本-開教信寺だより本-開

(シリーズその38)

「六道能化地蔵菩薩」

お盆と施餓鬼の後、夏の終わりは地蔵盆。ところで、毎年お盆で先祖のお墓参りした時、霊園の入り口の六地蔵さんにもお花やお線香を捧げますが、何故6体なの?と、よく聞かれますが、皆さんご存知でしたか?最も親しみ深い仏様の地蔵菩薩は、大地のように全てを受け止め生命を育む様に、全ての人の苦しみを受け止め、友達のようにいつも寄り添って下さり、そして、貴方がどんな世界にいても現れて救ってくれる仏様なのです。では、これら人が必ず通る苦悩の六道の世界は、どんな世界なのか、明日から6朝連続で紹介します!お楽しみに!合掌。8/19

「地獄道」

さて昨日のお話しは、どんな苦しい場面にもお地蔵様が救いに来て下さることから、悩み苦しむ六つの世界の六道(ろくどう)を説明する事になりました。さて、その六道の第一番目が「地獄道」です。近年では辛い事を地獄のような苦しみとか、悪い事したら地獄に落ちるとか、地獄・極楽と普段から広く使われている言葉です。母の里のお寺に行くと地獄絵が掛けられていて、針の山、煮えたぎった熱湯の釜、血の池、鬼にこん棒で殴られ逃げまとう亡者達が描かれています。そんな生きながらの苦しみを受ける世界が地獄道なのです。幼少の頃「嘘をついたら閻魔様に舌を抜かれ、悪いことして死んだらあんな地獄に行くよ!」と、その地獄絵で教えられ、ずっと童心に信じていました。合掌8/20

「餓鬼道」

前回のシリーズ無財の七施でも説明しましたが、六道の2つめは「餓鬼道」です。簡単に言えば満足できない、よくばりの世界です。空腹でたまらなく目の前の料理を口に入れたその瞬間、咽を通らず消えてなくなり、いくら食べても満腹にならない世界にいる人たちの事を指します。人から頂いた物質も、愛情も、恩義も、気配りも、ただ欲張りむさぼり続けて、結局なにも身につかないで満足できずに苦しむ世界です。そんな苦しみから逃れるには、ささやかなものでも頂いたら感謝して恩を記憶に残し、社会にお返しをする事を忘れない事ですね!合掌8/21

「畜生道」

残暑が盛夏より暑い異常気象が身体にこたえますね。さて、今朝は六道3つめの「畜生道」です。最近はチワワなど小型犬が人気で、マンションでも犬やネコは勿論トカゲやワニなどのペットを飼う人が増えたようです。そして毎月数十万円ものお金を飼育にかけているそうです。しかし、ペットと意思の疎通はできても、決して恩を返すことがないのが畜生です。ただ餌をもらえるから言う事を聞いてくれてるだけなんですね。それでも、可愛いからまた愛情を注ぐ。しかし、義理や恩はむなしくも通用しない、けれど、自分はそれでも癒されてる、そんな苦しい世界を畜生道と言うのです。合掌8/22

「修羅道」

六道の四番目が修羅道です。簡単に言えば喧嘩ばかりしている世界です。本当は生涯寄り添って助け合うと誓って結婚したのに意見がぶつかり夫婦喧嘩になるぐらいならいいですが、裁判に訴えたり、夫婦の友人知人まで巻き込んだり、いつしか双方のグループで戦い憎しみ合いう。これが、地域や国家権力が武力で喧嘩すると大量殺人につながる爆撃の応酬となる戦争に発展します。恨みが恨みを生み、財力のある国は空爆、そして空爆された国は自爆テロ。一瞬にして永遠の別れを余儀なくされる家族。地球上の利益・利権争奪戦から早く人類が脱却して平和な世紀を確立しなければ、地球自然破壊にもつながり、今日までの100年間の人類が起した修羅場で急速な環境汚染悪化による生物絶滅の危機が直そこにまで来てる事に、早く全人類が気づかねばなりません。喧嘩や戦争をしている場合じゃないのですね!合掌。8/23

「人間道」

今朝は地蔵盆、境内に朝5時頃より多くの子供連れの老若男女が次々とお参りに来られてます。そうした私たちの願いに地蔵菩薩様が現れ救ってくださるのですが・・・・。しかし、道を求めて生きる事はいつも苦しく、楽を選んで余計に堕落したそれぞれの六道はもっと苦しい、その六道の5番目とは「人間道」です。この人間道は自分の事だけを考え、他人のことはあまり考えない世界の事です。何をするにも、やはり自分が一番かわいいし、自分を傷つけたくない!だけど、結局は、回りまわって他人から傷つけられ苦しむのです。どうすれば、その苦しみから逃れられるのでしょうか?良くも悪くも我々人間は人間でしかありません。合掌8/24

「天上道」

いよいよ六道シリーズの最終回の6番目は天上道です。一昔前の子供は誰もが立派な夢や希望を抱いていました。崇高な精神や理想を子供に説き示す親も希になり、近年の子供たちの目標は「お金持ちになる事!」だけになってしまったのです。豪邸に住み、高級車に乗って、海外旅行を繰り返し、贅沢な外食を楽しむ事が人生の目標だそうです。そかし、たとえ王族や富豪に生まれても、乞食でも崇高な精神を持つ事で成功者となり、後から勝手に富が付いてきたとしても、世間から嫉まれたり、破産して失墜したりするのは、生者必滅の掟で、結局は「天上道」も苦しい世界なのです。しかし、これら苦しい六道においても西方極楽浄土に向かって阿弥陀如来におすがりすれば、お地蔵様を派遣して我々を救ってくださるのです。来月9/13〜15は念仏さんです。教信上人様がお亡くなりになられて1138年になります。復興した教信寺に是非お参り下さり、上人がこの加古川で初めて口に称えるお念仏を郷土の人々に示して下さった事に感謝して、ご一緒に阿弥陀仏の称名念仏をなさいませんか。合掌8/25

 

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