本-開ごぶさたです。朝メル再開です。本-開

「新館完成・冊子出版」2/1

1月6日の法泉院先代住職7回忌の庫裡での法要の為に、法衣箪笥や雑貨をしまい込んでた開かずの部屋を開放し、物置になって長年開かなかった北廊下の開かずのドアも通れる様にする為に、また、先代の書庫兼執務室の書籍や各部屋や廊下に山積みされてる本を一カ所にまとめたく、そして早急に必要だった熱意は、3度の脳梗塞入退院を繰り返した母の為に、バリアフリーの居間・台所・介護トイレ風呂を提供したく願い、新館増築計画を昨年夏に壇信徒会の了承を得て秋に着工にこぎつけたのです。

昨年の9月15日、野口大念仏法会の終わった日に地鎮祭着工。昨年大晦日直前まで、僅か2ヶ月半で突貫工事を見事完成させて頂き、お陰様で100名ちかい関係寺院様・親族・壇信徒の皆様が一堂に会して法要と会席料理に、大いに賑わえ、なによりリハビリ病棟から当日参列した母も親族旧知と涙の対面を果たせたのです。

また、突貫工事と平行して、先代の記念にと思い、学者物書きだった父が残した文献類を一冊にまとめ「播州賀古の郷土史物語」と題して初校訂正や挿絵写真撮影編集に昼夜、時間と戦いながら、新館建立と同じく昨年暮れに編纂出版にこぎつけました。

どんなに多くの皆様にご普請していただけたか。限られた時間と予算で、どんなに素晴らしい形が残ったか。どんなに大変だったか。明日から写真を掲載しながら紹介致しましょう。2006.2/1

 

「こんな本が出来ました」2/2

昨日は全国的にまとまった雨模様でしたが、今朝は雨があがり曇りのようです。久し振りの雨に土の中のタケノコ、芽を出したフキノトウ、間もなく花咲く木々の蕾には恵の雨だったでしょう。春は直ぐそこまで来てるのでしょうが、まだまだ今年は寒い日が続くようです。皆様もご自愛のほどを!

さて、先日紹介しました先代の書き残された文献を選定して一冊にした編纂者(愚僧)のあとがきを以下に紹介します。

編纂者あとがき    

 駅家邨人沙彌慶明論考集「郷土史物語」と題して、平成十八年一月六日の七回忌追福法要に奉納出版の光明を授かり得た事は、誠に法悦に存じます。

 先代住職慶明師は、各界多方面の諸大徳様旁々より御懇情を頂戴し、また、各団体の長にご推挙賜りました。お陰様で広く社会福祉に貢献なさった副産物として、様々な著書・会報・刊行物に膨大なメッセージを残されたのです。

これら自らの研究論文は基より、講話原稿に至るまで、掌握できる範囲内から、未熟な小生が勝手な偏見で選び、茲に、一冊の本にまとめさせて頂きました。

 各専門分野の視点観点からは、多々不具合も混在し、折角の師匠の筆意を汚さないかと危惧致しますが、不肖の弟子のなす事、仏教の原点を末代まで伝えんと冀い又、僭越ながら研究学者様を始め、より多くの地域住民の皆様に、当地方を再認識して頂き、有形無形文化財を誇りに思って貰いたく願う余りの、編纂発行ゆえに、何卒ご容赦の程、寛容にご拝読頂けますれば、誠に幸甚の極みに存じます。

 尚、編集に当っては、著者執筆原文を尊重した製本と致しました。  合掌  

  平成十七年臘月

      念仏山教信寺貫主兼務・法泉院第二十一世住職 長谷川 慶悟

資 法泉院先住慶明法印七回忌 追福之塔    

著 作   長谷川 慶明      

編 纂   長谷川 慶悟      

発 行   郵便番号675-0012 兵庫県加古川市野口町野口465 念仏山教信寺塔頭「法泉院」  

初 版   平成十八年一月六日発行 

部 数   二、○○○部      

印 刷   株式会社自照社出版

 この紹介文で興味を持たれ読んでみたいと思われた方は「住所・氏名・電話番号」をご連絡下さい。一冊1200円で発送します。

「ちび黒サンボ」2/3

今日は節分。今朝の鐘突き諸堂参りも暗くて寒かったです。今日からまた寒波が日本列島を北から順に太平洋側まで張り出し冷え込むようですね。寒がりの我が家の10匹の猫達は電気カーペットや電気敷布から24時間離れません。去年の秋に家族の仲間入りした、この新入り「ちび黒」は母猫のオッパイを知らないで捨てられた為か、可哀相に乳離れ出来ないまま大きくなり、未だに人間を母だと思い人肌のぬくもりが伝わるシャツや枕の角をチュウチュウ吸いながら寝ます。チビクロは見る物・動く物に興味津々です。僕がテレビを見ると、ブラウン管をのぞき込みこうやって手を出してくるのです。今朝も顔を洗ってると、水道の蛇口からでる温水に手を出して濡れてしまいました。いつも行動を共にしてくる「ちび黒サンボ」は「魔女の宅急便」に出てきた「ジジ」にそっくりです。

捨て猫の赤ちゃんから育てていつも思うのですが、動物も人間も、やはり物心つくまでは母親の側から離れず沢山の愛情を受け、少し成長して悪戯が過ぎれば父親や兄姉に叱られ、バランスよく愛情一杯に育たなくては立派な大人になれないのかもしれませんね。

 

「チャングムの誓い」2/4

今日は零下。鐘突き諸堂では凍えそうでした。といっても山陽はたいしたことありません。日本海側や北日本ではマイナス10度以上の冷え込みだったでしょうから。貧困学生だったウィーン留学中に小遣い稼ぎのため一度マイナス20度のノイシードルゼーで、長時間映画のエキストラにかり出されエスキモーの住人を演じたことがありました。あれは寒さと言うよりは痛みを感じました。

さて、昨夜も早く寝ようとしたのですが、今年から毎週金曜日夜11時放送になった「チャングムの誓い」を結局、見てしまいました。宮廷料理人としての実力が向上し供に励む誰よりも優れてると自負して少し天狗になりかけた頃に失敗し、慈悲深い師匠に破門を告げられました。

チャングムは、高齢で引退した病臥に伏せる最高官女の看病の役に左遷されます。その病棟になってる寺の料理人は、薬草を天気の良い日には干し日が陰ると取り込む、単純な労役を繰り返していますが、その人の料理を食べたとたん、宮廷でも食べたことのない美味しさにチャングムは感動します。食材も調理器具も宮廷よりはるかに劣るのに美味しいのです。チャングムはその寺の料理人に秘伝の味を学ぼうとするのですが、何も特別な物が見あたらないのです。しかし、最高官女の死期に望まれ出された干し餅米に涙されて浄土に持っていくと喜ばれた姿を見て気が付きました。

料理は高級食材や調理法でない!手間暇を惜しまず準備し、自慢せず誇らず見せびらかさず、真心を込めて、食べていただくその人の健康や笑顔の為だけに時間をかけて調理する!ただそれだけのこと。だと気付いたのです。

 将に、現在人は何事に於いても忙しくなりすぎて、効率よく時間を有効に使う人が有能であるかのような風潮になっていますが、大事なことを忘れてしまい失敗するようです。

 何事に於いても結果を求め、勝つ事が全ての人生に、何度かある様々な試験。コンクールやオーディションに於いて良い点数を取ることが目的となり、真心が忘れ去られています。「結果は後から勝手についてくる物で、求めて出す物では無い!幅広い探求心の姿勢と時間をかけた努力、そして学んだ応用が集約され実行出来る心身を鍛えろ!」と師匠である父から、よく子供の頃に聞かされたものでした。

安らぎを与えられたり、喜びや感動を与えるのはドラマの料理の世界だけではありません。学生も社会人も心懸ける事は同じはずです。芸術関係や文化関係、日々の仕事や家事私生活、恋人同士や夫婦に於いても、先ず、相手の笑顔や感動を目標とする時間をかけた奉仕こそが、現在人に必要な事だと、昨夜のドラマの裏で語りかけていたように私は思えました。

 

「投資ファンド」2/5

今日も零下。昨日立春だったのですが、立ってるのは霜柱。境内のお参りをしてると朝の阿弥陀・地蔵石仏、先祖墓霊園の水差しが凍っていました。しかし東から白らける空を見れば山陽側は良い天気になりそうな感じでした。

こうして毎日、真っ暗だった六時の鐘突きが徐々に明るくなった頃、桜の蕾も膨らむのです。月日の流れを感じ、花の開花を楽しみ、平常な普通の四季の移り変わりの中に、昔の人々は、この静かな時間を平和だと実感してたんでしょうね。

現在人は、名誉や権力闘争に明け暮れ、金融や投資ファンド、通貨為替レートなど朝から証券取引で1円上がった下がったとパソコンや携帯通信に向かってる人々が増え続けているようですが、金欲の毎日に自然界の恵やご先祖様に感謝する営みを忘れてませんかね・・・・。そんな風に、ふと気付いたら、お寺にお越し下さい。一緒に鐘を突いて菩提心を起こし、平和と感謝の音色を響かせませんか?

 

教信寺貫主:長谷川慶悟=音楽家:長谷川悟

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