H16年3月の教信寺だより
<<第4週>>
「刀田の太子さん」
今朝は雨。気温も低く7度です。加古川市内に天台宗の寺院は2つしかありません。それも本山の比叡山より古い歴史を持つ教信寺と鶴林寺です。両山とも代表的な行事は昔から住職がお互いに出仕しています。今日は鶴林寺へ行く日です。その行事は太子会いわゆる「刀田の太子さん」で雨太子としても知られる通り、やはり雨になりました。太子とは勿論、17か条憲法を定めた聖徳太子をお祭りしています。憲法第一文は、一に曰く、和を以って貴しと為す、で始まる憲法ですが全文を覚えてる人は少ないでしょう。仏教を日本の国教として平和を願う倫理感あふれる憲法です。今日の憲法改正問題とは次元が異なる、個人の精神的向上を促す素晴らしいものです。一度機会があれば読んでみてください。合掌。3/22
「七難即滅」
気温は8度。今朝は晴れて陽気も戻ってきそうですが境内の桜は先般お伝えした早咲きの2・30輪のまま待機中です。昨日は鶴林寺での太子会は大雨でしたが、今日は本堂で大般若経600巻の転読の後、修験道行者が全国から集まり護摩供養が行われます。護摩木が燃えた後の真っ赤になった墨の上を裸足で歩く、恒例の「火渡り」があります。不思議な事に、雨の太子さんですが、この火渡り護摩の日は雨が降ったことが無いのです。一般の方も行者さんの後を火渡りできます。是非、ご参加下さい。不思議に誰も火傷しないで渡れるのです。そして、渡った人は、徐霊され、七難即滅され、一年間病気や事故に合わないのですよ!特に海外旅行や人生の岐路に立つ大事な行事を控えてる人にお勧めします。合掌。3/23
「記念写真」
今朝の気温は11度。曇りです。境内の桜の開花は早かったのですが、後が続かずツボミはピンク色に皆そろって準備万端待機中です。今週末から来週中頃が見ごろになりそうです。昔は4月8日の花祭り(お釈迦様の誕生日)から入園・入学式あたりが満開で、多くの母子が境内で記念写真を撮られた事でしょう。記念写真を見るたびに、その時代の記憶が一気に戻ってきます。教信寺境内で記念写真を撮られた毎年のぴかぴかの一年生が神仏・諸菩薩の加護を得て、健康で幸運な人生を送られてることと信じます。合掌。3/24
「よ〜く考えよ、お金は大事だけど・・・」
今朝の気温は10度。曇りです。3月25日は年度末の支払い振込み集金で道路はいつもより混雑が予測されます。私も教信寺と法泉院の収支決算に追われる昨今なのです。請求書や領収書の山をチェックして総代会に諮る為です。経理的には一般収入の無い貧乏な寺院ですから会社で言えば自転車操業です。しかし、法人とは収益を目的とするものでなく、それぞれの分野での福祉ボランティア精神ですから致し方ありません。それでも、毎月の子供達への仕送りや里親ボランティアや経営までも、出稼ぎから捻出しなくてはならない苦しい台所事情です。世の中、家族愛までが、お金至上主義になってしまってる昨今に志や福祉ボランティア、親孝行の復権を願う次第です。合掌。3/25
「命を育む春」
今朝の気温は11度、晴れです。境内の桜は2本目の木が開花しました。当初の予測より気温が上がらず、見ごろは週明けからになりそうです。庭に新芽が息吹、様々な草花が春の喜びに溢れるエネルギーをばっちゃんも頂戴して、元気になられたように感じます。相変わらず脳梗塞による言語障害で聞き取り難いのですが、住み込みで介護しながら和裁や茶華道を学ぶ姪の三千の通訳により来客の皆さんもお話ができますよ。命を育む春は、誠にありがたいものです。合掌。3/26/04
「大人は太陽、子供は新芽」
今朝の気温は11度。晴れです。境内の桜も最も日当たりの良い木から開花しはじめます。日の出から日の入りまで日陰の無い枝が早いのです。子供たちに親がする事は、大人は太陽に学び、訳隔てなく日陰を作る環境を避けて、いつも子供たちに光を沢山与え続ける事かもしれませんね。太陽光をオゾン層を通さずに直接浴びると危険でもあるます。目に見えないベールで包み込んであげる事も大事ですね。そうして育った生命が人生を終えて転生し、また、太陽になって新しい生命を育む。宇宙の中の地球は素晴らしい生命維持装置です。南無阿弥陀仏。合掌。3/26。P.s明日と明後日は朝メル休刊いたします。
「居候の代筆」
今日の天気は晴れ。気温は12度ぐらいでしょうか。少しずつ朝の気温も暖かくなってきましたね。
鐘つき後、本堂の隅に弱って動けなくなっている1羽の鳩を見つけました。意識も薄れている様です。 この間も本堂で雀が死んでいるのを見ました。きっと鳥たちは、お釈迦様に導かれてたどり着いた本堂で死を迎えたのでしょう。鳥インフルエンザで、死んでいった沢山の罪無き鳥たちに。なむあみだぶつ。 合掌。3/28法泉院居候西川三千 記。
「音楽は仏道実践」
気温17度、曇りです。昨日までの出張で広島平和記念大聖堂辺りの桜は満開寸前でしたので教信寺の桜もこの3日の留守の間の陽気で満開になったかなと思いましたが、今朝のお参りではまだ3部咲きでした。毎年の中国地区の門下生の発表会では東京・兵庫・和歌山・島根・山口から広島に集結して、参加者全員が心を込めて一生懸命演奏する姿に感涙致します。そして昨夜は約30年続く広島アカデミー合奏団のメンバーである私が出演し、モーツアルト協奏曲の全曲演奏会ラスト3回目の演奏しました。ソリストにパリ音楽院教授や広島出身の国際的ソリストによる素晴らしい独奏や室内楽団を、久しぶりに私のコントラバスの響きでアシストして来ました。オーケストラや室内楽に於いて、コントラバスの役目は隠れた存在でありながら無くてはならない土材であり、大きな包容力で後ろから支えて尽くす、将に仏道実践の様に充実感を感じる広島出張でした。合掌。3/30。
「当たり前を、当たり前と思うな!」
3月31日。気温14度。晴れ。昨日の雨から今朝は朝日がこぼれる日和となり桜は3部咲き、モミジの新芽が柔らかな光を受けて境内は新しい息吹で蔓延しています。教信寺も景観は静かにも、法人としての寺務の年度末収支決算に経理部を置けない貧乏な代表住職は無償労働奉仕で時間に追われる一日です。一方世間では、明日から新年度。学生諸君は入学、進学、進級。会社では新入社員。新役員人事。装いも新たに再スタートです。夢膨らませ、希望に満ちた新年度にも、快適な環境を提供する、そうした影の努力で支える方が居られるから、心地よく迎えられるのですね。どんなことも、「当たり前を、当たり前と思うな!」と言う言葉を忘れてはなりません。そして、今の自分が生かされてる全てに「御陰様で!」の感謝の気持ちをいつも持ち続けることが、もっとも大事な観桜の心得です。ただ花が咲いてる!だけでは感動が半減します。その、太陽や自然の恵みから管理手入れする人の労働までの因果を深く味わう事が貴方の心に真の喜びをもたらすことでしょう。今週末が教信寺境内の桜が満開になるようです。是非、観桜にご参詣くださり、法泉院庫裡から音楽館まで感動の笑顔を届けてくださる事をお楽しみにしています!南無阿弥陀仏。合掌。3/31。
次回の朝メルシリーズは6月と7月です。それまで、皆さんごきげんよう!購読ありがとうございました。 教信寺貫主:長谷川慶悟=音楽家:長谷川悟
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