本-開平成17年連載90日シリーズ最終回まで本-開

「90日寒行本日満行」(11)最終回

毎度お騒せしました「朝のメール説法」兼「朝の基礎レッスン」は、本日3/31をもちまして90日連続シリーズを終了致します。長らくのご愛読ありがとうございました。

ご愛読頂きました皆様、そして世界の皆様にとって、明日からの新年度、新たな飛躍に幸運が訪れます事を心よりお祈りいたします。

また突発的に、朝のメッセージを掲載しますので、時折ご拝読下されば幸甚に存じます。90日間終わってみれば早かったです。思えば同じ時間に移り変わる1月の満天の冬の星座、2月の紺碧色の地平線と零下、3月の来迎の夜明けも厳しい寒の戻りで、今年は桜の開花をお伝えできませんでした。しかし、毎朝6時に1分の誤差もなく梵鐘を突き、諸行無常の鐘・平和の鐘・祈りの鐘の音を風邪もひかずに無事満行出来ましたことは、境内の空気感・天空の気候の変化や、また参道脇の草花や石仏に姿を変えた阿弥陀如来に悟りを開く道に導かれ、諸佛の尊いお心に触れられたような気も致しました。

明日からもいよいよ足が動かなくなった母に変わって門開けから庭掃除、また親族縁者のご協力を得ながらの母の介護に尽くし、仏事・寺務・教育・公演活動も普段通り続けていますので、いつでもご参詣にお立ち寄りくだされば、ありがたく存じます。特に4/8の花祭りでは甘茶を接待致しますので午後2時本堂での潅佛会法要にもお参り下さい。

本当に長い間連続して拝読して下さり有り難うございました。お陰様で愚僧も少なからずも精進させて頂けました事、深く感謝申し上げる次第です。合掌3/31(拝読者の諸願成就・健康を祈願いたします)

 

「尊い命の花」(10)

今朝は佛弟子・楽弟子も鐘突に参加してくれました。桜の蕾はあきらかに昨日の朝より膨らんでいます。日中の暖かさに一気に加速したのです。今週の好天で開花が見られそうです。野に咲く花も、古木に咲く花も、手入れをした植木鉢の花も、時期が来れば花が咲きます。また時期が来れば枯れてまた新たな命が芽生えます。そして、いつも感じることは、この美しい花達は、誉めてもらうた為に咲くのでなく、美を争う為に咲くのでなく、美を武器に営利を目的とするのでなく、唯、時期が来れば静かに咲き、昆虫や風によて受粉を待ち続けるだけです。一生懸命その場所でその環境の中で文句を言わず精一杯花を咲かせるのです。

新学期、新年度、いろいろな転機を迎える学生や新社会人にとって、是非、その環境の中で精一杯、美しい花を咲かせてください。貴方が咲けば回りも咲いています。決して周りの花を毛嫌いして摘み取り枯らすのでなく広く大きな大自然の花園の一員として、一生懸命花を咲かせてください。同時期に咲きほこる境内の桜も、だから見ごたえがあり、はかなくも美しく、尊いのです。桜が咲く頃、めでたく新年度を迎えるまでの貴方の精進は報われ、努力する純粋に姿勢は、尊い命を燃やし美しい花を咲かせます。これから貴方も開花を迎えます。合掌 3/30(諸行は無常なり、これ生滅の法、消滅めっし終わって、寂滅を楽となす。)

 

「音楽から頂戴した一期一会に感謝」(9)

今朝の鐘突は真っ赤なご来迎に照らされ、法泉院内弟子と供に境内諸佛参拝しました。参道の桜の蕾も先が赤くなっています。今日からの好天で一気に膨らみ開花となるでしょうね。

昨夜のモーツアルトの協奏曲シリーズではピアノ協奏曲No.22(K.482)、No.23(K.491)、No.24(K.503)の3曲を演奏しました。どの曲も後期モーツアルトの作品に通じる完成度の高さと木管楽器のアンサンブル間奏に特徴がある大曲でもありました。

2時間の演奏に集中力を持続した後、朝の寒行を欠かさない為に、後ろ髪を引かれながらも打上に参加せずに一気に車を走らせ帰宅しました。広島を9時過ぎにでましたから日付が変わった直後の到着になりました。さすがに毎晩10時には就寝してる早寝早起きの規則正しい生活習慣の身体には夜更かし走行はきつく、居眠りとの戦いで無事生還できましたのも、モーツアルトの躍動感あふれる音楽のエネルギーを頂いたからに他なりません。また、お花を持って応援に駆けつけてくれた弟子の卒業生や在校生が、演奏後楽屋に顔を出して笑顔を見せてくれたので疲れも残らなかったのかもしれません。

来年にはこの協奏曲シリーズも第12回最終回を迎えますが、第11回まで続けてきたソリスト・指揮者・団員・そしてお越し頂いた聴衆の皆様それぞれ全員が健康に再会出来る事をただ願うばかりです。合掌 3/29(七難即滅・罪障消滅・諸願成就・皆了満足)

 

「桜便り」(8)

連載90日の最後一週間は境内60本の桜の開花を写真掲載しながらお伝えしたく計画していましたが、今年は一昔前の寒い気候の為に、三月下旬になってもまだまだ蕾は硬く開花情報をお知らせできませんでした。去年特別に早く開花して、今頃は既に5部咲きだったのですが残念です。また満開見頃時期をホームページでお知らせしますので楽しみにお待ち下さい。お立ち寄り下されば法泉院庫裡の縁側でお茶を交わしながら、ゆっくり観桜できますよ!

2日間の日帰り広島往復し、今日は午後からゲネプロで夜本番ですので出発は少しゆっくりできます。月曜日は介護センターよりの迎えが9時30分ですので、いつもの様に母に靴をはかせて庭への階段を降ろしてお見送りできます。

この広島アカデミー合奏団は広島交響楽団より長い歴史を持ち、主要メンバーは既に西日本各地の音楽大学学長や教授を定年退職されてしまった高齢者ですが、モーツアルトの解釈や演奏はまさに円熟に達し、エキストラに出演する音大卒業生の師弟共演は、心が通い合う慈愛に包まれ、室の高いしかもアットホームな温かい音色がこの合奏団の特徴となっています。若輩の私も中堅的な存在になってしまいましたが、先輩の思考を後輩に伝え、全体のバランスを支えながらコントラバスの役目を果たせる本番は、モーツアルトの神髄に触れられる至福の一時です。

心配なのは、実は寒行で早起き習慣体質になってしまい、夜9時を過ぎると眠くなってしまいます。今夜の本番後の帰りの運転は睡魔との戦いになりそうです。合掌 3/28(雨)

 

「廣島日帰り」(7)

昨日は5時間睡眠、600キロ往復6時間運転して、6時間楽器弾き続けて廣島往復してきました。90日寒行の朝の鐘突・山内諸佛参りを欠かさないためです。明日がモーツアルト協奏曲全曲演奏シリーズ終盤で後期の作品ですので、非常にモーツアルトの円熟した和声進行から対旋律が美しくピアノとオーケストラの管弦楽法も完璧な作品です。天才モーツアルトの素晴らしさを久し振りに研究できる楽しみで、今日も同じ時間を使って一日過ごし、また600キロ6時間運転6時間の練習リハーサルが、さほど苦にならなくなりました。これも3ヶ月間の寒行を残すところ5日となったからでしょうか・・・。毎朝、世界平和と皆さんの健康と生命共生地球自然保護を祈らせて頂いてるからでしょうか・・・・。ありがたいことです。なまんだぶなまんだぶ。。では出発してきます。合掌 3/27(晴のち雨)

 

「2対1」(6)

毎晩9時に就寝する癖がついてるから、昨夜の10時30分からスタートしたアウエイのテヘランでのジーコ・ジャパン対イラン戦の応援は過酷でした。瞼が閉じないようにガムテープで目頭をつり上げ応援しました。

敗戦はキックオフ前に予感してしまいました。12万人の男性だけの応援観戦者のコーランが国歌の前に球技場に響き渡った時です。既に日本の国歌をしっかり歌えない選手の口元が頼りなく感じました。わだかまりがかいま見えました。これでは突進できません。

数年前までは女性は常に外出時には目だけ開けた黒い布で全身をかくし、決して肌を露出してはならないる厳格な宗教国家なのです。そんな厳しい戒律をまもりながらも、民衆は一丸となれる宗教色が強い国なのです。観衆と選手にやはり日本人の調子をへし折られ、精神的に冷静な強さをアグレッシブ気持ちを敵地で維持することが如何に困難なことか知らされた試合でした。しかし、選手達は目に見えない圧力に向かって本当に頑張りました。お疲れさま。ご苦労様です。合掌 3/26(日本に仏法興隆浄土国家安穏祈願)

 

「真冬の寒波」(5)

昨日は台風のような突風や冷たい雨が吹き荒れました。今朝は晴れていますが、真冬並に境内は冷え込み、桜の蕾もかたく閉じて、いつ開花すればよいのか待ちかねてるようです。春の選抜高校野球も開幕し、プロ野球開幕もせまりゴルフトーナメントなどスポーツ観戦のシーズンになろうとしてるのに、この寒さは選手も観衆も大変です。

今日は、ワールドサッカー・アジア最終予選で最大の強敵イランとの試合があります。宗教上男性しか観戦できないアウエイの競技場に12万人の男性だけの応援にジーコ・ジャパンはどれだけプレッシャーに耐えて突破して戦えるか、祈る思いでテレビ観戦して応援したく思います。

皆さんも是非、ヨーロッパ組の顔も久し振りに揃いますので、ジーコ・ジャパンの応援宜しくお願いします。

漸く、サッカーもゴルフも野球も世界で活躍し、世界から認められる若い日本人選手が増えてきました。しかし、クラシック音楽界では半世紀以上も前から世界のメジャーオーケストラで活躍する奏者が既に大勢いるのです。開国明治時代よりわずか百数年で弦楽器奏者が世界で活躍するありさまは現在のスポーツ界以上に勢いがありました。徹底した合理的音楽教育が日本各地に広がり、その英才教育を受けた弦楽器奏者を始め音楽家・演奏家達の技量は、頂点を究める世界トップのオーケストラのコンサートマスターや首席奏者として欧州の伝統芸術を率いている人が何人も就任してる事がなによりも如実に語っています。日本人は長い歴史の中で、中央アジアを経由してメソプタニア・エジプト古代文明からギリシャ・ローマ文化を、極東の地・日本にコンピューターのサーバーの様に文化を蓄積してきた優秀なDNAを持つ民族なのですよ。もっと自信を持って皆さんも頑張ってください。総ての日本人の血には優秀な歴史的情報が流れてるのですから。 合掌 3/25(真冬の寒波)

 

「日の出」(4)

雨や曇りで暗い朝だったのが、今朝は鐘突の音に目を覚ましたかのように、一音一音余韻が消えるまで合掌する手の向こうから、朝日が赤い後光を放ちながらご来迎の様な太陽を拝ませて頂きました。

おもえば今年の元旦から始めた3ヶ月間の寒行で、1月の毎朝6時では夜空に満天の星や月を楽しませてくれたのですが、今は明るい太陽の光が境内に差し込むのです。

太陽が昇ったり沈んだりするわけでなく、地球の自転や惑星軌道により太陽が動くように見えるのですが、それが解ったのは近年の事ですから、日が昇り日が沈むと言った各国の語源の方がはるか昔より確立してしまっているために、人々の概念がなかなか変わらないのですね。

世の中、自分が正しいとかたくなに信じて突き進む行動をする人がいます。間違いを信じ込んで迷惑をかけている事もよくあります。しかし、もっと大きな視野で見ると、その大きな間違いに気が付くときがあります。たいがい、それで正しいと思っていても、もっと視野を広くしたり逆にマクロ的に見ると、また違った判断をしなければならないときがあります。いままで理解できなかった敵対する相手の真心の信念や信条も理解できるようになり憎しみが尊敬の念にかわるかもしれません。

あまり固執して、これで良いんだと自分に思い込ませる事は無理が生じます。ゆったりした気持ちで、ゆっくり自然体で、あらゆる物事を見て受け止め、聞いて感じて、情報を整理して関連づけて、決断しなければならないときは師に仰ぎ長老に相談して、石橋を叩いて進めば事故に合う確立も少なくなるでしょう。軌道修正も可能です。

この忙しい時に、そんなのんきな、回り道する時間など無いわ!と、今、思った貴方。。。実は自分の人生で事故を起こす一番危険なタイプですよ!合掌 3/24(晴・霧・寒気に伴う不安定な天気)

 

「雨太子」(3)

通常と言うか恒例と言うか、去年も一昨年も「刀田の太子さん雨太子」と里で親しまれるように昨日も雨でした。今朝は雨がちょうど上がり早朝の現在は曇りですが、日中はやはり雨でしょう。

刀田とは鶴林寺の山号で、太子とは勿論、聖徳太子のことです。縁起は古く、遠く高麗より一旦は奈良の都に渡来した僧・恵便(EBEN)が排佛派の物部氏らの迫害より逃れて西暦565年頃に播磨のこの地に一時、身を隠されていました。太子は仏教を厚く信仰し恵便法師より教えを受ける為に精舎を589年頃に建立し当時「刀田山四天王寺聖霊院」と号したのが鶴林寺の始まりと伝えられています。718年頃に七堂伽藍を建立し「刀田山四天王寺」と改め、西暦1112年頃に鳥羽天皇は刀田山を「鶴林寺」と扁額し勅願され現在に仏法興隆を伝えています。白鳳時代より平安・鎌倉・室町時代の伽藍・仏像等多くの国宝・重要文化財を残し西の法隆寺とさえ言われ、歴史的にも信仰的にも文化財的にも、日本仏教の原点で法華経を重んじる鶴林寺は、浄土仏教思想の原点で阿弥陀経を重んじる教信寺と供に、加古川から全国に発信続ける悠久の歴史を有する貴重な寺院と言えるでしょう。

太子さん最終日の今日は全国の山伏が集結して境内で護摩を焚き、最後に火渡りの行があります。燃え尽きた護摩木が赤く炭火になった上を素足で歩くのです。行者さんの後を一般参詣者も渡れます。この火渡りをすると厄難消滅し一年間病気をしないで過ごせると好評です。貴方も火渡り参加如何ですか? 合掌 3/23(曇りのち雨)

 

「彼岸の墓はフラワーセンター」(2)

職業柄、この時期各地の墓にお参りさせていただきました。教信寺の霊園は毎朝、法泉院先代墓をお参りする時に六地蔵菩薩と供に郷土のご先祖様諸聖霊追善にお念仏を捧げてきましたが、壇家のまつられる数カ所の村の墓地にもお彼岸にお参りしました。どの霊園墓地もこの時期はまるで花壇のように色とりどりのお花が供えられフラワーセンターに行かなくても綺麗です。

特に昨日は温かい一日でしたので仕事を終えた夕刻より、一人暮らしの老婆で交通手段が無いご縁のある方の為に墓参りにお連れしました。福崎の方までバッチャンも車に乗せて介護に毎日来てる姉達と5人でドライブしました。高速道路や幹線道路は大渋滞でしたので昔の街道をゆっくり走っていきますと、車窓を流れる風景から春の息吹が感じられました。

お寺とお墓参りを済ませた後、10年前より古代麦を復活させ、この小麦でなく大麦を石臼で製粉した、もちもちとした麺を大々的に郷土の特産品してる「もちむぎ麺」を食べさせてくれる「もちむぎのやかた」へ行きました。柳田國男の生家のすぐ近くですので案内板を頼りに迷わず行けるでしょう。是非、読者の皆さんもお近くを通られる時に立ち寄って食べてください。中国縦貫福崎や播但有料道路福崎、または北条街道、市川沿い312号線で福崎町にアクセスできます。(0790-22-0569もちむぎの館)

この麺は様々なメニューに調理されていますが、蕎麦に非ず素麺に非ずです。兎に角、絶品の麺を一度試される価値はありますよ。合掌 3/22 (鶴林寺太子会、雨)

 

「福岡地震災害お見舞い申し上げます」(1)

阪神大震災もまったく無防備な地域での震災でしたが、昨日の九州福岡地域でも地震災害から無縁の地に思われていたのですから驚きと恐怖に襲われ大変だったこと推察いたします。今朝のニュースでは玄界島で家屋倒壊、繁華街ではビルの外壁ガラス窓落下などが報道されました。ただ大きな火災が広がらなかったのは不幸中の幸いだと思います。散乱した部屋に呆然とし、しかし、失意の中から立ち上がる福岡地域の皆さんの家屋家財の復旧作業を労いたく存じます。阪神大震災を経験していますので、どれだけ大変か良く分かります。

個人的に福岡はウィーン帰国後より住職になるまで世俗人の間20年以上も連続して、先輩とのご縁で九響公演などで100回以上の本番に客演させて頂きました。その折りには毎回の様に泊めて頂き家族ぐるみで大変お世話になり、本当に楽しい想い出を残させてもらった地域でもあります。お陰様で多くの同朋に出会えた深いご縁の場所でもある為、大変心を痛め心配しています。被災地皆様の無事とインフラ復旧や建物の復興を心よりお祈り申し上げます。頑張ってください。

それにしても、全国各地で活発化した地震は大陸の移動マントル活動期に地球全体が入り、エネルギーのよじれや反撥が日本列島に広がってるような気がします。自然の理の力によるものでしょうが、人間の文化生活が急速に地球温暖化に直接的間接的にも影響して異常気象や気圧の変化が地震を誘発してるようにも思えるのは愚僧だけでしょうか。合掌 3/21(春分の日振り替え休日)

 

(付録)NHK-BSで毎朝のこのメッセージを書き終える頃にNHK総合の8時15分の連続ドラマの「わかば」を先に7時30分より、その後、7時45分に大昔の朝ドラの再放送「えにょぼ」を見ています。毎日見ている内に、この「えにょうぼ」にはまってしまいました。中山美帆が歌うテーマソングの歌詞とメロディーが美しく切ないので紹介します。

「幸せになる為に、私たち誓った。目を閉じて今でも見えますか、出会った日の気持ちは変わらないですか、愛する人は貴方です。誰も変わりになれないの。」

教信寺貫主:長谷川慶悟=音楽家:長谷川悟

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