたので早足で境内諸佛のお参りをしました。洗面後、朝食とりながら冬季オリンピックの結果を見てると、期待の女子モーグルの愛ちゃんは5位入賞、ノーマルヒルのジャンプで原田は失格、クロスカントリー最高位の日本人は16位とメダルの期待にかかっていた選手達が結果を出せませんでした。本人達は頑張ったのでしょうが、周りの期待に応えなくてはとのプレッシャーの重圧も大変だったと思います。本当にご苦労様でした。

昨夜の卒業試験もそういった7年間の集大成のプレッシャーの中の演奏を終え、愛弟子は自分的には満足できていない様子でしたが、師匠の目からは、やはりそれぞれの個性を伸ばす教育をしてきた結果として少々のミスよりも、今年の卒業生は、音楽的流れやメロディーの歌い方が持ち味として自然に表れ、高度なテクニックを酷使する場面でも嫌味のない優しい音と演奏で良かったと思います。

ただ、試験に間に合わせる為、山陽道を少々急ぎ、兵庫県から岡山県に入るトンネル内で、覆面パトカーを追い越してしまい現行犯で捕まりました。ナンバーも88でなく普通の3で、白いクラウンです。レーダーをつけて気を付けているのですが、覆面パトカーにはお手上げです。警察の春の全国交通安全週間の土日は、ドライバーにとっては全国交通危険週間です。近日、高速道路を運転する皆さんは気を付けてください!

しかし罰金と減点が(;_;)・・・・。

教信寺貫主:長谷川慶悟=音楽家:長谷川悟

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