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本-開H17年1月第4週本-開

「紺碧の空」

天気予報では今日も3月下旬の陽気だと言ってたけど、寒い朝です。月末になり空の色が真っ黒から深い紺碧色に東の水平線から少し色を帯びて来ました。西の水平線に月が沈もうとしています。都会の人工の明かりの中では見る事がなかなか出来ないかも知れません。此処も街灯や看板の明かりが邪魔をしていますがまだ夜中の星は綺麗に眺めることは出来ます。それでも、大自然の中で人工の建築物が無い山や川、大海原や海岸線、大草原や大砂漠で拝む日の出や日の入り、月や満天の星はどんなに綺麗なことでしょう。

子供の頃見た、この辺りの星空や夕焼けは障害物が無く本当に綺麗でした。また、留学時代から帰国後の海外演奏旅行で旧東西ドイツ・イタリア・スイス・ブルガリア・旧チェコスロバキア・ハンガリーなど欧州各地から車を走らせ夜中にウィーンに帰る途中に見た、まるで360度がプラネタリュームの様な星空。またハワイのホノルルから離れたダイヤモンドヘッドから眺める夜景と星の輝きは今も鮮明に脳裏に焼き付いています。

次の世代や子孫に残すのはゴミの人工島や公害、放射能汚染地域や爆撃の後では無く、美しい大自然を保護して破壊しない事だと痛切に感じます。この100年で人類が地球を痛めつけた行為は誰が罰する事が出来るのでしょう。近年の自然災害は地球の怒りだと思うのは私だけでしょうか?美しい自然の地域と災害は表裏一体かもしれませんが、多くの場合人災と言える影響が多大です。人類史上最悪のインド洋地震津波災害の犠牲者の追悼と自然災害から逃れられる街の復旧復興を願い、今の自分に出来る事は募金活動しかありません。合掌 1/29

「試験」

今日は3月下旬の暖かさと昨日の天気予報で言ってたので楽しみに鐘突に出ましたが、やはり吐息が白くなる寒さでした。。残念。

さて、全国各地の入試や各地にいる弟子や現役学生諸君から試験の結果やこれからの試験やオーディションの為のアドバイスに喜怒哀楽様々な便りが集まります。

一貫してアドバイスとして言えることは、「試験」とは経験を試すと書きます。つまり、準備を重ねてきた事と、自分の生まれてから今現在までの人生経験も加味して総合的に今の自分を試すチャンスなのです。結果に不満足なのは当然ですが、高得点を取ったとしても満足してしまうのも残念です。

試験を勘違いしてはいけませんよ。あくまでも試しであり、試験が人生の目標ではありませんからね!但し冷静に結果を受け止め、何が足りなかったか?自分の勉強の仕方に無駄はなかったか?煩悩の誘惑や自らの性格から来る甘えはなかったか?合理的に尚かつ精神的にも向上できたか?プレッシャーから自分の優しい心を表現できなかった?捕らわれない心で自分を解き放し頭と身体が、準備してきた理想に100パーセント活動出来たか?

などなど、あらゆる視点から省みて、失敗が許されない仕事に就いたときに、何度も直面する人生での試練に備える為の経験が学生時代の試験です。そう言う意味では怠けないで真剣勝負の経験を重ねた方が、自分に+される良い事なのです。一生懸命精進した自分を、先生や試験管やコンピューターが、点数に変換して結果を表してくれますから、真剣勝負でも結果を楽しみに感じる心の余裕が欲しいですね。そして、その結果から次回への向上の為の自己分析を判断して、更なる精進をして下さい。人生一生勉強で、死ぬまで様々な試練が続きますからね!そして、その都度通過する試験を、例え準備万端で無くとも、当日は全てを出し切るために、冷静に集中力を高め全身全霊を最高レベルにコントロールして挑みなさい! 合掌。1/28

「ありあけの月」

今朝は零下となり再び冷え込みました。吐く息が月明かりに白くなりました。そうです、朝のお勤めで、ちょうど教信上人のご廟所にお線香を捧げお経を読んでると五輪塔の真上、西の空に月が輝いているのを見て、将に教信上人が読んだと伝えられる歌が同時に脳裏に浮かびました。百人一首でも親しまれる和歌の様に短い文章から様々な情景や心情が、同じ状況や、年を重ねるに於いて、また人生経験から味わい深さが増すのです。

「今日もまた、朝とく起きて励まなん、窓に明るきありあけの月」

西方極楽浄土の阿弥陀如来は、どのような状況でも、どんな人も命も魂も、一切衆生を救い清らかな浄土の世界に導かれますから、求道の教信沙彌は西の窓を開けて自ら阿弥陀仏の御名を称えながら、地域の人や行き交う旅人にも仏道の神髄をわかりやすく伝え、多くの人を救済しました。その布教活動や労働奉仕を毎日続ける為のエネルギーをありあけの月から受取、毎朝決意を読み上げた和歌だと感じ入ります。合掌 1/27

「大和撫子」

今朝は久し振りに雲が無くなり、いきなり西の空から満月の月明かりに照らされ、気温も温かく感じました。

時折、住職のお話しを聞きたいと来られる方や、母の見舞いに来られる方、定期的に掃除に来られる方にお茶を出して小一時間程、玄関の間で世間話をします。昨日も大根の漬け物をバケツに入れてバスに乗って来てくださった熟年のお二人の女性とお話しをしました。世界事情から青少年の話、先般の公演で出会ったモンゴルの話などです。なかでも、その方が不思議に思われてる事で、近年の学生が髪をパーマや染めて通学する姿を見かける事に嘆かれていました。私は女子高生の立場から、彼女たちがテレビや雑誌の影響で周りの殆どの人がしてる中、全く抵抗が無くなり、むしろ茶髪で無いストレートな黒髪を残す方が不自然を感じる学生まで居ると弁明をしながらも、欧州の貴族の末裔やセレブな男性はストレートな黒髪に魅了され、大和撫子の日本人女性を妻に迎えることを最高のステイタスと夢見る人が多いことを伝えました。25年前まで私が居たウィーンでもウィーンフィルや国立大学教授で当時の日本人留学生と結婚した人を何十人も知っています。しかし、彼らが日本に憧れていた文化や大和撫子は昔の話し。現在、大和撫子は案外日本以外の国の女性に見出す方が確立が高いかもしれません。勿論、骨のある日本男児も何処へ消え去りましたが・・・・。合掌。1/26

「練習方法」

今朝は雲に覆われ昨日の様な厳しい冷え込みではありませんが、日中は日和が無いため寒く感じるでしょう。

さて、どんな世界も練習と言う言葉がつきものです。クラシック音楽の世界でも、いきなり世界に認められる演奏が出来る人はいません。幼少の頃より厳しい練習を重ね、挫折や苦労を繰り返しながら、頭と心が成長するに伴い効果的な練習方法を見出します。しかし、「これでいいや!」と思ってしまえば成長は止まります。常に「これでいいのだろうか?」そして「どうすれば出来るようになるのだろう?」と自問し悩み、よりよい手段を毎日見つけて向かい合う人は何歳になっても体力低下を補っても成長を続けます。

練習は長時間すれば或程度の成果も見られますが、少ない時間でも集中力で、向上させたい箇所の的確で正しい反復トレーニング運動と、練習時間以外にもその箇所の理想へのイメージの思いが強ければ成果が表れます。最後まで妥協をしない事です。しかし、凡人は怠けてしまう心が勝ります。ですから、毎日練習出来る同じ時間を作り習慣付け、欠かさず集中して正しい練習に取り組む人は大きな飛躍が約束されるのです。世界に羽ばたき活躍している人たちは学生時代に必ず意味のある練習時間を使い効果的で的確な運動能力を高める練習方法を見出し、尚かつ、常に高い理想とイメージを追い求めて精進してきた人なのです。その練習方法は一握りの師匠から教わることも出来るでしょうが、大半の先生からは学べる次元の物ではありません。やはり世界の楽壇を相手にしてきた経験を持つ憧れの師匠に師事し、そして一旦師事したら、先生の精神と技量を追い越していない限り卒業まで絶対服従する事が学生にとっては「自分の正しい練習方法」を見出す早道かもしれませんね。合掌 1/25

「無償奉仕」

今朝は再び厳しい寒さの朝です。近年の毎週の月曜日は銀行・農協・郵便局、時には法務局や税務署などへ出かけることが多いです。週末までに溜まった書類を整理して月曜日に処理するのです。何とも事務処理の多いことでしょう一週間で机の上は山の様に書類が溜まります。

この寺では前住職が教職を兼務して、極力生活の面では壇信徒に金銭的な負担がないように配慮してきた為、お布施だけでは寺院管理費が精一杯で、個人の生活費までは及ばないのが現状です。そこで否応なく世間の様々な仕事に自ら従事してまかなうのです。まあ、半僧半俗の僧侶のパイオニアがこの寺の開祖、教信上人ですから、その事に誇りを持って社会に望まれ貢献できる仕事をしています。ですから、いざ晋山式や落慶と言った大事業では、普段負担をかけてない為に壇信徒が団結して協力をして下さる旦那寺思いの有難い信徒様でもあります。そんな訳で法泉院では住職と言っても会社で言えば社長も社員も事務長も事務員も掃除婦も受付も管理も会計も全てが一人で責任を負う仕事であり無償で働くのです。最近の常識になってるような、お金の為に仕事をするなら許される、仕事と言えば通用する世界でなく、やはりお寺での基本は無償奉仕なのです。

ところで、世の中には尊敬されるプロがいますが、アマチュアの中にはプロ以上の技量を持った人も数多くいます。どちらにしても自分からアピールしなくとも本物は自ら光り、本物を見極められる大衆に尊敬され注目を浴びるでしょう。自分を過大主張する人や企業は危険な香りがします。本物は、そんな争う世界とは別の次元で自らを常に磨き精進して輝きを増し、そして結果的に社会から嘱望され忙しくなっていく人や会社だと思います。合掌 1/24

「料理屋での出会い」

今朝は曇りで星は全く見えませんでしたが、そんなに寒くはありませんでした。思えば近年、熱い鍋を囲んで食べたり、鮮魚を料理する事も、外食も殆どしなくなり、ましては居酒屋で酒を飲むことなど皆無だったのですが、昨夜は久し振りに古い親友と料亭で待ち合わせ、特別なネタを仕入れた板前の料理を肴に歓談しました。隣り合わせた旁々とも話の輪が広がり時間が経つのもいつしか忘れる程、何年か振りの楽しい一時を過ごしました。隣に座った人は日本最大の天体望遠鏡を設置した天文科学館の館長さんで、我々は星の話しに興味深く聞き入り、臨席者は音楽談話や仏教学に興味を持たれ、それぞれの専門分野での話は冗談を交えた酒の席でも深い教養から溢れる知識や経験に感銘を受け合いました。再開を約束していますと終電の時間が迫った為に慌てて駅まで走り、最終電車で酔いも醒めぬ間に帰り着き熟睡しました。合掌。1/23

教信寺貫主:長谷川慶悟=音楽家:長谷川悟

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