本-開H16年7月の朝メル法話本-開

「四苦八苦」その1

今朝も朝から猛暑です。昨年避暑地の欧州が40度を超える猛暑になり熱射病で何人も亡くなられたニュースを思い出します。今年の盆参りは苦しいお参りになりそうです。四苦八苦するでしょうね・・・。ところで、この四苦八苦の4は8は何でしょう??

最初の四苦は人生の苦悩の根本原因である、生・老・病・死の4つです。これに、愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五陰盛苦の4つを加えて四苦八苦なのです。最初の四苦はご高齢の皆さんにはそれぞれの人生経験から苦しみを実際に体験されながらも乗り越えてこられたとご拝察いたします。若者の諸君もなんとなくお分かりいただけるでしょう?しかし、後の4つは4字漢字で分かりにくですね。では、明日の朝、続きを説明します。合掌。7/21/6:15分

「四苦八苦」その2

猛暑が続いた為、普通の暑さでも今朝はちょっと涼しさを感じます。さて、昨日に続で、四苦は人生の苦悩の根本原因である、生・老・病・死の4つでした。

(生)まれた環境の苦。(老)いて50歳を過ぎれば若い頃のように体が動かない苦。(病)に倒れて難病に蝕まれる苦。(死)にたくないと言う苦しみや、死にたいと思う苦しみ、そして誰しもが直面する死の恐怖。

これに、(愛別離苦)愛しい人や可愛いペットと別れが必ずいつか来る苦しみ。(怨憎会苦)職場や学校の同窓、近隣や住人、嫁と姑や小姑、等といつも顔を合わせ、どうしても憎みあってしまう関係の人と会う苦しみ。(求不得苦)自分の願いが叶わず金・物・愛・自由・権力・地位・名誉などが得られない苦しみ。(五陰盛苦)人間の心身の5つの欲望で、色・受・想・行・識が盛んに起こる苦しみ。以上の4つを加えて四苦八苦なのです。明日は般若心経にも出てくる五陰(五蘊)と、7月最終回の週は苦しみのからの離脱方法を語る釈尊のメッセージです。合掌。7/22

「四苦八苦」その3

今朝は北東からの風が境内を流れて太平洋高気圧を少し南下させてるように感じます。さて、五蘊ですが非常に哲学的であり唯識学的であり難しいのですが、予告しましたので解りやすく紹介します。五蘊(ゴウン)とは賢者が全ての存在を認識する5つの方法の事で、色蘊(物質的・感覚的)、受蘊(感性的認識)、想蘊(取像性的な表像)、行蘊(意識的心作用)、識蘊(対象了別的心の総称)の5つです。

ちょっと難しすぎますね。例えば、いま座ってる机は、木で出来ていますが機能が机と認識します。しかし、加工される前は南洋の原生林に生えてた木であり、何十年後には粗大ゴミとして焼却され排煙として二酸化炭素や窒素酸化物やチリとなって大気に放出され、上空で気流に乗って移動し、海上から上昇した水蒸気と結合して山間部に雨を降らし、草木を育てる非常に科学的論理的考え方です。つまり今は机と認識しても、この世に絶対的なものは存在せず全ては移り変わる物であり、空である。空であるから物事や心の働きに生じる思いに固執執着してはいけない。と言う仏教的論説なのです。今朝は難しくて面白く無かったですね。明日はもう少し分りやすい仏陀の言葉を紹介します。合掌。7/23

 

教信寺貫主:長谷川慶悟=音楽家:長谷川悟

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