本-開H16年7月最終回の法話本-開

 

「三学」

般泥経垣上巻に、なにごとも心がもととなっている。心が世の中のことを楽しめば、迷いと苦しみが生まれ、心が道を好めば、さとりの楽しみが生まれる。だから、さとりを求める者は、心を清らかにして教えを守り、戒めを保たなければならない。戒めを保てば心の統一を得、心を統一を得れば智慧が明らかとなり、その智慧こそ人をさとりに導くと。これこそがあらゆる苦しみから悟りを開く三学である「戒律」「心の統一」「智慧」と書かれています。では、具体的に三学を会得するにはどうすれば良いか、その、悟りを開くその方法に、八正道。四念住。四正勤。五力。六波羅蜜。が説かれています。朝メル最終回の明日と明後日に、上記の中身をご紹介します。合掌。7/29

 

「八正道」

分別聖諦経に説かれる八正道とは、正しいものの見方、正しいものの考え方、正しい言葉、正しい行い、正しい生活、正しい努力、正しい念い、正しい心の統一、以上の8つです。

(1)正しいものの見方とは、四つの心理(四諦)を明らかにして、原因と結果の道理を知り、誤った見方をしないこと。

(2)正しい考えとは、欲にふけらず、貪(むさぼ)らず、怒らず、害(そこな)う心の無いこと。

(3)正しい言葉とは、偽りと、むだ口と、悪口と、二枚舌を離れること。

(4)正しい行いとは、殺生と、盗みと、よこしまな愛欲を行わないこと。

(5)正しい生活とは、人として恥ずべき生き方を避けること。

(6)正しい努力とは、正しいことに向かって怠けることなく努力すること。

(7)正しい念い(おもい)とは、正しく思慮深い心を保つこと。

(8)正しい心の統一とは、誤った目的を持たず、智慧を明らかにするする為には、心を正しく静めて心の統一をすることである。

 しかし単純に自分勝手な考えで正しいと信じても、何が本当に正しいことなのか、判らない事が常であるのが我々凡人です。そんな時こそ、両親に学び、先生に学び、賢者に学び、仏壇を開き内佛やご先祖様に問いかけ、寺社仏閣教会に出かけては神仏の教えを聞くのです。お釈迦様の教えは、人々の悩みや苦しみ、或いは、欲に陥った人々を正しく導くもっとも原点ともいえる教えなのですね。合掌。7/30明日は最終回。

 

「四念住」

分別聖諦経に説かれる四念住とは、

(1)わが身は、汚れたもので執着すべきものでないと見る。

(2)どのような感じを受けても、それはすべての苦しみのもとであると見る。

(3)わが心は、常にとどまることがなく、絶えず移り変わるものと見る。

(4)すべてものもはみな原因と条件によって成り立っているから、一つとして永久に止まるものは無い。

「四正勤」

四正勤とは、

(1)これから起ころうとする悪は、起こらない先に防ぐ。

(2)すでに起こった悪は断ち切る。

(3)これから起ころうとする善は、起こるようにしむける。

(4)既に起こった善は、いよいよ大きくなるように育てる。

「五力」

五力とは、

(1)信じること。(2)勤めること。(3)思慮深いこと。(4)心を統一すること。(5)明らかな智慧を持つこと。

「六波羅蜜」

華厳経に説かれる六波羅蜜とは、 

(1)布施。(2)持戒。(3)忍辱。(4)精進。(5)禅定。(6)智慧。

この6つを修めると、迷いの岸から、悟りの彼の岸へと渡ることが出来ると説かれている。佛典はあたりまえの真理や道理が書かれているのですが、それらをこの世に言葉として示し残された仏陀は、王子として生まれ、裕福で何一つ不自由のない立場や、夫婦や王族家族から離れ、出家され、その後の厳しい難行苦行も意味がないと、静かに発菩提心され、この世のあらゆる物事の「真理」「道理」「因縁」を明らかにしてくださったのです。誰かが、こうして教えてくださらないと、我々人間は常に堕落していくものです。まやかしの浮世は全て迷いと苦しみと、地球環境の破滅へとまでつながる人の欲望は止まる事を知らない。だから、正しい教えを理解し実行しなければならないのです。天理を悟り、天の声を聞いて真実の真理を見失わないために、悟りを求め悟りを開く精進をする人間の輪が大きく広がります様に!そして、嘘や噂で人を判断してしまわないで、双方を自分の真実の目で見て、話を聞いて、物事の上辺だけでなく奥底までも感じ取れる、精進を積んだ自分の正しい目を信じて生きて下さい。

願わくば、この功徳を持って、あまねく一切に及ぼし、我らと衆生と皆ともに、仏道を成ぜんことを!!!!合掌。7/31(お元気で、さようなら!)

教信寺貫主:長谷川慶悟=音楽家:長谷川悟

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