本-開H16年7月中旬の朝メル法話本-開

「貴方に流れる先祖の血」

今朝は涼しい風が境内を散歩していました。既に何人かの檀家や信者の方が、本堂や地蔵石仏、先祖の墓掃除に来られていました。ご先祖様に感謝をするお盆もまもなくです。遠いご先祖様の前に、既に遷化されていても、お元気でも、ご両親や祖父母に感謝する美しい日本の行事です。誰でも、貴方がこの世に存在するには二人の両親がいて、その二人の両親にもそれぞれ二人ずつ4人の祖父母がいて、計算すると10代前には1024人、20代前には100万人を超え、なんと30代前には10億人を突破するご先祖様の血が、実際に貴方の中に受け継がれています。その、ご先祖様のカップルの誰か一人でも出会いがすれ違っていたら、今の貴方はこの世に存在しないのですから、なんとも不思議で、縁の深い気の遠くなるネバーエンディングストーリーなのです。そして、貴方の今のご縁が、次の世代に受け継がれ、或いは途絶えるか、それも全て貴方の精進によって変わる運命の縁なのですね。だから、両親や祖父母を大事にして、その縁に感謝するのが、お盆の先祖供養なのです。今年は皆さん是非お墓参りをしてくださいね。合掌。7/18

 

「セミ時雨」

朝の鐘突き、諸堂、阿弥陀石仏、地蔵石仏、ご廟所、先祖墓と毎朝お参りしていますが、今朝の蝉時雨は私のお経の声と競演するかのように大合唱となり境内に響きました。

いよいよ梅雨が去り本格的な夏到来です。と言っても、既に5月から真夏日が続いてるような気もしますがね。。

セミ達と一緒にお参りした今朝の祈願は、熱射病やクーラー冷し過ぎにより体調の崩れ、脱水症状、食中毒、水難、交通事故など様々な厄や災害に皆様が遭わないで、この世の災難から逃れられますようにと、大音響でお祈りしてたのです。合掌。7/19

「執着心から離れて見る」

今朝は執着心の話。人は皆、生きるのが苦しいと思うときがある。恵まれた環境に居ても、貧しい環境に居ても、それらの生活が逆転する時も、望みが叶わない時も、様々な欲望や煩悩によって生じる執着心は、我が為の欲望から離れられないから苦しい。いつしか固執する「生きる支え」を乗り越えれれば苦しみから逃れられる。自分の為に物事を考えるから苦しみが生まれる。我が為の執着心から離れ、他が為に「一日一善」でも働けば苦しみが喜びに変わる時がやって来る。いま、心にある自我の執着(名誉欲・財欲・物欲・権力取得保持欲)を捨てて生きる。ただ、無我夢中で無心無欲に、与えられた運命の中で「七つの施し」に勤めながら、誰もが持ってる自らの仏性を見出し、悟りを開く為に精進する。其の為には余計な執着心を捨てる努力が必要です。しかし、生命力に直結しているものは否定できない。それらを悟りへの飛躍台として与えられた人生の最大の課題として受け止めなければならないのが煩悩である。と言う説もある。7/20

教信寺貫主:長谷川慶悟=音楽家:長谷川悟

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