本-開平成24年元旦Cb和尚さんより年頭のご挨拶本-開

 

謹賀新年  平成二十四年元旦

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。旧年中は、お世話になりました。特に寺総代世話人様や奉称連の皆様には、四年に一度の教信寺年番を努めて頂き有難う御座いました。お陰様で教信寺の年間行事で、懇ろに縁者皆様の先祖供養が営まれました。

 しかし、旧年の東日本大災害では、未だに行方不明者も数多く、全てを失った被災者は、仮設住宅で新年を迎えられています。

そんな気の毒な状況でも、心あたたまる助け合いや、食料物品の分かち合いが広まり人々は多方面からの慈愛に感謝されていると、物資を届けた同僧から聞きました。

 思えば、阪神淡路大震災を経験した阪神間でも当時、家屋を失った人々の間には、同じように助け合う慈愛の精神が溢れていました。ところが、復興を成し遂げると共に再び欲が渦巻く阪神間となり人情が薄れてきた様にも思います。

[法話]四つの「は」の字

 丁度、昭和の大戦からの高度経済成長に同じ様に失った、二つの[は]の付く字が有ります。それは「恥」と「はじらい」です。相次ぐ政財界の汚職事件や扮飾決済事件。昔は疑われただけでも汚名をそそぐ為に切腹か辞表を書いたものです。しかし、今や次回の選挙で当選すれば「みそぎ」は終わりとするのです。立候補するのもあつかましいですが、投票する側が自分の利害だけで選ぶのも罪ですね。昔の日本人の原動力は恥辱感だったと言えます。「お天道様やご先祖様に申し訳ない」「そんな恥ずかしいことは出来ない」等でしたが、今や風前の灯火です。そして残った二つの[は]は、「はれんち」と「薄情」です。新年からは、日本人が大切にしていた心の復興も成し遂げつつ被災地にエールを届けたいものです。諸悪莫作 諸善奉行。合掌 慶悟 

 

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