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本-開H17年1月第3週本-開

「寒波の写経会」

今朝は今季もっとも冷え込みました。零下の境内は寒いです。東北は豪雪、日本海側は九州まで雪に覆われているようです。この後、南の低気圧が日本に近づくと太平洋側でも雪になるようです。新幹線も岐阜羽島あたりで雪のため減速して遅れています。

そんな冷え込んだ昨日、今年始めての「写経会」を法泉院庫裡でしました。毎月1回一堂に集まり静かに午前中写経をします。もう25年も続いています。参加者は壇信徒に限らず市外からも評判を聞いて、お越しになられる方も増えてきました。般若心経を墨をすって筆で一字一字心を込めて写します。昼前に書き上げた写経を仏壇に供えて一緒に般若心経を読み、世界平和や被災者の追悼、身内や先祖の追善供養、家族親族の合格祈願などそれぞれが誰かの為に祈りを捧げます。

自分の為の利益や諸願成就を「法泉院」では祈りません。いつも誰かの為に、地球の生命の為、自然環境保護の為、唯一自分の為と言えるのは、悟りを開く為に宇宙の真理を体感し、仏陀の教えを学ぶ純粋な心を持ち続ける祈りです。

毎朝の勤行で長いお経を読めば良いと言う訳でもありません。仏壇や仏像は具象でしかありませんが、その先には多くの魂や自分の中の仏心を感じるから敬虔な気持ちや態度で向かうのです。お勤めは短い般若心経でも、ただ一言「南無阿弥陀仏」の口称念仏でもかまいません。その人の心が真実であれば、心の無いお経を読む若い僧侶よりははるかに尊いのです。それが昨日の写経会の後のお勤めだったと思います。合掌 1/22

「成功には自己犠牲を払う」

今朝の冷え込みは厳しいです。新幹線や電車の遅れ、路面の凍結など今朝移動される方は注意してください。

昨夜、世界連邦加古川支部の理事会に久し振りに参加しました。会議前半に東京中野サンプラダホテルで行われた中央大会での京都セラミック会長の稲盛和夫氏の講演ビデオを見ました。京セラと言えば日本では最先端の独創的知能で地球環境に優しい企業として、その製品は世界市場でステイタスを持ってSONYやHONDAと共に受け入れられる企業ですが、やはり世界的な成功を修めたトップの理念や哲学は崇高であると改めて感じました。

自己の欲望を押さえ、近所や市町村、日本から世界のために良い事をしたい。自分の利益だけを追いかけていては、たとえ成功しても直ぐに没落する。それは個人でも国でも同じである。国益だけを主張する日本の政治家や企業も問題である。かつて激しい戦争をしたドイツとフランスやイギリスが国益やそれぞれの主張を乗り越えヨーロッパEU連合を成功させたのは、指導者の崇高な理念哲学が勝った賜であると話されていました。

将にその通りです。その理念は仏教にあるのです。日本の企業や政治家に自己の欲を捨てたアジア地域連合の為に犠牲を払う覚悟と行動ができるでしょうか?世界連邦構築は先ず、地域が手を取り合い助け合い高い理念の元に私欲を捨てる指導者・個人が集合する事から始まるのかも知れません。

稲盛氏の講演を聞いていますと、彼の信念の原点は仏教哲学にあると確信しました。引用される殆どが釈尊の言葉であり、自らも禅寺に小僧として修行を望んだ程だったのです。

宇宙の真理は、膨張と融合の原則にそって全ての原子核や中性子が使命を持って活動するエネルギーに生命が生まれ、現在、我々は五体を持ち知能と心を誰もが持ってますが、実体のない心で感じる美しい真理は永遠の真実であると信じたく思います。

今年、加古川市仏教会長であった父が支部会長におされて発足した世界連邦加古川支部が10周年を迎えます。第一回は湯川秀樹博士婦人をゲストに招き、講演と私どもが平和音楽祭を開催しましたが、10周年には京セラの稲盛会長を講演にお越し頂けるようにお願いしましょうと会議で決まりました。実現すれば、会長の素晴らしいお話が播州地域の中小企業経営者は勿論、老若男女全ての方の人生の示唆になることは間違いありません。是非、実現を祈りたくおもいます。合掌 1/21

 

「地球に優しい乗り物」

今日は大寒で、流石に全国的に冷え込みが厳しく東北や日本海側では大雪になっています。上空には-36℃の寒気団が大陸から張り出してきました。昨日から地球の温暖化防止の為に近距離は自動車を使わないでママチャリで外出を始めたからでしょうか、一変に通常の冬の気温になりました。自転車で所用をこなす為に出かけると、寒いですが、いつもの車窓から見る景色と違い様々な事に目を奪われ新鮮です。また、農協・銀行・郵便局・買い物・逮夜・法事などは渋滞や駐車場出入りなどのロスを差し引くと時間的にもさほど変わらないのです。今は中国やアジアで生産された自転車が6千円ぐらいから非常に易く購入することが出来ます。皆様も近いところへは自動車を使わないで自転車で移動されることをお薦めします。路地で旧友との出会いが嬉しいですし、健康に良く、なによりも地球温暖化を加速させる二酸化酸素や窒素酸化物などの排気ガスは出さない地球に優しい最高の乗り物です。合掌 1/20

「感謝か愚痴か」

世の中には感謝と感動をする人と、怒りと愚痴を言う人に分かれます。何事にも感謝と感動を忘れない人は自己の精神が向上し多くの人に慕われます。一方、怒りと愚痴を言う人は、全ての自分のおちどからくる些細な逆境をも他人や社会環境のせいにしてしまいます。その様な人は身近な幸福そうに見える人や弱者の子供を特定の標的に暴言をはいたり嫌がらせを周到にするようになります。ストーカーの部類ですがエスカレートすると犯罪にもなりかねません。

そうならない為には、どのような逆境に於いても自己形成の為の試練を頂いているのだと感謝し、精進すれば、多くの人から尊敬されるまで向上し同胞と喜びを分かち合える様になるでしょう。しかし、反骨精神だけで自己を向上させると或程度までは成果が出ますが無理もあります。やはり純粋無垢な心で神仏の慈悲とエネルギーを感じながら精進できれば、次元の低い競い合いに動じなく、あらゆる分野でも共通して成功を修める人材になれるでしょう。合掌 1/19

「一隅を照らす」

今日は太陽の光に穏やかな風、厳しい寒気の合間となりました。母は週に5日ヘルパーに支えながら、よたよた歩きでリハビリに通っていますが、日課となりなんとか毎日を過ごしています。姉たちは毎日午後から手伝いに来てくれますが、午前中母が留守の間に昔の茶華道の弟子で校長先生を退職された方や、近所に隠居された元、寺院のご婦人でお元気な82歳の方、また時折グループで壇信徒の旁々が庭の掃除に来てくださいます。誠に有難いことです。

それだけ、毎日広大な境内を母一人で掃除をされていたのを長く見てこられ、また、普段のお付き合いからその母の徳に触れられ尊敬の念を強く持たれたからこそ、脳梗塞で動け無くなくなった母を助けたいと、こうして時折来てくださるのです。

今時の世の中で近年忘れ去られた、恩義や、奉仕をこの旁々は自然にいとも簡単に善行されます。天台宗のスローガンでもある最澄伝教大師のお言葉にある「一隅を照らす」とは、将にこの旁々の行いそのものではないでしょうか。合掌 1/18

「6433人」

 あの阪神淡路大震災からちょうど10年の今日、6433人の犠牲者の冥福を祈り朝のお勤めをしました。被災地各地でも慰霊祭がおこなわれ、現在、生かされてる家族親族の人々が集まり、様々な宗旨や音楽で、今も無念な気持ちで犠牲になった魂を鎮魂に導く行事が続いています。私の場合は「南無阿弥陀仏」と口称念仏を毎朝捧げ、震災復興10周年記念コンサートでは「G線上のアリア」や「アベ・ベルム・コルプス」を演奏して多くの方と一緒に祈りました。どんな形でも結構ですから皆様も祈りの集いに参加して下さる事を願います。どうすればよいか方法が見つからない方は、目を閉じて黙祷を捧げるか、お仏壇が実家や祖父母の家にある方は南無阿弥陀仏と10回お称え下さい。これなら、どなたでも、どんなに忙しくても僅か1分でご冥福を祈れますから、是非、追善供養をお願い申し上げます。合掌。1/17

教信寺貫主:長谷川慶悟=音楽家:長谷川悟

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